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0778・ナロンダ軍の終わりと王都への帰還




 Side:ファーダ



 現在時刻は深夜。ナロンダ軍は泥のように眠っている。既に散々に打ち負かされて逃亡を余儀なくされた連中だ、どれだけ言い募っても敗残兵でしかない。そしてこれから俺の食事が始まる。


 とはいえゴブルン王国の時みたいに巨大ミミズになって暴れる必要は無い。疲れ果てて泥のように眠っているとはいえ、大きな音がしたら流石に気付くだろう。それでは四方八方に逃げられてしまって面倒になる。


 もちろん逃げられても見つけられるし殲滅できるのだが、いちいち面倒になる方法はとりたくない。出来得る限りバレないように始末していき、どうしても駄目なら後は追いかけて殲滅する。


 それじゃあ、始めるか。


 まずはいつも通りに麻痺毒を注入して動けなくする。グループ毎に寝ているから、そのグループを纏めて麻痺させてしまえば問題あるまい。だから一斉に注入して麻痺させる。



 「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」



 声は出なかったな。これなら気付かれもせずに処分できるだろう。ついでにレティーを本体空間に入れて脳を喰わせるか。もしかしたら有益な情報を持っているかもしれんし、不死玉の情報を持っている可能性もある。


 とはいえスキル持ちの騎士ならまだしも、残っている騎士が持っているとは思えんがな。それにナロンダ側の指揮官が残っているかも不明だ。場合によっては戦場で殺されていたかもしれん。


 ミク達もそうだが結構な乱戦だったからな。ロフェルやマハルの良い経験にはなったろうが、その代わりに情報は得られていない。流石に戦場の死体をレティーに食わせる訳にもいかんし、そんな余裕も無かった。


 また敵の総指揮官が何処に居たかも分かっていないのだ。ミクなら探せただろうが、探してなかったしな。2人に何かあった時の為に、助ける準備をしていたくらいだ。仕方がないと言うしかない。


 ナロンダ側は6割の被害を受けたと思っていたが、もしかして7割を越えてないか? 1000人近くが残っているとはいえ、それでも圧倒的に少なくなっているぞ。となると、ナロンダ側は3000人以上を連れて来ていたのか?。


 辺境伯の領都を落とす為とはいえ、相手の方が兵数が多かったとはな。それは苦戦する筈だ。


 それにしても起きないな。どうもこのまま起こさずに終わるような気がするぞ? それはそれで悪くないんだが、やはり戦争で疲れきっているのが原因か。このまま麻痺と本体空間への転送を続けよう。


 今回は思っている以上に簡単に終わりそうだ。毎回こうなら楽で助かるんだがな。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:マハル



 戦争が終わった次の日。ボク達は傭兵が待つ場所で待っていましたが、どうも動く気配がありません。流石に他の生き残った傭兵達もやる事が無く、待たされて暇をしています。ボク達も暇ですけど、待ってないと軍と一緒に戻れませんので仕方がないと諦めました。


 軍と一緒に戻らないと戦争に参加した者とは思われないので、結果としてタダ働きになってしまうらしいんです。昨日、前の傭兵団の団長と副団長から聞きました。ちなみに他の傭兵団もほぼ壊滅していて、残った人数はそれほど多くありません。


 軍の死亡者も5割近くに達しているので、誰も軍が捨て駒にしたとは思っていないようです。もちろん領都に突撃させられたんですが、思っている以上に門攻めでは死ななかったらしく、恨みなどは殆ど無いんじゃないかとの事でした。



 「それにしても暇ねえ。食料自体は有るから問題無いんだけど、待つのが暇でしょうがない。それに他の傭兵団は食料があるの? ついでに軍の食料もよ。もしかしたら領都で暴動なんて起きないでしょうね?」


 「軍が食料を買い占めた所為での暴動? 軍がそれをやったかどうかは知らないけど、やれば暴動は起こるだろうね。とはいえ辺境伯領の領都を解放したのは軍なんだけど」


 「食料が無くて飢えてる奴等に理屈なんて効かないわ。食料を奪っていった奴等というだけで恨まれるわよ。それがたとえ正規の金額で買った物だとしてもね。自分達の食べ物が無いだけで怒り狂うのよ」


 「それはそうでしょうけど、騎士の方々もそこは分かってるんじゃないですか? だから道中の村で補給をするのでは?」


 「まあ、それが最善策でしょうね。道中の村なら新鮮な野菜とかモンスター肉とか手に入りそうだし、案外売れるならって事で喜んで売ってくれるかも。お金を稼ぐチャンスだろうし」


 「確かにそうですね。村の専属傭兵にも狩ってきてくれという話があるかもしれません、それはそれで悪い事では無いような気もします。案外兵士か騎士を目指す者も居そうですしね。数が減りましたから」


 「補充人員として傭兵かー……確かに悪くはないのかも。ただし言う事を聞くのなら、というただし書きが付くだろうけど。傭兵は唯でさえ自由業だから、命令通りにするっていう騎士や兵士に納得しない者は多そう」


 「それはありそ、っと。どうやら騎士達が領都から出てきたみたいね。ついでに人々が何やら持ってるけど、アレって食料かしら? 馬車に積み込んでるって事は補給を受けられたようよ?」


 「予想と違ってたね。でも騎士に応対してるのは子供? ……もしかしたら後継ぎかもしれないけど、あの子だけかくまわれてたのかな。それで助かったと」


 「逆に言えば、そういう暗躍は裏でやっていたみたいね。とはいえ子供が生き残った以上はナロンダに対して怨み骨髄でしょうし、むしろナロンダ側には不利になったんじゃない? 怨みや憎しみは簡単には拭い去れないわよ」


 「ずーっと覚えていると思います。特に親の仇ともなれば絶対に忘れないでしょう。結果としては、怨みと憎しみを植えつけただけで終わったのでは?」


 「戦争だからね、元々そういうものだと言ったらそれまでだと思う。とはいえナロンダ側は少々やり過ぎたみたいだけど、それだけこの戦いに勝てると思ってたんだろうね。無事に帰れる保証も無いのにさ」


 「そういえばファーダが襲ってるんだっけ? そっちはどうなったの?」


 「とっくに全滅したよ。昨日の夜にファーダが全て食い荒らしてる。連中の装備も全て奪ってきているし、襲った所は綺麗にしたから血痕などは残ってないよ。ただし何かが居たであろう感じは残ってるだろうけど」


 「それは仕方ないんじゃない? それに逃げた奴等も出たでしょうしね。どうせファーダが追いかけて皆殺しにしたんでしょうけど」


 「いや、誰も逃げられなかったね。仮に逃げたとしても、夜で見えていない連中が何処に逃げようと、知覚範囲から逃れる事は出来ないよ。気配、魔力、精神、生命、魂魄。ありとあらゆる情報を精査すれば、人間種だけを特定するのは容易いからさ」


 「ミクなら出来るんでしょうけど、それ以外は誰も無理でしょ。おっと、騎士達と兵士達が出発し始めたわ。そろそろ私達も準備して後ろを歩かないとね」


 「人数が減ってますから、その分だけ隊列が短くなってますし、帰りの風景は違ってそうですね」


 「それはそうでしょうけど、割と容赦のない一言ねえ」



 ちょっと呆れた感じで見られたけど、5割も減ってるって相当だから当然だと思うけどなぁ。傭兵団も壊滅に近いのが多いし、前に傭兵が500人も居たから見えなかったけど、帰りなら普通に兵士達が見えそうだ。


 そう考えると、やっぱり見える風景が違ってる。亡くなった人達にはお悔やみ申し上げるけど、でもそれを分かって参戦した人達でもあるから、あまりそこまで思う事は無いかな?。


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