表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
790/1000

0786・集合場所と雑談




 Side:マハル



 木札を受け取ったボク達は、傭兵達が集う場所へと移動する事になりました。まだ早いからかボクたちしからず、他の傭兵の方々は誰も居ないようですね。そのまま適当な雑談をしつつ待っていると、続々と傭兵の人達が集まり始めました。


 熊、狐、兎、犬、猫、狸。そういった獣人の方が多く、中にはゴブリンやコボルトにオークも居ます。こちらの大陸には居ないかと思っていたのですが、どうやら居たようですね。ただ、マンドレイクやアルラウネにケンタウロスやオーガは見かけません。


 こちらの大陸には居ないのか、はたまたデジム王国には居ないのか。どちらかは分かりませんが、敵方に居たら厄介だなぁと思います。特にマンドレイクとアルラウネは。


 どの香りでも厄介極まりないので、出来得る限り早く倒すしかありません。ただ、向こうも早々使う事は出来ない筈です。戦争では乱戦になりやすいですし、その状態では味方に被害をもたらしてしまいますからね。


 ただし単身突っ込んでこられて香りを撒かれると非常に厄介です。マンドレイクやアルラウネとはいえ、戦争に有用なスキルを持っていないとは限っていません。特に【気配隠蔽】や【魔力隠蔽】系統のスキルで隠れられると、見逃す可能性はあります。


 ミクさんですら、乱戦の中では見逃す可能性があると言っていました。他の者達が邪魔で、隠れている者をピンポイントで探すのは少々骨が折れるそうです。それは能力を持たないボク達でさえ考えれば分かる事。


 気配を調べてみれば分かりますが、そこからピンポイントで気配を消している奴を探せと言われても、それはそう簡単な事ではありません。人が少ないところで調べればすぐに分かりますが、乱戦状態では難しい。特に自分に向かっていないならば尚の事。


 そう考えると、戦場で他人に紛れて暗躍している者には要注意すると共に、何か戦場全体に変化が無いかを観察しなければならないようです。



 「戦場っていうのはそういうもんだし、千変万化と言って幾らでも変わるものなんだよ。ガイアの日本には<戦は水物>なんて言ったヤツが居たらしいけど、それは正しい。水は色々な形に変わる。次はどんな形になるかなんて、そう簡単には読めないものさ」


 「その昔から軍師と呼ばれる人物は居るけど、やっぱりそう簡単じゃないのねえ。といっても敵味方の両方に軍師っていうのは居るんだけど」


 「それ以前に、軍師がやるのは基本的に相手の手を読む事と自軍がどう動くかさ。戦の趨勢を読める訳じゃない。もしそんな事が出来るなら絶対に勝つ軍師が生まれる筈だけど、そんな事は絶対に無いからねえ」


 「そうですね。戦いの行く末まで読めるなら絶対に勝利する軍が誕生しますけど、そんな事は神様でもなければあり得ません。ですよね?」


 「というよりも、神どもの場合いちいち読まないよ。あいつらの力で全て潰してしまえば済むから、戦いの行く末なんて読む意味が無い」


 「「「「「………」」」」」



 それはそうでしょうね、としか言えない言葉がミクさんから出ましたけど、本当にそれはそうでしょうねとしか言えない。そもそも神様1柱だけで人間種なんかどうにでも出来る以上、わざわざ読む事どころか考える事すら必要ないでしょう。


 何というか戦の神様とか居たとして、果たしてその神様は本当に戦を司ってるんでしょうかね? そちらの方が疑問になってきます。戦の神様じゃなくて死の神様とか、もしくは破壊の神様なんじゃないかと……何かそんな気がしてきました。


 もちろん口には出しませんし、そんな事を考える事自体が不敬なんでしょうけどね。



 「それなりに傭兵が集まってきたけど、まだまだ増える感じね。今しばらくこのまま待つしかないみたいだけど、防衛戦だからそこまで役に立つ傭兵も少なそう。やっぱり遠距離攻撃武器が主流よねえ」


 「私達なら石を投げていても良いと思いますよ。それで十分に敵を殺せるでしょう。斜め上に投げるより、真っ直ぐ敵を殺すように投げた方が良いですね」


 「殺る気満々で何よりだけど、その殺意は戦闘が始まってからでいいよ。それより敵が何時やってくるかで色々と変わるから注意さ。夜にやってこられると予想以上に厄介だから、出来れば日中が良いねえ」


 「夜に町攻めなんてあるの? 周りは真っ暗で見えないのに?」


 「だからさ。夜中に侵入されて騒ぎなんぞ起こされたら面倒でしかない。適当に引っ掻き回して脱出とかされたら目も当てられないよ。そうやって夜中も対応に走らされると、それだけで眠れないからね」


 「ああ、それを繰り返されると大変ですね。碌に寝ていない状態では満足に戦えませんし、次の日の夜もまた同じ事をされれば益々不利になっていきます。防衛側って不利なんでしょうか?」


 「どっちも一長一短ってトコじゃないかい? 攻める方は自分達のタイミングで攻められるけど、時間が掛かると援軍を呼ばれる。防衛側は守ればいいだけとは言えるけど、動けないという不利な点がある」


 「どちらが有利とは言い難いわね。攻めて来た敵より食料はあるとはいえ、町だって補給が出来なければ飢えるだけになってしまうし……」


 「でも攻めている側だって、どんどん消費すること自体は変わりませんよ? そのうち無くなれば撤退するのでは?」


 「そういう場合もあるし、後続が来て補給される場合もある。町だって秘密の抜け穴なんかを用意してる所は、秘密裏に補給を受けて何ヶ月も篭城できるようにしてあったりもするんだよ。この町がどれだけ防衛に力を割いているかは知らないから分からないけど、それなりには色々としてるんじゃないかい?」


 「そうであれば良いのですが、東の辺境伯領は陥落したと聞きますし……難しいところでは?」



 あまり大きな声じゃ言えないけど、確かにそんな感じがしないでもないかな。町だけで篭城して上手く行くかは謎だし、篭城って確か援軍の当てが無いと駄目なんじゃ……。



 「援軍の当てもなく篭城されても困るけど、その場合は私達がどんどん殺すしかないね。当初の予定通りに指揮官だけ狙い撃ちにするか。騒いでいたり後方で大声を挙げてるヤツが狙い目だよ」


 「そこまで届くだろうけど、実際に当てて倒せるかは難しいかな? ここもそれなりに分厚い壁をしてるし、まずは梯子を引っ張り上げたり壊したりするべきね。相手が弓兵を連れてると厄介だけど」


 「こちらも石と弓で減らすしかありませんね。それでも遠距離武器は基本的に高所をとっている側の方が有利ですから、壁の上から放てる私達の方が有利ですよ」


 「ミク、矢のストックはどれぐらいあるの? コルクサから奪ってきた分しか無いんでしょ?」


 「まあね。作る事は出来るけど、残念ながら羽が足りない。夜中に鳥系の魔物を殺して羽を回収すれば作れるけどね。乾燥の魔道具があるから木を伐ってくれば問題無い」


 「ミクが持ってる物を駆使すれば、矢ぐらい簡単に作れるでしょうよ。……そういえばわたし達が渡されたバズーカは使っちゃ駄目なの?」


 「こっちの星じゃ止めた方が良いね。あたし達の星ですら先進的すぎて誰も持ってないような武器だ。ここで使うには危険すぎる。目をつけられると間違いなく、阿呆な連中が絡んでくるよ」


 「そりゃ駄目だ。鬱陶しい奴等に絡まれたくはない。となると魔法も止めた方が良い?」


 「そういえば説明してなかったけど、この星には<詠唱魔法>が設定されてるから、それが主流だよ? 知らないと怪しまれる」


 「うげっ! 魔法も無理って、色々と制限厳しくない?」


 「仕方ないと思って諦めましょう。それより誰か来たようですよ」



 ティアさんの言われる方を見ると、何やら騎士服を着た人達がこっちに来た。これから説明でもあるのかな?。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ