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0936・再び北西の橋へ




 Side:カルティク



 昼食を終えたエルシアとブレンダは自分達の場所に戻り、私達は適当にダラダラと過ごす。ミクが帝国軍の使っていた小銃を出して魔法で綺麗にし、その後は色々と内部を調べているみたい。私達も興味があったのでミクに言って出してもらった。


 王国で売られている小銃と大きな違いは無い。イリュが買った軽めの小銃よりは重いけど、私が買ったのと殆ど変わらないので重いわけじゃない。ボルトを操作して開けてみると、中に弾が入っているのが見える。


 その弾の奥を確認すると、確かに弾が入っていた。2発しか入っていないのは撃ったからだろう。私はアイテムバックから取り出すフリをして、闇影空間から自分の小銃を出す。魔法で綺麗にしたらボルトを操作し、弾を取り出したらアイテムバッグに仕舞った。


 帝国軍から手に入れた小銃に弾を篭めると、全部で6発を篭める事が出来たので、その状態で闇影空間に仕舞う。単発銃よりも連発銃を優先するのは当たり前で、敵国が使っていた銃とはいえ、戦闘で有利な方を使うのは当然の事だ。


 死んだ若い兵士達が持っていた武器は遺体と共に返したので、私達が手に入れる事は出来ていない。無理に手にしてもバレたら犯罪だからね、流石にそれは許されないでしょう。敵国の銃なら奪った物だと言えるし、使っても問題は無い筈だ。


 仮に文句を言われたり疑問を持たれても、帝国兵から奪って手に入れたと言えば済むしね。敵から奪った武器を使うなんて普通にある事らしいし、実際にそういう経緯の連発式小銃を持っている者もハンターには居たのよ。


 それもハンターが戦争に加わる理由の1つだったりするからね。私達としてはラッキーだったとしか言えないわ。更には300ほどの敵の武器を鹵獲ろかく出来ているし、それも売れば儲かるわねえ。売られると困るかもしれないけど。



 「連発式の小銃が出回るのは色々とマズいでしょうけど、どうなのかしらね? ミクならそのまま持っていても良い筈だし、部品を流用する意味でも持っておく? 案外と他の金属で同じ物を作りそうだけど……」


 「場合によっては作ってもいいけど、無理に作る気はあまりないかな? ダブルアクションのリボルバーを作製しても構わないんだけど、別に無理に作る価値も無いんだよねえ。周囲から浮く装備も問題だしさ」


 「ああー、確かにそれはそうね。それこそ貴族どもに目を付けられると面倒でしかないわ。それにしても帝国軍は動かないみたいだけど、どうなってるのかしら?」


 「もしかしたら別働隊から合図か何かがあって、それから攻めるつもりだったのかもしれない。もしそうだったら、別働隊の合図が無い事で混乱しているのかも」


 「混乱というか、作戦変更? そうなると確かに相手に動きが無いのは分からなくもないわね。それか別働隊がどうなったか見に行ったかだけど、新たに兵士を行かせたなら同じ事をされる恐れはあるわよ?」


 「流石にそこを分かっていないとは思えないわ。新たに兵士を監視か何かに行かせたんじゃない? 私達は依頼の通りに見に行ってきたし、別働隊も殲滅したのよ。十二分にやるべき事を果たしているわ」



 そんな話をしていると、私達に依頼をしてきた軍人がまた来た。いったい何があったのかと思ったら、再び北西の橋を見てきてくれないかと言い出す。いったい、どういう事?。



 「君達が北西の橋まで行って、素早く帰って来れた事から、相当の速度で移動できる事は分かっている。だからこそ頼むんだ。我々ではそれほど早くに行って帰ってくる事など出来ない」


 「言いたい事は分かるけど、それ以前に何の為に行くのか教えてくれないと困るよ。今度は何をしに行けって言うの?」


 「ああ、すまない。本部でも話し合いが行われているが、敵が再び別働隊を組織して北西の橋を渡ってくるかもしれない。そうなった場合、我々に知らせてほしいんだ。その場で殲滅出来るなら構わないが、駄目そうなら必ず情報を持ち帰ってもらいたい」


 「成る程ね。それはいいけど、私達はずっと北西の橋で待機?」


 「いや。我々は明日にも帝国軍へ攻撃を仕掛ける。その際に横撃を受けなければいい。だから二日後には戻ってきてくれて構わないので、明後日の夕方に戻ってきてくれ。そこまで監視できていれば別働隊も来ないだろう」



 私達が軍人から話を聞いていたら、エルシアとブレンダがこっちに来たわね? 何か目的があっての事なのか、それとも暇だから近付いてきたのか。



 「それならアタシ達も行くよ。流石に四人じゃ厳しいだろうし、二人でも増えた方が良いだろうしね」


 「君達は……いいのか?」


 「構いませんよ。ここに居ても大きく活躍できそうにありませんからね。再び別働隊を組織してくれれば大きく功績が稼げますし」


 「まあ、ならば六人に頼む」



 そう言って軍人は去って行った。私達だけなら【身体強化】で走り抜けられるんだけど、こいつらというお荷物が居たんじゃ、それも出来ないじゃないの。また歩き?。



 「それじゃ時間も無駄に出来ないし、さっさと行こうか? 二人も北西の橋の現場を見たいんだろうしね。辺境伯への報告の為に」


 「ありゃ、バレてたかい。一応だけどね、それでも現場が見られるのなら見ておきたいのさ。昨日の今日なら死体も残ってるだろうし」


 「とりあえず喋るのは歩きながらでも出来るわ。既に準備も出来ているみたいだし、さっさと行くわよ」



 そう言ってイリュが歩きだしたので、私達もそれについていく。色々と話しながらも歩いていき、ある程度の距離を進むとイリュが立ち止まる。



 「そろそろ良いかしらね? ここなら本隊から見えないし、さっさとバイクに乗って進むわよ。それなら鈍足の二人が居ても速く進めるでしょ?」


 「ああ、それで立ち止まった訳ね。確かに乗せれば済むんだから、さっさとバイクで進みましょうか」



 そう言って私達がバイクを出すと、エルシアとブレンダはキョトンとした顔をした。バイクが何か分からないんだろうけど、私とミクは気にせず後ろに乗せる。ミクの後ろがエルシアで、私の後ろがブレンダよ。



 「それじゃ、出発。一気に北西の橋の近くまで行くわよ」



 エンジンを始動させるとブレンダが驚きの声を上げたけど、私は気にせずに発進させて川沿いの道を進ませる。最初は驚いていたブレンダも慣れたのか、途中から早く流れる景色も楽しむ余裕まであった。


 そして夕方よりも前に私達は現場に到着。その速さにエルシアとブレンダが唖然としているわね。



 「こんな乗り物があるなんて知らなかったけど、いったい何処で手に入れたんだい?」


 「教えても良いけど、辺境伯で止めてくれる? それ以上に知られると面倒なのよ」


 「それは………事と次第によるとしか言えないね。流石に犯罪絡みとかだと無理だよ?」


 「そうじゃないよ。コレはバイクと言って、王都のアーリー・デイビットという魔族が作ってくれた物。一台で4500ダルもするけどね」


 「4500ダル………冗談じゃなく? 幾らなんでも高すぎるでしょう」


 「わたし達なんてアーリーの借金まで払ってやったから、一台で15000ダルもしたけど? それよりはマシでしょ」


 「「い、いちまんごせん……」」


 「あまりの金額に絶句してるところ申し訳ないんだけど、これを教えたくないのは革新的な技術でもあるからなの。王族などにバレたら、技術者であるアーリーが囲われるかもしれない。そうなると私達のバイクは修理すら出来なくなる。それは困るわけ」


 「あ、ああ………そういう事か。辺境伯殿もそこまでの事にはしないだろう」


 「そうね。幾ら優秀でも、値段が高すぎるわ。流石の辺境伯殿でも買わないでしょう」


 「でしょうね。それにコレ、魔力をドカ喰いするのよ。だから魔力量が相当多くないと使えないの。魔石で代用する事も出来るけど、貴族でも普段使い出来ないほどに魔石代が掛かるらしいし」


 「それは駄目ですね。技術としては凄いですけど、それでは貴族でも買いません。それが解決されれば別でしょうけど……」


 「そこに辿り着くまで時間も掛かるでしょうし、研究費が保つのかしら?」



 そういえばそうね。私達が何とかしてあげたけど、また借金塗れになる気がするわ。


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