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0951・西ガウトレア第3東町




 Side:ミク



 中央ガウトレアが終了して5日。私達は中央ガウトレア第2南西町から南下し、帝国に入った。あの戦いから二週間以上は経過しているので、王国から帝国に入ったところで警戒はされないだろう。帝国からの商人も来ていたりするし。


 私達はバイクに乗って進み、西ガウトレア第3東町に入った。ここから更に南下していくと、南ガウトレアに入るらしい。帝国の町に入ったので何か違いがあるのかと思っていたが、王国側と大した違いなどは無かった。


 仕方がないのかもしれないが、少々期待していただけに落胆はしている。もうちょっと南に行かないと変わったりはしないのかもしれない。中央ガウトレアも寒い地方では無いみたいなので、そこまで変わらないのかも。


 そんな事を考えつつ町中を見て回るが、雰囲気は少々暗い。おそらくは王国との戦いに負けたからだろうとは思う。結構な数の兵士や騎士が死んだからね。やったのは殆ど私達だけど、あそこまで被害を受けたら簡単には立ち直れないだろう。


 数百人が死ぬだけで相当の影響が出る。国ならともかくとして、町では影響が出ざるを得ない。特に国境付近の町の兵士が削られているので、そう簡単に元の兵士数には戻らないだろう。狙った通り、当分は王国を攻められない筈だ。


 武具屋にも行ってみたが、ここもリボルバーがメインで小銃などは売っていなかった。何処でもリボルバーが売れ筋なのは変わらないらしい。馬車で運びやすいし持ち運びやすい、ついでに弾は最低6発入る。優秀なんだよね、近ければ。


 遠間だと小銃じゃなきゃ駄目だけど、近くで戦えるなら拳銃でいいんだよ。そういう意味ではリボルバーは役に立つ。ただし戦場のような離れて撃ち合う場合には、リボルバーじゃ当たらない場合も多い。


 それに威力は明らかに小銃の方が上だしね。で、ある以上は時と場合によって変えていくしかない。そうなると役に立たないのがショットガンだ。一度発射する毎に弾込めをしなきゃいけないうえ、近距離しか使えない。本当に使い所が無い。


 威力は高いから役に立つ状況はある筈なんだけど、今までその役に立つ状況に遭遇した事が無いんだよねえ。なので未だにショットシェルだけは殆ど減っていない。せめてポンプアクション式なら使えるんだろうけど、未だに一回ずつ弾込めしなきゃいけないしねえ。



 「ショットガンだけは本当に使い所が無いよねえ。武具屋というかガンショップの中で言う事じゃないけどさ」


 「しょうがないんじゃない? 実際にショットガンじゃないと困るって事が今まで無かったし、これからもあるようには思えないしね。リボルバーで戦えるなら、複数の弾を込めておけるリボルバーを使うでしょ」


 「嬢ちゃん達がハンターなのは、その鉄の登録証を見りゃ分かるが、鉱山ダンジョンに行ったりはしねえのか?」


 「鉱山ダンジョン?」


 「何だ知らねえのか。帝国には有名な、中が鉱山になっているダンジョンがあるんだよ。そこでは山師が毎日中に入って調べて掘ってるんだが、そこに出てくる土人形にはショットガンで対抗するしかねえんだとさ」


 「土人形ねえ。もしかして体の中にあるコアを倒さなきゃ止まらないとか? そういう魔物ならショットガンが有効なのも分かるわ」


 「なんでぇ、知ってるんじゃねえか。知らないフリなんてすんじゃねえよ、恥掻いたじゃねえか」


 「本当に知らないわよ。でも土人形って言うんじゃ、大凡おおよそで想像がつくでしょうに。ハンターなんだから色々なのと戦ってきてるわよ。そこから想像できるってわけ」


 「そ、そうか。まあ、各国には色々なダンジョンがあるらしいしな。中には水浸しどころか、水の中を進まなきゃいけないダンジョンもあるらしいぜ? そこじゃ銃なんて使えねえんだと。未だに剣とか槍で戦うそうだ」


 「そんなダンジョンまであるのね。でも水の中のダンジョンなんてハンターは少なそう。行ったところで儲からなさそうだし、水の中じゃモンスターの方が圧倒的に有利でしょうしね」


 「でも戦えてる人が居る以上は儲ける事は可能なんじゃない? 剣や槍で戦えるならコストは低く抑えられるだろうし、戦える人は儲けられる場所なんでしょうね。私はわざわざ行きたいなんて思わないけど」


 「水のダンジョンは儲かるって聞いたぞ。海の場所もあって、海産物が手に入るらしい。内陸じゃ簡単に手に入る物じゃないからな、それだけで高く売れるのは当たり前なんだけどよ」


 「成る程、そういう理由で儲かるのか。それなら分からなくもないかな。どのみち濡れる場所なんて行きたくないけど、それでも一度は見に行ってもいいかな。一度だけ」


 「私は無理に行く気にはならないかな。いちいち面倒臭そうだし、そこまでしてダンジョンに潜りたい訳でもないし」


 「まあ、どのみち今のところ要るのは弾ぐらいだね。ここには無いけど」


 「悪かったな。ただ狙撃銃の弾と小銃の弾なんぞ、都会に行かなきゃ無理だ。ここで小銃の弾を持ってるのは、辺境伯様んトコだけだからな。ここじゃ売り買いはほぼ禁止になってる」


 「なんで?」


 「辺境伯様んトコが全部持ってくからさ。兵士達も練習しなきゃならんし、そうそう民生品として下りてはこねえんだ。リボルバーの弾ならハンターもよく使うんで問題ねえんだけどよ。それと辺境で狙撃銃なんて使うヤツは居ねえから、そもそも仕入れる事すらしねえな」


 「硬いモンスターには威力抜群なんだけどね。ショットガンのように削り取るタイプじゃないから」


 「そういう使い方をするヤツは多いが、大体は狙い撃てなくて諦めるんだよ。狙撃の命中率は露骨に腕が出るからな、下手クソは使えない武器なのさ。そのうえ連射できねえから当たらなきゃ一気にピンチだ。ハンターだって使うヤツは多くねえ」


 「やっぱり軍の専門部隊?」


 「そうだな。帝国銃士隊ぐらいしか使ってないんじゃないか? それでも強力な銃だし、小銃と同じで連射できないならって事で買うヤツは居るらしいがな。小銃と狙撃銃じゃ威力が相当に違うから仕方ねえんだが、弾の値段を考えてんのかと思うぜ」


 「狙撃銃の弾って本当に高いのよねえ。そう練習だって出来る訳じゃない値段してるもの、コスト的に考えたら小銃でしょ。リボルバーより威力は高いんだしね」


 「おっと、客が来たんでな。買わねえなら帰ってくれるか?」


 「ああ、邪魔したね」



 ミクがそう言って、私達も挨拶した後に店を出た。何処もそこまで品揃えは変わらないし、それは帝国でも変わらないみたいね。帝都には<ハードバレット>社があるって聞くし、もしかしたらそこには良い銃があるのかもしれない。


 まあ、期待はしていないけどね。民生品として下りてくるのは軍の一世代前とか二世代前とかだろうし、そこはどうしようもない。良い武器を持っていると怪しまれるから持つ事も出来ないし、そうなると無理に手に入れる意味も無い。


 帝国でもそこは変わらない部分だ。それでも王国より良い物が売っていたら持っていても不自然じゃないから、出来るだけ良さ気な物は探さないとね。


 私達は既に部屋を確保している宿に戻り、適当な雑談をしながら夕方を待つ事にした。町に着いたのは早かったけど、それでも昼が過ぎてからだから待つ時間もそこまで長くはない。


 悪意や敵意も向いてこないので、私達を狙っている者は居ない。ここは国境近くの町だし、広域盗賊団もこんな所には居ないだろう。なら夜の内にさっさと終わらせてしまうかな。


 ファーダもノノも動けるから一気に終わらせていく事が出来る。今日一日で何処まで終わらせられるか分からないけど、なるべく急いで終わらせていこう。地方で足止めを喰うのもバカバカしいし。


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