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0806・戦闘の終了




 Side:ミク



 兵士を切り続けていると、徐々にだが敵兵が逃亡し始めた。私は辺境伯の屋敷の近くからは既に居なくなっており、町中を襲っているクズどもを探しては血祭りに上げる事を繰り返している。そもそも貴族を助けてやる義理なんて無いから、死んでいようがどうでもいい。


 それよりも兵士が外れては何処かに略奪に行く。その事の方が問題であり。走り回っている間に皆と出会ったりもした。どうやら町中のゴミを探しているのは皆もらしい。今回はマハルでさえ地味にキレていて、血眼になってクズを探していたよ。もちろん殺す為に。


 そんな風に探していたんだけど、遂に敵兵が逃亡を開始したようだ。傭兵達も未だに少ないながらも生きており、町の人達の無残な死体を見たからか、彼らもブチギレて敵を探している。つまり彼らも辺境伯は無視しているのだ。


 敵兵を探して殺し、町の人達を助けているんだから良いだろう。そもそも何処の敵と戦うかなど、こちらの自由だ。今は市街地戦だし、そうなった時に辺境伯を守る事、なんていう契約はしていない。それに敵兵は辺境伯の屋敷に殺到していた。


 あれじゃどうにもならないという言い訳ぐらいは出来る。それに、未だに辺境伯の首を取ったという勝ち名乗りが挙がらない。となるとまだ死んでいないんだろう。その状況で敵兵が逃げているとなると、死屍累々になって数が減ったという事ぐらいしかない。


 そこで冷静になり、冷静になったら次に殺されるのは自分だと思ったんだろう。興奮が冷めれば自分の置かれた状況も見えてくる。周りには死体が大量だ。何故なら私が撫で斬りの如く殺していたからね。死体を見て冷静に自分の行き先を悟ったとみえる。


 そうなると危険地帯に留まる事は出来ない。いつ死ぬか分からない場所に留まれる神経の者なんて滅多に居ないし、居ない以上は逃げる流れになっていくのは当然だ。だからこそ、目の前の中央通りを逃走していく兵士が見えてるんだしね。


 でも悲鳴も聞こえるって事は、追い駆けて殺している人物が居るって事だ。なら私も出来得る限り殺しておくか。敵を減らしておいて損は無いだろうしね。それに恐怖を加速する事も出来る。一石二鳥というヤツだ。



 「逃げろ! 逃げろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


 「もう無理だ! ここから逃げるんだ!!」


 「撤退だ! 撤退しろ!! ここに居たら殺されるだけだぞ!!」


 「早く逃げろ!! 逃げなきゃ死ぬぞ!!!」



 そんな事を大声で喚きながら、敵兵が我先にと逃亡していく。そしてその後ろから傭兵が追いかけて武器を振り、仲間達が切り殺し殴り殺していく。そんな状況に私も参戦し敵を殺していくのだが、それでも追いかけるのは町の外までだ。


 敵軍の大将が居る所までは追い駆けて行ったりなどしないし、そこまで行ったら我先にと逃亡するだろう。結果としてファーダが喰い難くなるだけなので、私としてはわざわざ追い駆ける気にもならない。


 それに傭兵達も追い駆ける気は無いようだ。それよりもしゃがみこんでしまっているので、相当に疲れているらしい。まあ、朝からの戦闘だし、そのうえ門が壊されてからは乱戦だ。多くの傭兵も死んでしまっている。


 町中に入ってきた敵兵と戦い続けたのだから仕方がないし、敵が逃げて行って緊張の糸が切れたんだろう。本来の疲れが一気に出てきたと考えれば、ゆっくり休むべきだ。彼らは私達に代わり、十分に役に立った。


 何でも出来る私達が戦いを決める訳にはいかないからね。そんな事をすれば必ず目をつけられて面倒臭い事になる。私達とすれば、さっさと褒賞を貰ったら逃げようと思ってるんだし、いちいち面倒な勧誘とか要らないんだよ。


 辺境伯家の近くで戦ってたのは見られていないだろうし、あの時の辺境伯家には敵兵が大量に押し寄せていてそれどころじゃなかった筈だ。私の事なんて見てもいないし聞いてもいないだろう。そういう風に戦ったしね。


 私も疲れた風に見せかけて地面に座り武器を仕舞う。皆も近付いてきて地面に腰を下ろしたが、一人だけ優雅に腰を下ろしたヤツが居る。それじゃ疲れてるようには見えないんだけど?。



 「申し訳ありません。とはいえ地面に座るのもどうかと思うくらいなのです、それぐらいは許して下さい。それよりも相当数の敵が入り込んでいましたし、それなりの数の民が殺されてしまいました」


 「あたしの方も同じだったよ。仕方がないとはいえ、あまり見たいものじゃないからねえ。盗賊どもは皆殺しにしておいたし、目の届く範囲の奴等は死んだ筈さ。敵兵だから確かめる必要すら無いし」


 「元々敵兵なんだから目に付いたら殺していいし、それが平民を襲うクズなら真っ先に始末しないといけないわよ。むしろ正しい事をしたと言えるでしょ。わたしなんて大量に始末しておいたわ、騎士もそうだけど」


 「ボクの方にも騎士が来ましたね、やたらに美しさを自慢する妙な方でしたよ。【身体強化】をスキルで持っていましたが、ボクがそれ以上の【身体強化】をしたので反応できなかったみたいです」


 「それはまた……。何だかつまらない相手ねえ。私の方は恋人同士のヤツだったわよ。私が殴り殺した後に「よくも恋人を」なんて言って出てきたけど、そんなに死なせたくないなら戦いの場に出てくるなとしか思わなかったわね」


 「私の方には同性愛の方が恋人を殺されたと向かってきましたよ。お前みたいな女が居るから騙される男が居るとか何とか、そんな事を言われましたね。女性に恋人を取られた事があるのか、妙に怨みが篭もっていました」


 「まあ、世の中には色んなのが居るからさ。わたし達の星にもおかしなのは居たし、そこは気にしなくてもいいんじゃない?」


 「いえ、気にしてはいないのです。その方も結局【夢幻搾精】で漏らしながら死にましたしね。女である私に精を漏らされながら殺されたのですから、ちょうどいい意趣返しになったのではないかと」


 「「「うわぁ……」」」


 「おっと、ファーダから連絡。敵は残存兵力を集めて退却したってさ。今日の夜中に全員食い荒らすけど、どうも300~350ぐらいしか兵が残ってないみたい。かなりの人数が町の中で死んでるようだよ」


 「死体を片付けるのも大変だ。そのうえ町の人も結構亡くなってるだろうし、領都はこれから大変だね。今回は王都からの援軍が無かったからどうしようもなかったみたいだけど、やはり野戦を行って多少なりとも敵を削っておくべきだったと思うよ。あたしは」


 「そうだね。敵を野戦で削っておいたら、ここまでの事にはなっていなかったかも。たらればの話はしても意味が無いんだけど、今回は爆発物が敵にあったから余計に仕方ないのかな?」


 「アンデッドの核である不死玉を粉にしたものですか……。玉の状態であれば問題が無いのに、粉にすると爆発するとは不思議な物ですね。それも不死玉のみで爆発するのでしょう?」


 「そうそう。だからゴブルン王国では銃が作られてたんだけど、こっちでは爆発する粉、つまり火薬のまま使ってるみたい。その辺りは違うところだね」


 「ゴブルン王国が銃を作り出したのは不思議だけど、何かきっかけがあったんだろう。そうでないといきなり銃はおかしいし」


 「でしょうね。どんなきっかけかは別にどうでもいいけど」



 まあ、銃が出来ている以上は、今さらどうでもいい事なのは間違い無い。それにこっちは大陸が違うからね。銃が存在する可能性は考慮するけど、過剰に反応する必要は無いだろう。私達にとっては、そこまで恐ろしい武器じゃない。


 十分に対応できる範囲内だから気にする必要はそこまで無いし、私が気付ける範囲の物だ。悪意も分かるし、余ほどの異常者でなければ殺意は漏れる。それに気付けばいいだけだしね。


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