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0947・午前の戦闘の考察




 Side:ミク



 大橋を挟んだ戦闘、その三日目が終わり私達は砦近くの野営地へと戻っている。兵士達は昼になると白旗を振って死体を片付けるらしい。これは一日目も二日目も変わらないそうで、白旗を掲げてないと敵に撃たれるルールになっているからだそうだ。


 それは帝国軍も同じなので手を出して来ないらしく、帝国軍も白旗を掲げながら死体を片付けるらしい。お互いに午後からの戦闘の為に片付けるので、撃ち合いなどはしないようにと決まっている。死体の片付けなど、何処かにルールを設けるしかないのだろう。


 私達はそういった事をしなくてもいいらしく、さっさと戻ってきて昼食にする事にした。未だ昼くらいの時間なのだが、既にそれなりの人数のハンターが死んでいる。これは一日目や二日目と大きく違う事だ。


 私は野営地で昼食を作りながら、エルシアとブレンダに聞いてみる事にした。



 「帝国軍との戦争、一日目と二日目ではハンターの死亡は殆ど無かったと思うけど、午前の戦闘だけでそれなりに死んだよね? あれって普通の事なの? それともおかしな事?」


 「そこまでおかしな事では無いよ。死ぬ時は一気に死ぬし、死なない時は全く死なないからね。先程の戦闘は運悪く死ぬヤツが多かったってだけさ。それにハンターが前に出る許可が出たのは三日目からだから、あんなものだよ」


 「そうですね。戦闘が始まっても三日目や四日目ぐらいにならないと、ハンターが前に出る許可なんて出ません。ですので一日目や二日目でハンターが死ぬ事は滅多にありませんね。林などに隠れてるハンターが撃たれて死ぬくらいです」


 「木を盾にしてるんだから、死亡確率は低いわよねえ。当たり前と言えば当たり前だけど、それでも適当に撃たれて死ぬ事はあるかもしれないから、全く無い訳じゃないんでしょうけど……そこで死ぬって何だかマヌケな感じ」


 「それを言ってはいけないんでしょうけど、確かにマヌケな感じがするわね。それはともかく、午後からもあんな感じで戦闘が続くの? 敵が妙に出てこなくなってたし、途中から撃てなくなってたんだけど」


 「あんな事は今まで無かったと記憶してるんだけど、確かに敵兵が前に出てこなくなったのはアタシ達も確認したよ。驚くしかないけど、殺されすぎるから前に出る兵士を減らしたのかもしれないね。おそらく、でしか言えないけど」


 「そうですね。前に出る兵士を減らすという事もあるのだと驚きました。普通はお互いに撃ち合うものですが、相手の兵士数が減ったので途中から非常に楽でしたね。飛んでくる弾の数が少ないので本当に助かりましたから」


 「飛んでくる弾の数が減れば、当たり前だけど死亡確率は下がるものねえ。敵の兵士が減ったとはいえ、それはあくまでも前線に出てくる兵士が減ったってだけで、帝国軍の兵士はまだまだ居る筈。でしょ?」


 「多分だけど2000ぐらいは連れてきている筈さ。交代で戦わせるから午前の戦いでどれだけ出てきたかは知らないけどね。こっちは1000ぐらいだけど、王軍が控えているから単純に1000とは言えないかな」


 「帝国は毎回結構な数の兵士を投入してきますからね。ただしその分の食料をはじめ結構色々と消費している筈なのですが、毎回2000ほどの兵を連れてきていると言われています。現に北西の橋で500は倒したとはいえ、まだ前線に出てくる兵士も居ますし」


 「あくまでも毎回2000ぐらいを連れてきていると〝言われている〟だけなのね? 数えた訳じゃないと」


 「それはそうですが……。そういえば何故2000と言われているのでしょう? いつもそう言われるので、そんなものだと思っていましたが……もしかして、その情報すら相手から流されている?」



 私は昼食が出来たので皆に渡し、食事を始めさせた。好評だったので野菜コンソメスープと、兎肉のチーズ焼き、後は適当なコッペパンだ。私のアイテムバッグには時間停止で入っているので問題無し。



 「うん。チーズの塩気と兎肉がちょうど合ってるわね。ケチャップつけるのも美味しい。っと、話を戻すけども、相手が本当に2000を連れてきているとは限ってないのよね? となると、もしかして兵士数が足りていない可能性がある?」


 「分からない。その可能性自体は十分にあると思うけど、でもだからと言って本当に2000が来ていないとも限らないし……。でも550ぐらいが殺されて、更に三日目の攻撃で随分と減ってる。その結果、兵士の数が足りなくなったんだとしたら」


 「来ていた数は800から900というところですか。いえ、それなら兵士数が減ったりはしない筈ですし、700ぐらいしか来ていなかった? 帝国兵の数が分かるような場所ではありませんし、お互いに相手の軍の数は把握……いえ、帝国側は出来ていますね。裏切り者が居たわけですし」


 「だとしたら毎回帝国軍は王国より少ない数しか出していなかった? その結果は……無駄にお金を使ったって事か。そうやってこっちの力を削り取ってた可能性がある。厄介な事をしてくれるね」


 「まあ、気付かなかった王国側が悪いと言えばそれまでなんだけど、思っていたよりも長期的な攻撃ね? ついでの攻撃と考えた方がいいのかもしれないわ。本命は別働隊だったんじゃない? あくまでも今回だけかもしれないけどさ」


 「つまり前方に集中させておいて、横撃で王国側を叩くつもりだった。それが不発に終わっても、二段目の騎士部隊で横撃をする? でもそうすると……ああ、北西の橋に兵を差し向ければ正面が薄くなるから、その場合は正面を突破するつもりだった!」


 「それで二度目の騎士部隊は慎重に進んでいた訳ですね。王国側が二度目の別働隊に引っ掛かっても、引っ掛からなくても良かった。兵を派遣しなければ横撃、派遣していれば正面から。どちらにしても有利な戦いが出来る筈だったと」


 「今回はそういう策で来たんだけど、アンタ達が居た所為で別働隊は二度とも潰されちまったってわけか。帝国軍にはある意味気の毒ではあるけど、結果としたら王国側の完勝って感じだね。アタシ達の考えが当たってたら、だけど」


 「そこまで大きく外れているとは思えませんが、あくまでも前線に出てくる兵士の数が少ないから、という事に関する考察です。それでも二度の別働隊に勝ったのは、帝国側にとって致命的な気がしますね」


 「あくまでも正面の帝国軍は、横撃に期待して戦っているだけの場合もあるわね。いつか横撃の別働隊が来てくれるって」


 「そうかもしれないし、誰かが北西に見に行っているのかもしれないわ。仮に別働隊が全滅している情報を得たら、帝国軍はどうするのかしら? いつもは戦闘ってどうやったら終わるの?」


 「戦闘の時間になっても出てこなくなったら、慎重に相手の陣営を調べに行くって感じだね。そうしてもぬけの殻になってたら勝利したってところさ。だから明らかに勝ったって感じの状態にはならないね」


 「敵を撤退させれば勝利というなら、確かにそんな尻すぼみな終わり方をするのでしょうね」


 「確かに何だかハッキリしない終わり方ねえ。別に悪いとは言わないけれど、終わったのか終わってないのか分かり難くてモニョる感じ?」


 「それもあるだろうけど、撤退したと見せかけた罠の場合もあるんじゃないの? 別の場所に野営地を移して様子見、王国軍が撤退したら進攻って感じでさ」


 「今までそういう事は無かったので、可能性は高くないと思います。どのみち砦がありますから誰かしらは居ますし、その者が何としても伝えるでしょう。一気に攻められると分かりませんが……」


 「砦から逃げるくらいは出来るだろうから、話が伝わらないって事は無いんじゃないかな? だから今まで帝国軍もそんな事をしてないんだろうし」



 今までされなかったからといって、これからも無いとは言えないんだけどね。


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