表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
750/1000

0746・昨夜の話とシーサーペント狩り




 Side:ミク



 朝になったのでロフェルとマハルを早めに起こし、昨夜あった事を2人に話しておく。今の時間に説明しておかないと、次に説明できるのはお昼前になってしまう。



 「つまり、マーリナ公国とかいう東にある国の奴等が、シーサーペントが寄ってくる薬を近くの海に撒いたって事?」


 「そう。本体が調べたところ、幾つかの薬草とシーサーペントのメスの一部器官が有れば作れる薬だった。緊急で作成しなければならない可能性を考慮して、こっちにそのレシピを持って来ていたよ」


 「……バカなんですか、その人達? レシピの書かれた紙なんて危険すぎるでしょうに。普通は敵国に潜入する者達にそんな物を持たせたりしませんよね? 流石にあり得ないとしか思えないんですが……」


 「そのあり得ない事をする連中なんでしょ? とことん相手を舐めているか、絶対にバレない自信でもあったんじゃないの。そもそも奪ったのもマリウェンの者じゃなくてミクなんだし」


 「ああ、それを考えれば確かに舐められても仕方がないのかもしれませんね。マリウェンの者が捕まえた訳でもないんですし」


 「ちなみに材料は既に揃ってて、本体が調合してる。これを東のマーリナ公国の町の近くにある海に撒いて、本当に効果があるか実験するだけ。これで効果があればマーリナ公国の連中の所為で間違い無い」


 「まあ、スラムに居た工作員らしき連中が勝手に言ってただけで、本当かどうかは実験してみなきゃ分からないしねえ。それに私達が戦争に関わる気も無いし」


 「最悪は双方の食料を奪えば戦争は起きないよ。食べ物が無ければ戦争は出来ないし、すぐに帰るしかなくなる。それで下らない事は終わるんだけど、間引き的に考えると争わせた方が良いんだよねえ」


 「王都やこの町などの主要な町しか悪人を喰らってないもんね。でも戦争で減るのは普通だったり善人だから、あんまり良い事とは思えないけど……。もちろん食料を消費する数としては減るけどさ」


 「数という言い方もアレですが、でも消費量が減るのは間違いないですね。それが良い事なのか悪い事なのかは分かりませんが……」


 「難しいところだね。普通や善人ばかりが亡くなると、国の悪人の比率が増えるとも言える。でもそうなると大きな事をし始めるだろうし、そうすると悪人は潰されるだろう。そこまで行けば悪人は減る」


 「軍が潰すだろうから悪人は減るでしょうね。一番良いのはミクのような存在が悪人だけを減らす事か……。神様がミクを創ったのが間違ってないって改めて分かるわね」


 「そうですね」


 「それはともかく、薬が完成したらファーダが鳥になって飛んで東へ行って実験をするから、それが終わるまでは何とも言えない。効果があれば更に作ってマーリナ公国に撒くよ。自分達のやった事を思い知るといい」


 「それで海の近くはシーサーペントの群れですか……。そもそもボク達が海に来たのは海産物が目的だった筈なんですが、いつの間にかシーサーペントを狩る事に変わってるような」


 「シーサーペントを狩っていれば、そのうち居なくなる筈だよ。奴等は実験で撒いただけで、そこまで大量に撒いた訳じゃないみたいだし、数はそこまで多くない。それに私達が狩っていれば、そのうち居なくなるよ」


 「でしょうね。流石に自分達が狩られるなんて事になったら、全力で逃げるに決まってるわ。マハルの剣の腕も上げなきゃいけないし、私も何か刃物を持っても良いのかも?」


 「もしロフェルが刃物を持つのならまさかりかな? それも大型のまさかりで決まりだと思う」


 「まさかりってナニ?」


 「まさかりっていうのは普通の斧よりは突き出た刃を持つ斧で、とある国で木を伐り倒すのに使われてた斧の一種だよ。半月型ではなく横に突き出た刃を持つんだけど……ちょっと口では説明しづらい」


 「ふーん。まあ、ミクが良さ気な物だって言うなら、一度使ってみてもいいかな? 普通の斧でも良いけど」


 「普通の戦闘用の斧なら、ロフェルが使う以上はバルディッシュぐらいになるかな。十分なパワーがある以上、マハルと同じにはならないよ。マハルでさえ非力ではないんだけど、ロフェルのパワーが半端じゃないから」


 「確かにそうですね。鬼神族となってからは、パワーがおかしな事になってると思います。普通にしていたら問題ないんですが、いざ力を篭めると凄い力が出ますからね」


 「私の事はいいわよ。それより、そろそろ朝食に行きましょ」



 ロフェルが途中で強引に話を切ったので、私達は食堂に移動を始める。中に入って小銅貨25枚を支払い大麦粥を注文したら、席に座って待つ。あまり多くの客は居ないが、それでもある程度の客は入っているようだ。


 朝食を食べた後、私達は雑貨屋に行って縄を更に購入。それを終えたら砂浜へ。縄に縄を括りつける形で延長し、それが終わったら端を大きくなったセリオの体に結ぶ。そして服を脱いだ私は今日も海に入ってシーサーペントに槍を突き刺す。


 そもそも海というか水の中に入ったとて、私の速さというか運動性能が落ちたりなどしない。水の抵抗を極力減らすなど容易いのだ。体を変形させれば済むし、速さは空間を蹴って出せば済む。


 【空間魔法】の【空壁】というもので、一時的に空間そのものを壁にし遮断するという物だ。これを応用して水中で蹴ればいい。それだけで私の体は加速するし、体を適切に変形させれば水の抵抗は極力受けなくなる。



 「ギュオオオオオ!?!!?!」



 そうすればあっさりと鉄の槍であっても突き刺さる。後はマハルとロフェルとセリオに任せればいい。今日はセリオが居るから難しくはないだろう。私はさっさと陸に上がるか。


 そう思っていたら、凄い速さでシーサーペントが引っ張られている。抵抗をものともしないと言うより、シーサーペントが抵抗できないパワーで引っ張られていく。セリオのパワーを甘く見ていたかな?。


 シーサーペントにくっ付いて連れて行ってもらい。砂浜近くになったら自分の足で走って出る。縄が限界まで引っ張られているけど、これは耐えられないかもしれない。それなりに太い縄なんだけど、セリオのパワーが強すぎるみたい。


 ついに砂浜に揚がったシーサーペントだけど、まだ引っ張られていて砂の上まで出て行く。尻尾の先まで完全に砂浜に揚がったところで止まったけど、槍以上に縄が厳しい。次に耐えられるか疑問に思えてきた。



 「戦闘開始!!」



 私は2人に声を掛けて、シーサーペントと戦わせる。昨日と同じようにロフェルが頭をブン殴り、気絶したところをマハルが切り裂く。それが一番早いし、ロフェルのスイングスピードだと暴れる速度にも負け「ドゴン!!」てない。


 昨日一度やったからか、すっかり慣れたみたい。シーサーペントが完全に気絶したので、後はマハルが切り裂くだけだ。昨日と同じように首筋を何回も切りつけているけど、やはりヌルヌルの体液の所為で切り難いらしい。


 それでも頑張って、って切れたね。昨日よりは早いから及第点かな? 後は血抜きをすれば終わりだからレティーに任せて、私は綺麗にした後で服を着よう。その後は狩人ギルドに運ぶんだけど、周りの奴等が驚いてるね。


 今のところ悪意を向けてくる奴等は居ないけど、この後も居ないとは限ってないし注意するに越した事は無いか。昨夜悪人を食い荒らしているとはいえ、それはスラムの中だけの話。まだ表の方には残っているだろう。


 そこを殲滅するには少々の時間が掛かる。どうせシーサーペント狩りはまだまだ続くんだし、悪人が居なくなるまではクシェーロの町に留まる事になるだろうね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ