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0762・戦争への参加




 Side:マハル



 王都に入ると色々な人達が居るのが見える。獣人と呼ばれる人達が特に多いのだろうか? 毛深い人達が多いように思う。ここはデジム王国の王都デジムーンだけど、ここに居る人達がこの国の種族の大半なんだろうね、多分


 それぞれの国で種族は変わらないのか、それともそれぞれの国によって多少の偏りがあるのか。ミクさんは偏りがある可能性が高いと言っていた。おそらくだけど、開かれているとはいえ完全にどんな種族も居るという事は無いだろうって。


 それぞれの種族にとって住みやすい場所や住みにくい場所がある筈で、それぞれの種族にとって友好的だったり敵対的な種族もある筈だと。過去に遺恨や怨恨などがあれば、どうしても良くは思わないし、そうなれば必ず対立する理由の1つになる。


 種族間のいさかいや争いに、恨みや憎しみなど。必ずと言っていいほど在るだろうし、それを乗り越えるのは並大抵の事ではない。そして歴史的な出来事でもない限りは早々乗り越えるなどという事は無理だと言っていた。


 中央で帝国とやらが強い力で押さえていた時は良かったのだろうが、今の乱世だとそれが噴出している筈だ。最後にそう締め括っていた。つまり多くの種族が居るだろうけど、何処の国でも抗争をしている可能性がある。この西の端の国でも。



 「ここは毛皮の獣人が多いのね。特に傭兵団に居た熊系が多いのかしら? 体の大きい人が多いみたい。それ以外には狼系も結構居るけど、リーダー格と同じ狐? のタイプは居ない感じね」


 「あいつは底辺でつくばって生きてきたとか言ってたらしいから、虐めや差別を受ける側だったんじゃない? だからこそ傭兵仲間を置いて逃げたんだと思う」


 「ああ、自分達の種族を差別していた奴等だから、見捨てても問題なかったわけか。こちらの大陸は開かれていると言いながら、種族関係はむしろ根深いのかもしれないわね」


 「開かれているからこそ守られないというところでしょうか? 単一の種族で居る国では少なくともその種族は守られる訳ですし、そうなっている方が他の種族を虐めにくい?」


 「必ずそうという訳じゃないでしょうけど、ゴブルン王国では虐めや差別は無かったわよ。コボルトは敵国だから印象が悪いけど、オークに対して何かある訳じゃないし……」


 「むしろオーレクト帝国の方が意図的に底辺を作りだしたりしてたしね。自由国家バンダルはそもそも領主の欲しかない国だったから、開かれてるけどちょっと別枠かな? そう考えると、多くの種族を受け入れてる方が揉めるね」


 「同じ種族だと嫉妬とか色々とあるけど、種族間での揉め事にはならないわね。別の種族がほぼ居ないから。そういう意味では種族間の因縁とかは無いわ。それが良いのか悪いのかは知らないけど」


 「開かれていても単一種族でも、国家は難しいという事でしょうね。ワザと虐げられる種族を作る祖国もどうかと思いますけど、作らなくても因縁とか怨恨でそうなるというのも……どうなんでしょうか?」


 「仕方ないんじゃないの? 相手より上が良いって思うのは自然だし、他者を見下して喜ぶヤツが居る以上は自然とそうなるでしょ。自分が見下してなくても誰かがやって、数十年後にはそれが当たり前になってたりするんじゃない?」


 「自然な事になってたら、当たり前の様に受け入れるんでしょうね。オーレクト帝国だって自然に受け入れてたじゃない。ゴブリンやコボルトを下に置くのが国策だっただけなのに」


 「そう……ですね」



 王都の大通りに宿があったので、そこに入って部屋をとる。ミクさんは3人部屋を10日とり、中銀貨を2枚支払っていた。どうやら王都といっても値段は変わらないらしい。それとも部屋が悪かったりするんだろうか?。


 ボク達はそれを確かめる事も無く、町中へと出て色々と見て回る。王都から出るとまた税を払わなきゃいけないので、出来る限り中を見て回るつもりだ。ついでにミクさんが悪人を食い荒らす時間が必要だし、少しの間は王都に足止めとなる。


 町中の店を見て回るものの、向こうの大陸と然して違いなんて感じられない。どうやら売っている物も然程変わらないようだ。ただし、戦乱の大陸だからか売っている物は多い。戦争で使われているからだろうか?。


 そんな中、手甲やグリーブを着けた集団が歩いてくる。あれが傭兵団なんだろうか? 今までの町にも似たようなのが居たけど、装備はまちまち々でバラバラなんだよね。統一した装備をした方が分かりやすいと思うんだけど、そうもいかないのかな?。


 通り過ぎていったけど、特に印象に残る強そうなのは居なかった。何故か偉そうにしていたけど、周りの人達は迷惑そうにしていたね。そのうえ表情を隠そうともしていなかった。もしかしたら大した傭兵団じゃないのかも。


 結局、隅々まで店を見て回ったけど目を引く物は無し。がっかりしたけど、ミクさんはそうじゃないみたいだ。



 「それはそうでしょ。これで向こうの大陸と大した違いが無いって分かったんだしね。妙な武器とか銃を使ってくる訳じゃないって分かっただけ儲けものだよ。ま、もしかしたら別の国で作ってる可能性はあるけどね」


 「そうだ、銃があったんだった。あれ使われると厄介だし、使って来ないとは限ってないのよねえ。少なくとも祖国にあった以上は、他の国でも作られてる可能性があるわ。場合によっては使われる覚悟をしておかないと」


 「確か弾というのを飛ばしてくるんでしたっけ? 遠くから狙われるとかなり厳しいですね。盾で防げるでしょうけど、小さいと何処に飛んでくるか分かりませんし……」


 「弾そのものは大きくないからね。盾で防ぐのは有効なんだけど、小さいからこそ隙間に当たると厄介な事になる。防具もそうだけど、隙間の弱い所を突かれると傷を受ける可能性が高いし、深手を負う可能性も上がる」


 「私達の場合はプレートアーマーとかじゃないから、隙間は多いけどね。こっちの戦場ではどんな防具を着けてるのかしら? 鈍重なら助かるんだけど……」


 「それより戦争なんて参加したくありませんよ? 小競り合いもしたくありませんし」


 「残念。乱戦の練習として参加できる争いがあったら参戦するよ。これも経験だと思って諦めてもらう。実際、戦場で戦うって重要だからね。この国では無さそうだけど」



 お店の通りを逆に戻っていると、大きな音が聞こえてきた。「ジャーン! ジャーン!」と何かで音を鳴らしているみたいだ。



 「本日、王城より召集の命が下った! 我こそはと思う者は名乗りを挙げよ! 敵は東の国ナロンダである!! 我こそはと思う者は集え! 敵を粉砕すれば褒美が貰えるぞ!!」


 「都合がいいね。噂をすれば何とやらと言うけれど、戦争が向こうからやってきてくれるとは」


 「本当に都合が良いわね。誰か見てるのかしら?」


 「見ていても戦争のタイミングなんて綺麗に合わせられないでしょう。それで……参加するんですよね?」


 「もちろん」



 ミクさんは大きな声で戦争に参戦しろと言っている人の所に近付いていく。思わず溜息を吐いてしまうけど、諦めるしかないようだ。さっきの傭兵団らしき連中も集まり、何やら木札を受け取っている。


 あれを受け取って、戦争への出発日に渡すと参戦する事が出来るようだ。その時に名簿のような物を作るらしい。文字は向こうの大陸と同じなので助かるね。違ってたら書けないところだよ。


 木札を受け取ったミクさんは、さっさと宿の方へと戻る。どんどんと人が集まってきたので、居ても面倒な事にしかならないからだろう。既に喧嘩に近い事が起きているぐらいだし。


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