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0907・情報収集と食堂での昼食




 Side:カルティク



 私達はバラバラになって迷子にならないように、一塊で情報収集をしている。いつもの事だが、多少のお金を渡せばペラペラ喋ってくれるので本当に楽だ。それに私達が聞いているのは宿の場所だったりなので、変に思われる事も無い。


 いわゆる穴場の場所を地元の人に聞いているに過ぎないのだ。何なら治安維持の奴等にも渡して聞けばいい。真っ当な事しか聞いていない以上は引っ張られる事も無いだろう。難癖をつけてくる相手では何を言っても無駄なので、ミクに善人にしてもらえばいい。


 稀に正義感から喚いてくる者は居るが、こういうのはおかしな事をしたりしないので適当に聞き流せば済む。なので私達の情報収集を妨げるものは特に無い。嘘だった場合はアレッサが合図を出すので教えてくれる。その合図は足を鳴らす事だ。


 爪先で地面をトントンしたり、かかとを打ちつけたり。そこまで強くはしないけれども、ちゃんと音はするという程度の音を聞かせてくれる。それさえ聞いていれば相手の嘘が分かるんだから楽なものよ。そういう意味ではアレッサも反則なのよねえ。



 「別にあんた達ほどじゃないでしょ。空間とか闇影になっちゃった奴等と比べられてもねえ」


 「アレッサも同じく突き抜けた存在だから、血の精霊と言えなくもない存在なんだけど? その辺りは本人に自覚が無いから仕方ないのかな。血を格納し、血さえあれば自在に復活する。それが本当に吸血鬼の枠に収まると思う?」


 「………」


 「アレね。他人の怪物っぷりをあげつらおうと思っていたら、自分の怪物っぷりをあげつらわれたって感じ。結局同じレベルだし、そもそもアレッサの【罪業看破】なんて神様から与えられたものじゃなかった?」


 「そうだけど、今はアレッサ本人の能力になってるから神は関係ないよ。取り込んだというか、自らの血肉にしたと言うべきか。どのみち神から取り上げられる事は無い。色々な意味でそういう存在になってるから」


 「そういう存在?」


 「そもそも人間種の天敵という意味での存在はある。もちろん人間種の天敵が設定されていない星もあるけど、設定されている星では吸血鬼もその1つだったりするの。普通の吸血鬼が血を求めて人間種を襲うのも、数を減らす天敵役としての部分があるんだよ」


 「ガイアにダンジョンが出来るまで人間種は天敵も無く栄華を誇ってた訳だから、その理由も分からなくは無いわねえ。実際に天敵が居た方が良いんだと思う。……となるとダンジョンマスターってもしかして」


 「人間種の数を減らす為に神様が用意しているのかもしれないわ。もしかしたらだけど……」


 「人間達が稼ぎやすいようにしておいて、実際には適度に間引きをするのが本当の目的? それなら分からなくもないけど、ダンジョンマスターの選定が大変な理由が分からないわね」


 「その辺りはいちいち考えなくても良いんじゃない? それよりそろそろ聞いた宿に行きましょうよ。スラム近くにある安い宿。どのみちミクが綺麗にしてくれれば済むし、悪人が大量でも夜には善人にされるから問題無いし」


 「そうね。とりあえずは宿をとりましょうか」



 私達はスラム近くの宿に行き、ベッドのマークの看板を掲げている店に入る。店番をしているのは若い少年だったので、4人部屋を頼むと1日10ダルだった。ミクが100ダル支払い10日分の部屋を確保。これで泊まる場所は問題無し、と。



 「宿も確保できたし、とりあえず町を見て回りましょうよ。ついでにお昼も食べたいし」



 アレッサの言う事も最もなので、私達は聞いていた美味しい食堂に行く。こちらは庶民向けの店で、大通りにあるボッタクリの店ではない。その店へと移動し、適当に注文をして待つ。


 下町の食堂という感じがする店は、特に何かを言いたくなる店ではなかった。素敵な店じゃないけど、安心できるタイプの店かな? なので私達は料理が出てくるまで適当に店を見たりしている。


 そんな事をしていたら運ばれてきたので、適当にスープや肉を食べつつ今後の話をしていく。



 「まずは宿の確保が完了。次に食堂も問題なし。この後はどうするの?」


 「まずは武具屋かな? 盗賊どもから奪ったお金はまだまだあるから、狙撃銃が欲しいところ。それと小銃だけど、こっちはカルティク行きかな? 私は改めてタワーシールドを本体が作ったから、そっちを使う予定」


 「カイトシールドだと体が出るもんね。すっぽりと覆うにはタワーシールドぐらいないと駄目でしょ。ドラゴン素材は腐るほどあるんだし問題なく出来たでしょうけど、盾役で良いの?」


 「特に問題ないよ。そもそも銃を皆が使うなら必然的に盾役は私だし、皆は銃弾を見てから防げる? 流石に無理でしょ? なら私が盾役をするしかない」


 「それはそうかもしれないけど、銃弾を見てから防いでいた事にビックリよ。なんてメチャクチャをするのかしら? それがミクだと言えば終わる話なんだけど、地味にとんでもない事をするわよね?」


 「出来るんだから出来るでいいじゃない。あんまり真面目に考えても疲れるだけだし、時間の無駄よ? 怪物は怪物。それ以上は考えても無駄よ」


 「まあ、それもそうか。食事もそろそろ終わるし、まずはミクの言っている武具屋というかガンショップに行きましょう。その後はウロウロって感じね」



 食事もちょうど終わったので、私達は食堂を出ると聞いていた武具屋へと移動する。幾つも似たような店が並んでいる区画に来た私達は、銃の看板が掲げられている店へと入る。


 中に入ると様々な銃が並んでいるけれど、やはり小銃が並んでいるのが田舎と違うところね。私達は狙撃銃が並んでいる所に行き、2種類ある銃を見比べる。すると店員らしき人物が近付いてきたわ。



 「スナイパーライフルをお探しですか? その右側の物が安定性を重視している反面取り回しがし辛く、左側の物が安定性よりも取り回しを良くした物になります。銃身が短いので分かりやすいでしょうが」



 確かに銃身の長さが違うから分かりやすいわね。それにしても銃身が短いと不安定になりやすいのか。拳銃というかリボルバーでも同じような事を聞いたから、そうじゃないかとは思っていたけど予想通りってところかな。


 アレッサが使うんだから本人が決めるでしょうけど、どっちを使うのかしら? でも、アレッサの事だし……。



 「私はこっちの銃身が長い方を選ぶわ。流石に安定性を犠牲にしても良い事は無いしね。銃身が短い方が取り回しは良いだろうけど、だからと言って当たらなきゃ意味ないもの。なら、どう考えてもこっちでしょ」


 「あのー、子供さんには持たせられないのですが……」


 「こう見えても吸血鬼だから見た目通りの年齢じゃないのよ。あんまりバカにしないでくれる?」


 「も、申し訳ありません! 失礼いたしました!!」



 男の店員が必死に頭を下げてるけど、ハッキリと殺意を出して脅かすのはどうなのかしら? あんまり良い事とは思えないけどね。それはともかく、アレッサの選んだ狙撃銃は1丁で380ダルもするんだ。高いわねえ……。


 それでも盗賊団を潰した時のお金もあるし買えるでしょうけど、弾代も考えたらコストが掛かり過ぎるのも事実だわ。弾だって1発5ダルもするし。コストが掛かり過ぎじゃない?。


 アレッサは100発も買ったけど、よくお金があったわね。もしかしたらギリギリなんじゃないの? 無くなったらミクが渡してくれるだろうけどさ。それにしても随分と奮発したわね。


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