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0853・ボンクル王国王都・過去から決まっていた結末




 Side:テイメリア・フェルス・ゴールダーム



 男爵領を出発してから8日。私達は現在ボンクル王国の王都に来ています。既に2日目ですが、昨日一日では悪人を処分し切れなかったらしく、今日も王都で足止めとなりました。まあ、その事自体は構わないのですが、問題はこの国の中枢がおかしい事です。



 「王が病に臥せっていて何もできず、現在は王太子と宰相が国政を行っている、ねえ……。どう考えても怪しすぎないかい? むしろ第3王子が帰ってこなくなった後に毒でも盛られたんだろうさ。急に病に臥せるっておかしいしね」


 「周りも買収されているか、宰相が都合の悪い情報を遮断しているなら、王太子も気付かないでしょうね。政治経験も無い王太子なら容易く騙せるでしょうし、そうなれば簡単に国政を壟断ろうだんできるわ」


 「そうすると、やはり宰相が全ての原因で正解ですかね? もちろん実際に宰相が悪人で、脳から情報を手に入れるまで不明でしょうけど」


 「ここで幾らでも憶測は言えるけど、確固たる情報はまだ何も無いしね。昨夜はミクもファーダも平民街とスラムの悪人でとどまっているし、今日から貴族街とか兵士や騎士でしょ? 悪人の多さによっては後2日は掛かるかも……」


 「それはそれで仕方ないんじゃないかい? ここで悪人を食らっておかないと面倒な事になりかねないしさ。あたし達が次の国に行く前にちょっかいを掛けられても困るから、出来れば良い感じに混乱してほしいねえ」


 「その間に私達は北の国へと抜けられれば良いのですけれど、それもどうなるのやら。悪徳貴族が止めてくる可能性もありますし、実際に行ってみなければ分かりませんよ」


 「ま、とりあえず今日はゆっくりするのと、町でも見回ろうかな? 悪人は既に居ないんだし、喧嘩を売られたりする事も無いでしょ。夕方前に戻ってくればいいし、皆が好きに過ごしましょうよ」


 「どんどんと進んできただけですから、たまには良いですね。ボクは適当に武具屋とかを見回ってきます。どんな武器があるのか、質はどうなのか。そういった部分を見ているのも楽しいですし」


 「それじゃあ、わたしは行くわね」



 そう言ってアレッサはさっさと出て行きました。1人だと子供に間違われる事もあるのですが、いいのでしょうか? いつも子供に間違われて面倒臭いと言っているのに……。また愚痴を溢されそうな気がします。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:ミク



 さて、今夜は貴族街や兵士や騎士の宿舎がメインだ。ファーダは既に兵士や騎士の宿舎へ行ったけど、向こうの方が動かなくていいから楽なんだよね。大半は宿舎の中で寝てるし、起きている奴等は見回りだから苦労はしない。


 私は貴族街の屋敷を調べ、中に居る悪人を空間ごと喰らう。ただし空間ごと喰らうというよりは、正しくは空間を超越して喰らっていると言った方が正しい。


 最初の星であるアルデムの悪を司る神もそうだけど、空間を超越して神核そのものを喰っているので、そもそも空間を喰っている訳じゃない。便宜上、空間ごと喰っているという表現になるだけ。


 実際には空間そのものを超越し、直接ゼロ距離にして喰っているに過ぎない。流石に空間を本当に喰うと修復するのに苦労をする。もちろん【世界】が修復するのであって私が修復する訳ではないんだけど、【世界】に負担を掛けた時点で神どもに何を言われるか分からない。


 よって私としては本当の意味で空間ごと喰う訳にはいかないという事情がある。それでも空間ごと喰っていると言っても過言ではない、そういうやり方ではあるんだけど、少なくとも神どもから注意は受けていないから大丈夫だろう。


 貴族街にある屋敷からも大量の悪人が居る事が分かる。確かに動かなくて済むし早く終わるとはいえ、本当に悪人の多い国だ。意図的に集めているのかと言いたくなる。これよりも荒れている大陸中央部って何なんだろうね?。


 思わず怪物である私がそう言ってしまう程だよ。幾らなんでも荒れすぎじゃないかな。そんな愚痴を溢しつつもどんどんと悪人を喰っていき、終わらせたら次へと進む。


 繰り返し悪人を喰っていき、ようやく残すは王城だけとなった。ここの中に宰相が寝泊りする場所がある。どうも宰相は一人身みたいだね。結婚をしていないっていうのは不思議だけど、スパイなら結婚すると困るのかな?。


 王城の中に入り、悪人を見つけては食い荒らしていく。その途中、宰相らしき人物を見つけたので喰った。ただしドス黒い色ではなく輝く黒だった事が気になり、レティーに優先して情報を得るように頼んだ。


 すると……。



 『分かりました。宰相は国を傾けようとしていますが、宰相個人の単独犯で間違いありません。理由は王太子時代の王が、自らの妹を強姦したからです。その後、その妹は自殺したようですね。今でも怨みと憎しみが渦巻いていました』


 『あらら、それは駄目だ。復讐されても文句は言えないね。となると今の王太子は復讐の為に利用されてる?』


 『いえ、王に毒を盛ったのは王太子で間違いありません。王太子は一刻も早く王になりたかったらしく、喜んで王に毒を盛っていますね。騙す必要さえ無かった事に、宰相が呆れていた記憶がありました』


 『愚者の子は愚者か。非常に分かりやすいけど、第3王子はそうじゃなかった。その辺りは?』


 『その第3王子だけは真面目だったようですね。宰相も第3王子だけは殺すつもりが無かったほどです。ま、あんな事があって主に喰われましたし、あれについては致し方なしでしょう』


 『ま、攻めて来ている以上は殺されるのは当然だよ。普通の戦争だって負ければ追撃があるし、その追撃で討ち取られる事も普通にある。極々当たり前の事が起きただけだ』


 『ええ。という事で、この国が傾いても自業自得でしかありません。まともな貴族は居るみたいですし、そこが王となって立て直すのでは? 公爵家は喰われてありませんけど、何とかしたい者が何とかするでしょう』


 『だね。後は悪人を喰らえば終了か。それも多くないし、さっさと終わらせて宿に戻ろう。あんまり時間を掛けてもいられないし』



 私とファーダはどんどんと食い荒らしていき、最後に寝ている王を喰って終わりとなった。王が若い頃に犯した罪で国が傾くんだから、自業自得、もしくは因果応報と言うしかないね。王族なら何をやっても許される訳じゃないんだよ。


 食い荒らし終わった私は宿へと戻り、さっさと横になって目を瞑る。本体は適当なラノベを読んでいるので、最小限の関わりにしてしまおう。流石に悪人が多くて、精神的に疲れた。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:シャルティア



 王都から離れる道の上を歩いているけど、ミクの話を聞いていると頭が痛くなってくるねえ。バカがバカな事をやって、真っ当な者が怨みと憎しみで復讐者となった。言葉にするとそれだけなんだけど、バカが王で復讐者が宰相だと話の規模が変わる。



 「本当に愚かな王ですね。王太子時代に許されざる犯罪をやっていたとは……。何故そんな者が王になれたのですか?」


 「レティーが調べてくれたところによると、先代の子供の中で王子は1人だけだったんだとさ。これは本当にそうだったらしい。だからこそ甘やかされて育ち、強姦なんていう犯罪をやるまでに至ったってわけ。流石にその件で先代の王に激しく叱責されたらしいけどね」


 「そうなってからでは遅すぎる気がするけど? それも含めて甘かったという事かな?」


 「そうだね。それと、その件があったからこそ宰相になれたみたい。王に対して厳しく苦言を言う事が出来る立場が宰相だからさ。先代は息子を牽制するにおいて、怨みと憎しみを持つのは都合が良いと思ったみたいだね」


 「まあ、国に対して何もしないのであれば、王に怨みを持つ者は都合が良い牽制役だろうさ。しっかし怨みや憎しみを持つ者を宰相にするってねえ……。英断だと言えばいいのか、結果を見ると失敗だと言うべきかは悩むところさ」


 「宰相の家は国に対する忠義の篤い家だったそうだよ。それもあって先代の王は宰相にしたんだろうね」


 「ああ、そういう事ですか。それなら国に対しておかしな事はしないと思ったでしょうね。ただ、怨みや憎しみを軽く見すぎたと言えるかもしれませんが……」


 「言えるんじゃなくて、軽く見すぎでしょ。そもそも怨みや憎しみだけで、どれだけの者に迷惑を掛けても気にしない、もしくは自らが破滅したとしても気にしないヤツは居るわよ? ガイアでいう<無敵の人>ね」


 「そうですね。そう考えると、やはり怨みと憎しみを軽く見すぎたのでしょう。なるべくして破滅に突き進んでいます」



 あたしもそう思うよ。祖国だって傾くべくして傾いたんだ、あたしを殺すなんていう愚行を犯したせいでさ。


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