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0939・新たな別働隊




 Side:カルティク



 夜番を行ったのは久々だけど、久々だからか多少眠いわね。あくまでも多少だけど。


 それはともかくとして、帝国側が来るとしたら今日か明日になる。一応明日まで見張っててくれと言われてるし、明日の夕方に戻ってくればいいと言われているので、時間的には明日の昼まで見張っていればいい。


 そこまで長いと言えば長いけど、ある意味ではゆっくりしていられるとも言えるのよね。眠るのは駄目だけど、それ以外は適当にしていて問題ないんだから、闇影で監視でもしていましょうか。


 エルシアとブレンダは恋人同士として過ごしているみたいだし、私達は適当に目を瞑って集中すればいい。そもそも何かで集中が乱れる方が問題だし、闇影の力だって日中に使えない訳じゃない。むしろ日中こそ上手く使えるようにならないといけないのよ。


 そう思いながら影を上手く捉えて視覚と同調する。向こう岸の先にある影だけど上手く捉える事が出来た。光があるならば必ず影がある。その影を捉えて利用する事が、私の力を上手く使う秘訣なのだと思う。


 私自身の為にも、自分の持つ能力は把握して使い熟さないとね。とはいえ霊人族の頃とは違い過ぎて、未だに戸惑う事も多いんだけど。


 …

 ……

 ………


 昼食も終わり、ゆっくりとしつつも向こう岸を調べていく。本当に帝国軍が来るのかどうかも分からないけど、本隊が横撃なんてされると相当にマズい。なので、来るのなら迎え撃つ必要がある。


 銃を撃ち合うこの星の戦争では数が物を言う。特に戦列を組んで銃を撃ち合う必要がある為、数はそのまま力と言ってもいい。もちろん銃弾が無ければ烏合の衆になりかねない弱さも持つんだけど。


 それ故に横撃など受けてパニックになると、銃を撃つ事すらままならなくなってしまう。そうなれば高い確率で押し潰されるだろう。それに大砲を持って来ている可能性もあるので、それも含めて気をつけておかないといけない。


 それ以上の武器はおそらくまだ無い筈だけど、そろそろ手榴弾みたいな物も登場しそうな気がする。地雷は……流石に無いね。迫撃砲なんかも無いと思う。対処の難しい武器が無くて本当に助かる。


 もちろん私達が本気で能力を使えば対処なんて幾らでも可能だけど、能力をバラす気の無い私達からすれば制限を受けているようなものなのよね。それを考えた場合、人前で対処し辛い武器があるのは厄介なのよ。


 おっと、モンスターが見えたけど帝国兵の死体を食べてるわね。これ自体は自然な事だから何ら悪い事では無いんだけど、こっちにまで来る可能性があるかしら? そこは考えておかなきゃいけないか。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:イリュディナ



 今日は北西の橋に来て二日目。今日の昼まで見張れば終わるし、既に昼食が近い時間よ。しかし、そんな頃になって現れたわ。ギリギリになって来るなんて腹立たしい奴等ね。とはいえ遅くに来て横撃を受ける羽目になるよりマシだけど。


 私達はまだ見えていない帝国兵の事を小声で話し合う事にした。【念話】はエルシアとブレンダが使えないからね。



 「皆、静かに準備。帝国兵が来たわ。まだ見えない位置だけど、既にこちらは把握してる。夜の間に通ると思ってたんだけど、まさか昼間にここに来るなんて何を考えているのかしら? 敵が居たら丸見えじゃない」


 「それは相手も分かっていると思うわよ? 慎重に進んで来てるじゃない。私とイリュには完全にバレてるけれど、あれでも真剣なんだからバカにするのは良くないわ。たとえバレバレでもね」


 「まあ、アンタ達が言うのであれば間違ってないんだろうね。何か敵が可哀想にならなくもないけど、敵は敵か。しっかし、アタシ達が貰っても良かったのかい? 連発式の小銃は何処の国でも兵士の装備なんだけどね」


 「別に良いじゃない。大量にある物の一つなんだしさ。幾つか壊れてるとはいえ、300ほどの兵隊が持っていた小銃よ? 余っている数が数だから、二丁渡したとはいえ大した損にはならないわ」


 「そろそろ帝国兵が見えるかな? 相手の部隊が橋の中央に差し掛かったところで、私がタワーシールドを持って前に出る。皆はそれぞれの位置に移動して攻撃を開始。エルシアとブレンダはここで攻撃だけど、相手の攻撃が激しければ下がる。分かったね?」


 「了解だ。アタシだって死ぬ気は無いし、無理なんてしないよ」


 「私もです。まだ死にたくはないですしね」


 「それじゃ所定の位置へ行くよ」



 ミクの言葉に頷き、私達は林の中に入っていく。ミクは橋の正面にまで移動して、そこから兵士達の前に行く事を決めている。そこに銃弾が集中するから、私達は射線から離れる。今回はアレッサも離れるけど、アレッサは北東側に移動しての狙撃だ。


 私達はミクの射線上からは離れるけど、基本は木を盾代わりにして攻撃を行う。狙いは常に同じで頭。相手を確実に仕留めるには頭を撃ち抜くのが一番だし、私達はそれが十分に出来る。銃も慣れれば命中率は腕前で上げられるのよ。


 案外そこまで難しくないっていうか、人間種には難しいのだろうけど、私達にとってはそこまで難しい事ではないしね。


 林に入ってどんどんと進む。当然ながら相手は私達が見えていないし、気配や魔力も捉える事は出来ない。


 そもそも気配や魔力程度なら私達でも隠蔽出来るし、今は空間を歪曲させて向こう岸からは見えないようにしている。音はするけれど、なるべく音をさせないように動いているので大丈夫だろう。


 カルが所定の位置につき、ミクが所定の位置につく。そして私が位置につくと、最後にアレッサが狙撃ポイントについた。後はミクが飛び出すのを待つだけだ。帝国兵は最初一人だけだったが、そいつが警戒しながらも橋の近くまでやってきた。


 ミクが私達に【念話】を送ってきて中継してくれるので、私達はともかくとしてエルシアとブレンダが暴発する事は無いだろう。私達は敵の動きを把握してるから問題ないけど、あの二人は唯の人間種だからね。気配も分かってないから、迂闊な動きをされると困るのよ。


 そのまま待機していると、警戒役の者が後ろに対して手を振り、やがて帝国軍の兵士がゾロゾロとやって来た。そしてその者達が橋の真ん中に差し掛かった時、ミクがタワーシールドを構えて前に出る。


 帝国兵が慌てて銃をミクに向けるけど、それより早く私達が敵に向かって発砲。素早く排莢して薬室に弾を送り閉鎖。そして敵の頭に向かって再び発砲する。鉄のヘルメットを被っているけど、眉間が守られてないから意味無いのよね。


 今までの帝国兵は頭部を守る防具は無かったけど、今回の兵士はヘルメットを被っている。何か理由があるのかは分からないけど、それを考えている暇は無いわね。次々に撃ち込んでいき、敵を少しでも多く減らす。


 敵もミクに向けて撃っているけれど、「キン!キン!」音がするだけで全く効いていないのが分かる。私とカルは透過させているから、そもそも銃弾に当たる事も無い。アレッサは離れてるから、多分あっちは狙われないでしょう。


 エルシアとブレンダは遠いからね。あの二人は狙いにくいし当てにくいでしょうけど、そこは諦めてほしいわ。私達みたいに近くで戦える訳じゃないし、少なくとも知り合った者を死なせるのも御免なのよ。


 それにベテランなんだから、何とか当てられるでしょ。弾はあまり多くないけど渡してあるし、銀ランクなんだから射撃も上手い筈。もし下手だったとしても、体の何処かに当たってくれるだけで十分よ。


 全く当たらないなんて事は無いでしょ。………無いわよね?。


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