表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
847/1002

0843・テモニー王国伯爵領・領都前 戦闘開始




 Side:ロフェル



 そろそろ戦闘が始まりそうね。そういう緊張感が高まって来てる。そんな中でも平然と戦場の一番前に立っているミクとファーダ。まあ2人にとっては簡単な事でしかないし、いつでも蹂躙できる程度の相手でしかないものね。緊張なんてある筈も無いか。



 「「「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」」



 敵が大きな鯨波ときの声を上げて攻めて来るけど、ミクとファーダは何もしない。相手がある程度の距離を攻めて来たところで2人は始動。大きな魔法陣を空中に作り出し、そこから【爆熱球】の魔法が飛んでいく。


 その数はなんと1人で5個。あのレベルの魔法をポンポン連射するのは簡単な事じゃないんだけど、ミクとファーダは簡単にやってのけるわねえ。敵軍が突撃してくるところへカウンター気味に炸裂した【爆熱球】は、敵軍に混乱を巻き起こしたみたい。


 ドゴドゴドゴドゴドゴーーン!!! という感じで爆音が鳴り、相手が見えない程の土煙がこちらに飛んでくる。顔を覆って防ぐものの、結構な砂粒とかが飛んできて痛い。


 ようやく晴れたと思った頃には、敵軍の足は完全に止まっており大混乱の様相を呈していた。そんな敵軍に対してセリオが突撃していく。体を最大サイズにまで大きくしたセリオは咆哮を上げながら敵軍を切り裂いた。



 「ガァァァァァァァァァ!!!!」



 真っ直ぐ突っ込んで行ったセリオに続き、私達も突っ込んでいく。もはや敵は完全に足が止まっており、ここが戦場だという事も忘れているようだ。痛みに呻く者や、どうしていいか分からない者達で溢れ、全く統制がとれていない。


 完全に烏合の衆としか表現できない程に混乱している。自軍がああならなくて良かったという思いと共に、私達は敵軍に襲いかかる。その後ろからシャルの大きな声が聞こえた。



 「敵は愚かにもこちらの策に掛かり、大混乱している! 今がこれ以上ない好機だ!! 敵の首を好きなだけ獲ってきな!!!」


 「「「「「「「「「「ワォォォォォォォォォン!!!!」」」」」」」」」」



 【群狼王】のスキルで士気の上がった狼軍団が突撃してくる。これで敵味方の区別はしっかりついているんだから驚きだけど、相変わらず一番前に先代公爵が居るわねえ。ここで殺されたら士気に関わるのは事実なのよ。幾らシャルが居るからってさ。


 しっかり守ってやらなきゃいけないんだけど、周りに騎士の連中も居るし大丈夫かな? いや、私も近くに行って気をつけてやるか。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:セリオ



 走って行ってドーン! 走って行ってドーン! これで殆どの敵は蹴散らせるんだから、人間種は楽な相手だね。僕が蹴散らせばそれだけで吹き飛ばされるし、その外側の奴等はレティーが魔法で叩きのめしてくれる。


 僕は適当に敵が固まっている所に突撃すればいいっていう、簡単なお仕事でしかない。どのみち【竜鱗】スキルを使っていれば、敵の攻撃なんて効かないしね。それよりも足下に何か来てるなぁ。



 「よくも仲間達を殺してくれたな! お前だけは必ず殺してやる!! 怒りの剣を受けろ!!」



 この男って確か、戦いの前にミクに色々言ってたヤツじゃなかったかな? 多分だけど<戦場のドラゴン>とかいうヤツの団長だと思うんだけど……。【竜鱗】スキルに弾かれていて全く効いてないね。



 『立ち止まって攻撃を受けていますけど、何かありましたか?』


 『いや、戦いの前に喋りに来てた<戦場のドラゴン>とかいう傭兵団の団長が、僕の足下で必死に剣を振ってるんだよ。全く効かないのにご苦労な事だなーって思ってさ。それで止まってただけ』


 『………確かに居ますね、主に下らない事を言っていた愚か者が。さっさと殺しますか』



 背中から魔力が溢れてるって事は、レティーが何かの魔法を……って、可哀想な程に滅多打ちで死んだよ。レティーったら【岩弾】を連射して物理的に押し潰して殺すとは思わなかった。相変わらずだけど容赦ないね。



 『これで主に無礼を働いたゴミは死にました。後は敵軍を殲滅するだけです。セリオ、行きましょう』


 『了解』



 何だかんだと言って、レティーって怒らせると怖いんだよね。あんまり知られてないけど。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:テイメリア・フェルス・ゴールダーム



 敵軍に襲いかかり、それなりの敵を殺していると、あの男が目の前に出て来ました。どうしてこう鬱陶しい者ほど粘着質なんでしょうね? 相手から気持ち悪がられているという自覚も無いからこそ、こんな事をするのでしょうか?。



 「やっと見つけたぜ! この戦いはこっちの負けかもしれねえが、てめぇだけはオレ様のものにしてやらねえと気が済まねえんでなぁ!!」


 「本当に気持ち悪いですね。こういう社会の汚物は居なくなりませんが、どうして自分が汚物だと理解しないのでしょうか?」


 「何だと!?」


 「他の者に迷惑を掛けないなど当たり前のマナーでしょうに、そんな事も母親のお腹の中に置いてきたのですね。ならば、こんな気持ちの悪い者が生まれるのも仕方がないのでしょう」


 「このクソアマ……! 調子に乗ってんじゃねえぞ!!!」



 相手が持っている槍で突いてきましたが、あまりにも遅い。こいつには【夢幻搾精】を使う気にもなりませんので、普通に戦いましょう。わざわざ死ぬ前とはいえ、良い気持ちにしてやる必要も無いですしね。


 突いてきた槍を薙刀で弾き上げ、返す刀で相手の左腕を切り落とします。その後、すぐに【火炎】の魔法で傷口を焼いてあげました。今は転げ回って苦しんでいますね。それで止める私ではありませんが。



 「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!?!」



 私は更に男の右腕を肩から切り落とし、傷口を【火炎】で焼きます。そもそもこの男はここで殺す気などありません。私にとっては路傍の石に等しいのですが、そんな路傍の石が突っ掛かってきたのですから地獄に落ちてくれないと困ります。


 十分に焼ききった私は男に一瞥いちべつをくれる事も無く新たな敵へと移動し、【夢幻搾精】を使用した後に首を刎ねました。まだまだ敵は沢山おり、簡単にはこの戦いが終わる事などないでしょう。


 とりあえず素早く殲滅していきましょう。あまり時間を掛けていても仕方がないですし、これから伯爵領も攻めなければいけませんしね。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:ロフェル



 前で戦ってるのは良いんだけど、ちょこちょこ先代公爵に危険な場面があって面倒臭い。それでも助けられる範囲だからいいけど、向こうも先代公爵が総大将だと分かっているのか、今までと比べると執拗しつように狙ってきてる。


 ミクとファーダにセリオが蹂躙してくれたからこの程度で済んでるけど、もし普通に戦ってたらあっさり首を獲られてるかもしれない。やはり総大将が最前線で戦うって危険すぎるわ。当たり前の事だけど。



 「ぬんっ!! ふははははは、まだまだわしの首を獲るには足りんのう! もっと掛かってこんか!!」



 言うだけの強さは持ってるんだけど、それでも普通の範疇はんちゅうから出てはいないのよ。今まで上手くいってきたから、これからも上手くいく。もしくは上手くいかない事すら考えられなくなってるんじゃないでしょうね?。


 絶対に上手くいくなんて事は無いんだから、少しは冷静に戦ってほしいんだけど……このままじゃ無理そうね。若い頃は騎士団に居たというだけあって、しっかりと基礎が出来ているだけに面倒臭い。


 そこら辺も貴族的なら黙ってろと言えるんだけど、意外としっかり学んでいたみたいで下手じゃないのよ。それに若手に手柄を挙げさせる事もしてる。


 おそらくは今の内に経験を積ませようという事だと思うけど、その所為で思っているよりフォローが大変なのよ。


 若い連中は先代公爵ほど肝が据わってないから、良い経験になっているかは疑問しかないわ。アレね、自分は上手くても他人に教えるのは下手なヤツ。先代公爵って、まさにそんな感じ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ