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0953・スコーピオンについての情報共有




 Side:ミク



 昨夜、帝国の善人化を始めたけど、まさか一日目から当たりを引くとは思わなかった。盗賊などという連中はちょこちょこ居るとはいえ、そいつらから<スコーピオン>の事と黒幕が<ハードバレット>社である情報が出てくるとは……。


 あの盗賊どもの情報が本当に正しいかは分からないけど、仮に正しい情報であったのならば、帝国を善人化する事で<スコーピオン>は潰す事が出来る。とはいえこいつらはハンターを狩る連中なので、元々そこまで社会に対して大きな問題を起こしてはいない。


 もちろんハンター狩りを行う事は問題ではあるのだが、一般人が巻き込まれる種の問題は起こしていない連中だ。しかし活動の全てを知っている訳ではないので、もしかしたら大きな社会問題を起こしているのかもしれないけどね。


 とにかく広域盗賊団の一つが潰せるとなれば、帝国の善人化には大きな意味があるという事になる。このまま帝国中を巡り、全ての悪人を善人に変えていこう。王国と比べてどれほどの悪人が居るかは知らないが、一気に善人にしていけばいい。


 そろそろ起きてきそうだと思っていたら、アレッサが起きてきたので挨拶し、その後に起きてきたカルティクにも挨拶する。イリュはまだ寝ているけれど、まだ寝かせておいてもいい時間だ。



 「おはよう。今日から帝国内の移動だけど、今までと変わらないだろうから気楽にね」


 「おはよう。まあ、そうなんじゃないかと思うわよ。移動だけだしね」


 「おはよう。帝国だから違うなんて事は無いでしょう。町や村があるという基本的な部分は何も変わらないんだし」


 「昨夜それなりの村を善人化してきたから、今日はそれなりの距離を移動できると思う。小さな村なら一度で善人化が終わるぐらい範囲が広いからね。やっぱり権能を使うと違うよ。チマチマやってたのがバカバカしいぐらいに楽だから」


 「悪の神様の権能ね。そこまで楽になってるなら、バイクも含めて移動は楽になるわ。ま、そこまで急ぐ意味も無いんだけどさ」


 「それは確かにそうなのよね。ミクやファーダにノノが行う善人化が広範囲で早くなったとはいえ、私達が急いで移動する理由もそこまではないのよ。ただ、ダラダラしているといつまで経っても終わらないだけで」


 「確かにそれはあるわね。善人化はしなければいけない事だけど、それが終わらないとこの星から離れる事もできないのよ。別に帰りたい訳じゃないけど、ある程度の速度で進める必要がある」


 「ん……もう、朝?」



 どうやら私達の話し声でイリュが起きたらしい。挨拶をしてすぐに【浄滅】を使い、部屋ごと皆を綺麗にする。まだイリュは完全に覚醒していない気もするけど、昨夜の情報を共有しておこう。



 「イリュが起きたから話すけど、昨夜ファーダが盗賊を見つけた。そいつらは森に寝泊りしている奴等だったけど、都会というか帝都の近くでハンターを襲ってた<スコーピオン>だったの。そこまでは普通だったんだけど……」


 「普通って事は、よくある盗賊って感じだったんだろうけど、話を聞いたら違ってた?」


 「違ってたというか、そいつらは帝都から田舎へと逃げて来た奴等だった。ダンジョンでハンターを狩ってたら、本物の<スコーピオン>に襲われたそうだよ」


 「「「本物の<スコーピオン>?」」」


 「そう、本物。実は<スコーピオン>の黒幕って、銃火器メーカーの<ハードバレット>社みたい。帝国の盗賊では割と知られてるって盗賊は話していた。そしてその<ハードバレット>社の開発した武器の試験部隊、それが本物の<スコーピオン>なんだって。盗賊はそいつらに襲われたらしい」


 「成る程、新しい武器の試験部隊ね。そいつらが本物の<スコーピオン>で、他の奴等に<スコーピオン>を名乗らせてるのは目眩ましの為でしょう、おそらく」


 「盗賊に<スコーピオン>を名乗らせる事で、試験部隊がハンター相手に試験を行っても盗賊の所為に出来る? ついでに盗賊に物を売って稼いでるって事かしら」


 「その辺りだと思うわよ。そもそも盗賊に物を売って好き勝手をやらせるだけでは意味が無いもの。変だとは思ってたのよ、そこまで儲かる事じゃないし、バレた時のリスクが高いから」


 「試験部隊を隠蔽する為にやってるなら、そのリスクも受け入れるって事ね。実際にハンターを使った実戦だと考えれば、秘密裏に試験が出来るという事だもの。ただしハンターが来なくなったら出来ないけど」


 「問題はそこね。帝都近くのダンジョンっていうのが、よっぽどの旨味を持ってないとハンターは逃げるでしょ。それでもハンターが集まるなら、そのダンジョンそのものに旨味があるって事。わたし達には関係ないけど」


 「話を少し戻すけど、<ハードバレット>社の試験部隊が持っていた小銃は、普通の帝国兵が持っていた小銃より銃身が長かったみたい。これって何処かで見た事があるよね?」


 「それって、どう考えても帝国獅子隊よね? 帝国兵の持つ小銃より銃身が長いんでしょ。という事は秘匿部隊は<ハードバレット>社の部隊なの? それとも帝国の秘匿部隊を貸している?」


 「その辺りはまだまだこれからだよ。むしろ帝国に来てすぐに重要な情報が出てきてる。その事にファーダも驚いてた」


 「それは驚くでしょうよ。帝都近くでハンターを襲ってた盗賊が、本物の<スコーピオン>に襲われて田舎まで逃げて来たんでしょう? それを偶然ファーダが見つけて聞き出したと。ここまで綺麗に揃う事かしら?」


 「まあ、いいじゃないの。情報が得られたんだからさ。その盗賊が野垂れ死にでもしてたら情報が手に入らなかったところよ。それに比べたら運良く手に入っただけ感謝するべきね」


 「それなりに盗賊の間では有名みたいだから、似たような情報は手に入ってただろうけどね。でも、銃身の話は実際に襲われた奴等しか分からなかっただろうから、その部分では運が良いと思う」


 「帝国獅子隊は国境の戦いで30人ほど私達が殺してる。それがどう出るのかってところね。帝国獅子隊がそれなりの規模ならまだ居るでしょうけど、秘匿部隊の殆どが出ていたのなら……」


 「壊滅してる可能性があるって事ね。結局あの戦いでは帝国獅子隊の連中はスキル持ちではなかったと思う。だからスキル持ちを集めた部隊ではないんじゃないかしら。だとすると、それなりの数が居そうだけど……」


 「それも含めてこれからの話よ。あまり決め付けても良い事はないし、新たに情報が得られたらまた変わるわ。今は一つに決めないで先に進みましょう」


 「アレッサの言う通りね。そうと決まれば、そろそろ片付けて出発しましょうか」



 私達は部屋の中の荷物やエアーマットを片付けてから部屋を出る。宿を出たら食堂に行き、朝食を食べたら町を出発。少し歩いて町から離れたら、バイクを取り出して乗ると、エンジンを始動させて一気に進んで行く。


 土の地面とはいえ、デコボコもあるのでそこまでスピードは出せない。それでも田舎なので移動している者は少なく、事故の可能性は非常に低い。そんな道を進んで行き、まずは王国との国境を終わらせていこう。


 そこを善人化していく事で、王国との関わりにも多少の変化が出てくるだろう。戦争とかされても面倒だし、多少でもお互いに被害が出ないようにするには早くに変えておいた方が良い。


 戦争自体は中央からの命令なので反対は出来ないだろうが、それでも現場が変われば色々と変化は起きる。それに今やっておかないと野心家の皇帝だ、またぞろ攻めろと命じる恐れがある。


 そんな状態で善人化をしに行くのはタイミングが悪い。なら戦争というか小競り合いが終わった今の間に済ませてしまうべきだろう。なので国境付近から終わらせていく。


 皆にもそれは話してあるので、予定として既に決まっているけど、どれぐらい掛かるかな? ま、どれだけ掛かっても先に済ませるんだけどね。


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