25.無謬の不死殺し、ディオネロ(2)[ボスが即死武器持つのってズルくない?]
一人称も面白いなぁ、と気づく( *¯ ꒳¯*)
自由度が広がったᐠ(ˊᗜˋ*)و
追記:絵文字オモロイ
「――ガぁハァあ゛あ゛――――!!!(吐血)」
「……あ?」
[【自己暗示】を任意発動]
⇒『惚けるな私』
⇒『動け体』
「――――ちっ!!」「――――ッ!」
サクとカラミディアが同時に動き、レンに手を伸ばす――だが、その一瞬が遅かった。
「オ゛エ゛ェ゛――――ァ゛ッ゛グッ!?(――バギィッ!!)」
首に刺さった『骨の槍』が強く引かれ重厚な扉に顔を打ち付けると、レンは開いた闇の奥へと引き込まれていく。
「レンっ!!」
「クッソ!!」
伸ばした手が空を切り、二人の叫びが虚空に散った――。
――――――――――――――――――
(――いってぇ! 鼻折れたうえ、また首刺された痛ぇ!)
勢いよく引き込まれたレンは『黒い靄』の伸びた『骨の槍』に貫かれながらも依然、意識を保っていた。
それはひとえに『抵抗』の恩恵と数多の『痛み』に慣れた経験によるものだった。
(――あ。引き寄せられてるんなら……このまま攻撃すればいいかっ!)
引かれた先――そこに佇むは、熱の揺らぎを纏い、黒い鎧を身に着けた巨躯の男――ディオネロ・エレナス。
その傍らには『砕け散った白銀の盾』と『空となった神薬の霊管』が一本落ちていた。
(――やけど痕が少ない……回復したのか? ――でも関係あるかぁ!!)
左手には、『深淵』が輪郭を覆い隠した『不死殺しの槍』。
右腕には、レンを貫いた『骨の槍』の石突に続いて『深淵』が絡みついている。……どうやら、『深淵』が紐の役割を担っているようだ。
レンは引かれた勢いに逆らわず、むしろ踏み込んで急接近。
左腕の『黒煤』を大きな刃に変化させ、ディオネロに振り抜いた。
「ヴゥ゛オ゛ォ゛――!!」
「――卑怯ならざる手の者。どのような英傑かと思えば……暗き時代の産き児であったか」
低く落ち着いた声。それは嘆きとも、審判ともつかぬ響きだった。
ディオネロが迫りくるレンを一瞥する。
左手に握った大槍を静かに構え――一閃。振り抜かれる黒刃とぶつかる――
――――ッブゥワァァッッ…………――
寸前――黒煤の刃が『霧散』した。音も、抵抗も、衝撃さえなく一瞬で。レンの『想像し得ない結果』で。
「(――え?)――――ッぐェ――ッ!!(ッジャリン!!)」
『その現象』を目にし、思考が追いつかないままレンの体が硬直する。
その隙にディオネロは『骨槍』の柄を握ると、それを地へ強く突き立てレンを串刺しにした。
「――炎は消え、血は灰へ還る。……無垢ならざる幼子よ、命に縛られし者よ。生の灯火を消し、この醜い世界を呪え」
それは詩のような断罪。
言葉に合わせて『大槍』が――レンの心臓目がけて振り下ろされる。
「ぐぅ゛――――ッ!!」
レンは咄嗟に分厚い『黒煤の壁』を胸の上に展開する――――しかし。
――――ッブゥサァァッッ――ザッシュ!!
「ヴぇっ――ッ!!?」
輪郭の無い刃が黒煤を、それと同じ黒煤を霧散心臓を貫いた。
「その命、燃え尽きるがいい――」
黒い鎧が軋む。大槍の穂先に宿る『深炎』が、レンの傷口から淡く燻っていた。
====================
[リンッ――〈外燃抵抗〉を得ました]
――
[リンッ――〈内燃抵抗〉を得ました]
――
[リンッ――〈呪死抵抗〉を得ました]
――
[リンッ――〈粘焼抵抗〉を得ました]
――
[リンッ――〈深炎抵抗〉を得ました]
――――
――
[――〈瀕死抵抗〉が強くなりました]
――
[――〈即死抵抗〉が強くなりました]
――
[――〈致命抵抗〉が強くなりました]
――
[――〈絶命抵抗〉が強くなりました]
――――
――
[※【剣魔錬創Ⅰ】が発動]
⇒一時的に[幸運]極化補正
――――――――――――――――――
――――ッガンッッ!!
扉をこじ開け、広間へ踏み入ったサクとカラミディアが最初目にしたのは、地面に串刺しにされた片腕のないレンと、輪郭のない大槍を振り下ろすディオネロの姿だった。
「――この醜い世界を呪え」
――――ザッシュ!!
「――ヴぇっ――ッ…………!!?」
「「――――――」」
[【明鏡止水】を任意発動]
「――――ッ!!(ッダン!!)」
その光景を目にした瞬間、最初に動いたのは――カラミディアだった。
剣先を下げ、疾風のごとく突進する。
そしてサクは――冷静を装い、自分のすべきことをした。
(――――――)
――袖裏から『血』を汲み取り、反しの付いた『銛』を形成――
「その命、燃え尽きるがいい――」
――それを勢いよく、投擲。
――――ッブォンンッッ!!
腕がアンダースローの軌跡を描き、『隠密性』を纏った『血の銛』が唸りを上げて放たれる。
その狙いは一寸の狂いなく――――レンのこめかみに突き刺さった。
――――ッザッシュ(ビクッ)!!
「――――っ?」
ディオネロは『事切れたレン』から二本の槍を引き抜き、迫るカラミディアに構える。
そして一瞬、視線をサクへ向けると良く通る低い声で問いかけた。
「……手元が狂ったか? それとも、『慈悲』という訳か? もう一人の幼子よ……」
「――勝手に勘違いしてろ、ボっ、ケぇッ!!」
何の感情も悟らせない目をしてサクはディオネロに言い返す。
そして次に、『骨の槍』のように繋いだ『血の紐』を勢いよく引っ張り、『レンの死体』を回収した。
「しかし無念だ。もうじき、その骸からは『黒き根』が生える。ここに至る有象無象と同じように――
「――イギャァァァァいでぇぇぇぇぇえええ、脳漏れぇぇぇぇえぇぇええ――!!?」
――そして、このタイミングでレンの技能が発動する。
[リンッ――【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]
⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 3/10
[リンッ――状態異常[激痛]を検出]
[――〈痛覚抵抗〉が――――
―――――――――
――――――
――――
――
『サクのトドメ』から息を吹き返したレンは『液体』に戻して抜かれた『銛痕の穴』を押さえてのた打ち回る。
それに対しサクは――『レン! 痛みを飼いならせ! シャーだ、シャーー!』と、自分でも意味が分からないエールを送っている。……『精神の切り替え』が早い、サクらしい対応だった。
「――痛てぇぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇえ――!!!」
その光景を迫るカラミディア越しに見て、聞いていたディオネロは――その黒く濁りつつある瞳を大きく見開いた。
「……あり得ぬ。どういうことだ? 『不死殺しの槍』が、確かに心臓を貫いたはず。――っ」
――――ッギャリン!!
「よかった……ッ――サクっ!! 後は指示通りだ! レンが万全になり次第君たちは援護に回れ! ――はぁぁあ!!(鍔迫り合いから押し込む)」
「――屈辱を与えてなお抗うか……『黒銀の英雄』」
「――『エレナス公』。古き世の英雄っ! 深淵の堕ちたあなたを、今度こそ討つ!」
黒き死の根の張った広場の中央で、二人の『英雄』が激突する。
黒炎と深炎、大剣と大槍が交差し、轟音とともに薄暗かった空間をさらに黒く染め上げた。
――――――――――――――――――
『堕ちた元英雄』と『黒銀の竜人』がぶつかり合った頃。
レンの胸と頭の穴は塞がったが、傷口に残った粘つくような『暗い炎』だけはなお消えず燃え続けていた。
「――――ヒっ(ゾリィッ)――ぐゥ~~~〜ッッ!!」
消せないと悟ったレンは『暗い炎』を燃える肉と一緒に『黒煤』で抉り取る。
すると切り取った肉片はそのまま燃え尽きてしまった。
「(激痛)~~~~っっ――なんだこの『灰色の火ぃ』。黒煤で密閉しても消えなかったぞ……『天照』かよ――いでぇっ」
霧散した『黒煤』で服と左腕を創り戻しながら、レンは視線を横へ――右手首を強く握り、無言で『ジッ』っと見てくるサクへ向けた。
「――お前、生きてるな(ジィーーー)」
サクはレンの右手首をさらに強く握り締め、聞いた。
「……見ての通り、生きてます。……あと、ごめん。ありがとう」(――殺してくれて)
その謝辞にサクは握る力を緩め、短い息を吐いた。
「……ふぅーー――いや、最初お前に庇われたからな、お互い様……か? 殺してるけど?」
サクが鼻で笑いながら続ける。
「――あと、私が言ったあの『頭の悪い案』だけどな――――次からは自分で『ヤレ』……また私にやらせるな、馬鹿者……」
「ん。……すんませんでした」
――この二人の言葉の裏には、以前語った『不死殺しの槍の無効化』という内容が関係していた。それが――
『呪いの槍でトドメを刺されるよりも早く――レンが『自害』、またはレンを『他殺』すればいい』
――それが、サクの提案したぶっ飛んだ――『槍』の仕組みを逆手に取った狂気的な『理屈』だった。
「――私は、自害・他殺が嫌なら『死ぬ気になって立ち回る』だろう、って思ったんだが……『色んな意味』でお前の『運の無さ』に同情したぞ(ジト目)」
「いやぁ、この世界に『転生』した時点でサクも同じじゃね?」
「お前には負ける」
「いやいやいや――」
――しかしあの時。レンは自殺が遅れ、それより早く心臓を貫かれていた。
それなのにどうして『その瞬間でも生きていた』のか。それは、レンの技能――『死に関する抵抗』にあった。
心臓への一刺しを『致命』から『瀕死』に変え、サクの頭を狙った一投が『トドメ』となる。
その一瞬の『噛み合い』が『幸運』にも起きていたのである――。
「ふぅ……っし、切り替え! 次だ――」
落ち着いた二人はその後、急いで言葉少なに『情報のすり合わせ』をする。
「――奴は『神薬の霊管』を持ってて、奇襲は失敗――でもないな。どういう訳かカラミディアの言ってた『炎封じの盾』は壊れてるし。……んで、レンの『黒煤』は『骨槍に無力』で、『靄槍には散らされる』、と。……お前ほんっと『運』ないな。『疫病神』でも憑いてんじゃないのか?」
いつもの調子に戻ったサクがレンに言った。……当たらずとも遠からずな事を……。
「わっとるわい! ――でも、『骨』の方はサクたちにも『効く』やつだぞ絶対」
そう言ってレン、それとサクが中央で闘うディオネロの持つ『二本の槍を視た』。
[≪霊獣の槍≫:飢餓のマシスが振るっていた獣骨の槍。極めて軽量であり、鋸のような刃が敵の肉を醜く抉る。槍身は生者以外に干渉せず、生きた血肉だけを容赦なく貫く。その一振りは飢えた獣牙のように荒々しく、生者を『得物』としてしか見ぬ『霊獣』の本能を映している。この槍は持ち主の理性と信仰を削ぎ落とし、ただ血肉を裂く欲求のみを残す]
「――『生者以外に干渉しない』。これがレンの『黒煤』を『すり抜けた』んだろうな。防具はおろか、武器での防御もすり抜けるとか……卑怯だな! 『英雄』の風上にも置けん奴めっ!!」
「門番戦で有用性を示したのに、即落ち二コマした俺の『黒煤』……」
サクが開示した情報を読み取って吠えた。
レンは相手が『完全アンチ装備』であることが判明し、嘆いた。
「――仕方ない。『骨の槍』はカラミディアに任せるか。今も完全に『封じてる』しな」(――あと、もしかしたら私にも『防げる』かもだし……)
そう結論づけた二人の視線の先には、『竜化』させた右腕で『骨の槍』を防いでいるカラミディアが映っていた。
「鎧も武器もすり抜けるなら、それより硬い『外皮』で防ぐ。竜人のカラミディアにしかできないことだな。羨まし……くはないか」
「その言い方は失礼だろ。……それより『問題』なのは、あのモヤ付いた槍だよ」
「ああ。本当に『キビシい』な……」
レンとサクに視界に映る『表示』に、もう片方――『不死殺しの槍』の情報が開示されていた。しかしその内容は――
[≪葬祈ノ大槍≫:不死殺シノ大悪魔“Zεin”ガ振ルッテイタ忌槍常ニ深淵ノモヤヲ纏イ輪郭ハ歪ミ続ケ視ル者ノ眼ヲ蝕ム急所ヲ穿タレタ者ㇵ内側カラ《黒枝ノ呪ィ》ニ絡メㇳラレ骨肉ㇲラ穿チ尽クセラレル――コㇾハ■■■ニヨッテ創ラㇾタ遺物ナニモノヲモ貫キ通ス神ノ槍《癒シ》ヲ根源カラ拒ミ《祈リ》ヲクチニㇲルヨㇼ早ク喉ヲ呪イ塞グソレハ正シク『不死ヲ葬ル為ノ槍』ナリ救済ヲ拒ム無謬ノ審判]
((くっそ読みずれ~~~!!))
「五行も無いが……――くっ、殺せ!」
「サク! 『くっころ!』してないで読んでっ、ヒント読み取って! カーラさん戦ってるから! ――いや、これニホン語!?? ぜんっぜん読み進まねぇ~!!」
「っち――苦行ッ!!」(こんなもんゴリ押しじゃ~~!!)
[【明鏡止水】を任意発動]
[【明鏡止水】を任意発動]
[【明鏡止水】を任意発動]
[【明鏡止水】を任意発動]
――――
――
「ぅぅ〜〜――――――――よぉんだ! 分かった!! あ~~…… 『輪郭隠蔽』と『蘇生無効』。えっと……『万物貫通』……『治癒無効』、みたいな効果だっ、多分ッ!」
「おお~~……って、やっぱり俺の『黒煤』効ねぇんじゃん!!」
「――ドンマイだレン……あっあと『黒煤』で創った投げナイフ三、四本くれ」
「いいけど(手渡し)……あいつには効かないぞ?」
「本当に『効かない』かを確かめるんだよ――」
「??」
――――――――――――――――――
――――ガンッ! ザァッ! ドォーーッ!!
黒銀の鱗が骨の穂先を弾き、歪な大槍が空を切る。
『黒炎の輪』が空気を焦がし、大剣の振り下ろしが床を叩き割る。
忙しなく変わる戦況。二人の猛者が織り成す苛烈な衝突は、第三者の割り込む隙すら許さない。
「――黒銀の英雄、一つ問おう。姉上――『ヂツタ・エレナス』は如何にした……」
技の応酬の最中、ディオネロは感情の無い貌でカラミディアに問う。
「……かの『聖女』は……死ん、だっ(ッギン)」
彼女は槍を弾きながら言葉短く、簡潔に述べた。
「――――そうか。……ようやく、逝かれたか……姉上――――――ようやく」
そのつぶやきに宿る感情をカラミディアは理解できなかった。ただ一つ――『安堵』のような雰囲気を感じる以外に……。
「――っ! スゥーー、――――――ッッッ!!!(放射)」
一瞬生まれた空白。
カラミディアはその隙を見逃さずいっぱいに空気を吸うと、目の前のディオネロに広範囲の『黒炎』を吐き出した。
[〈焦黒の吐息〉:『黒炎』を広範囲に吐き出す。焦熱効果。『変異種』固有魔術]
「――っ! ――――!」
『白銀の盾』を失い、炎への対抗を欠いたディオネロは俊敏に後退――そこへすかさず、『黒いナイフ』が高速で投擲される。
「(――白髪児の得物か)……脆い」
――――ッブンッワァァァァア……!!
彼は大槍でナイフを散らし、カラミディアから大きく距離を取った。
「――一分稼ぐ気で行ってこいレンっ!!」
「『逝』ってきまーーす――『逝』くゾぉゴラァァァーー……!!!!」
(レンのヤツ、ニュアンスに自虐入ってないか……?)
入り込む余地のなかった戦闘。そこに生まれた空白に被せて、サクの号令と同時にレンが突撃する。
「ッ! レン――「カラミディアっ予定変更ッ情報共有ッッ大至急!!!」――あっあぁ……」
レンを止めようとしたカラミディアの声をサクの捲し立てが上書き。
そして彼女は早口に『知り得た情報』と、勝つための『作戦』を一気に伝えた――。
――――――――――――――――――
「――次は貴様か、白髪児。……暗き時代に生まれた哀れな者よ、いかにして『死の呪い』を覆した?」
「――知らん!!」(悩んで苦しめ!)
無知、無謀。そこに与えられた『有策』を引っさげ、小柄なレンが両手に『黒い大剣』を握り突撃する。
「ならば、その体に再びの『死』を刻むまで。『黒き枝』が貴様を貫く一時まで――(ッシュ)――!!」
射程を把握した速攻の一突き。
警戒の薄かった『逆の手』が疾走し、レンの心臓を狙う。
「――――っ」
瞬間、レンの瞳に光が帯び体が反応した。
それは反射的な動きではなく、意識的な――『集中力』を増した眼が槍の疾走を捉えた結果のものだった。
体軸を一寸だけズラし、左胸から左腕――『黒煤』で形成された部位を前へ出す。同時に、その腕で『黒煤の大剣』を突き出した。
――――――(スゥーーー……)
『肉体』にのみに有効な『骨の槍』は案の定、黒煤の『腕』と『剣』をすり抜ける。
「――肉体なき体か。……『死の槍』で散りゆく様は、まるで儚い『灰』のようだな(――ザンッ!)」
しかし、奇策のような一撃は冷静に振るわれた『大槍』に霧散された。
「――ふんっ!!」
それでも怯まず、レンはさらに前進。
右手にも握った『黒い大剣』を豪快にぶん回す。
「――浅はかなり」
無感情な声に微かな『失望』が滲んでいた。
ディオネロは『大槍』を素早く切り返し、大剣を貫く――
――――ッブォ――ッギャリンッッ!!!
「っ――――!」
軽く払った『大槍』はしかし、黒煤の『中に隠れた剣』――――『赦鋼の大剣』により力任せに弾かれた。
「う――っらァ!!」(『下剋上』と『その他』で『力』は負けてないはずッ!)
体勢を崩したディオネロに追撃するレン。左手に新たな『黒い大剣』を創り猛攻を仕掛ける。
「(っヒョイ)――――奇怪な体だ。姉上の『奇跡の左腕』を思わせる、『再生の奇跡』。蝕むことを厭わぬ、狂いの『御業』……嘆かわしい『力』だ」
しかし、巧みな槍さばきとフラフラした独特のステップにより猛攻はいなされ――挙句、『黒煤』の大剣や左の手足が次々と霧散される。
間隙に放たれる両手の凶槍。
それをレンは、『大槍』を最優先にして避ける――結果、体の至る所を貫かれていく。……それはまるで、得物を弄ぶ『捕食者』のような手加減に感じられた。
「(くっそ当たらねぇ! なら――)ぐぅ――ぅ゛!」
痛みに騒ぐ暇もなく、再生する体に鞭打って左脚を長い刃に変える。
乱れた呼気と共に横薙ぎの斬撃を放った。
「(待ち構える)――――」
レンが脚を変化させた瞬間、ディオネロの反応は既に始まっていた。
得物を引き、右の『骨槍』で『心臓』を、左の『大槍』で『脚刃』を狙い突く。
(まだまだまだまだ――――今ぁぁぁあ!!)
穂先が迫る寸前、レンは『黒煤』を制御した。
横薙ぎの『脚刃』を軌道修正し、『大槍』の穂先を躱して真上へ跳ね上げる。
同時、『黒煤』が体を引かせ心臓を狙った『骨槍』を右胸を貫かせた。
「(ジュグッ――)イ゛っぎぃ~~~~――――ふ゛ん゛ッ゛ッ゛!!!!(振り下ろす)」
『骨を切らせて肉と断つ』。
激痛に悶えながらもレンは気合で刃を振り下ろした。
「その胆力、驚嘆の極み。だが――届かぬ」
「ッ! ――――っがふッ!!(ゴズッ)」
刹那――気づけば、ディオネロの手がレンの顔を鷲掴みにしていた。
そのまま胸を貫く『骨槍』ごと激しく床に叩きつけられる。
「『死』を刻め――」
指の隙間から『大槍』を構えたディオネロが映る。そこへ――サクの声が響く。
「――レン! ソイツを押さえろ〜〜!!」
「! ――ゥ゛イ゛っ!」
反射的に動いたレンは、顔を鷲掴む手首を握り、両足を腕に絡める。
さらに上着の襟首から『黒煤のアンカー』を撃ち込み、地面へ体を固定する。
「っ――!(動けぬ)」
「――レンッ! 『黒煤』で体を覆えッッ!!」
――――ゴゴゴッゴォォッォオォォォォォォォオオオ――!!!!!!
瞬間、次にカラミディアの声が轟いた。
レンが視線だけを向けると、大剣に今までの比ではない熱量の『黒炎』を纏い彼女が迫ってくる。
[リンッ――〈焦痛抵抗〉を得ました]
――――
――
(――やっば! 熱い!!)
レンは急いで黒煤を『伸ばし』、体全体を覆う。掴まれた手も一緒に巻き込み、逃がさないよう固定した。
――今まで『抵抗』で感じなかった『熱』。それを『熱い』と認識した瞬間、レンは『黒炎』に特別危機感を抱いた。
[リンッ――詳細判明、【戦技】〈黒の灰燼〉を開示します]
[〈黒の灰燼〉:『灰燼』『放出』を付与する。宿らせた対象は『焦熱』に焼かれる代償を負う。灰燼+延焼+自焦]
(読み方分かんないけどめっちゃヤバそう!!)
視界が真っ暗闇になったレンは『技能』で周囲の気配を探る。
「――『エレナス公』。その業と誇りを『灰塵』に還し、ここに眠れッ」
『黒煤』によって身動きを封じられたディオネロに、カラミディアが接近。
灼熱を宿した大剣を振るう――直前だった。
[リンッ――詳細判明、【奇術】〈揺光の幻身〉を開示します]
「―――はぁ?? ――――(ゴゴッゴォォッォオォォォォォオオオ――!!!!!!)――――ッツッツッツツッッツツツツツッツツ!!!!!!!!?!?!?!?!?!??!?!?!?!?!! ――――――………………」
[リンッ――〈壊焼抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈壊熱抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈壊熱抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈壊熱抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈壊熱抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈焦死抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰焼抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈灰焼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰焼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰焼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰焼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼焦抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼風抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈灼風抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼風抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灼風抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈灰燼抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈蒸発抵抗〉を得ました]
[リンッ――〈蒸発抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈蒸発抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈蒸発抵抗〉が強くなりました]
[リンッ――〈蒸発抵抗〉が強くなりました]
――――――
――――
――
[【死ンデモ命ガアルヨウニ】を発動]
⇒即時修復、再生を行い蘇生させます 4/10
[リンッ――状態異常[激痛]を検出]




