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0915・重要な話




 Side:ミク



 私とカルティクは倒したソードタイガーを収納し、1頭ずつ解体をしていく。どのみち不必要な部分は下に捨てるので崖の近くでよく、更にはアレッサとイリュが近くを見張ってくれている。なので心配は要らないし、ノノだって見張っているので問題は無し。


 そして1頭目のソードタイガーが終わり、2頭目も終わりかかけた頃にソイツは現れた。



 「皆、警戒! こっちの空間が歪んでる!!」



 皆が慌てて私の方を向くが、空間の歪みから現れたヤツはそこに居るだけで、こちらに何かをしてくる事は無かった。透明なような、それでいて虹色が薄くきらめいているようなマネキン。明らかにコイツは神だ。



 「待て、私は何もする気は無い。それよりも聞きたい事がある」


 「聞きたい事?」


 「そうだ。お前は我らのともがらである生命を司る者を滅ぼしたか?」


 「滅ぼしてはいない、喰らっただけだ。私の名はミク、根源の神より創られし最強の怪物。それぞれの星の悪徳なる者ども、つまりゴミどもを食い荒らしてこいと命じられている。その中には当然ながら神も含まれているのでな、だから喰らった」


 「………そうか。しかしあの者は悪徳ではないぞ?」


 「悪徳かどうかなど関係は無い。ダンジョンマスターに乞われて私の前に現れ、そしてダンジョンマスターの言うままに私を殺そうとしたのだ。その時点で私の敵であり、喰われても文句など言えん。当然だろう?」


 「ダンジョンマスターに乞われたからと言って、下界の者を殺そうとするとは……。いったい何を考えているのやら。呆れて物も言いたくなくなるな」


 「ダンジョンマスターが居なくなるのも困れば、また選定をするのも面倒だと言っていた。その後に私を殺そうと生命力を抜きに掛かってきたぞ? ま、その程度の力で私をどうこうするなど出来んのだがな」



 私がそう言った後、真っ黒なマネキンが新たに現れた。この黒さは漆黒を通り越しているね。となると闇を司る神かな? 虹色のヤツが分からないけど、気にするだけ無駄か。敵なら喰えば済む。



 「あー……勘違いしないでちょうだい。私もそうだけど、貴女の敵になる気は無いわ。生命のアイツは自分の事ばっかりで、下界の事には消極的だったのよ。だから面倒臭がって貴女を殺せばいいと考えたのでしょう。結果としてバカな事をしたで終わるんだけど」


 「そちらまで出てきたのなら説明しておいた方が良いな。私は空間を司る神。すぐに逃げられるからこそ私が交渉役にされたのだが、そちらが話が通じるとして出てきたのだろう。コイツはここのダンジョンマスターを任命した闇を司る神だ」


 「成る程。それぞれのダンジョンマスターは、それぞれの神が任命していると。私としては敵にならなければ興味も無いしどうでもいいんだけど、そっちから敵対してくると戦う事になる。元々は生命の神が任命したダンジョンマスターが喧嘩を売ってきたのが原因」


 「それでか。生命のが下界に降りた後は分からなかったのだ。我ら神々も、神界に居るのであれば監視も出来るし把握も出来るのだが、下界に降りられると分からなくなってしまう。私が下界に降りれば分かるのだが、今度は神界の事が分からなくなる」


 「私も闇や影を使って手助けしてるんだけど、神々の中には下界を混乱させている奴が居るの。ソイツがどの神なのか未だに分からないのよ。もしソイツが敵に回ったら喰っちゃっていいから。そうすれば新しく後任を創ればいいだけになるし」


 「この惑星では神様が下界を荒らしているの? 初めて聞くけど、なんだか大変そうねえ……」



 思わずといった感じでアレッサが言うと、空間の神と闇の神がそちらを向く。何故か激しく動揺しているけど、何があったんだろうね?



 「まさか………トゥルーヴァンパイアか? 信じられん。あれ程の存在を許したといわれるのか、最高位の神々が。……あれは神ですら滅ぼせるのだぞ」


 「ええ。まだ幼いのでその領域には届いていないみたいだけど、尋常じゃないわ。他の2人も精霊……いえ、高位精霊を超えた幻想精霊じゃないの!」


 「神様にはやっぱりバレるのねえ。まあ、私達も成りたくて成った訳じゃなく、最高位の神様達に勝手にブチ込まれて気付いたらこうなってたんだけど」


 「何をしておられるのかしら? これほどの高位存在をあっさり創られても困るのだけれど……。そのうえ私達の星に派遣されるなんて、冗談でも勘弁してほしいぐらいよ?」


 「幻想精霊というのは高位精霊よりも上なのですか? 私は元々人間種でしたし、最高位の神様は私達をこうしただけで説明とかは一切無かったので分からないんです」


 「「………」」


 「驚いてるとこ申し訳ないんだけど、あいつらはそういう存在だから気にしなくていいよ。必要なら説明するけど、必要ないなら何も説明なんてしないからね。あと、説明しない方が面白そうって際にも説明しないし」


 「ああ、うむ………そうか」


 「ま、まあ……何かお考えがあるのでしょうね」



 凄い疲れた雰囲気を感じるけど、あいつらの事なんて考えても無駄だからねえ。さっさと忘れた方がいい。考えても意味が無いし、その時間が無駄でしかないんだよ。



 「それはともかくとして、大半の神が君達には係わらないだろうが、出来るだけダンジョンマスターは殺さないでほしい。何をやったのかは知らないが、性格を変える程度なら問題ない。くだんのダンジョンマスターは見に行ったが、我々としてはダンジョンマスターの仕事さえしてくれるならば何でもよくてな」


 「性格を変えたんじゃなくて善人にしただけだよ。あれは別の星の善を司る神を喰らった際に手に入れた権能を使っただけ。私は神をも喰らって取り込めるけど、その際に権能の一部も奪う事が出来る。それで善人に書き換えたってわけ」


 「ああ、成る程。そういう事ね。それなら問題ないわ。もしダンジョンマスターが敵対してきても、書き換えてくれるならむしろ助かるわね。ウチは大丈夫だけど、中には傲岸不遜で欲深いダンジョンマスターも居るらしいし、困ってるともがらも居るのよ」


 「神様に対して傲岸不遜っていうのも凄いわねえ……もちろん悪い意味でだけど」


 「そいつらは我らがダンジョンマスターを殺せんという事を知っている、その所為で高を括っているのだよ。この星におけるダンジョンマスターの仕事は人間種の間引きなのだが、人間種の中でも魔力の水準が一定以上でなければダンジョンマスターにはなれんのだ」


 「ああ、それで選定が面倒という話になるのね。神様が下界の者に乞われて下界の者を殺そうとするなんて、おかしいと思ったのよ。ダンジョンマスターに成れる者自体が、そもそも少なかったってわけか」


 「むしろ殆ど居ないっていう方が正しいわね。……おっと、これ以上下界に居ると動き出しそう。申し訳ないんだけど、ダンジョンマスターは殺さないようにお願い」


 「善人化ならば我々も助かるので、むしろお願いする。すまんが、宜しく頼む」



 そう言って空間の神と闇の神は消えていった。何だか慌ただしい連中だったけど、少なくともダンジョンマスターを善人化する許可は出た。それに悪徳な神が居るという情報もだ。



 「この星の神様も、いや、どこの神様も大変なんでしょうね。人間種なんてそもそも欲深いものだしさ」


 「それより流石は戦闘特化、神様さえ滅ぼせるって言われてたわよ?」


 「勘弁してよ。そんな面倒臭い事するわけないでしょ。こっちからお断りするっての」


 「それよりカルティク、さっさと解体して。こっちは終わってるから、後はカルティクだけだよ」


 「えっ? ああ、ゴメン。すぐに終わらせる」



 慌ててカルティクが動き出したけど、解体中のまま忘れてたみたいだね。カルティクの解体が終わったら帰るか。ここのダンジョンマスターは別に問題無いらしいし。


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