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0944・昼食と雑談




 Side:ミク



 ジッと帝国獅子隊の小銃を見ている指揮官の前で、私は帝国獅子隊から奪った全ての小銃を出していく。持ってても仕方ないし、持って帰るとしてもこいつらの手で持って帰るべきでしょうしね。私はさっさと渡しておきたい。


 なのでどんどんと出して行き、全部で30丁を目の前のテーブルに置いた。テントの中は会議室みたいになっているので、それなりに大きいテーブルがある。私達に椅子は無いけど、多少の人数が座れるように何脚か椅子もあるし、さっきの老害も座っていた。


 私は全ての帝国獅子隊の小銃を出し「これで全部だけど、まだ何かある?」と聞くと、「話は聞いたので、もう用は無い」と言ったのでテントを出る。アレだけの事の為に随分と時間が掛かったね。


 私達はハンターが集まっている場所まで行き、その一角に座ると早速料理を始める。既に昼食の時間は過ぎているものの、何も食べていないアレッサの機嫌が良くないので、私は適当に野菜炒めを作って行く。


 味噌を中心として幾つかの出汁などを混ぜて味を整え、最後に混ぜて炒めたものだ。スープは野菜のコンソメスープだが、コンソメ自体は顆粒の物を使っている。素早く混ぜたので誰も気付いていないだろう。


 パンは6枚切りの食パンを取り出して素早く皿に乗せた。これも瞬時にやっているので見えた者は居ないだろう。仮に居たとしても私はとぼけるので、そもそも証明する事が不可能だけどね。アイテムバッグは私にしか使えないし。


 何より本当に見えたのだとしたら、それほどの速さで動ける相手に喧嘩は売らないし、何かを指摘したりなどしない。普通の人間種が視認できない速度で動くという事は、その速さで殺されるという事でもある。


 それを考え付かないほど愚かではないだろう。見える者はね。……さて、さっさと盛り付けて食べよう。昼食が随分と遅れたし、アレッサなんて真横に居る。



 「さて、盛り付けも終わったし、そろそろ食べようか。あんまり待たせるのもアレだしさ」


 「やっと昼食よ。本当に長かったわね。既に昼と夕方の間くらいだけど、それでも食べられるだけマシか。帝国軍とかいう空気の読めない奴等が、お昼前に来るからこんな面倒な事になったのよねえ」


 「まあ、それは流石に仕方ないわよ。文句を言っても始まらないし、お昼抜きになるよりはマシじゃない? 今度は逆に夕食がとれないか、少ない可能性が高いけどね。それも仕方ないでしょ」


 「中途半端な時間に食事をとると、夕食が微妙になってくるのよね。仕方ないとはいえ、夕食時はおそらく微妙な気分になってると思う。今日だけだろうから諦めるけど」


 「仕方ないさ。文句は帝国軍に言うべきだけど、その帝国軍はアタシ達が皆殺しだ。既に死んだ奴等に文句を言っても仕方ないしね」


 「そうですね。冷めてもいけませんので、早めに食べましょう。周りがいちいち見てきて鬱陶しいですし」



 あまり良い物を食べていないのか、周りの連中がジロジロと見てきている。それでも喧嘩を売る気は無いのだろう、見てくる以上の事はしてこない。それはいいとして、帝国との戦争はどうなっているのだろう?。


 昨日から攻めてる筈だよね? その割には興奮も無ければ悲壮感も無い。本当に戦いがあったのか疑問に思えてくる。私達が北西の橋に行っている間、ここの連中は本当に戦っていたのか?。



 「それは簡単さ。橋を互いに奪い合うんだけど、大橋を間に挟んで銃の撃ち合いをするからだよ。基本的に人死にはそこまで多くないし、運が悪いと頭に喰らって死ぬけど、それも多いわけじゃない。正直に言って、アンタ達みたいに僅かな時間で戦闘が終わったりはしないよ」


 「ええ。普通はそれなりに時間というものが掛かりますし、大抵は弾が足りなくなったり被害が大きくなってきたので、お互いに撤退という終わり方です。ですので戦争でも小競り合いでもいいですが、結構な時間が掛かりますよ。お互いにある程度は撃ち合わないと終わらないので」


 「アンタ達の腕前なら前線で撃ち合った方が早く終わるんだろうけど、指揮官が前線に立たせてくれるかは分からないかな? アタシ達が進言しても良いけど、聞き入れられるかは分からない」


 「指揮官には指揮官の策がありますし、戦闘の進め方というものがありますから。簡単に終わる方法をとるのも構いませんが、じっくりと被害なく進めようとするのではないかと思います。死人を極力減らすでしょう」


 「兵士の数が減れば減るほど防衛に穴が空くからね。向こうもそれを狙ってるし、こっちもそれを狙ってる。兵士数を回復するにも時間が掛かるんだから、その分だけ再進攻も遅れていく。どうせまた攻めて来るとはいえ、それはなるべく遅らせたいというのが本音さ」


 「それが出来るかどうかで評価も変わってきますしね、指揮官もその辺りを気にしているでしょう。立場がありますし、評価が高い方が今後も現場の者が従ってくれやすくなります。逆に評価が低いと大変なのですよ……」


 「気の毒なくらい裏目に出る指揮官が居たね。慎重なのは良いんだけど、慎重過ぎて裏目にばかり出る指揮官。アタシ達が流れてきて間もない頃の話だけど、もしかしたらあの老害が情報を流してたのかもね。あそこまで裏目にばかり出るのはおかしいし」


 「あの老害は40年とか言っていましたから、その可能性は十分にありそうですね。その割には帝国側を勝たせる事は出来ていませんし、変と言えば変ですが……。いったい何がしたかったのでしょう?」


 「膠着している事じゃない? そうすれば自分は常にお金が貰えるんだし、辺境伯軍では偉そうに振舞えるでしょ。そういうこすい感じに見えたわよ、わたしには」


 「ああ、確かにそんな感じに見えたわね。それでも今までは尻尾も掴ませなかったのだから、優秀ではあったのかしら? それとも結束が固いと言われていたから、裏切りを想定していなかった?」


 「そこまでは分かりませんね。私達も指揮の方にまでくちばしを挟んだりした事はありませんので、今回の事はむしろ例外という感じでしょうか。いつもなら雇われていたハンター側に怪しい者が居なかったかを、辺境伯殿に報告しますし」


 「そういうお仕事なワケね。まあ、どんな仕事をしていようと構わないんだけど……聞かれてないみたい」


 「聞かれるような声の大きさで話しませんよ。それに毎回参加していますし、知っている者は知っています。私達が銀ランクで、後ろ盾が辺境伯殿である事はね」


 「そうそう。だから見張るような仕事をしているって事も、薄々で気付いている奴等は居るのさ。そういう奴等は分かっているから下らない事はしないよ。分かっていない奴でも、大多数は成り上がりを目指してるだけだからね」


 「むしろハンターの方が裏切りとかはしなさそうね。成り上がりを目指してるのならさ」


 「そういう風に装ってる場合もありそうだけど、少なくとも小競り合いの間は怪しい行動をしていないならセーフかな? 情報は送れないだろうし、おかしな事も出来ないって事だし」



 だろうね。仮に帝国側のヤツが居たとしても、封じ込められるなら問題にはならないだろう。碌な動きが出来ないだろうし、出来ないなら居ても戦争には影響しない。


 それでも見つけ出せるに越した事はないだろうけど、証拠が無いと動けないんだよねー。この戦争後に第2南西町を善人化するけど、今はまだしていない。敢えてというか意図的になんだけどさ。


 こういう時に背後でうごめきそうなのが居そうだし、ファーダが監視してくれているんだよ。今のところは大きな動きをしていないみたいだけど、これから先も動かないとは限ってないしね。


 戦争終わりまで監視は続行かな?。


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