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0848・ヴィダ王国王都・謁見の間




 Side:ロフェル



 テモニー王国の王都まで攻めのぼってから3日。王都の食料を買い占めたり、王都の悪人をミクとファーダが食い荒らしたりしていた間に話し合いは終わり、テモニー王国側は多額の賠償要求を呑んで支払った。


 まあ、実際には話し合いというより、キレた先代公爵がテモニー王の首を落とした結果なんだけどね。


 のらりくらりと続けるつもりだったみたいだけど、キレた先代公爵がテモニー王の首を落として王太子を無理矢理に王位につけたわ。そのうえでもう一度交渉を始めたら、あっさりと多額の賠償を支払ってきた。


 ヴィダ側とすれば王位についているのが誰であっても構わない。さっさと賠償を払うなら傍流の者でも構わないと言ったからでしょうね、ヴィダ側が本気だと気付いた奴等はさっさと支払ってきたってわけ。なら最初からやれっての。


 先代公爵はかなりの財宝をふんだくってきたらしく、豪華な馬車の中にそれを入れ、罪人の6人は無理矢理歩かせる事にしたみたい。どうも「ギャーギャー」痛みにのた打ち回るだけで、何の役にも立たなかったらしいのよね。


 その事もあって、縄で輜重の馬車に縛り付けて無理矢理にでも歩かせるって。歩けなければ引き摺られて大変な事になるんだけど、未だに想像も出来ないのか好き勝手を喚いている。本音であるし、罪のある言動じゃないので痛みは無いみたい。


 これから歩かされるんだけど、何処までこのボンボンが耐えられるのかしらねえ。ま、どうせすぐ駄目になるんだろうけど、その後の泣き言を楽しみに歩きますか。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:アレッサ



 1日目に「ギャーギャー」言っていた連中も2日目には「助けてくれ」と言っていたわね。当たり前だけど全員が無視した。そもそもこいつら咎人だという自覚が全く無い。だからこそ王族を毒殺なんてするんでしょうけどね。


 私達は8日の道程みちのりを終えてヴィダ王国の王都まで戻ってきた。途中の辺境伯領は既に復興の兆しを見せていたから、相当早くてこ入れを行ったみたいね。国境だから後任がいつまでも決まらないっていうのも困るでしょうし、当然ではあるんだろうけど。


 そして現在は王城の中の謁見の間に居るわ。捕まっていた第2王妃が引き摺り出され、第2王子と共に床に座らされた。どちらも【善なる呪い】が掛けられているし、フィルオル侯爵家の者も罪人のように座らされている。


 そして謁見の間の玉座に座る王の横にヴィーが立っていて、その隣にウィルミナが居るわ。ヴィーはともかく、ウィルミナは何故ここに居るのかしら?。



 「さて、罪人どもがようやく揃ったが……。まずはデューダス先代公爵よ、真に大儀であった」


 「ハハッ!!」


 「そなたらは憎きテモニーに対し快進撃を続け、遂に王都までも陥落せしめた。本来ならば領地を奪うところであるが、それはやり過ぎになりかねんのでテモニーめの財宝をそっくり手に入れてきておる。これで辺境伯の領都の復興と、亡くなった英霊達の御霊を盛大に安んじる事が出来よう」



 まあ、兵士はそれなりに亡くなってるけど、最後にわたし達が手を抜いた結果なのよね。とはいえ【群狼王】を使っても仕方がなかったし、指揮官でもないのに使う訳が無い。自分達の力というのもよく分かったでしょうよ。



 「さて、この喜ばしい日に長々と話をしても仕方がない。まずは元第2王妃と元第2王子であるが、これらは明後日には大々的に処刑する。既に呪いが掛けられているので逃げる事すら出来ぬ。民の前での公開処刑じゃ。もちろん元フィルオル侯爵家の者どもも同様とする」


 「何と、公開になされるのですか?」


 「うむ。消してしまおうかとも思ったが、これほどの愚か者がおったのだと記録に残さねばならん。そうでなければ同じように引っ掛かる者が出かねんのでな、公開する事といたした。貴様らの名は愚か者の名として我が国の歴史に刻まれる。それこそが真の罰じゃ」


 「「「「「「………」」」」」」



 完全に下を向いて項垂うなだれているわねえ。こうなる事はやる前に気付けたでしょうに、何で下らない事をするのやら。全くもって理解できないわ。それよりまだ話があるみたいだけど、さっさと終わらせてくれないかしら?。



 「此度のテモニー攻めで多くの功があった傭兵達よ。そなたらには報わねばならぬが、何か欲しい物はあるか? そなたらが望むのならば領地でも構わぬぞ?」


 「なんと!?」 「正気でございますか!?」 「傭兵でございますぞ!」


 「私達は後腐れの無い金銭だけでいい。それ以外は迷惑でしかない」


 「何たる言いぐさだ」 「傭兵如きが頭に乗りおって!」 「このような者にやる物など何も無いわ」


 「そう。だったら出て行くよ。ヴィダ王国は報酬も碌に支払わない国だと噂が流れるけど、それでも問題ないよねえ? やる物なんて無いって言ってるんだからさ。吝嗇けちな国だと言われたいっていうのは、珍しいとは思うけどね」


 「なに!?」 「傭兵如きがふざけおって!」 「近衛よ! この者どもをひっ捕らえろ!」


 「皆こっちへ。結局、この国が一番のゴミだったな。デジムよりもナロンダよりも「ちょっと待った!!」クズだったとは……」



 突然ヴィーが声を上げたけど、この流れがかなりマズい事はヴィーが一番よく分かってるからねえ。何よりミクの近くに集まったって事は【転移】で移動するって事だし。



 「此度の戦いの一番の功労者を誹謗するとは、それがヴィダ王国の貴族のする事か! そなたらは己が何をしているか理解しているのであろうな!?」


 「うむ。ヴィドラントの申す通りである。功労者に対して正しく恩賞を与えぬは、己が国をおとしめるものと知れ。そなたらが金銭が良いというのであればそうしよう。用意しておったものをここへ」


 「ハッ!」



 騎士が扉を開き、扉の外から銀のトレイに布が掛けられたような物を持った侍女が入ってきた。綺麗な布の上には金貨が乗っているけど、アレは大きさ的に大金貨ね。1人一枚ってところだけど、結構奮発したじゃない。傭兵相手としたら十分ね。



 「そなたらの功績が真に大きい事、我もよく知っておる。それ故にそなたらへの褒美は1人大金貨6枚と致す」


 「なっ!?」 「そんなに!?」 「何故、傭兵如きに!」



 王が金額を発表した後も侍女が入ってきて、わたし達1人1人に大金貨を渡していく。1人6枚って随分と奮発したものね。ま、奪ってきた財宝はそれを遥かに超えるんでしょうけど、わたし達には面倒が無い金銭の方が良いわ。



 「ありがたく受け取らせてもらうと共に、これで終わりならば私達は失礼させてもらう」


 「ええ。私を救ってくれた事も含めて本当に感謝します。貴女方が我が国に来ていなければ、私も毒で死んでいたかもしれない。そうなっていたら、今ごろ我が国はテモニーに奪われていたかもしれません。貴女方は我が国を間違いなく救ってくれた方々です」


 「うむ、ヴィドラントの申す通りじゃ。それも知らず、愚かな事を言うておる者には愛想が尽きそうになるのう……」


 「………」 「………」 「………」


 「では我々はこれにて失礼する」



 そうファーダが締め括って、わたし達は謁見の間を出た。王が言う通り、愚か者がネチネチと鬱陶しかったわねえ。どうやらフィルオル侯爵家だけじゃなく、それ以外にも色々と居るみたいじゃない。愚かな事をしそうな奴等がさ。


 ミクやファーダが喰うのかは知らないけど、見逃してるって事は悪人じゃないのかしら? 単にネチネチ鬱陶しいだけの可能性もあるわね。それはそれでウザいけど、悪行をしてないと喰えないのか。


 ま、もう会う事も無いし、どうでもいいや。


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