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0922・バイクに乗って移動




 Side:アレッサ



 鬱陶しい受付嬢に対して言いたい放題に言った後、わたし達は王都を出て西の方へと向かって歩く。王都の近くというより、ある程度あの受付嬢が見ていない所まで進んでからバイクに乗ろうと、【念話】でミクが声を掛けてきたからだ。


 あの受付嬢が見ている所で乗ると、何かしらアーリーに不利益があるかもしれないので、あまり見せたくないというのが理由みたい。まあ、この星で初めてのバイクだもんね。王族とも係わりがある可能性があるんじゃ、嫌な感じがしないでもない。


 場合によれば、次に王都に来た時にアーリーがまだあそこに居るかすら分からないもの。王侯貴族っていうのは技術者を自分だけの物にする為に囲ったりするからね。この国がアーリーを囲う可能性は否定出来ない。


 今のところは一般人が使えるような代物じゃないけど、それをアーリーは目指してるしね。技術に対するブレイクスルーなんて、いつ起きるか誰にも分からない。もしかしたら今日起きている可能性すらあるのが技術ってものだそうだし。困ったものねえ。



 「さて、そろそろ大丈夫かな? そこまで人も居ない時間だし、都合が良さそうだ。とりあえず少しずつ速度を上げるけど、いきなり速い速度を出さないようにね」



 そう言いながらミクがアイテムバッグからバイクを取り出したので、わたし達も同じようにアイテムバッグからバイクを取り出す。これで早く移動出来る様になったんだけど、善人化はどうするのかしら?。



 「善人化に関しては村で泊まったり町で泊まったりして、その間に終わらせる事になるかな? 別に善人化を諦めるって事は無いし、そもそも私がしなきゃいけない事だから手を抜く事は無いよ。残念ながら、そこの部分の時間はどうしても掛かる」


 「それは仕方がない事でしょ。善人化をするか、それとも喰らうか。この星では喰らうと国が破綻するから善人化せざるを得ないけど、どのみちゴミをどうにかするのがミクの使命だしね。それは大前提として存在する事よ」


 「そうそう。そこを短縮できればいいけど、それにも限度があるでしょうしね。村を一斉に善人化とか無理だろうし、仕方がないわよ」


 「村を一斉に善人化ねえ。それってやろうと思えば出来るんだけど、それをすると普通のヤツも善人も悪人も纏めて善人化する羽目になるんだよ。広い範囲で悪人だけピンポイントに変えられないからなんだけどさ」


 「流石に全員を善人化はマズいわね。ユートピアみたいなディストピアの完成じゃない。流石にそれをすると神様から怒られると思うわよ?」


 「そうなんだよ。手抜きをすると五月蝿そうだし、流石に普通の連中まで変えてしまうと怒られるのは確定だろう。だから悪人を1人ずつ変えて行くしかないんだよ。それでも大分早くなったんだけどね」


 「話もいいけど、そろそろバイクに乗って移動しましょうか。話だけなら【念話】で出来るし」


 「そうだね。乗り心地を試すとしようか」



 バイクに跨ったままだったんだけど、ハンドルを握って魔力を流す。すぐにエンジンは始動し「ドゥルルルル……!」と音と振動を響かせてきた。これがバイクかと思いつつ、ゆっくりとアクセルを回すと前へと進み始める。


 ガイアで見た時には色々とギアを変える部分がついていたけど、このバイクにはそれが無いらしい。魔力の流入量によって変わるだけだそうだ。変速ギアを作る技術力が無いのか、それとも発想が無いんでしょう。おそらくは。


 それでも結構な速度で走る事が可能なみたいだし、これこそがバイクって感じかしら。自分の足で走る必要が無いし、結構な速度を出せる。そういう意味では画期的なんでしょうね。魔力の消費が激しいという欠点があるけれど。


 それはともかく、多少移動しただけで乗り方は分かったしブレーキも試せた。問題なく全てが作動しているのでバイクに問題は無い。後は長い期間を乗ってみて、何処がどう故障するのかを調べるくらいかしら?。



 『そうだね。故障は必ずするだろうし、それは仕方がないんだけど、一応は難しくない簡単な構造のバイクだから壊れにくいとは思う。最悪は出来る箇所を自分達で修理かな? タイヤとかなら直せそうだし』


 『マッドフロッグの皮とかだったものね。それぐらいなら私達が手に入れて巻き直せば済むでしょうし、わざわざ修理をしに帰ってくる必要もないと思うわ。難しい事ではないのだし』


 『周りに人が居ると見られるわね。仕方がないし珍しいからでしょうけど、悪意の視線も飛んできてるから何とも言えないわ。ああいうのは残したりするの? それとも何処かで善人化する?』


 『ああいうのは夜中の間に鳥になって探したりしてるね。日中に移動しているのを善人化すると、倒れるし不自然だから仕方ないんだけど、だいたいは夜の間に飛び回って探す事になるかな? その暇がある時にだけど』


 『悪人を探すのに悪の神様の権能って使えないの? アルデムで悪の神様を喰ったとか言ってなかったっけ。確かダンジョンの最奥に居たとか言ってた記憶があるんだけど』


 『悪人を探すのに、悪を司る神の権能をねえ………ああ、出来るみたい。これと善を司る神の権能を組み合わせると………こう、かな?』


 『こう、って何かしたの? スピードはそんなに出てないけど、バイクに乗ってるんだから気をつけなさいよ。事故を起こしたら面倒な事になるわよ』


 『大丈夫、大丈夫。権能の方は本体が大部分を行ってるからね。私は運転の方だから何の問題も無いよ。次の村に着いたら少し休憩しようか? そこで休憩のフリをしつつ新しい善人化を試す』



 何だか怪しい事を言い出したけど、早くなるなら何でもいいかと思いつつ、わたし達はバイクで村への道を駆け抜けていく。今までと違う感覚は面白く、バイクにハマる人間が居るというのも分かるわ。


 そういう意味では自分だけのバイクを手に入れられて良かったと思う。ここなら運転免許とか要らないし好きなだけ乗る事が出来るからね。それにミクが構造を理解していない筈もないし、多分だけど同じ物は作れる筈。



 『アレッサの言う通りだけど、私自身が作る事は今のところ考えてないね。特にエンジンを作るのが面倒臭いというか、時間が掛かるんだよ。アーリーもよく頑張ったと思う。誰かが作ってくれるならいいけど、自分でやるとなると凄く面倒臭いんだよ、コレ』


 『そういう物なのね。だったらミクが嫌がるのも分かるわ。どういう風な構造なのかは見られるけど、私はあんまりよく分からないのよねえ。こういうのの知識が無いから』


 『アーリーだって祖先のスケッチとか知識からでしょうから、本当にすごいのは400年前の天才なんでしょうけどね。それでも形に出来たというだけで十分に凄いとは思うわ』



 おっと、そんな話をしてたら村に着いたので、わたし達は村に入って一旦休憩にする。バイクを止めて降り、その近くに座って休憩を開始。ミクは地面に座った後、すぐに目を閉じて集中を始めた。


 何があるのかと見守っていると、突然目を開けるミク。



 「よし、これで終わり。この村の善人化はこれで終了。悪の神の権能は今まで殆ど使った事が無かったけど、確かにアレッサが言った通り、悪人を見つけ出すのに非常に便利だった」


 「つまり、今まで悪人を探すのに苦労してたけど、悪の神様の権能を使うと簡単になった?」


 「そうそう。悪人を探すのに【空間魔法】を使いながら魂魄を把握して悪人と断定してたわけ。ところが悪の神の権能を使うと、【空間魔法】も使わずにピンポイントで判明したんだよ。後はそれを善人にするだけで済むようになった」



 何となくは分かるけど、何となくしか分からないわね? まあ、わたしが出来る事じゃないから仕方ないんだけど。


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