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0954・西ガウトレア中央町




 Side:ノノ



 帝国に入ってすぐに<スコーピオン>に関する情報を得たが、あれから12日が過ぎた。今は西ガウトレア中央町に来ている。国境の善人化はすぐに終わり、そこから西ガウトレアの北を巡ってから西を巡り、そして今日中央まで来た。


 つまり西ガウトレアの北側と西側は完全に終了したという訳だ。ちなみにだが帝国の帝都は西ガウトレアにも南ガウトレアにもないらしい。その南西であるアッテールク地方。そこに帝国の帝都があるそうだ。


 急峻な山が背後と側面にあり、前方から攻める事しか出来ない都。それがダスガンド帝国の帝都であり、皇帝の住む帝城がある場所だ。情報として既に手に入れているが、少数が潜入して潰すならば別に厄介でもなんでもない。


 軍が攻めるには骨が折れるだろうが、我らは軍でも何でもないからな。それに一般人が入れない訳でもないみたいだし、仮に入れないにしても夜中に侵入すれば済む。後はいつも通りに善人化すれば終わるというだけだ。我らにとっては簡単な事だな。


 それはともかくとして、今は中央町に入って宿の確保をしている。それなりに大きな町なので宿も複数あるが、我らが無駄に高い宿に泊まる理由も無い。相変わらずスラムに近い安い宿だ。


 そこで部屋をとったら、まだ昼にもなっていないので適当に町をブラブラとうろつく。我はアレッサに抱かれたままだが仕方ない。この方が周りの人間を騙しやすいのと、子供が居ると追い駆け回されるのだ。


 それが面倒なので、まだアレッサに抱かれている方がマシと言える。子供が我をロックオンすると、非常にしつこく追い駆け回してくるので本当に面倒臭い。疲れるまで追いかけさせてもいいのだが、無駄に時間が掛かるので結局は抱かれていた方が楽だという結論になった。


 我としては腹立たしいのだが、背に腹は代えられん。なので仕方なく好きにさせている。今もこちらをジッと見ている子供が居て、目をらんらん々とさせているのだ。子供だから可愛い? そんな訳があるか。我にとっては肉食獣の目と変わらんわ。


 唯の肉食獣ならば身の程を教えてやるのだが、子供となると迂闊な事が出来んのでこちらが我慢するしかない。本当に面倒なものだ。何故この姿にしたのかと思うものの、溶け込むには便利であるし、好き勝手をしていても咎められる事は無い。


 そういう意味では便利な姿ではある。あるのだが……。おっと、武具屋に入ったか。そういえば弾の補充が出来てなかったのだったな。



 「中央町だから狙撃銃の弾と小銃の弾が売ってるね。今の内に補充しておこうか。リボルバーの弾はまだ残ってるけど、狙撃銃の弾と小銃の弾は補充出来る場所が限られるからね」


 「田舎の武具屋には売ってないのよねえ。とはいえ、売れない物を仕入れても仕方ないから当たり前でしょうけど」


 「100発ずつで良いの? まあ、二人がそれで良いなら別に良いとは思うけどね。でもそれ以上だと買い過ぎか。いつも減らないショットシェルが最後の切り札って感じ? 一番使い難いけど」


 「近距離なら威力は高いんだけど、そもそもその距離で戦わないしね。威力はリボルバーより上だけど、離れた距離から小銃を撃たれたらどうにもならないもの。ショットガンを持っていても滅多に使わないのよね」


 「使うタイミングが無いっていうか、使う状況にならないって言うべきね。これからあるかもしれないけど、どんな状況なのかは想像できないわね」


 「そうなのですか? ここではショットガンは売れ筋ですよ。近くのダンジョンでは大型のモンスターが出てくるので、威力の高いショットガンが必要になってくるんです」


 「へー、そんなダンジョンがあるんだ。もしかしたらショットガンが初めて役に立つ場所かもしれない。たまには行ってみるのも良いかもね」


 「そうね。たまにはダンジョンに行っても構わないんじゃない? 2ヶ月ぐらい前に行ったっきりでしょ。たまには獲物を持って帰ってきて、お金を稼いでおきましょうか」


 「まあ、たまには良いんじゃない? どこまで潜れるかは知らないけど、安全を確保しつつ進んでいけばいいわ。そこまで無理をする必要が私達には無いのだし」


 「お金は十分にあるしね」



 そんな事を口走りつつ狙撃銃の弾と小銃の弾を買っていく四人。実際に全員が既に一通りの銃を持っているので、イリュディナとカルティクもショットガンを持っている。帝国の連中が持っていたからな。それを拝借しただけだ。


 とはいえ弾の中では圧倒的に減り難いショットシェルを消費出来るのと、たまにはダンジョンにでも行かねば暇で仕方ないのだろう。ずっと移動ばかりだったからな、たまには良いのではなかろうか。その間に我らは善人化を進めておくしな。


 武具屋では他に買う物などないので、弾薬だけを購入して外に出る。他の店もウロウロと見て回るも然したる違いは無い。特に変わらないのは気候の違いなどが然程ないからか? となると南ガウトレアの南の方に行けば変わるのかもしれん。


 結局さして見る物も無かったので食堂に行って昼食をとり、その後は宿の部屋に戻った。町に大した特色も無く、ただ大きいか小さいかの違いしかない。それではな、見る物などある筈も無いか。


 せめて何らかの特色を作って売り出せばいいものを、そういう努力はしておらんようだ。中央町だから仕方ないとはいえ、地方も努力していないのだから、何も考えておらんのだろう。


 暇な国だな、まったく。……まあ、それは王国も変わらんか。


 …

 ……

 ………


 夜になったので宿の部屋を出た。我とファーダはさっさとこの町の善人化を終わらせ、ミクは安全を確認したら村の方へ飛んで行く。我らが居なくなってから急に襲ってくるような者もるまい。


 素早く手分けして悪人を善人化し、それが終わったのでミクが部屋から出てきた。我らはそれを見届けた後、少ししてから飛び上がる。透明化しているので見えている者など居るまいが、それでも上空で確認してから村へと移動していく。


 悪の神の権能で感知し、善の神の権能で善人へと一気に書き換える。それを繰り返していくのだが、村々の畑には危険な薬の材料が無造作に植えられているので抜いていく。面倒だが、危険な薬物を蔓延させる訳にはいかんのでな。丁寧に無くしていかねばならん。


 それにしても範囲が広いと思うが、それでも確実に減らしているので<ヴェノム>の資金源は少しずつ減っている筈だ。どれぐらいかと考えると気が遠くなるので考えず、目の前の薬物の原料だけを本体空間に移す。


 後で纏めて一気に燃やすので、今は纏めて送るだけでいい。それが終わったら次の町へ。生命の神の権能を使えば、人間の生命力を選んで感知する事も出来る。なので盗賊どもを見つけやすくもなったな。


 今も上空を飛んでいると、荒地で休んでいる盗賊を発見した。夜中だから堂々と見える場所まで出てきたのか、それとも夜中は危険だから見晴らしの良い場所に出てきたのか。その辺りは分からんが、情報は得ておくか。


 ………唯の盗賊だったな。広域盗賊団でも無かったが、だからこそあんな分かりやすい場所で寝泊りをしていたのかもしれん。少なくとも広域盗賊団を名乗っている連中は、ある程度のノウハウを持っている筈だからな。


 あんな荒地で堂々と焚き火をして過ごす事などせんだろう。そもそもモンスターは火を全く恐れんし、むしろ目印として襲ってきかねん。我に喰われずとも、モンスターに喰われて早晩全滅していたであろう。


 その程度の連中でしかなかった。


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