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0903・侯爵への説明




 Side:アレッサ



 わたし達は姉妹の案内で侯爵家の屋敷に入る事に。実際には玄関の扉を開けると近くのメイドが慌てて寄って来て、姉妹に対して色々と話し掛けていた。ついでに私達の方を睨んできたけど、命の恩人だと知るとすぐに感謝を言ってきたので受け入れる。


 その後は侯爵の所にまで通され、何があったかを説明。すると、侯爵は<栄光の大帝国>を知っていたのか激しく怒り始めた。



 「まさか、あの下らぬ頭の悪い組織に娘が狙われたとは……! 今すぐ探し出して全滅させてやりたい気分だ。ここまで腹立たしいのも久方ぶりの事だぞ!」


 「それはともかくとして、あの世迷言をホザいてた奴等はそれなりに有名なんだね。私達は知らなかったけど、あんな頭のおかしい連中が実在するとは思わなかったよ。挙句に元貴族とか笑い話にもならない」


 「まったくもって、その通りよ。己の家が貴族としての責務も果たしておらぬから貴族籍を失うのだ。にも関わらず、混乱を起こして憂さ晴らしをするなど情けなさ過ぎるわ。どうせ連中とて復権できるとは思っていまい。大帝国の建国など不可能なのだからな」


 「それはそうね。ハッキリ言ってバカ丸出しだし、そんなものが上手く行く筈が無いわ。仮に出来ても、すぐに内部分裂を起こして崩壊するわね。それすら分かってないんだから、妄想と断じられても当然よ」


 「うむ。彼奴きゃつらはその程度の事すら分からん阿呆な組織なのだが、それでも欲をくすぐり混乱を巻き起こす事は出来る。しかも、そなたらの話ではダスガンドの皇帝をくすぐっておるのだろう? 面倒な事をしてくれるわ」


 「そいつらはそう言ってただけだね。自慢げにペラペラと喋ってたけど、それが本当かは確かめる事も出来ないから分からない。ただ、それぞれの国に<栄光の大帝国>の人員は居るらしいから、この国の連中がバカでも他の国の奴等がどうかは分からない」


 「そもそもだが、野心の強すぎるダスガンドの皇帝など、欲を煽るのは容易かろうよ。ちょっと褒め称えてやれば、すぐに調子に乗るであろうからな。厄介な事をしてくれる。大帝国の妄想など、もうこの大陸には要らんというのに……!」


 「昔々に大帝国があったと言っても、それは昔々の話であって今じゃないのよねえ。それが理解できていない時点で色々とアウトでしょうよ。その昔に銃があったのか考えれば分かるでしょうに」


 「まったくもってそうなのだ。今ならば銃で武装し徒党を組んだ盗賊が国を興すかもしれんというのに、その程度の事すら理解せずに大帝国の夢を見る。現実が見えておらんのだから呆れるしかない」


 「お父様。それは良いのですが、私達を助けてくれた皆さんへの褒賞を何か……」


 「おお、そうであった。すまん、すまん! あの愚かな組織と皇帝の話で腹を立ててしまい、すっかり話の本筋を忘れておった。改めて、娘を助けてもらい感謝する。褒美は何が欲しい?」


 「何でもと言いたいんだけど、言われても困るだろうから、お金でいいよ。それが一番楽だろうしね」


 「うむ、すまぬが助かる。おかしな事を言われても困るし、それらも理解しているとなると優秀であるな。我が家に雇われんか?」


 「申し訳ないけど断らせてもらうよ。私達は旅をしているし、色々と見て回りたいからね。楽しみを奪われても困る」


 「ハハハハハハ! 確かに旅をするのは楽しいからの。色々と見て回り、それぞれの土地の違いを肌で感じる。その為の娘の視察旅行だった筈なのだが、下らぬ奴等に邪魔されるとは……」



 また話が怒りの方向へ戻ろうとしたので、わたし達は適当に話を逸らす。娘を愛しているのは構わないけど、いちいち怒りを撒き散らしながら同じ話を繰り返されても鬱陶しいだけでしかないの。迷惑極まりないわ。


 わたし達が適度に話を逸らしたからか怒りのボルテージも下がり、家令からお金も貰ったからさっさと退散した。既に夜なのに面倒な話に巻き込まれたし、散々な目に遭ったわね、まったく。これだから貴族ってのは面倒臭いのよ。


 すぐに宿に行って部屋をとると、4人部屋が空いていて助かった。すぐに部屋をとったら、そのまま次は食堂に移動。混雑しているものの座れたわたし達は、メニューから適当に選んで料理を待つ。


 そこまで待つような料理も注文していないので待ち、運ばれてきた料理を食べる事でようやく落ち着く。やれやれ、これでようやく肩の荷が下りたわ。姉妹が居る間は色々と大変だったからね。



 「本当にね。あの子達には悪いけど、色々と疲れたのは間違いない事実よ。だってお荷物なんだもの。それを励まして護衛してと面倒だったわ。それでも我儘放題じゃなかったからマシだけどね」


 「それでも子供は子供よ。休憩回数も多かったし、毎回ミクがマッサージする事で何とか歩けてただけなんだもの。大変だったわ。貴族の子供だからか体力も無かったし、あそこまで駄目なのかと逆にビックリしたわね」


 「分かる。最初の頃とかは酷かったものね。ミクが高速で回復させたからか多少は体力がついたんでしょうけど、それでも多少でしかないもの。その後は乗合馬車だから良かったけど……」


 「子供の相手も我儘放題の貴族も変わらないけどね、それでもやっと終わったんだから今は考えたくないわ。明日からは適当に歩いて走ってと進めば王都である中央町だし、やっとゆっくりと町を見回れるわねえ」


 「ここまでの町も然程変わらなかったから、何処まで違うのかは謎だけどね。それでも王都だから色々と違うでしょ。楽しみだけど裏切られそうな気もするし、難しいところかしら?」


 「それはねえ……結局、行ってみないと分からないとしか言えないわよ。それなりには発展してると思うんだけど、ガイアを知ってるとどうしても微妙に思えてくる。こればっかりは仕方がないんだけどさ」


 「あの星が進歩し過ぎというか発展し過ぎなのよねえ。それに比べればどうしても劣るのは仕方ないでしょう。わたし達の元の星であるアルデムだって、発展している星とは言えなかったんだしさ」


 「ガイアの日本からある程度の物とか知識とかが入ってきて、色々な物が変わっていってたものね。まさかゴールダームが発展の中心になるなんて、誰も予想は出来なかったでしょ。私達だって無理だったぐらいよ」


 「そうよねえ。何百年も暮らしてきたけど、あんな事になるなんて夢にも思わなかったわ」



 カレンとエリーが居なくなったからか、話も弾んで色々と口走ってしまったわね。まあ、聞いていても理解できないでしょうし、理解できてもバカバカしいとしか思わないでしょう。わたし達が異なる星の者だなんてね、信じられる訳が無い。


 お酒も入って良い気分のまま食堂を後にしたら、そのまま宿の部屋へと戻る。特に悪意などは向いていなかったし、今日はゆっくりと寝られそう。カレンとエリーが居る間は色々と気を張ってたし疲れたのよね。


 明日からはわずらわされずに済むし、やっと自分達のペースで居られる。あの子達が悪い訳でも嫌ってた訳でも無いんだけど、どうしても届けるまではあの子達を中心にせざるを得なかったのよ。やっとそれが終わったってわけ。


 わたし達の責任では無くなった以上、明日からやっと自由で居られるわ。面倒な事をこっちに言わせない為にも、明日は早く出発するべきね。侯爵家が何か言ってくるかもしれないし。



 「それは確かにそうね。明日は早く起きて出発してしまいましょう」


 「ええ、そうした方が良いわ。一夜明けて、面倒臭い事を言い出してこないとも限らないし」



 イリュもカルティクも同意見だし、ミクはどっちでもいいか。なら明日は早めに起こしてもらって、さっさと逃げるべきね。そうと決まれば早速寝てしまった方が良いわ。


 それじゃ、おやすみー。


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