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0696・セプテスの町に到着




 Side:ミク



 3つ目の町こと交通の要衝セヌリテスの町から東へ4つの町を越えて、やっと魔境の近くの町であるセプテスの町へと辿り着いた。ここに来るまでの町は全て綺麗に掃除してきたので、またもや金銭が貯まってしまっている。


 それは仕方ない事として横へ置いておくが、セプテスの町もまた妙にギスギスとしているみたい。魔境を抱える町は裕福でもある、どの皇太子に味方するんだと思われているのだろう。


 ここを領都とするセプテンガル伯爵の旗幟きしが定まればいいのだが、それが定まっていない為に民衆の生活にも影響が出ている。とはいえ伯爵も未来が決まってしまう為に、そう簡単には旗幟きしを明らかになど出来ない。


 もしそれで失敗したら、次の皇帝が決まるまで己の家が冷や飯喰らいになってしまう。なので簡単に明らかに出来ないのは当たり前なんだけど、民衆からすれば座りが悪いと言ったところか。



 「それはそうでしょうよ。あっちを向くか、こっちを向くか分からないんだしね。しかもどっかの誰かさんが大量に喰い散らかしてるから、ますます混迷具合が加速してるし」


 「そんな事を言われてもねえ。ゴブルン王国でも同じ事をしてきたんだし、大して変わってないよ? そもそも悪人しか食べてないんだから、大勢に影響は無い筈だけどね」


 「暗殺なんかは起きなくなってるか、それとも少なくなってるから、全く影響が無いって事は無い筈よ。それに幾つも裏の組織や情報屋を潰したともファーダが言ってたしね。そんな状態なら混迷度合いを深めても当然だと思うけど?」


 「その程度で混迷するなら、最初から混迷するんだよ。だから私の所為じゃないね。それに悪人が居なくなった程度で立ち行かない国なんて無くなった方が良いよ。まともじゃないし」


 「それはミクの言う通りね。間違いなく、そんな国はまともじゃないわ。悪人が居なければやっていけない国なんて」



 そんな話をしつつ町中をブラブラと歩き、適当に大銅貨を渡して話を聞いて行く。いつも通りの情報収集を終えたら宿に行き。一ヶ月の宿泊料である大銀貨1枚と中銀貨1枚を支払う。これで宿は確保した。


 次は町中を見て回った後に狩人ギルドで情報を集めるんだけど、余所者に厳しそうな状況だから、面倒な輩が声を掛けてくるかもしれないね。とはいえブチのめせば済むから、あんまり気にしないけど。


 ロフェルに声を掛けてからフラフラし、町中の主だった店を確認していく。未だ時間停止のアイテムバッグに色々と食べ物が入っているので、そこまで必要ではないんだけど、何が何処に売っているのかを調べておくのは基本だ。



 「町の店の位置を把握しておくのは基本なのよね、何が必要になるか分からないし。だからこそ初めて訪れた町を狩人が見て回っているのは、なんら不思議な事じゃないんだけど……」


 「代わりに、こういう事が起きると……」



 目の前には明らかにチンピラの風貌をした連中が居る。果たして狩人なのかスラムの住民なのか、その辺りが分かり辛いので何とも言えない。ただ調子に乗った阿呆である事に間違いは無いので、ブッ飛ばす事に変わり無し。



 「おうおう、お前らこの町じゃ見ねえな。どうやら新入りっぽいが、まずはオレ達<爆走団>に挨拶すんのが筋ってもんだろうが」


 「<爆走団>? ケンタウロスのチームだからそんな名前してんの? どっちかって言うと<珍走団>の方がお似合いだと思うけどね。そんなマヌケには十分な名前だろうし」


 「ああ? 随分と生意気言うじゃねえか。お前ら如き2本足が随分と調子に乗っているようだなぁ。ちぃっとこの町のルールっつうもんを教えてやらきゃいけねえようだ。なぁ、お前ら?」


 「この町で<爆走団>に立てつくとは随分と死にたがりみてぇだが、後で泣いて謝っても既に遅いんだぜ?」


 「そうなのか? それは可哀想に、ならばお前達も泣いて謝っても遅いな。しかし調子に乗っている<珍走団>には相応しい罰だろう」


 「てめぇ!!」



 すぐに怒り出すのは、こういうマヌケどもの特徴だ。ケンタウロスだからか背が高いが、逆に言えば下には武器が無いと攻撃し辛いという事を意味している。所詮は自分の体も理解していない阿呆だ。簡単に転ばせられる。


 私は3人居たうちの1人が右手で殴りかかってきたので外側に避け、右のローで足を掬い転がしてやる。コケた奴が邪魔になり慌てて止まる残りの2人。しかし遅い。


 私は残った1人に体当たりをし、もう1人は左ローで転がした。そして最初の1人が起き上がる前に【善なる呪い】を掛け、残りの2人にも掛けていく。本当は一瞬で済むのだが、建前上ブツブツと唱えるフリをしなきゃならないのが面倒臭い。


 後ろでロフェルが微妙な顔をしているけど、一応建前は守らなくちゃいけないから仕方ないんだよ。



 「さて。泣いて謝っても既に遅いけど、呪いを受けた気分はどう?」


 「はぁ? てめぇ如きにオレた、ギャァァァァァァァ!!?!?!」


 「「ウギャァァァァァァァ!?!!?!」」



 あーあー、早速バカみたいな事を考えたみたいだねえ。愚かな奴等。こいつらを殺さなかったのは、大通りである事と呪いのパフォーマンスの為だ。この町にはある程度の期間いるけど、その間に喧嘩を売られ続けても面倒でしかない。


 だから最初に生贄を作り、私達に喧嘩を売るとこうなるとアピールしておく必要がある。ロフェルには既に説明してるから、特に私を非難したりはしない。そもそも生かしてもらえるだけ感謝するべきだしね。


 今日の夜に消えるスラムの連中より、よっぽどマシな扱いなんだからさ。



 「このバカどもは放っておいて、確認と買い物を済ませようか」


 「相変わらず情け容赦が無いけど、この<珍走団>? とやらは自業自得ね。こいつらが何をしようとしていたかを考えたら、この程度の罰は受けて当たり前。そもそもこんな奴等が蔓延はびこってる時点で、色々とおかしいでしょうに」


 「こいつらが言ってる事が本当かどうかは分からないから、何とも言えないところかな? ま、どうでもいいよ、こんなザコども」



 そう言い捨てて私達は去っていく。後ろを注意して確認してみたけど、助ける奴は誰も居ないね。この町の愚連隊か、それとも悪事を働いてる狩人チームか。そんなところでしょ、多分。



 「町の人が全く気にしていないうえに、知らないフリをしてるよ。それほど嫌われてるのか、それとも関心が全く無いのか。単に実力があるように見せかけてた? それとも人数が多いように見せかけてただけなのかも」


 「つまり本当は大した事がないのに、凄いチームだぞって感じのフリをしてただけ?」


 「その可能性があるってトコかな? どのみち私に喧嘩を売って勝てる奴等なんか居ないんだし、意味が無いんだけども………。あんなバカな連中が分かる筈も無し」


 「そもそも見て分かったなら、絶対に喧嘩を売ったりしないでしょ。むしろ視界に入らないように逃げるんじゃない?」


 「そこまでするかは分からないけど、喧嘩を売ったりはしないだろうね。売ったところで何の得も無いんだし」


 「勝つ事なんてあり得ないし、負けたら名前が下がる。どう考えても喧嘩を売るだけ損でしかない。そんな相手に喧嘩を売るなんてねえ……」



 ロフェルも呆れてるけど、そもそもあの<珍走団>が悪いのであって私が悪い訳じゃない。何より刻まれたのは【善なる呪い】だ。


 他の人の役に立てるようになるんだから、感謝してほしいところさ。どうせ私に恨みを持って激痛にのた打ち回るだけだろうけどね。


 それにしても、うましかの馬だからバカなんだろうか?。


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