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この壊れて、それでも尊き世界で−Errifate 002:Malvane Has Distorted−  作者: 仙台赤べこ
第一章【DARK SOULSな『現実』へようこそっ】
22/36

21.エレナス邸(6)[(次回)邸内探索!!]

 素材とかの『詳細・説明』に書かれてることの一部は、『たぶん』本編と関係ないです、たぶん

『儀式で~』みたいなのは、『フロム風』のフレーバーテキストにしたくて書いたものですのであしからず


「――どこだ~? たぶんベッド近くのはず…………おぉ、あった」


――――ポロンッ



[≪燈火の輪環≫:数いる燈火の御子が魂の適正者にのみ託した指輪。世界が闇に染まる間際に神が刻んだとされる御子の光環は、決して穢れることも、燃えつきることもない燐光の名残。指輪を嵌めた者の死を魂によって否定し歩みを繋ぎ止める

 ただし、選ばれぬ者がその環を嵌めた時、魂は光に焼かれ、力と忘れてはならぬ何かを確かに喪う]



 水(仮)の抽出の間、俺は初めて目覚めた部屋で目的の物を見つけ出していた。

 それは起きてすぐ――首を斬られ、『黒煤にした体』に嵌めてあった『指輪』だった。

 

 さっきカーラさんが言ってた、『トウカの……なんちゃら』って言葉を聞いて、なんとな~く『チラ視』したコレを思い出したのだ。……え? そんな描写なかったって? …………そう。


(これ……『燈火(トウカ)』って読みであってるよな? ……まぁ、 雰囲気が『トウカ』っぽいしいっか)


 探し出すのに少し時間が掛かったが、俺は『指輪』を手に二人が待つ廊下へと戻った。するとそこでは――



――――カンっ、カンっ、カンっ、カンっ、カンっ、カンっ――……



 ――サクがどこで拾ったのか、木の棒? でカーラさんの支える大剣を一心不乱に叩き続けている、そんな場面が展開されていた。…………whan???


「――サク、いつから『はんにゃのめん』を付け始めたんだ?」


 咄嗟に口から出たツッコミ。……言ってる意味は分からん。


「誰があんな用途不明なそうび付けるか。……これは技能の……まぁ『貯金』みたいなもんだな」


「『貯金』?」


 サクが木刀を振るったまま言う。……『カンコン』うるさい。

 その間、まったく気にしていないカーラさんは、滴った水が小さい『黒煤(水筒)』から溢れそうであたふたしていた。ほっこり(『水筒』は拡張しました)。


(――いやいやほっこりじゃない。なんだこの絵面は……)


「……はぁ」


 ――俺はまず、サクの言っているその『技能』とやらを『視て』みた。


(え~っと……あぁ、これか)



[〈纏魔ノ太刀〉:刀剣類装備時のみ、『魔力』を宿したものを斬ることで、装備品に『魔力が蓄積』される。蓄積魔力量に応じて、任意の『一撃』に『魔撃威力』『斬撃威力』上昇~激化補正。(魔力蓄積値:27↑/100)]



「――とまぁそういうわけで、私はカラミディアの『魔力付与した剣』を叩かせてもらってるわけだ」


「さも自分が説明した体で語るなよ。なんで俺が読み終えたタイミング分かるんだよ。……そもそも、それ棒だし。斬ってないし」


 どういう訳か、棒を数回叩くごとに『魔力蓄積値』という項目が1ずつ増えている。なんでぇ??


「細かいことは気にするな、目の前の結果がすべてだ。私らに有益なバグだってことで納得すればいいだよ(カンっ、カンっ、カンっ――)」


 適当にもほどがある……でも確かに、とも思った。俺が死なない(ずらい?)時点で何でもアリな『技能(現象)』だったわ、と。


「――あ。カーラさん、これ見つけた指輪なんですけど、あげます」


 雑談の終わりを察して、俺は話題を移すためにカーラさんに本題を投げかけた。


「ん? これは――レンの私物だったモノか?」


 カーラさんは『この指輪』を見てもなんの反応も示さなかった。見ただけじゃ博識な彼女でも知らない(ブツ)だったらしい。


「――俺のじゃなくて、あ~……『ヂツタ(婆さん)』が『不死の指輪』とか呼んでた……ようなモノです」


 ……『トウカ』の読みが間違ってたら恥ずかしいので、そんなごまかしで押し通す。


「『不死』……これはもしかしたら、ここの『領主』である――『エレナス公』の授かった『燈火の輪環』ではないか?」


(読み方あってたわ。……頼むからルビ機能クレメンス。それにしても……)


「エレ公…………誰だっけ??」


 何処かで聞いたような名前がでた。……思い出せないけど。


「――カットされた『武器庫パート』で出た名前だな。たしか、そいつの持つ『(覇権武器)』をいただくために、色んな奴らが家探しに来るんだったか? ……なんか、昭和のドット勇者みたいな所業だなぁ(カっカっカっカっ――)」



[リンッ――〈音障抵抗〉を得ました]

[リンッ――〈耳塞抵抗〉を得ました]

[リンッ――〈混声抵抗〉を得ました]

[リンッ――〈遮音抵抗〉を得ました]



(『カンカン』うるさいと思い続けてたら、『抵抗』得ちゃったよ。……断然聞き取りやすくなったけど、複雑ぅ~)

(――あと、いつも間にか効率的な叩き方になってるし……太鼓かっ)


「『はけん』武器? その言葉は……意味がよく分からないのだが……」


 おいサク。ついに聞き返されたぞ。どう返すつもりだ?


「『実戦特化の強武器』みたいな意味を持つな」


「なるほど。……『君たち』もわたしの知らない『知識』をたくさん知っているのだな」


「なははは!! 愉悦っ!」


「君『たち』!? 同類扱い!!? ――いやそもそも、その『知識』ってホントに自分のか? 刷り込まれた『謎知識』だろ?」


「授かったモノをどう使おうが私の勝手だろ?」


「…………」


(舌戦じゃ勝てない。やめよう……)


「――さて、一段落したとこれで話を戻そうか。……『エレナス公』の持つそれは、『四公爵』の異形が振るっていた――『不死殺しの槍』と呼ばれる得物でな。

 君たちも耳にしたことがあるかもしれないが――『燈火の御子』と、それに選ばれた『不死の英雄』を屠りまわったとされる、災厄の異形が持つ『呪われた槍』だ。

 その異形に挑んだのが、領主であり騎士でもあった『エレナス公』と、その『御子』が率いた『勇士団』だった。彼らは『不死殺し』に挑み――そして、消息を断った」


「……倒したか分かんないってこと?」(当然、初聞きの話です。説明助かりますはい)


「いや、その後しばらく『不死殺し』の姿、被害が途絶えたことから、討伐は成されたと判断されたらしいな」


「ん? ……その話って最近じゃないのか?」


 サクが振るう利き腕を入れ替えながらカーラさんに聞いた。


「ああ。たしか……戦が終わってから五十年も経っていない頃の話だ」


「あれ? 今って戦後から何年経ってるんですか?」


「正確には分からないが、五百年はまだ経っていないだろうな」


「「ながっ!」」


 驚きの年月だった。そりゃ、こんな血みどろでグロい世界が数百年続いてたら戦う人が減るわけだ……。


「そう、長い年月だ。……だからこそ、語り伝えるうちに形を変えた真実も多い。だが、『不死殺し』に挑んだ勇士団の戦いは確かに在った。当時から生きる者の言や、記録にも残っているからな」


『当時から生きる者の言』って何……?


「……えっと、この話の最初ここの『領主』がその『不死殺しの槍』を持ってるって言いました?」


「そう、本題はそこだ。――今から数年前のこと、今も戦場を渡り歩く英雄や商人たちの間で、一つの噂が広まったんだ。それが――かつて勇士団を率いた『不死の英雄 ディオネロ・エレナス』が『不死殺し槍』を携えて帰還した、とな。……その折、『燈火の御子』も、ほかの英雄たちも傍にはいなかったとも伝えられている……真相は分からないがな」


「なんか、ディストピアの主人公みたいな登場演出だなぁ。覇権武器まで持って……。そのまま世界を救ってほしかったものだな」


 サクが『私たちの自堕落の為に』とつぶやいている。この人、主人公にしちゃいけないタイプだな絶対。……俺も遠慮するけど。


「その噂を耳にした者たちは大いに期待したものだ。人の世を脅かしていた異形の一つが確かに討たれ、その得物さえ英雄の手に渡ったと。……しかし、時が経つにつれて、希望に満ちた囁きはだんだん別の形に変わっていったんだ」


「……最後、詩的な言い回しだな」


「サクっ、しっ」(茶々を入れるんじゃありませんっ)


「――帰還した『エレナス公』は、接触してきた英雄らにただ一言――『屋敷に帰る』とだけ告げたらしい。そして、それきり姿を見た者はいないという……。ある者は、『嘆きの森影』に蔓延る異形に殺されたのだと語り、またある者は、心が折れ、深淵に堕ちたのだろうと……」


「んで、結果は?」


「――今の現状が答えだな。結論から言うと――『ディオネロ・エレナス』は()()()()()()()()

 ……誰がその場所を見つけたのかわからないが、エレナス邸へ繋がる『転移墓標』を見つかってな。私を含めて多くの英雄がそこからこのエレナス邸へと訪れたんだ。

 だが不可解にも、繋がっていた先はエレナス邸の傍ではなく――()()になっていたんだ。さらには、内から『封印』のような強い結界が張られてあってな……容易に出入りすることが出来なくなっていたんだ」


「門扉開けたら家の中に入ってた、ってことか。しかも――逃がさないためなのか、『結界』とやらまで仕掛けて……」


「そうだな。……『転移墓標』は起動すると再使用まで短くない猶予が必要だから、その時は仕方なく邸内を見て回ったんだ。……そこで気づいた―――ここには『深淵に堕ちた異形の兵』が徘徊し、少なくない英雄の亡骸がそのまま残されてあったんだ」


 いつの間にか回想が入りそうな話に移り変わっていたが、カーラさんの話はまだ続く。俺は不謹慎ながらも展開に興味深々。サクは――『引きこもりかよ領主……』とボソりながら一心不乱に棒を振るっていた。……不覚にも笑ってしまう。『引きこもり領主』て。


「――異形の兵を避け、最奥に座していた『エレナス公』と私は相対した。広間には、胸や頭部から『黒い植物』のようなものを生やした死体がいくつもあってな……その異様な死に様を見れば『不死殺しの槍』で斃されたのは明らかだった。

 ……今までもそうだったのか、彼は私の言葉には一切の興味を示さず、ただ槍を向けてきたよ。――結果、私は敗れ、片腕を失って満身創痍……そして、かつて『聖女』と謳われ、狂気に侵された『ヂツタ・エレナス』に捕らえられたんだ。……左腕を切られかけて抵抗したために、死ぬまで幽閉され――そのあと、君たちと出会ったんだ」


 カーラさんは話し終えると、大きく深呼吸した。お疲れ様です。


「――最初は『槍』が目的じゃなかったんですか?」


 俺は気になったことを聞いてみる。


「いや。私より先に訪れた者たちもそうだろうが……彼が戦場で姿を見せなくなったことで、『エレナス公』は戦うことを放棄したと考えた。だから『不死殺しの槍』を譲り受けるために彼の居場所へ訪れたんだ。……今にして思えば、『転移墓標』の居場所を伝えたのは『深淵の聖女』なのかもしれないな。想像でしかないが……」


「へ~~」


「…………ぁ、話し終わったか~ぁああぁぁああ~」


 話しが終わるタイミングでサクが欠伸まじりに言った。……話が長くなるや、目を閉じていたのを俺は知っているぞ……。


「――あーっと、話しを最初に戻すんだけど。この『燈火の輪環(指輪)』はカーラさんが使ってください。俺は『死なない』し、サクは……俺が『盾』やりますんで。……そもそもの大前提、カーラさんが生きててくれなきゃ俺らが路頭に迷うんですっお願いしますッ!!」


「……清々しいまでの他力本願だな」(長い話眠い……)


「サクにだけは言われたくねぇーっ!!」


「うっさ」


 サクの茶々をものともせず(嘘)、カーラさんの返事を待った。


「うむ……構わないが、この『燈火の輪環』には特別な力が宿っていてな――」


「あー、選ばれた人以外が着けると『力』とか何かが無くなる? みたいなやつですか?」


 指輪の『説明』に書かれていたことをそのまま伝えた。


「概ね合ってるな。――この指輪は、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、そんな『奇跡』を授かれる代わり――吸収した『ソウル』を失うだけではなく、どうやら『記憶の一部まで欠落』してしまうらしいんだ。代償の重さは人によるだろうが――ここでわたしが生き返り、君たちとの関りを忘れる……そうなっては危うくないか?」


 なんか、カーラさんに口調がだんだん弱くなっていった感じがする。なんでだ?


「――ははぁ~ん、さてはカラミディア、私らことを忘れるのが悲しいんだろぉ(ニヤニヤ)」


 サクが空気を読まずにニヤついた。……いや、平常運転か。


「……そう、なのかもしれないな」


 サクの言葉にカーラさんは得心がいった、という表情で頷いてみせた。素直ぉ~。


「フフン、安心しろカラミディア――私らみたいな場違いキャラは、忘れたってまた直ぐ記憶にこびりつくさ。この荒んだ世界の雰囲気ならなおさら異質だからな!! なははははっ――あ、私は『常識ポジ』でよろしく」


「それはちがうだろ」(え、俺の方が『常識ポジ』じゃね?)


「あっとるやろがい!!(ブォンッッ)」



[――〈奇襲抵抗〉が強くなりました]



「――っぶなぁ!! どこが『常識ポジ』だっ非常識ッ!」(こいつ棒ぉ振ってきやがった!)


「あ、わるい。ハリセンと間違えてツッコんでしまった。……じゃぁあれだ、間を取って『ツンデレ枠』でどうだ?」


「サクのは『恥ずかしくて』の行動じゃないだろ。どっちかって言うと、『暴力ヒロイン枠』の方がお似合だって。……いや、『暴力系』は今も昔も流行らないか……?」(ノッたけどこれ何の会話??)


「それは違うぞレン。ここは異世界だ。つまり――すべての『ジャンル・属性』が新鮮ってことなになる。だから私の過激なツッコミも――『初々しい』となるんだ。違うか?」


「違う(即答)」


「――そうか……お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな(真顔)」


「(ムカっ)――よろしい、ならば戦争だっ!!」



[――〈痛覚抵抗――

 ――――

 ――



「――Goddamn……(泣)」


 ……俺は今、横になって不貞腐れている。……何があったって? ………………――。


「おいレン、『ちょっと抵抗』しただけでいじけるな(カっカっカっカっ――)」


「いや……少しではなく、わたしには『一方的』に見えたが……」


 カーラさんもっと言ってやってください。……というか――


「――あれ、何の話しだっけ?」


 仰向けになりながら、どうして俺が理不尽な目にあったのかと振りかえる。


「カラミディアが私らを忘れても、『また思い出させてやんよ!』って話だな」


「俺らが『プロレス』した意味は?」


「それは……あれだ。よく喧嘩してたヤツのことって『嫌いすぎて』忘れられないだろ? そういうことだ。悪友ってやつ……?」


「……当事者のカーラさんじゃなくて、俺らがやり合うのは違くないか?」


「ふむ……アリ寄りのナシ、といったところじゃないか?」


「………ナシじゃねぇか!!」(一連の流れ無意味!!)


「――っふっふっふぅ、あっはっはっはっはッ。……はぁ、君たちのその掛け合いはいつ聞いても明るく、楽しい気にさせてくれるな。言っていることの半分も理解できないが……自然と笑えてしまう」


 そこで、堪え切れずといったようにカーラさんが声を上げて笑いだした。……楽しそうでなにより。


「――そうだろ? もし忘れてもまた今みたいなノリで――レンが一から説明してやる! 頼むぞレンっ! なはははは――」


「勢いで誤魔化すな、ここぞとばかりにまとめるな。……あと、説明押し付けて他力本願(たりほ)するなっめんどくさがりッ!」


「――呪文みたく略すなよ、眠くなるだろ……」


 ――結局その後、『指輪』をカーラさんの左手に押し付け、『水』が溜まるまで無意味な雑談を続けたのだった……。ツカレタぁ……。





















―――――――――――――――――



 ――終わったと思ったか? まだ続くぞ!


「サク? 天上見上げてどうした?」


「……いや、何でもない。……ただの意味深にからかっただけだ」


「はぁ……面白そうっすね」


「いや面白くはない」


「…………」


「…………」


「――よし、では行くとするか」


「「は~い」」


 ――レンの作った『黒煤(水筒)』で飲み水(?)を全員にいきわたらせた後、準備を再度見直して出発することになった。

 目的地は――この建物の正面玄関にあるという『転移ぼ……装置』らしい。


 ――――カツ、カツ、カツ――


 階段を上がる最中、私はあることを思いだして、後ろを進むレンに『腰のブツ』を渡した。


「あ。レン、『これ』手直ししてくれないか?」


「ん? ……おいこれ、サクが自作した……いまだ何て言えばいいか分からないヤツじゃん」



[≪黒煤の無刃刀≫『黒煤の小塊』と『黒煤の小塊』を用いた錬創剣。刃のない奇形の長物。柄も鍔も持たず、刀身すら黒く細い峰しか存在しない。刀とは呼べない不定形の塊]



「っそ。使ってはみたものの、ぜんぜん想定してた感じと違ってな。……『柄とか刀身を自分好みにできたらよくね?』、ってな想像でした形状なのに、扱いずらわ、戦闘中に調整するのダルいわで……正直めんどう。だから普通の……持ち運びやすい『小太刀』にしてくれないか?」


「えっ、どうやって? 俺『錬創剣(これ)』の創り直しとか知らないぞ?」


 レンが『また『破裂(パンッ)』しろと?』、と言って苦い顔をする。……私はそこまで鬼畜じゃないぞ?


「忘れたのかレン。『これ』創るのに使った素材は、お前の『煤』だぞ? だから、こう――『グニュン』っと」


「あ~~、そっか……わかった、一応やってみる」


 意図を察し、素直に受け取るレン。


「んじゃ頼む。もし出来たら、いちいち調整頼むかも、だからそっちもよろしくな」


「おけー」


 レンが受け取ったタイミングで階段を上り切り、『気配を探りながら』戦闘でボロボロになった廊下に出る。焦がすような熱気が収まり、『ソウル(人魂)』が浮かぶ騎士の残骸だけが取り残されていた。


「んー、『嫌な気配』ないから木刀取ってくるな」


「あっ、俺も投げた『黒煤(ナイフ)』とか拾ってなかった!」


「なら、ここで回収できる物を集めて進もうか」


 カラミディアの言葉に各々が動き出す。私は木刀と――騎士の『血』を余すことなく搾り取り、『汚物』を絞って回収していった。……焼けた死体からはほとんど採れなかったけど。


(『この作業』に慣れてきた私、キモいな~)


 そんなことを思いながら、いち早く終わらせた私は廊下の右奥――行き止まりから戻ってくるレンを見た。


「取るもん取ったか?」


「『黒煤』と『神薬(くすり)』、『ソウル』……取った。――あっ、やっぱタイム」


 私の方まで歩いてきたと思ったら引き返し、『外套騎士(デカい騎士)』の傍でしゃがんみ込むと――ヤツの扱っていた『ナイフ』を手に持ったレン。……身長が120cmもあるか分からんこいつが持つと、十分にデカいナイフだ。


「なんだ、欲しいのか? 確かにかっこいいが……山賊に舐めずりされてそうな形状だなぁ」


「初めて聞く偏見だなおい。何だよ『舐めずりされてそうな形状』って。外側に反れてるナイフってだけだろ?」


 レンがそう反論すると、手の中のナイフが光り蒸発するように消えていった。



[※≪黒染めの刃片≫――

 ――――

 ――



「――あ~、『素材の方(そっち)』か。……『レアドロ』っぽいのに勿体ない」(質屋あるのか、この世界??)


「一応、『一点ものっぽい武器』とかは変えとこうかと思って、他は……量産品っぽいから『外套装備』だけでいっか」



[※≪血煤の鉄板≫――

 ――――――

 ――――

 ――



「――はい、おわり」


 レンが『外套騎士(デカブツ)』の鎧一式に触れ、素材化→収納の工程を踏んで振り返る。それを見て私は――


「――――(シラ)~~~(身を引く動作)」


「……なんで引く。なんで視線を逸らすおい」


変態(レン)』が――おっと、レンが聞いてくる。


「いやなんでもない。……『異形の亡者(大の大人)』の『装備の素材化(身ぐるみ剥ぐ)』様子を見て引いてるわけじゃないぞ? 『ボロボロの腰布(ハンチン)』で放置して、腐れ外道ッ……なんて思ってないないホントだぞ??」


 ワタシ ミテナイ ホント。


「悪意のある言い方するな!? サクだっていつだか、『使える物は何でも使う』って言っただろっ。俺の『技能』はこういうものだから仕方ないんだよ!」


「はいはいわかったわかった安心しろ。……これ以上お前の『趣味』にとやかく言わん。もう、自分を偽る必ヨウ……ブッふ――!!」


「途中で笑うぐらいなら最初からやるなっ!!」


 ――さて。しばらくお預けだろう『おふざけ』を済ませ、私らはカラミディアと合流。『ソウル(人魂)』を彼女に預け――いざ、血なまぐさい『邸宅』の探索へと歩み出した。……歩くのだるぅ。




――――――――――――――――――


◇錬創剣(New)

≪黒煤の無刃刀≫:『黒煤の小塊』と『黒煤の小塊』を用いた錬創剣。刃のない奇形の長物。柄も鍔も持たず、刀身すら黒く細い峰しか存在しない。刀とは呼べない不定形の塊

     ↓     ↓     ↓

≪New≫≪黒煤の小太刀≫:『黒煤の小塊』と『黒煤の小塊』を用いた錬創剣。『剣魔錬創』の力を無視して歪み、増量された小太刀。鞘と鍔はなく、切れ味と耐久が未知数の一振り




◇サクのステータス(New)

〈纏魔ノ太刀〉:刀剣類装備時のみ、『魔力』を宿したものを斬ることで、装備品に『魔力が蓄積』される。蓄積魔力量に応じて、任意の『一撃』に『魔撃威力』『斬撃威力』上昇~激化補正。(≪New≫魔力蓄積値:100/100)




◇アイテム

≪燈火の輪環≫

※効果:生命力+6。死亡時、ソウルを糧に不死性を得る。スタミナ消費低下

※一部対象:Level低下、ソウル半減

・数いる燈火の御子が魂の適正者にのみ託した指輪。世界が闇に染まる間際に神が刻んだとされる御子の光環は、決して穢れることも、燃えつきることもない燐光の名残。指輪を嵌めた者の死を魂によって否定し歩みを繋ぎ止める

 ただし、選ばれぬ者がその環を嵌めた時、魂は光に焼かれ、力と忘れてはならぬ何かを確かに喪う




◇素材にしたもの

≪黒染めの刃片≫――儀式で黒く染め抜かれた金属片。血液を吸い、刃に纏わりつくことで赤黒く濡れる。呪術の力が増幅する穢れた異物


≪嘆きの骨釘≫――遺骸より抜き取られた鋭利な骨、裂かれた肉は閉じず、触れた者の精神を惑わす呪われた骸片


≪黒革の縫布≫――異形の獣皮をなめした防刃革。衝撃吸収と耐摩耗に優れ、防具全般から武器の補強など多岐に用いられる


≪血煤の鉄板≫――拷問器具を解体して打ち直した鉄板。赤黒い煤が落ちず、傷が付くたびに血のように滴る


≪黒灰の暗鉄≫――暗所で鍛えられた黒鉄を打ち延ばし、灰を混ぜ込んだ強固な鉄塊


≪沈黙の布片≫――処刑人の口を覆っていた黒布。兜の内側に縫い付けられ、息を吸うたびに血の臭いがかおり、苦悶が漏れる


≪黒穢の長布≫――長く擦り切れた黒いボロ布。血と灰が固まり穢れている


≪罪鎖の枷残≫――牢獄に残された硬い鉄枷を砕いた残骸。囚人の血が染みついている


≪黒革の綴じ手≫――異形の革を継ぎ合わせ、不器用に形を整えたもの


≪闇歩の皮革≫――獣の革を儀式で黒く染め抜いたもの。踏みしれる音を掻き消す効果を持つ


≪黒影の銀環≫――銀の輪を深淵で穢し、影を纏わせたもの。深淵の力に感応し強める


≪風の環玉≫――風切羽を象った環玉。歩む者に追い風を与え、足音を速やかに遠ざける




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