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0949・戦場の片付けと辺境伯への報告




 Side:カルティク



 私達は王国側の遺体が集められている場所に行き、さっさと遺体の処理を終わらせる事にした。よくよく考えると、ここは多くの戦いが行われた場所なのよ。つまり、ここの地面の下には数多くの死体が眠っているという事になる。


 何だか急に嫌な感じの場所に思えてきたけど、きっと気のせいね。さっさと済ませてとっとと帰りましょう。他の皆も早く帰りたいのだろう、アレッサが血を奪った後でミクが【聖炎】を使って燃やしていく。魔力が相当に込められているのか、凄い勢いで燃えていく遺体。


 簡単に終わったので、次は帝国側の陣地へ。そちらの遺体は根こそぎ奪われているのか、裸の死体が複数見える。何でこんな事をと思って兵士を見ると、兵士は慌てて説明を始めた。



 「我々だってここまでの事なんてしない。裸の死体は見つけた時からこうだったんだ。つまり帝国の奴等がやっていった事なんだよ、オレ達じゃない」


 「成る程、帝国側がねえ……。見た感じ、根こそぎ奪われているのはハンターかしら? 腹の出ているオッサンとかばかりみたいだし、兵士でこの不摂生は流石に無いでしょう。もし兵士だったら話にならないわ」


 「まあ、十中八九ハンターでしょう。わざわざ裸に引ん剥く理由が分からないけど、いったい何故かしら? もしかして戦闘で死んだんじゃなく、別の理由で死んだのかも。喧嘩とか決闘をやらかしたとか……?」


 「可能性としてはあるわね。そもそもオッサンを裸に剥く理由が分からないもの。わざわざやろうとしない限り、誰もしないでしょこんな事。高値の物を持っていたとしても、普通はそれを奪うだけよ。裸にしたりはしない」



 何故かは考えたところで分からないので打ち切り、アレッサが遺体から血を奪った後で焼却する。帝国兵の死体も焼却したら、最後に死体がないかを探して行く。


 死体が無くなった事で血の臭いもなくなり、これでアレッサが探しやすくなった。その後はミクが2体、アレッサが5体見つけてきて、それも焼却して終了。北西の橋の遺体は放っておいたけど、こっちの遺体は正しく処理できたわね。


 向こうも後でするのかしら? 仮にやるとしてもミクが夜中にするぐらいでしょうね。そんな話をしながらも王国の野営地まで戻り、そこから第2南西町への道を歩く。


 ある程度の道を歩き、王国側の兵士というか辺境伯軍から見えなくなったらバイクを取り出す。わざわざ徒歩で歩くのも面倒だし、私達が歩いて戻る意味も薄いのよ。既にエルシアもブレンダも知っているから。


 なのでミクと私のバイクの後ろにエルシアとブレンダを乗せたら、一気に道を進んで行く。そもそも戦闘が終わったのが昼過ぎなので、バイクを使わずに歩くと野営をしなくてはならなくなる。それも嫌なのよ、私達は。


 だからこそバイクで走って行き、途中でハンター達を追い越しながら道の上をひた走る。行進の時には時間が掛かったのに、バイクだと2時間も掛からず町に到着した。私達は町が見えてきた辺りでバイクを降り、徒歩で町に入っていく。


 その足で真っ直ぐ辺境伯の屋敷へ行き、私達もエルシアとブレンダの口利きで中に入る事が出来た。ちょっと、用事があって辺境伯に会う必要があったのよね。


 私達も含めて応接室のような場所に案内され、今はソファーに座っている。意外と言ったらなんだけど、それなりにフカフカのソファーね。良い物を持っているみたい。流石は辺境伯ってところなのかな?。


 部屋の中に入ってきたのは眼光の鋭い人物だった。顔は似ていないものの、目線はラーディオンみたいな感じね。とはいえ迫力と圧が足りないのはラーディオンと違うところだけど、それは実戦経験の違いでしょう。



 「最初に聞きたいのだが、そこの女性達が何故ここに居る?」


 「彼女達は白というか、何の問題も無かった。裏も無し。そして大橋の北西にある橋で共闘したんだよ。相手は帝国騎士隊250と、帝国獅子隊30」


 「なに? 帝国士獅子隊だと!?」


 「そう。既に帝国獅子隊が使っていた専用の銃は、辺境伯軍に預けてある。帰ってくる時に一緒に持って帰ってくるだろうさ。銃口の先端下部に獅子という文字が刻印されていたよ」


 「ううむ、まさか帝国獅子隊の尻尾を掴めたかもしれんとは……。生け捕りは無理だったのか?」


 「それを言って来た古参兵は裏切り者だったよ。報告はあったろうけどさ、全体を引き締めた方が良いんじゃないかい? 今回の戦いでは裏切り者が二人出たし、他に居ないとも限らないんだからマズいよ。このままじゃ」



 それを聞いて驚く辺境伯と、更なる情報を話して行くエルシアとブレンダ。私達は関わり無いので適当に過ごし、話が一段落した時には辺境伯が渋面になっていた。まあ、長年裏切っていた可能性もあるんだものねえ。気持ちは分かるわ。



 「裏切り者が居たのと、倒した後で帝国獅子隊だという事が分かったという流れは理解した。流石にそれでは捕縛は不可能であるし、逃げる者を追うのも簡単ではないのは分かる。それは良いのだが、何故お前達は二人と共にここへ来た?」


 「簡単だよ。私達は帝国兵と帝国騎士の使っていた小銃を全て持っている。これが市場に出回るのは問題である可能性が高い。少なくとも500丁はあるんだから、広域盗賊団などに買い占められたら問題でしょ? なら貴族が買い取らないとね」


 「…………ふぅ、むを得んか。確かに連発式の小銃が出回るのはマズい、とはいえ帝国の小銃をそのまま我が軍に配備する訳にもいかん。買い取った後で色々とせねばならんであろうが、少なくとも使える事は使えるであろう」


 「ある程度の数は王都に売り払えば良いんじゃないか? アタシは無いけど辺境伯殿なら伝手はあるんだろう? 中央なら確実に買い取るさ。帝国の兵と騎士の銃だ。然したる違いは無いみたいだけどね」


 「という事は帝国獅子隊の物は違うのだな?」


 「銃身が少々長いのと、小銃の弾が8発装填できるようになっていましたね。帝国兵や帝国騎士の持っている小銃も安定しているみたいですし、なかなかに優秀なのでしょう」


 「帝都に本社を構えているのは<ハードバレット>社だ。あそこは堅牢で耐久力の高い銃を作るので有名だからな、そういう意味では安定している良い銃なのだろう。それを解析する意味でも大量にある方が良かろうな」



 その後はミクと辺境伯の間で交渉になり、全部で530丁を1丁70ダルの合計3510ダルで買い取ってもらった。実際には530丁以上あったので、残りの小銃は予備として確保しておく事に。


 私達は300丁の2100ダルを4人で525ダルで分け、230丁の1610ダルを268ダルで分ける。端数で余りの2ダルはミクへ。


 エルシアとブレンダも思わぬ臨時収入にホクホク顔ねえ。その顔は子爵令嬢として良いのかしら?。


 その後は話す事も無いので辺境伯邸を後にし、私達はハンター協会へ。無事に戻ってきた事を報告し、報酬の一人100ダルを受け取ったら二人の用が終わるまで待つ。


 そして最後に武具屋へと行き、そこで帝国別働隊から手に入れたリボルバーなどを売り払う。全部で304ダルになったものの、端数が面倒だったので一人50ダルに分け、余りの4ダルはミクに渡す。


 これで全てが終わったので二人と別れ、私達は宿の部屋をとって休む。今回も色々とあったという話をしていたら、急にファーダが現れた。



 「既にミクには説明してあるが、この町の善人化は終わっている。辺境伯の兵に帝国の間者を確保させたのでな、その後に一気にやっておいた。他の村も終わっているので、中央ガウトレアは行っていない町を残して全て完了だ」


 「なら問題なさそうね。後は行っていない町に行って善人化を終わらせたら、その後は帝国? それとも東ガウトレア?」


 「帝国だね。アロトム王国とメルシーヌ王国がどう出てくるか分からないから、東ガウトレアは残しておく。悪人を善人に変えるだけだから大丈夫だと思うけど、ウェルキスカ王国の国防に穴を空けたい訳じゃないしね」



 なら少しの間はゆっくりツーリングかしら? それはそれで楽しそうかも。


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