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0985・憲兵隊と取調室




 Side:アレッサ



 わたし達に喧嘩を売ってきたクズどもに対し、わたしは血で作りだした剣や槍や斧を浮かべて、いつでも殺せるようにしている。クズどもはそれを見て固まっているようだけど、その理由はもしかしたらイリュが空間をゆがめているからかもしれない。


 わたしが作った血で出来た武器はともかく、イリュがやっている空間攻撃は反則なのよねえ。あれ、簡単に言うと何でもアリだからシャレにならないのよ。ある意味で何でも出来てしまうから、物質や魔力に頼る人間種には極悪なぐらいに反則的な効果を発揮するし。



 「な、なんだかよく分からねえが、てめぇらが売ってきた喧嘩だ! オレ様達を舐めんじゃねぇぞ!! お前ら抜け!!」



 男がそう言ったからか、慌ててリボルバーを抜くバカども。仮にそれを発砲してもわたし達には当たらないし、町中で発砲するという意味を分かっているのかしら? 憲兵隊に連れて行かれるのはコイツらよ? そもそも善人化されているんだし。


 周囲の人はチンピラがリボルバーを抜いたからか、慌ててわたし達の周りからは遠ざかっているものの、何故か遠巻きに見ているままね? 逃げる気は無く、最後まで見ているみたいだけど……もしかして娯楽扱いなの?。



 「てめぇら、謝るなら今の内だぞ! 今すぐ泣いて謝るなら許してやってもいいが、これが最後のチャンスだと思え!」


 「寝言は寝てから言いなさいよ、ゴミ。お前達のような汚物の喋る事は本当に見苦しいだけね」


 「んだと、このクソアマ!! もういい、てめぇらブチ殺せ!!!」


 「「「「「おう!!」」」」」


 『アレッサ、何もしなくてもいいわ。空間を繋いで奴等に返るようにするから、血も仕舞っていいわよ』


 『了解』



 バン!バン!バン!バン!バン!バン! と音が鳴ったけど、わたし達には何の痛痒も無い。当たり前だけれど、銃に頼っているこの星の連中じゃイリュに勝つのは不可能なのよね。仮に返せないほどの飽和攻撃を受けたとしても、透過させるのは容易くできるから当たらない。



 「「「「「「ぐぁっ!?!」」」」」」



 男達がリボルバーを地面に落とす。撃った弾が自分の手に返ってきた所為だけど、男達は何があったのか理解出来ずに痛みにうめいているわ。あまりにもバカバカしくて、わたし達は呆れた顔しか返せない。



 「うぐぐぐぐ、何で右手が痛えんだ!? いったい何があった!」


 「何がも何も、貴方達の撃った弾を直接返してやっただけよ。私はそれが出来るから、ずーっとお前達をバカにしていたの。分かる? 私達に銃弾なんて効かないのよ。逆に撃ってきた奴にプレゼントしてあげるわ」


 「今度は何も詰まってない、あのスッカスカな頭にプレゼントしてあげなさいよ。そうすれば少しは詰まって良くなるんじゃない? 知らないけど」


 「銃弾が頭に詰まったら死ぬでしょ。でも案外こういうクズにとっては丁度良いのかもしれないわね。だって生きている価値は無いでしょうし。………ねえ?」


 「「「「「「ひぃっ!?」」」」」」



 イリュがバカどもに向かって殺気を放ったけど、それと銃が効かなかった事で完全に怯えているわね。そんなバカどもを見ていたら憲兵隊がやってきたわ。誰かが大通りで決闘騒ぎをやっていると通報したのかしら?。



 「お前達ここで決闘をしているというのは本当か!? 王都の大通りでそんな事が許されると思っている阿呆は今すぐしょっ引くぞ!!」


 「喧嘩を売ってきたのはうめいているバカどもだし、銃を取り出して撃ってきたのもバカどもよ。周りの野次馬に聞けば分かるけど、私達は銃を出しても撃ってもいないわ」


 「なに!? 本当か!?」



 憲兵隊の男が周りの野次馬に話を聞くけど、周りの野次馬もわたし達が銃を抜いたとも撃ったとも言わない。当たり前だけど、それが真実だからどうにもならないのよね。更にわたし達は子供を連れているんだし、見た目としてはチンピラどものイメージが最悪に近い。


 そもそも子供を連れた女性に喧嘩を売り、銃で撃ったなんていうのは最低でしょ。そう思っていたら、何故かあのバカどもとわたし達の両方を連れて行くという話になったみたい。事情を詳しく聞くなんて言ってるけど、チンピラどもの顔が笑っているのよね。どう考えても怪しい。


 グルみたいだけどミクとカルティクも帰ってくるし、そうなるとコイツらどうなるのかしら? おそらくは普通の奴等だったんだけど、今は悪人になったって感じか。まあ、悪人には悪人への裁きが下るからどうでもいいわ。


 …

 ……

 ………


 憲兵隊の建物まで連れて行かれ、イリュとは違う個室に連れて来られたけど、取調べなんて行われず放置されているわね? いったい何を考えているのか知らないけど、このまま放置って事は無いでしょ。あのチンピラどもを見逃すならイリュがどうにかするでしょうしね。



 「うう……びぇぇぇぇぇん!!」


 「あらら、おしっこかな? それとも大きい方? ミルクにはまだ早いと思うんだけど……」



 取調べの部屋には木のテーブルがあるので、そこにフィルを寝かせておむつを確認する。すると大きい方をしていたみたいなので、【清潔】を何度か使いつつおむつを外す。綺麗に纏めて包み、新しいおむつを出して履かせるとフィルも泣き止んだ。


 その後はズボンを履かせてベビーキャリアに乗せ、前抱きにして固定すると機嫌が良くなった。誰かにくっ付いていると安心するんでしょうね。そうやってフィルと居るとイリュから【念話】が送られてきた。



 『アレッサ、取調べか何かあった? こっちは全く何も無いわ。というか一室に閉じ込められてから何も無いし、誰も来ないのよね。さっきのチンピラどもはこの建物の一室で治療を受けているけど、それに掛かりっきりみたい』


 『王都の憲兵隊がチンピラと繋がってるっていうのも凄いけど、子供連れの女性を待たせて無視するっていうのもとんでもないわね。ミクが見逃してるって事は元々普通だったんだろうけど、この感じだと今は完全に悪人でしょ。今日の夜には善人化されるでしょうけど、このままずっとココに居るのはキツいわね』


 『特に子供達がねえ。食べ物は亜空間やアイテムバッグに入ってるから良いんだけど、エアーマットを出す訳にもいかないし困ったものよ。あんまりだと空間を超えて出て行ってやればいいかしら? 王都で指名手配されようが賞金首になろうが、どうでもいいし』


 『それも面白そうね。わたし達が引く必要なんて何処にも無いんだし、無実の罪で襲ってくる連中を殺したとて、それはわたし達の罪にはならないもの。派手に殺戮しても問題無しよ。最初から間違っているバカどもが悪い』


 『ええ、そうなんだけど……あら? チンピラどもの下に何か偉いヤツが来たわね? 急に憲兵隊の連中が青い顔をし始めたわ。どうやらバレちゃいけない相手に悪事がバレた感じかしら。そんな寸劇が始まったわ』


 『寸劇って……まあ、わたし達にはどっちでも良いし興味も無いわね。このまま放置でも最強の怪物が暗躍するだけだし、その怪物に裁かれたいなら好きにすれば良いんじゃない? っていう話で終わるもの』


 『おおっと? 憲兵隊の連中が、憲兵隊に捕縛されたわ。チンピラどもと組んで悪さをしていたのかしらね。前に王都に滞在していたのは二ヶ月以上も前だから、流石に悪人も出て来ているんでしょう。本当、ゴミは居なくならないわねえ』


 『だからゴミなのよ』



 本当にそうとしか言い様がないのよねえ。


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