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0075・80階ボス討伐




 翌日。朝食を終えたミクはダンジョンへ。61階のショートカット魔法陣に乗ったら、攻略を開始する。昨日までの道は覚えているので走り抜け、70階からの攻略をスタートした。


 鳥の魔物が上空から強襲してくるが、見た目はハゲワシのような魔物であった。鋭くて太い鉤爪で攻撃しようとしてくるも、バルディッシュの刃を横にしてぶつけ叩き落とす。


 衝撃が強かったのか、立ち上がれない鳥の首を切り落として始末。レティーに血を吸わせつつ、周囲を警戒する。意外にも地面の上の事が振動で分かっているのか、仮称サンドワームが強襲してくる事があるのだ。


 血抜きが終わったら回収して進むものの、仮称サンドワームが襲ってきたので叩き殺す。この砂漠、思っている以上に襲われる頻度が高く、並の探索者では攻略不能だとミクは思っている。


 地面の下、地上、上空。この3つの場所から攻撃を受けると、対処が難しく、仮称サンドリザードも舐めていい相手ではない。革鎧であれば簡単に切り裂くだろう牙を持ち、足もそれなり以上に速いのだ。



 『確かに人間種では厳しいかもしれませんね。特に人数を掛けると、地面の下の仮称サンドワームに見つかりやすくなってしまいます。振動を感知しているだけに、誤魔化すのは難しいでしょうし』


 「そうだね。何処か遠くに魔法を撃って、その振動で呼び出すぐらいかな。そうすれば危険もなく、任意の場所に仮称サンドワームを呼び出せる。近くじゃないなら安全だろうし、どうせ戦うなら有利な方が良い」


 『それぐらいでしょうね。結局、誤魔化して逃げるという事は無理そうです。主のように素早く走って逃げるのがベストでしょうかね? そして階段で休むと』


 「それが一番マシかなぁ……。もちろん攻略を考えた場合はね。お金儲けを考えるなら、61階で仮称サンドワームを狩ってれば良いんじゃないかな? あれも仲間が居ればそこまで強くないし」


 『誰かが盾で防いでいる間に、他の者が攻撃すれば倒せるでしょうからね。然して強い魔物とは思えません。代わりに持って帰るのが面倒でしょうけど。牙なんかが高値だと狙い目になりそうな魔物です』


 「ま、アレが安値でしか売れないなら仮称サンドリザード一択だと思う。……っと、80階に到着した。70階から鳥が増えただけか。それが厄介なんだと言われそうだけど、私にとっては障害にならない程度でしかない」


 『主の障害になるものが、この星に在るのかどうか……』



 ボス扉の前で休みつつ、どういう魔物ならどうやって倒すかをシミュレートし、万全の態勢で中に入る。


 中は今までのボス戦よりも広いどころか、砂漠の地形のままのフィールドが広がっている。こんな事は初めてなので戸惑っていると、大きな魔法陣から現れたのはワイバーンだった。



 「何かデカいトカゲの仲間っぽいけど、空を飛ぶって面倒臭いね。アレをどうやって叩き落とそうか……」


 「Gyaaaaa!!!」



 飛び上がったワイバーンは一つ大きく鳴くと、ブレスを吐いてきた。ミクはいきなりブレスを吐いてくるとは思わなかったものの、冷静に【風弾】の魔法を使いブレスを散らす。


 何度もブレスを吐いてくるが、今度は【身体強化】を使って逃げ回る。すると低空に下りてきて、長い尻尾を鞭のようにしならせて攻撃してきた。


 ミクは横っ飛びでかわすも、ワイバーンは再び上空へ。そしてブレスを吐いてくるので、避けつつ走るミク。



 (攻撃のチャンスは空飛ぶトカゲが下りて尻尾攻撃をする時かな? それ以外は魔法で攻撃するしかないと思う。魔法の使える奴が多いチームだといいけど、一人だと言い訳が難しいなあ)



 言い訳の為に戦い方を考えつつ戦闘するのは、この惑星の中でもミクぐらいであろう。そんなミクはブレスを避けながら、下りてくるのを虎視眈々と狙っていた。


 ブレスを放っていたワイバーンは、再び下降してミクを強襲する。尻尾を鞭のようにしならせて攻撃をするタイミングで、ミクは【風弾】を翼に何発も放つ。


 すると風の変化に耐えられなかったのか、ワイバーンは落下し地面に叩きつけられた。


 そのチャンスを逃すミクではなく、【身体強化】で一気に接近し、尻尾を付け根から切り落とす。



 「Gugeeeee!!!」



 バタバタと体を動かしのた打ち回っているが、そんな隙を晒すから殺されるのである。


 ミクは素早くワイバーンの体の上を走り、首の根元にバルディッシュを振り下ろす。当然のように刃は食い込み、鮮血を噴き出すワイバーン。


 しかしミクはそれ以上追撃を行わない。理由はバルディッシュの刃が潰れ、柄が曲がってしまっているからだ。最初に尻尾を切り落とした段階で刃が欠けてしまったのだが、首に叩き付けた際に完全に潰れてしまった。


 そこまでの強い皮をしているとは思っておらず、ミクも遠慮せずに叩き付けたのだ。その結果が壊れたバルディッシュである。そのうえ首の根元に喰いこんで切ったものの、バルディッシュの刃よりワイバーンの首の方が太い。


 なので未だに警戒を解かずに血を噴き出すワイバーンを見ているミク。段々と体の動きが小さくなり、死に近付いていくワイバーン。結果としてはそのまま死亡したものの、最後まで警戒を緩めなかったミクは、ようやく体の力を抜く。



 「いやぁ。思っているよりも遥かに強かったねえ。というより皮が強靭だし、ここまで硬いとは思わなかった。予想以上の強さだったよ。さて、この空飛ぶトカゲが強いのは分かったから、もう1回戦おうか」



 そう言ったミクはワイバーンの血抜きをレティーにさせ、アイテムバッグに回収したら、奥の魔法陣から脱出した。


 外に出たミクは間髪を入れず、すぐにショートカット魔法陣に乗り、61階へ。そのまま全力ダッシュで80階。掛かった時間は15分ほどだった。


 再び始まるワイバーン戦。今度は最初から魔力を篭めた【風弾】を叩きつけて吹き飛ばし、一気に近付いたミクは、右腕を肉塊にして喰い荒らした。


 これでワイバーンの姿になれるようになったが、未だにミクはワイバーンとは理解していない。



 「この空飛ぶトカゲ、思っていたよりも美味しいね。レティーはどうだった?」


 『血も栄養が豊富です。ただ、尻尾の近くは毒が混じっているので、先に切り落としていただけると助かります。毒を食べても問題はありませんが、栄養はあまり無いので』


 「了解、了解。それと骨はともかく、牙は使い道がありそうだから、短剣にしようかな?」



 本体が本体の牙で研ぎ、短剣とククリナイフにして送ってきたので、牙の短剣でドリュー鉄の短剣を切ってみる。


 ……何度かやってみたが無理だった。なので魔力を篭めて切ると……。



 「あっさりと切れたねえ。高位の魔物の素材は魔力を篭めると強化されるって聞いた事があるけど、やっぱりコイツは高位の魔物だったか」


 『ドリュー鉄という素材の物でさえ切れてしまいましたね。短剣とナイフにしても余っていたドリュー鉄も含めて溶かし、バルディッシュを作り直したらどうですか?』


 「そうだね、そうしようか。ま、とりあえずは言い訳の為に、柄が曲がって壊れたヤツはギルドで見せよう」



 新しい短剣とククリナイフを鞘に入れ、代わりにドリュー鉄の2本は本体空間へ。本体はバルディッシュの刃にするべく型を作って溶かし入れていく。


 ワイバーンをソロ討伐するという事は、この惑星ではとんでもない事なのだが、ミクは全く理解していない。そんなミクは説明する内容を決めながら、魔法陣に乗って脱出。


 周囲がざわめく中、周りの反応など気にする事も無く王都へ。何故か後ろからゾロゾロとついていくるが、ミクが気にするような素振りは無い。


 そんなミクを先頭にして、探索者ギルドの横の道から解体所に入っていく。


 解体所の職人は迷惑そうな顔をしているが、そんな表情を無視して、ミクは大騒ぎの元をアイテムバッグから出すのであった。


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