0803・市街地戦 その2
Side:アレッサ
私達も随分と戦ってきたけど、どうやら敵の数は減ってきたみたい。ミクやシャルにロフェルも参加したからか、多くの場所で敵兵が殺されて逃げ惑ってるみたいね。わたしの方に逃げて来た敵兵も殺しておいたけど、まだまだ残ってるみたい。
2000以上なのか、それとも3000以上か。とにかく敵の数は多かったから、それだけ多くの敵を殺さないと追い返せない。厄介な事だと思うけど、それでも殺さないと終わらないのよねえ。血を奪う事も出来てないし、いろいろと不満のある戦いだわ。
そんな感じで敵を殺していると、わたしの前に騎士が現れた。随分とこっちに憎しみを向けている感じがするけど、こいつの知り合いでも殺したのかしら?。
「お前がここで我が方の兵を殺して回っている者か! どうも子供の様な姿だが、私は手加減などせんぞ! ここで確実に殺してやる!!」
「やーねー。敵の見た目で手加減とかしてたの? そりゃ殺されても文句は言えないわよ。敵である以上、真面目に戦いなさいよ。ね?」
わたしは【身体強化】を使って一気に接近し、斧刃の方で胴体を両断した。たったそれだけであっさり敵は死亡。それを見た敵兵がまた逃げて行く。まあプレートアーマーで輪切りになるんだから、雑兵の装備じゃどうにもならないのは気付くでしょうね。
それで逃げてるんだろうけど、わたしは構わず近くの敵を殺害していく。まだわたしを殺してやろうという意志のある奴は居るし、そういう奴から先に殺しておかないとね。後ろから襲ってくる可能性があるから放っておけないのよ。
だからこそ当たるに任せる感じで敵を殺し続けているんだけど、なかなか減った感じがしないのよねえ。出来得る限り敵兵を素早く殺してるとはいえ、数が数だから仕方がない。
見た目で減ってくると元気も出てくるんだけど、体力は問題なくても気力を維持する方が苦労してる。流石に乱戦がここまで大変だとは思わなかったわ。まあ、わたし達が主体で戦ってるから余計なんでしょうけどね。
味方が同数とは言わないけど、せめて敵の3分の2ぐらい居てくれればここまで苦労してないと思うのよ。こっちの兵は辺境伯家の兵だけだから、多くても傭兵と合わせて500~700ぐらいしか居ない。
この数じゃ押し潰されたら簡単に負けるし、それだけわたし達が踏ん張って何とかするしかないのよねえ。それでも雑兵如きじゃ負ける気はしないけどさ。いや、それは騎士も同じか。
「最早ここまでだ! 私が来た以上、貴様の命運もこれで尽きた!!」
「御託はいいから、さっさと死ね!!」
わたしは自信満々で登場した騎士を【身体強化】の唐竹割りで殺害。頭頂から股間まで真っ二つにしてやった。地面に「ズドン!!」という音がして斧が落ちると、開かれたように左右に分かれて倒れる騎士。
それを見た敵兵は我先にと逃走していったけど、逆にこっちに挑んでくる兵士も居る。面倒だからハンマー側で頭を叩き潰し、胴体を斧刃で輪切りにしながら殺害していく。向かってくる敵がいる以上、わたしが止まる事はできない。
そろそろ終わってくれないかな、これ。
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Side:マハル
皆さんは大丈夫でしょうか。ボクはダラダラと戦い続けてますが、それでも敵の兵士に負ける事はありません。敵も鍛えられていますので職業兵士ではありますけど、それでもボクの相手をするにはまだまだ足りていない。
増長はしていませんが、そう思える程度には鍛えていただきましたので、余裕を持って敵と戦えています。とはいえ敵兵がボクに殺到してくる理由がアレ過ぎてなんとも言えませんね。
「早くブチ殺せ!! あんなナヨナヨした顔だけのヤツにいつまで梃子摺ってやがる! 情けなくねえのか、てめぇらは!!」
「だったらテメェが行けや!! いちいち偉そうに言ってんじゃねえぞ! テメェが行ってさっさとブチ殺して来い!!」
「何で戦闘中に喧嘩をしてるんでしょうね? それよりも敵を目の前にして下らない事をするって、戦争をしている自覚があるんでしょうか? 不思議です、よ!」
襲ってきた兵士の頭にメイスを落とし、頭をカチ割って殺害する。その隙を狙って攻撃してくるものの、それはラウンドシールドで流して防ぎ、その兵士の頭にもメイスを落とした。
先ほどからそうやって戦い続けているんだけど、何故か敵は同じような攻め方ばかりしてきている。僕としては楽なんだけど、敵の罠なんじゃないかと思うくらいだ。そんな中、1人の騎士がやってきた。
「まだこんな所で戦いを続けていたとはね。早く、うん? ………これはこれは、有象無象が群がっている事に理由はあったという訳か。しかし、なかなかとはいえ私に勝てるほどの美貌ではないな」
「戦いの場において美醜など、どうでもいい気がするのですが?」
「ははははは、確かに君の言う通りだ。しかしね、戦場ではそういう者に対する嫉妬というのも表に出てくるのだよ。私も味方から狙われた事はあるよ。美しいのは気に入らないとね。ま、そんなヤツは早死にするだけなんだけど」
「そうですか。ま、貴方もここで死ぬんですけどね。ボクの前に出てこなければ、そうはならなかったのですが……」
「ふぅん? なかなかの自信だが、私を舐めてもらっては困る、な!!」
いきなり走り出すと、かなりの速さで近付いてきました。が、この程度であれば十分対応できる範囲です。それよりもこのプレッシャー……。この人はスキル持ちの騎士で、おそらく持っているスキルは【身体強化】だ。
ボクは騎士の剣をラウンドシールドで滑らせて流すと、相手の肩に一撃を入れようとしてギリギリで回避された。やはり【身体強化】が相手じゃ間に合わないか。
「………驚いたな。まさか私の攻撃が流され反撃までしてくるとは。今まで本気で戦って、ここまで完璧に対応されたのは初めてだよ。本国でさえ無かったというのに……」
「そうなんですか? どうやらボンクル国というのは大した事が無いようですね。【身体強化】に対応できない者達ばかりとは」
「ほう、そこまで分かるとは本当に凄いな。どうかな、君の美貌とその戦闘能力があれば、私と同じく第3王子殿下の側近になれるぞ? 我が国に来ないか?」
「お断りします。貴方がたの方に行くという事は、仲間の敵になるという事です。実はですね、ボクは仲間内で一番弱いんですよ。このボクでさえ……ね!」
ボクは【陽炎の身体強化】を使って一気に接近、右手のメイスを全力で相手の頭に振り下ろした。相手の騎士は反応する事さえ出来ずに直撃を受け、今まで倒した敵以上に頭が潰れて血が噴出。ボクは素早くバックステップで避ける。
「さて、残りの敵もこの調子で殺していくか。ここまで町で暴れて略奪とかしてたんだ、殺されたって文句は言えないだろ?」
「ひっ! う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!」
ちょっと、そんな簡単に逃げ出すのは駄目だよ。ここまでの事をしておいて、逃げたら許されるなんて事をボク達が認める筈がないじゃないか。君達が平民の方々にしたように、ボク達に殺されなきゃ駄目だろう?。
あっ、まだ生き残ってた傭兵団がこっちに来て兵士を殺し始めた。どうやら敵の数が減ってきて余裕が出てきたみたいだ。この調子で敵を殺していき、領都から追い返したいところだね。
それなりの女性や子供が殺されてるんだ、十分な報いを受けさせないと納得は出来ないだろう。亡くなった方々も。




