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0883・権能と第1南町へ




 Side:イリュディナ



 それにしても、まさかと言うしかないわねえ。男爵をそそのかしたかもしれない事は分かっていたから、ダンジョンマスターの事は不思議でも何でもないけど、まさかその裏に神様まで居たとは……。


 もちろんこっちの命を狙ってきた事に神様は関係無いんだけど、ダンジョンマスターに呼び出された挙句いきなりファーダを殺そうとするなんてね。幾らなんでも短絡に過ぎるし、いったい何を考えていたのかしら?。


 そもそも神様が乞われたからと言って、ダンジョンマスターの願いを叶えようとするなんておかしいでしょ。特に誰かを殺すという事を当たり前にしようとする事はおかしいし、あり得ないと言ってもいい。


 基本的に神様は下界の揉め事には介入しないんじゃないの? ダンジョンマスターって神様が肩入れするぐらい大事なわけ?。



 「考えても無駄だよ。そもそもこの星には、この星のやり方というものがある。この星の神はそういう奴等だと思えばいい。だから元居た星と同じとは限らないんだよ。私としては神が喰えたから都合が良いしね」


 「生命を司る神だったらしいけど、何の力が使えるようになったのか怖いわね。神様の力って当たり前だけど強力じゃない? その権能の一部だものねえ。まさか命を止めるような力……とか?」


 「逆だね。生命を司る神を喰らって手に入れたのは、肉体を癒す力だよ。怪我を治したり、病気を治療する権能だね。ま、相手を殺す系統はそもそも喰えば済むんだから、私としてはこちらの方が都合がいい」


 「肉体を癒すっていう事は、使い方によっては命を助けられるって事よね? 何処までの傷を回復出来るのか知らないけど、凄い力じゃない!? ……まあ、神様の権能なんだから当たり前と言えば当たり前なんだけどさ」


 「そう、神様の権能なのよねえ……。元の星であるアルデムでは三柱の神様がミクに喰われたらしいけど、それはそれで大丈夫なのか疑問があるわ。今も問題なくアルデムは在るから大丈夫なんでしょうけど」


 「大丈夫に決まってるじゃん。神なんて、また新たに創られるだけだよ。それに問答無用でこちらを攻撃してきたんだから、殺されたって文句は言えないって。人間種だってさ、いきなり殺しにくる奴は盗賊と同じ扱いじゃない?」


 「まあ、言われれば確かにそうねえ。呼び出されて、ダンジョンマスターの言う事を聞いて、いきなりミクを殺そうとしてきたんだもの。確かに盗賊と一緒と言われたら否定できないわ」


 「となると、神様達にとってダンジョンマスターは非常に大事って事よね? これからもダンジョンマスターが敵対してきたら、その都度ミクに何とかしてもらいましょう。正直に言って私達じゃ殺されるだけだし」


 「それはそうだけど、神様って本当にダンジョンマスターの味方なのかな? 今回たまたまミクを殺そうとしただけで、本来はそんな事しないっていう可能性もあると思うけど? また選定するのが面倒って言ったのよね?」


 「そうだね。ダンジョンマスターに居なくなられては困るというのと、また選定するのが面倒と言っていたよ」


 「わたし思うんだけど、また選定するのが面倒だから、渋々ミクを襲ったっていう可能性もあると思うわよ? 手続きが面倒とか、あるいはダンジョンマスターになるにも才能が必要だとか」


 「ああ。そういうヤツを探すのが面倒臭いから、仕方なく殺そうとしたって事ね。……それって結局さ、横着した神様が悪いって事にならない? まあ、殺そうとしてなくても揉めて同じ結果になってたかもしれないけど」


 「そもそもダンジョンマスターが過剰に反応してこちらを殺そうとしたのが悪いんだし、それに対して面倒臭いからってミクを殺そうとした神様が悪いわよ。この星は神様もすさんでいるのかしら?」


 「さあ? その辺りは分からないけど、そろそろ宿を出て出発しようか。朝食食べて第1南町へと歩いて行かないとね」



 そういえばそうね。そろそろ部屋の中を片付けて出発しないといけないわ。このままダラダラと話し続けたところで何の得も無いし、第1南町まで1日で辿り着けるとは思わないけどね。それでもまずは移動を開始しないと。


 宿の部屋を全て片付けた私達は、最後にミクが【聖界】の魔法を使ってから出る。今回初めて使ったらしいけど、【浄滅】の魔法でなくても十分に綺麗になるらしいわ。だからそっちにしたみたい。


 どうも規模が小さい所に使う用みたいなので、【聖界】の方が安定しているようね。【浄滅】はもっと範囲が広いらしいけど、強引に範囲を縮小して使っていたらしいわ。おそらくそれで新しい【浄化魔法】が創られたのね。


 私達は食堂に移動して朝食を食べ、東ガウトレア第2南町を出発し北へと向かう。既にファーダとノノは行った事があるらしいので、道を間違う心配は無い。ちなみにファーダは早速街道沿いの村の善人化に行ったようだ。


 ミクに聞いたので間違い無いとはいえ、先行して行ってるなら多少急いだところで問題無いと思うのよね。まあ、先行し過ぎておかしな事になるよりは、ゆっくり進んで走った方が帳尻は合わせやすいけど。


 テクテクと道を歩いて進んでいると、乗合馬車が私達を追い抜いて行った。あの乗合馬車も恐ろしくスピードが遅いわねえ。今さら乗る気にもならないけど、よくアレで我慢できるものだと関心する。


 私には耐えられそうにないわね、暇過ぎて。……まあ、今も凄い暇だから同じなのかもしれないけど。


 …

 ……

 ………


 今日泊まる村に辿り着いたけど、既にファーダが善人化した後みたい。ノノは一緒に居るけどファーダは別行動だから分からないのよね。ま、問題なく善人化をしているようで何よりよ。


 ミクが4人部屋を1泊分とり、私達は村に1軒ある食堂へ行く。夕食時だから混雑していたけど、別に喧嘩が起きるという事も無い。善人がそれなりに居るし、喧嘩は普通の奴等しか起こさないでしょ。


 そもそも悪人しか善人にしないから、処理自体は早く済むのかな。悪人が少なければ、大した時間も掛からないだろうし。



 「この荒れている惑星において、悪人が少ないなんて事があると思う? 残念ながら村であってもそんな事は無いっていうか、村の方が閉鎖的だから酷い場合もあるよ。幾つかの村には酷い悪人が居たし」


 「そんなのが居たんだ……。まあ、酷い村長とか居たものねえ。昔の話だけど、村人全てを自分の奴隷か何かと勘違いしているようなのも居たわ。あれは閉鎖的な村だったからこそでしょうね、街道からも外れてたし」


 「そういう主要な場所から外れたところは見に来る人が少ないし、余計に好き勝手をするのよね。結果的に村が壊滅するか、それとも村長が殺されるまでがお決まりのパターンよ。ずっと黙って言う事を聞くほど、村の連中だって甘くないし」


 「まあ、それはね。そもそも村長の一族より村人の方が多いんだし、村人が結託すれば当たり前のように勝てるもの。だからこそ村長側は派閥を作って村を牛耳るんだけど、その一派以外は損するから結局恨まれるのよねえ」


 「まあ、誰がやっても上手くいく方法は無いわね。だからこそ定期的に村長が変わったりする訳だし、そうそう長く続いたりする事も無いわ。いつか何処かの時点で、一族の誰かが勘違いしてやらかす。そうやって滅ぶものよ」



 あんまり食堂で話す内容でも無いけど、多くの村人はスルーしてくれてるわね。善人が多いからかしら?。


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