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0928・北西の橋へ




 Side:アレッサ



 わたし達は砦の近くで今は休んでいる。国境にはそこまで幅は広くないものの川が流れており、だいたい15メートルぐらいはあるかな? そんな川に対して随分と幅広で大きな石製の橋が掛かっている。


 その橋が対岸まで繋がっており、その向こうがダスガント帝国領となっているんだと思う。橋はおそらくウェルキスカ王国が持っているんだと思うけど、この国は防衛がメインだから曖昧なのかな? そこはちょっと分からないね。


 そんな川から少々離れたところに砦が建っており、橋と向こう側を監視できるようになっている。馬も居るみたいなので、おそらく警戒網のようなものがちゃんとあるんだろう。で、その警戒網に帝国が軍を進めているという情報が引っ掛かったと。


 でも川を渡れる場所はここだけじゃないだろうし、別の場所から襲ってくる可能性ってないのかしら? ……十分に考えられるわよねえ? ここの大橋が一番可能性が高いからといって、他の場所から攻めて来る可能性は疑った方が良いと思うけど……。



 「そういうのも考えてるんじゃないの? 私達はあくまでも雇われた側だし、そこまで口を出せる訳じゃないしねえ。仕方がないと思うわよ。それこそ敗れたところで私達の所為じゃないし、知った事でもないもの」


 「そこまで言い切るのはどうかと思うけど、でも間違ってはいないわね。あくまでも指揮は向こうだし、私達は雇われでしかない。傭兵みたいなものでしょ? 指揮権どころか何かを言う事すら難しいんじゃない?」


 「かわりに責任はありませんって事ね。まあ、わたし達に責任を持ってこられても困るっていうのが正直なところだし? 何より指揮官が優秀か無能かも定かじゃないものねえ。小競り合いっぽいのはそれなりに起きているみたいだから、大丈夫そうかな?」


 「どうかは分からないね。ファーダは居ないから何とも言えないけど、私がわざわざ暗躍する必要もないでしょ。やる気も無いし、どうでもいいから全て辺境軍に任せるよ。負けたところでどうでもいいしね」


 「それはそうだけど、ファーダが居ないってどういう事? それって大問題なんじゃないの?」


 「いや、ぜんぜん? ファーダは今、中央ガウトレア第2北町付近に居るよ。中央ガウトレアの北部分の善人化をしてもらってるから居ないだけ。ここで戦争っぽい事をしている間も、善人化を進めなきゃいけないからね」


 「ああ、北部分の善人化ね。こればっかりはファーダかノノに任せるしかないから、どうしようもないわね。それ以外は終わってるの?」


 「中央ガウトレアの東と南と西は全て終わってる。後は北部分だけなんだよ。そこが終われば、私達が行った事の無い町を除いて終了となる。そこまで行けば悪人は肩身が狭い状態になる筈だけど、広域盗賊団とかが何とも言えないかな?」


 「そうね。町を巡りながら何とか見つけて駆除するしかないわ。それでもダンジョンだって潜ってるんでしょ? ファーダも大変ねえ」


 「代わりにガイアに行ったりとかしてるし、一人の方が気楽だって言ってたから良いんじゃない? こっちに必要なら出てくるし、割と好きに動いてるけどね。ひたすらに善人化をストイックにやってる訳じゃないし」


 「そうなの? それなら問題ないのかしらね。それにしても何の動きも無いみたい。ここまで来たのはいいけど、動かないっていうのもアレねえ。アルデムの戦と何にも変わらないじゃない。銃があるんじゃなかったの?」


 「銃があっても戦争は戦争って事でしょうね。そうそう形が変わったりしないんじゃない? ガイアの戦争みたいに空中を飛んだりする乗り物とかも無いんだし、そんな電撃的な戦いは無いでしょうよ」


 「それも困るわよねえ。明らかにわたし達が知っている戦争と違い過ぎて、全くついて行けなくなるから困るわ。もうちょっとマシな形にしてほしいし、爆発物を撒き散らすのも止めてほしい。地雷とかいうヤツ」


 「ああ、踏んだら「ドンッ」っていうヤツね。アレも悲惨な物だけど、よくもまあ外道な武器を作るもんだと思うわ。私達なら踏んだところで大した被害なんて無いけどさ。それは私達だからであって、普通の人間種には厄介でしょうよ」


 「厄介なんてものじゃないと思うけど、私達なら普通に見つけて爆破できるから、そこまで厄介な兵器じゃないのよねえ。地面に埋めるから確実に闇影に引っ掛かるし、後は押し込んで爆破してしまえば無効化できる」


 「私なら空間を超えて起爆すれば終わるかな? 大した労力でもないけど、むしろ回収して相手の陣地内に設置してやろうかしら。そうすれば自分達のやった事が理解できるでしょうよ。まさか陣地内に地雷があるとは思わないでしょうしね」


 「相手がやってきた事だから、やり返されたところで文句は言えないよ。私としてはむしろやるべきだと思う。まあ、この星じゃまだ地雷は生まれてないみたいだし、こっちが地雷を作る意味も無いから作らないけどね」


 「それは当然でしょ。普通の人間種には危険なんだから、わたし達が作るのは駄目よ。そもそも神様に怒られるでしょうしね。だから誰が巻き込まれるか分からないような武器は使用禁止よ」



 話をしていると、軍の方が騒がしくなってきたので会話を止める。すると、軍人が一人こちらに来て声を掛けてきた。



 「すまない。君達はハンターの中で一番前を歩いていたね? その体力があるのを見て、少し頼みたい事がある。こちらの小隊と共に、ここから北西に行ったところにある橋を見てきてほしいんだ。頼めるかい?」


 「それが仕事というか依頼なら問題ないよ。北西の橋から敵軍が迂回してこないか確認すればいいんだね? でも確認をどうするのかは決めてもらわないと困るよ。その橋をずっと監視させられても困るしさ」


 「それは分かっている。実はこちらに向かっている帝国軍が幾つかに分かれた事までは調べがついているのだ。しかし何処に行ったのかが分かっていない。だからこそ見に行ってもらいたいのだ。頼んだぞ」


 「了解」



 私達は腰を上げ、声を掛けてきた軍人についていく。すると古参兵のような人物と、若い9人の兵士達が居た。どうやら10人で一小隊という事らしい。



 「お前達が体力のあるハンターとやらか。遅れるんじゃないぞ」



 それだけを言い、さっさと歩き始めた古参兵と若い兵士達。わたし達もその後ろをついていくが、いちいち面倒なヤツねえ。こっちに対して不満があるのは分かるけど、上からの命令なんだから態度に出すなと言いたい。


 文句があるなら、わたし達じゃなくて上に言えって話でしょ。にも係わらずアレって事は、この隊長の底が知れるわね。古参兵っぽい雰囲気だけど、そういうヤツほど大した実力も無く威張ってるだけな事もあるし、面倒な事になったかな。


 いちいち鬱陶しいコイツを切り離す為の任務なら、わたし達は巻き込まれたって事だし、請けるんじゃなかったって感じになるし……。ま、ここから先どうなるか分からないから保留にしてあげるか。


 …

 ……

 ………


 途中で夜になったけど、ある程度までは進むのか黙々と歩いているわね。眠らないと危険だけど、どうする気かしら? わたし達はそこまで眠らずとも大丈夫だけど、普通の人間種じゃ難しいでしょうに。



 「よし、お前ら。ここで一晩を明かす。ここは周りに何も無いからな。モンスターが近付いてきてもすぐに分かる場所だ。1人ずつ交代で仮眠をとりながら、必ず1人が起きて警戒。練習の通りにやれ」


 「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」



 わたし達の方には何も言ってこないけど、これはこっちで何とかしろって事? いちいち面倒臭いヤツね。いい加減にしろっての。


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