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0988・子供を連れ歩くという事




 Side:ミク



 昨日、アレッサとイリュが絡まれたとの事で、ファーダとノノが念入りに掃除をしている。実はそこまで数が多くなかったんだけど、やはり思っていた通り悪人が居た。元々普通だったのに悪人になった者も居れば、何処かから入り込んだ者も居るのだろう。


 それでも中央ガウトレアは善人化が終わっている筈なので、殆どは普通から転落した奴等だろう。もう少し厳しい基準にしなければいけないだろうかと思うものの、やり過ぎれば神どもが五月蝿いので悩ましいところだ。


 その場に私が居ればすぐに善人にしたのだが、その時はダンジョンに行っていて居なかったのだから仕方ない。今後もそういう事がある可能性があるので困るのだが、皆を信じて任せるしかないだろう。少なくとも、危険に晒す事はしない筈だ。


 今日も快眠の香りでよく眠っている二人を見つつ、そろそろ朝なので誰かが起きるだろうと思っていると、今日は珍しくイリュが一番先に起きた。パッと目覚めたイリュは、すぐに隣のベッドを確認。ベルが寝ている姿を見て安堵の息を吐いた。



 「おはよう。ベルもフィルもまだ寝てるし、私が居る以上はおかしな事になったりなんてしないよ」


 「おはよう。そうよねえ、ミクが居る以上は何の問題も無い筈よ。ちょっと嫌な夢を見たけど、昨日の事があったからでしょう。重ね重ね腹の立つ連中だわ」



 イリュは怒りながらもベルとフィルに近付き、寝ている姿をジッと見た後でベッドに戻った。私はアイテムバッグから出した椅子に座っているけど、ここの四人部屋には椅子やテーブルなどは付いていない。


 代わりに私は椅子で一晩中過ごしていて、ベッドで眠ってはいない。大人用のベッドにベルとフィルを寝かせているので、私が寝る場所は無いんだよ。まあ、エアーマットを床に敷けば眠れるんだけど、わざわざそこまでする必要が無いし余りも無い。


 眠っている子供達を起こさないようにイリュと【念話】で会話をしていると、アレッサとカルティクも起きた。二人にも挨拶をした後で適当に会話をしているとフィルが泣き始めたので、おむつを替えてミルクを飲ませる。


 すぐに泣き止んだフィルにミルクを飲ませていると、人の気配でベルが起きたようだ。まだ眠たいのか、覚醒していない所為でボーッとしている。



 「おはよう、ベル。まだちょっと眠たそうね」


 「おはよう。まだ起きたところなんだから仕方ないわよ」


 「おはよう。ベルもいきなり元気いっぱいで起きるのは難しいわよ。こういう日があっても不思議じゃないわ」


 「おはよう、ベル。とりあえず【浄滅】を使っておくかな」



 私は全員が起きたので【浄滅】を使って綺麗にしておく。昨夜、寝る前にも使っているが、子供の為にも綺麗にしておいて損は無い。病気とかになってもすぐに治せるが、病気にならないに越した事は無いからね。


 ボーッとしているベルはそのままにしておき、ミルクを飲み終わったフィルにゲップをさせてからベッドに寝かせる。


 徐々に覚醒してきたベルはキョロキョロとした後、隣に寝かされているフィルを見ると、何故か頭を撫で始めた。何がしたかったのかは分からないけど、もしかしたら母性ならぬ姉性でも目覚めたのだろうか?。


 一頻ひとしきり弟であるフィルの頭を撫でると、ベルはベッドから下りようとするも、段差が危ないのでイリュが抱き上げた。そしてそのままトイレに連れて行ったけど、泣いたりしていないのでおむつは大丈夫だと思う。


 ちなみに交換したおむつは夜中にファーダかノノが外で穴を掘り、その中で焼いてから埋めている。なのでゴミとして適当に捨てたりなどはしていない。流石にこの星を汚す気にはならないので、きちんと汚物で汚れないように処理している。


 ついでに言うと、誰かの目にガイアの日本製のおむつを触れさせる訳にはいかないのだ。騒ぎになる恐れも無いとは言えないので、面倒な事を起こさない為にも原型を留めないように焼き尽くすのが一番良い。


 トイレに行って戻ってきたイリュと、それを見てトイレに行くアレッサとカルティク。私はベビーキャリアでフィルを前抱きにし、部屋を片付けてからアイテムバッグを背負ってベッドに座る。戻ってきた二人も片付けてアイテムバッグを背負うと、私達は食堂へと移動していく。


 食堂で注文し終わるとベル用の椅子を出し、そこに座らせて料理を待つ。運ばれてきたら食事をし、終わったら食堂を出て適当に王都の中を散歩し始めた。やる事も無いし、バイクが仕上がるのは明日なので今日一日は暇なんだよね。


 そんな事を話しつつもベルを歩かせて、体を鍛えさせる。子供は自分で歩く事で体を鍛えるので、ずっと抱き上げたままというのは良くない。また、ベルも自分の足で歩いたりするのが楽しいらしく、とてとてと元気に移動している。


 私達はそれを見つつ、ゆっくりと移動を続けていく。雑貨屋に入って適当に品物を見たり、武具屋に行って弾を買い足したりしていると、ベルは初めて見る物に目を輝かせていた。子供って何にでも興味を持つようだ。


 そんなベルを連れてウロウロしつつ、フィルが泣くので路地でパパッとおむつを替えて再び前抱きに。ベルは見に来たが、おむつの取替えだと分かったからか安心したようだ。泣く度に何かあったのかと心配しているみたい。


 ついでに哺乳瓶を出すと猛烈に飲み始めたので、そろそろお腹が空く時間だったようだ。私が前抱きにしているフィルを見上げながらベルは羨ましそうにしていたので、「お腹空いた?」と聞くと頷いた。


 少し早いけどお昼にしても構わないくらいの時間だったので、フィルがミルクを飲み終わったら食堂に行く事に。そう言うとベルは喜んでいる。


 フィルがミルクを飲み終わったので移動し、食堂に入って注文を行う。少し早いものの、混雑する時間を避けて早めに昼食を食べる人も居るので、全く店の中に客が居ない訳でもない。そんな店内でベルの椅子を出して座らせた。


 しかし何を思ったのか、客が少ない店内に居た男が、急に立ち上がるとこちらの方にやってきた。一応店のトイレがある側なので分からなくもないが、あからさまにこちらに対して悪意を持っているのが分かる。


 その男が近付いてきた時、私はベルやフィルに分からないように殺気を男にぶつけた。その男は突然倒れてそのまま動かなくなったが、皆と顔を合わせて溜息を吐いてしまう。私達は打ち合わせもなく同じタイミングで殺気をぶつけてしまったらしい。


 御蔭で倒れた男は四人分の殺気をぶつけられて気絶したようなのだ。慌てて男の仲間がこっちに来たが、まだ私達の隣に来た訳でもないので、こちらに不審な顔を向けてくるものの男を起こしている。



 「おい、大丈夫か? しっかりしろ! どうした?、大丈夫か!?」


 「う、あ……ああ? ………なんだ? オレは何を………?」


 「お前はこの辺りで急に倒れたんだよ。いったい何があったんだ?」


 「何、が? ………何があったんだ?」


 「オレ達に分かる訳ねーだろ。むしろオレ達が聞いてるんだ。とりあえず席に戻るぞ」


 「あ、ああ……」



 男は何があったかサッパリ分かっていないようだが、仲間に言われるがままフラフラしつつ席に戻る。流石に四人分の殺気をぶつけられたら耐えられなかったらしいけど、悪意を持ってこっちに来ていた奴だからあのまま死んでても良かったんだけどね。


 そこまで言う理由は、その悪意がベルに向かっていたからだ。皆もそれが分かっているので殺気をぶつけた訳だしね。昨日からこういうバカに絡まれている気がするけど、殺されなければ分からないヤツは殺した方がいいね。


 相手が弱いと思い込むと調子に乗るゴミが居る。そんなのに生きる価値なんて無いんだよ。


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