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0971・中央町の善人化




 Side:ファーダ



 ミク達はマグヴェルの食事を終わらせた後に食事に行き、宿の部屋に戻ったら雑談で時間を潰しさっさと寝た。俺は既に外に出て、この町の善人化を始めている。繁華街は未だに賑わっているので、住宅街などを先に終わらせるか。


 流石にこちらに住んでいる者達は既に眠っているというか、無駄なお金を使わずに寝る者達ばかりだ。灯りもタダではないし、庶民が無駄なお金を使って起きている必要なんてない。暗くなれば眠るのは当たり前の事だ。


 悪の神の権能を用いて調べ、善の神の権能で善人に書き換える。いつも通りの事を行いつつ、怪しい建物の調査もしておく。この町では犯罪者はともかくとして、借金奴隷が居る事は分かっている。おまけに帝国でも奴隷は違法だ。


 つまり借金奴隷は違法なんだが、ここではそれがまかり通っている。帝国が知らない筈もないので、お目溢しをしているだけなのか、もしくは奴隷が違法なのは建前だけなのだろう。見逃しているのは間違いがない。


 借金で縛っているだけだと言い逃れをする可能性はあるが、それを許している帝国はその程度となるだけである。それはともかくとして、建物の何処かに奴隷を集めている場所があるかもしれないので、地下などには気を配って調べていく。


 借金奴隷も犯罪の片棒を担がされたりしていれば悪人の筈なので、悪人が大量に居る場所を見つければ、そこが奴隷の監禁場所だと分かると思うんだが……。そう思って探すも見つからないので、おそらく住宅街には無いのだろう。


 俺は住宅街を終えて憲兵の宿舎なども善人化し、更には商店街も善人化を施していく。それでも奴隷を集めている場所が見つからない以上は、繁華街か貴族街しかあり得ない。ここ南ガウトレアの中央町は大きく、ウェルキスカの王都よりも少し小さい程度はある。


 その大きさの所為なのか、それぞれの場所が都市と同じように分けられている。繁華街は町の中心だが、貴族街、住宅街、商店街、それと治安を守っている兵士の区画。それぞれがきちんと分けられていて、分かりやすい都市配置にしてある。


 既に住宅街、商店街、兵士区画は終わった。ならば後は繁華街と貴族街しかないのだ。繁華街は未だに明かりがこうこう々と点いているので、まずは貴族街から始める事に。おそらくはギャンブルに嵌まった連中が家を購入したのだと思う。


 そんな連中の屋敷に近付き、手っ取り早く善人化をしては次の家へと向かう。ある程度は【空間魔法】の【掌握】を使って確認し、何処かに奴隷が捕まっていないかを調べて行く。しかし悪人は居ても、人が沢山居る場所が無い。


 それでも一つ一つ丁寧に調べていると、ようやく地下に人が沢山居る場所を発見。それは侯爵家の屋敷の地下だった。思った通りの展開というか、少しは誤魔化す気が無いのだろうか? 侯爵家の屋敷の地下って、見つかったら完全にアウトだろうに。


 そう思ったものの、バカだと何を言っても無駄かと思い、屋敷の悪人を善人化する。ただし侯爵だけは置いておき、今から侵入して話を聞きに行く。ここの侯爵には奴隷の事を含めて聞いておかねばならない事が多い。


 さっさと侵入した俺は真っ直ぐ侯爵の寝ている寝室に行き、侯爵夫人に快眠の香りを触手で注入する。その後、侯爵に魅了の香りを注入してから起こし、話を聞き始めた。



 「お前はこの町のカジノで借金を無理矢理に作らせ、奴隷に落としているな? 更にはこの屋敷の地下に奴隷を監禁している。いったい何故だ?」


 「商品だからだ。借金奴隷は高く売れるのだが、そもそもの借金の量が多い。その借金を建て替えるという形で売り渡している。法的に認められているやり方である以上、ワシをどうこうする事など出来ん」


 「カジノで借金を作らせる相手は、侯爵であるお前が決めているのか?」


 「指針を出しているのはワシだが、わざわざ個別にどうこうなどせん。その方針も見目が良い女か、何らかの能力を持っている者に限っておる。更に貴族には手を出すなとも言ってあるので、余計な揉め事にはならん」


 「貴族でなければ好き放題できるという事か。何故そこまでして金を稼ごうとする? そもそも侯爵家なのだから十分に金など持っているだろう。カジノまで作って儲けるという必要があったのか?」


 「帝国がこの大陸の覇者になる為には、幾ら金があっても足りんのだ。これでもまだ犯罪がバレぬようにセーブしているくらいだぞ。何処から他国の間者が入ってきておるか分からぬからな」


 「他国の間者を気にするのは分かるが、帝国の為に稼ぐ方法がおかしくないか? 侯爵家の屋敷の地下に監禁しているなど、知られたら終わりだろうに」


 「知られても問題は無い。帝城には同志もるし、これは皇帝陛下もご存知だからな。暴こうとすれば、暴こうとした者が消えるわ」


 「同志?」


 「我ら<栄光の大帝国>の同志に決まっておろう」


 「………ここで<栄光の大帝国>に繋がるのか。まさか<栄光の大帝国>の資金源がカジノと違法奴隷とは。そして帝国の侯爵がメンバーなら、金を稼ぐのは難しくないだろうな」


 「ワシは唯のメンバーではない、第29代目の<栄光の大帝国>の総帥なのだ。まあ、ワシ以上に金を稼げる者が居らなんだのだから当然だがな。そしてワシが総帥になった日から帝国を大陸の覇者にする事が決まったのだぞ?」


 「成る程、<栄光の大帝国>を私物化したわけか。とはいえ元々愚かな組織だから私物化されようともどうでもいいがな。となると、ここでコイツを善人化すれば組織はほぼ崩壊するだろう。しかし末端が面倒な事をする恐れも無い訳ではない」


 「末端の連中が何をしておるのかは知らぬ。ウェルキスカでの作戦は失敗したと報告があった。使えぬ奴等なうえ、辺境伯も無様に負けおったからな。御蔭で帝国が覇権を握る計画がなかなか進まぬ」


 「いろいろと絡んでいるみたいだな。まあ、とにかく裏は分かった。お前を含めて色々と書き換えておいた方がいい事も」



 俺はそう言うと侯爵を善人化し、その後に地下室へと移動して行く。そこには女性12人と男性6人が居たが、全員を善人化してから快眠の香りを注入して意識を奪う。その後は素早く本体空間に転送し、侯爵家の中の家捜しを開始。


 結構な量の紙幣と借金の証文を手に入れた俺は、住宅街の一角であるスラムまで行き、男女18人をそこに出した。その後、侯爵家から奪ってきた紙幣をそれぞれのズボンのポケットに入れ、慰謝料としていく。一人頭500ダルだから十分だろう。


 それが終わったら中央の繁華街だ。ノノは最初から近くの村の善人化をしてくれているので、俺が最後まできっちりと終わらせないとな。


 カジノ以外をさっさと終わらせた俺は、ようやくカジノへと侵入を果たす。そのまま従業員の善人化をしていき、最後にウェルディに声を掛けたオッサンが居る部屋へと行く。どうも、まだ起きているらしいな。



 「あの女は気に入った。今日は逃げられたがまた来るだろう。何としてもあの女を借金地獄に落とす方法を考えろ! ワシが誘ってやったというのに勝負もせずに去りおって!!」


 「仕掛けを施すには営業が終わってからでしか無理です。なのでこのような時間まで居られたのですか? 余ほど気に入られたようですね」


 「当たり前だ。あの尻のラインといい胸の大きさといい、完全にワシの好みそのものだぞ。そんな好みが見せびらかすように皮製の服に身を包んでおる。それに食指を動かさぬ愚か者など居らぬわ」


 「はあ……。それはともかく、どの遊戯台に仕込むのですか?」


 「それはだな………」



 聞くに耐えんのでさっさと処理してしまうか。気絶させただけだが、後は情報を引き摺り出せば終わるだろう。それにしても欲望塗れなヤツだな。


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