表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
824/1002

0820・これからの予定




 Side:ロフェル



 先ほどまでは雑談だったけど、徐々に本質的な話し合いになってきた。そもそもは毒を盛られた第4王子と、毒殺された第1王子と正妃の話をしなくちゃいけないのよね。デューダス公爵家に関わりがあるから。



 「うむ。多少解れたところで、そろそろ本命の話をしようかの。申し訳無いがフェルムスト辺境伯には王城までついてきてもらう。これは第4王子殿下がどのように過ごしておられたかを話してもらう為じゃ」


 「分かっております。流石に正妃様や第1王子殿下が毒殺されたなど、許される事ではありませぬ。この事を陛下が知っておられたかによって変わりますが……」


 「仮に知っておられたとしても、我がデューダス公爵家から何かを言う事は無い。代わりに第4王子殿下を臣籍に降ろしていただき、我が家の後継ぎとさせてもらう。その際には報酬を払う故に、愚かな息子と孫を善人にしてほしい」


 「まあ、依頼としてなら受けてもいい。ただし、その後の責任は自分で持つようにね。公爵家の中が割れようがどうしようが私の知った事じゃないから、それだけは覚えておくように」


 「分かっておる。しかしアレでは先々を考えた場合、安泰とは言えぬ。我が公爵家は公爵家であるが故に、血を繋がねばならんし絶やす事は出来ぬ。スペアにはスペアの役割があるのだよ。それ故じゃ」


 「第4王子なら久しぶりに王族の血が強く入るとも言えるねえ。そもそも王の子なんだし当然だけどさ。そうなると第2王子とかが王になるけど、それで本当に良いのかい? 国が傾いても知らないよ?」


 「そうなればスペアの役割を果たすだけよ。そこまでになれば国内の貴族は五月蝿く言うまい。こちらは娘が殺されても譲歩してやったのじゃからのう?」


 「そういう事かい。武闘派とか聞いていた割には引くって不思議だなと思ってたけど、容赦をする気は無かった訳だね。とはいえ公爵家である事を考えたら当たり前か」


 「今代の陛下がどのように考えられるかは知らぬが、その答えの如何いかんによって全てが決まるじゃろう。わしとしてはどちらでも構わぬ。その結果を受けて動くのみじゃ。どのみちフィルオル侯爵家は潰す」


 「まあ、それは当然でしょうね。そもそも娘と孫が毒殺されているのです。にも関わらず何もしないなどあり得ないでしょうし、周りから腑抜けと言われますよ。公爵家としても絶対に引いてはいけません」


 「うむ。そうなのだが……その、あの者の仲間の割には取り合わせが変じゃの。先ほどから貴族的な機微きびが分かり過ぎておる気がする。もちろん侯爵家の庶子がるのは聞いたが、それだけではあるまい」



 そう聞かれたので私達の素性を教える事に。異なる星というのも驚いたようだが、それ以前に色々と立場がアレなのに驚いたようだ。



 「元伯爵に王族か……それは理解できるじゃろうよ。しかも英雄とうたわれた者とはのう。それは驚きじゃが、裏の事を一手に担っておったら暗殺された。しかも裏の事を嫌っておる王に暗殺されるとは、まったくもって意味が分からんわ」


 「それ以前に護国の英雄を暗殺するって、頭がおかしいとしか思えない。幾らなんでも庶民からの突き上げが凄い事になるだろうに、そんな事も分からない王が居るんだね」


 「王なんてそんなもんさ。生まれも育ちも王なんだから、庶民の事が分かる筈が無いだろ。そのうえ周りも貴族ばかりなんだ、余計に分からない者だらけさ。本当なら平民の中の優秀な者を入れて、庶民の心の動きを把握しなきゃいけないんだけどねえ」


 「そんな事すら考えられない程に凝り固まってるって事でしょ。所詮は見下す事しか出来ない連中じゃない。その結果が英雄を失った事と、それによって国が大きく揺れたという事。完全に自業自得よ」


 「数百年もの長きに渡り、自国を守ってくれた英雄です。もはや王よりも求心力が高いでしょう。その方を暗殺した訳ですから、その求心力がそっくりそのまま敵意となって返ってくるのは当然の事です。それすら理解できなかったのでしょうね」


 「英雄が長く居るのも良し悪しなのかもしれんのう。王よりも求心力があるとなれば、愚者ならば嫉妬から謀殺しかねん。己より高い名など気に入るまい」


 「そういうのは何代かあったよ。ま、そんなヤツの代じゃ取り入りたい奴等があたしの代わりに戦に出て、ボロボロに負けて帰ってきたりしていた。その後にあたしが勝って、余計に民に喜ばれただけさ。むしろ引き立て役にしかならなかったぐらいだ」


 「あー……そうなってしもうたか。じゃが、それでは嫉妬が怨みに変わって更に危険になりそうじゃが」


 「あたしは裏の事をしてたんだよ? いや、正しくは裏の事をさせる為に元々取り立てられたんだ。そのあたしが王とはいえ、裏で動いているのに気付かないとでも? 最後に暗殺されたのは極めて強引に来たからでもあるし、寿命が近かったのもあって受け入れた部分が「コンコン」大きい……」



 ノックの後に執事が入ってきたが、どうやら食事の時間らしい。一応食堂には現在の公爵家夫妻も居たが、愚かな孫は居なかった。まあ、アレだけボコボコにされたのなら、怪我でまともに食事もとれないでしょ。反省にはちょうど良いわね。


 公爵は顔が引き攣っていたけど、妻の方は不思議そうな顔をしていたわ。しっかし、子供が1人しか居ないって危うくない? だって公爵家の滅亡の危機でしょ。分家があるなら養子にして後を継がせる事も出来るんでしょうけど。


 そんな事を考えつつも、適度な相槌を打ちつつの食事は終わった。相変わらず面倒臭い食事が続くわねえ。肩が凝って仕方がないわ。


 再び応接室のような部屋に戻り、私達は話を続ける。どうやらヴィーが私達の鑑定結果を見たいらしく、仕方なく見せる事になった。



 「………わしの鑑定結果とやらも見せて貰ったし、わしが【剣術】のスキルを持つのも想像がついておったから正しいじゃろう。しかし……何なんじゃお主らの種族は、意味が分からん。それに第4王子殿下の【前世記憶】というものもじゃ」



 その後、様々な話をする事により、ようやく納得した先代公爵。なお改めて聞いた辺境伯も所々で頷いていたので、一度では理解出来ていなかったらしい。まあ、彼らにとっては突拍子も無い事だし、分からなくはないけどね。



 「成る程。別の星という所で生きていた記憶があり、その星で学んだ知識も覚えておると。もし公爵家の跡取りともなれば、当然その知識は使ってもらえるのですな?」


 「それはまあ……あくまでも大学3年でしたけど、そこまでに学んだ知識でいいのでしたら使いますよ。ただし、父上が何をおっしゃるかは分かりませんが」


 「むっ、それがありましたな。確かに厄介な事ですが、第4王子殿下の体調が良くない事を理由に、第3王子殿下を王太子にしていただこうかのう。健康を理由にすれば文句を言う貴族も黙らせられるじゃろう」


 「そもそも私が飲ませた霊水は、死亡以外のありとあらゆる状態異常を治す薬なんだよ。だから体には何も問題はない。ま、それをいちいち王に言う必要は無いけどね」


 「うむうむ。娘や孫が殺されておる事すら気付かなんだか無視したのだ、こちらから言ってやる必要など無いわ。臣下は尽くして当たり前などと思うなよ」



 どうやら今の王に思うところがあるみたいね。王都の手前に領地があるって事は最悪ここで止めろという事でしょうし、敵の前に最後に出される生贄って感じよね。そういう意味でも納得はしてないんでしょう、公爵家は。


 武闘派なんだから、もっと敵地が近い所の方が好みなのかも。



 「好みというよりはアレじゃの、当時の王がこれ以上手柄を挙げられては堪らんという事で、我が家の領地はこんな所になっておるのだ。元々我が家を活躍させんという事が前提なのじゃよ。それに対する不満はずっとある」



 武闘派なんだから、余計に鬱憤うっぷんは溜まるわよねえ。それは。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ