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0774・スキル持ちの騎士




 Side:マハル



 グレートソードも使っていると段々慣れてくるもので、自画自賛は良くないけど上達はしていると思う。敵の兵士の攻撃を避け、そこに一撃を加えて倒していく。乱戦において大事な事は止まらない事。立ち止まったら、そこを一斉に狙われる。


 だから常に動き続けて、敵に的を絞らせない。そう教えられた。ミクさんいわく、回転などを組み合わせて戦うのが肝要だそうだ。常に動くというのは難しく、体力面でも厳しい。だからこそ武器に振られる形で動く事も悪い事じゃないそうだ。


 右から左に振れば体は左に動くが、体が武器に持っていかれるように左へ動く。そしてそのまま左の敵を次は切る。このように武器に持っていかれるなら、その動きすら利用して戦うらしい。戦争の場合は特に乱戦が延々と続くので、そういう動き方も必要になってくるみたいだ。


 ボクはまだそういう戦い方とかは出来ないので地道に戦っているけど、ロフェルさんは視界の端で金棒を体ごと振り回している。元々からして重量物なものを、回転しながら振り回し突っ込んで来るんだから、敵としたら怖いだろうね。


 体のどこかに当たるだけで大ダメージだし、その一撃で立ち上がれなくなるかも。そうしたら他の兵士に攻撃されて死亡だろう。あの状態のロフェルさんにはボクでさえ近付きたくない。それぐらいに怖いんだよ、アレ。



 「お前が昨日から暴れ回っている傭兵か! これ以上は我らがやらせん!」


 「お前はここで死ぬがいい。我らが派遣された以上、お前はここで屍を晒すのだ!!」


 「覚悟せいよ、若いの。お主は少々暴れすぎた」


 「………貴方がたは話に聞いていたスキル持ちの騎士ですか。御二人の下に行ったのは1人ですから正解ですが、それでもボクには勝てませんよ? 一番弱いのがボクだとはいえ、貴方がたに負けるほど弱くない」


 「ほう。我らがスキル持ちの騎士だと知ってその態度とはのう。豪気なのか、それとも何も知らんのか、どちらだ?」


 「ふん! さっさと殺すぞ。こんなものを相手にしている暇は無い。オレがさっさと潰す」


 「ならば我らは逃がさぬように動こう。宜しいですな?」


 「構わん。この坊主が本当に一番弱いなら、向こうの女子おなごどもを早めに何とかせねばならんからな」


 「どうやら相手の力量は感じ取れないようですね。だから理解しないんでしょうけど、それでよく偉そうに言えたものだと思いますよ? 少しは謙虚になった方が良いと忠告だけはしておきましょう」


 「はっ! 若造がホザくな! さっさと死ねぇ!!」



 3人のプレートアーマーを着込んだ騎士のうち、右の騎士がいきなり切り込んできた。相手が持っているのはロングソードだけど、ボクのグレートソードよりは短い。そんな剣を素早く振ってきたけども、ボクは余裕で受け止める。


 もちろん剣を横にして受け止めており、縦にはしていない。縦にしたら相手の剣身を切り裂いてしまい、むしろこちらが危険になってしまうからね。切れすぎる武器も考え物だ。とはいえドラゴン素材の武器ってそんなものだけど。



 「チッ! さっさと死んでいればいいものを、いちいち防ぐんじゃねえよ!!」


 「おっと危ない。プレートアーマーを着込んで蹴るのは良くないですよ。分かりやすいですし、足を掬われると転倒してしまいますしね」


 「いちいち上から目線で鬱陶しいんだよ! テメェはさっさと死ね!!」


 「言葉遣いが盗賊みたいだな。これで騎士って面白いかも」


 「うるせぇ!!!」



 再び切り込んできたけど、その瞬間だけ速いんだよね。スキル名は【加速】って感じだろうか? そういうスキルが在るのかは知らないけど、タネが割れれば大したスキルでも何でも無いね。


 まあ、元々いつでも殺せる程度の相手だし、さっさと倒してしまおう。兵士が近寄って来ないのはいいけど、騎士の相手をいつまでもしている訳にはいかない。切り込んでくる際だけ速いので、それに合わせて剣を流そう。


 ボクは相手が袈裟切りにきたのでグレートソードで流し、途中で止めるとそのまま水平切りに移行する。その瞬間【身体強化】を使って一気に力を込め、膝と腰と肩と腕と手首を連動させて振り抜く。


 ドラゴン素材のグレートソードが高が鉄の鎧などに負ける筈が無く、あっさり輪切りに両断。相手は上半身が地面に落ちてビックリしているようだ。



 「こうやってスキルのうえに胡坐を掻いていると死ぬんだよ。鉄のプレートアーマー如きでどうにかなる訳が無いだろう?」


 「お、まえ………」


 「チィ! 2人掛かりで一気に倒しますぞ!」


 「承知じゃ! こいつはここで止めねばマズい!」


 「だーかーらー、ボクは一番弱いんですよ。そのボクにすら勝てないんだと理解したらどうです? 逃げれば命は助かりますよ?」


 「騎士としてそんな事が出来るかぁ!!」



 2人目の騎士は槍を突きこんできた。けど、何かのスキルを使っている気配は無い。なんだろうと思うも、【身体強化】を使って槍の柄を切り落とす。すると、もう1人の騎士がいきなり現れてメイスで攻撃してきた。


 ボクは【身体強化】を活かして素早く回避したものの、少々疑問を感じる。もう1人の方の気配を感じなかったけど、それが槍の騎士のスキルだろうか? 他人の気配を隠蔽するスキルって珍しいね。



 「こいつは何かがおかしい、何故か動きが所々速くなる! 先ほどまでそんな事は無かった筈だぞ!!」


 「そういうスキル持ちであろう。だから先ほどから余裕の態度なのだ! それにあの剣も変じゃ。緑色の剣身など通常の物ではない」


 「ボクはそんなスキルなんて持ってませんよ。もちろんスキルは持ってますけど、所々速くなるスキルなんておかしいでしょう。ま、これ以上の時間を掛けても仕方ないので、一気に行きますよ?」


 「こい! その余裕の態度を叩き潰してくれるわ!!」



 ボクはグレートソードを上段に構えると、【身体強化】を行って一気に接近。槍持ちの騎士の体を縦に両断した。【身体強化】には威圧効果があるが、その威圧を浴びせた瞬間に切り裂いたわけだ。


 そして威圧に体をすくませている間に、メイス持ちの騎士の体を水平に輪切りにして離れる。剣を脇構えに持って残心をするが、体を縦や横に両断された以上は反撃など出来なかった。



 「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」」」」」



 何故か勝ったボクじゃなく周りが五月蝿いが、それでも士気は上がるんだから悪くはないか。ミクさんに言われた通り、戦場では常に余裕の態度は崩さなかったけど、上手く出来たかな?。


 こちらが余裕の態度を続けていると、相手は勘繰って動きが減るか、それとも怒って雑に動く。どちらにしても相手の動きを悪く出来るので、常に余裕の態度を崩すなと言われている。


 これがなかなか難しいんだけど、せめて戦場にいる間は何とか頑張ろう。上から目線で偉そうなのって、あんまり自分に合ってない気もするんだけどね。でもさっきの騎士を見てると、確かに余裕の態度を続けていた方が良いと思える。


 こういう駆け引きって本当に難しいよ。……おっと、そんな事を考えていたら態度に出るから気をつけよう。それにしても、ボクの近くに敵の兵士が来なくなったなぁ。ならこっちから動かないとね。


 ………あれ? 敵の兵士がボクから離れて逃げて行くんだけど? これじゃ戦いにもならないし、どうすれば良いんだろう。



 「オレが倒してやる! そうすればオレは騎士になれるんだ!!」


 「倒せれば騎士になれると思うよ、倒せればね。でも君じゃ無理だ、よ! っと」



 ボクはいきなり近付いてきた兵士を袈裟に切り裂き、その一撃で殺した。やはりそれを見た他の兵士は怯えて近付いて来ない。これは困ったな、本当にどうするべきなんだろう?。


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