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0694・情報収集?




 Side:ロフェル



 「変わったヤツだったわね。それにしてもオークって皆が同じ顔すぎない? 見分けが付かないんだけど気のせいじゃないわよね。明らかに分かり辛い」


 「それはゴブリンにもコボルトにも言えるんだけどね。同じ種族なら分かるんだろうけど、異種族にとったらサッパリだよ。私がゴブリンを見ていた時も、そんな感じだったと考えれば分かると思う」


 「そんなに見分け難かったんだ。オークの違いも何となく分かるけど、顔の皺の違いとか、声の違いとか、それぐらいしか分からないのよ。だって、大体のヤツが腹が出て太ってるしさ。体型は大して変わらないし……」


 「流石に男女で違いがあるけど、それだけなんだよね。それ以外に大した違いが無いから、どう区別すればいいのやら? さっきのヤツも人ごみに紛れたらもう分からないね」


 「狩人チームとか言ってたわね。どれぐらいの規模か分からないから何とも言えないけど、名乗るくらいだから結構大きいんでしょうね。30人規模くらいかしら?」


 「それって多いのか少ないのか、ちょっと分からないね? ……いわゆる普通のチームからクラン規模の大きさまで様々だとは聞いたけどさ、それはそれで悪い事ではないと思う。現実的には下から搾取するシステムなんだろうけど」


 「それは仕方ないんじゃない? タダで泊まらせてくれたり、アドバイスとか貰えたりするらしいし、中には同じチームの仲間で組むそうよ。その方が信用出来るからでしょうけどね」


 「そういう意味では大規模なチームを組むのは悪い事じゃないのかもね。そうやって下の者が助かるのならさ。……問題は無理矢理に剣を買おうとしてたヤツだけど」


 「アレは一匹狼を気取るんじゃない? だってあんな事をしてたら誰も助けてくれないでしょ、どう考えても。しかもさっきのドミトスとかいうヤツも広めるでしょうしね。そしたらソロか騙されてくれるヤツしか相手にしてくれないわよ」


 「騙されてくれるヤツねえ……居るの? そんなの」


 「居るんじゃない? 新人とかなら。まあ、そんな新人も別の誰かから教えられて離れるでしょう。恥ずかしいヤツと一緒にされたくないだろうし」


 「ああ。そういう意味でも離れるのか。当たり前と言えば当たり前だけど、そんな事をしてたヤツなんて絶対に舐められるしねえ。舐められたら負けの狩人で、舐められる事を自分からするとは……」


 「恐ろしいほどのマヌケよね? そんな奴だからこそ、あんな恥ずかしい真似が出来るんでしょうけど」



 流石にアレはないわ。大銀貨3枚の物を小銀貨2枚で買おうとするなんて。どんな阿漕あこぎな商人だって、そんな商売は成立しないと知ってるわよ。何も考えていないマヌケだから出来るんでしょうけど、本当に無知って恐ろしいわね。



 「ま、男爵家だろうと言ってたし、だからこそ押せば何とかなると思ってるんじゃないの? 外に出された時点で貴族じゃなくなったとは理解できないんだろうねえ。いや、認めたくないのかな?」


 「自分は今でも貴族家の一員だ、って感じ? たとえ貴族家の一員でも、いえ、一員だからこそ恥ずかしい真似はしないでしょ。むしろあんな行動をしている時点で実家の面汚しじゃないの?」


 「そりゃそうだろうけど、既に家を出されてるなら知らん振りされるんじゃない? それに、あの鍛冶師もそういう事を知っていて言ってるんだと思うよ。だって通行人も気にしてなかったしさ。という事は……」


 「日常の風景というか、よくある事って訳かー……。本当にさっきのヤツが言ってた通り、オーレクトでは常識みたいね。そんな非常識なヤツは家から出すなと言いたいわよ」


 「とはいえ皇族自体が殺し合いをする国においては、そんなものなんじゃないの? 家から出される方が殺されるよりはマシでしょ。それにおそらくだけど、跡取りと予備が出来た時点で子供を作るのは止めるんじゃない? それでも出来るのかもしれないけど」


 「それ以上が居ても負担にしかならないからね。確かにそうでしょうし、むしろ下級貴族ほど率先して止めてそう。お金が無いから。……でも、さっきのは男爵家なのよねえ。お金持ってるのかしら?」



 家から出すにしたって多少の金銭は持たせないと、実家の貴族家が恥を掻く。そうなると子供の数は必要最低限って事になっていくのは仕方がないわ。そうしないと貧乏男爵家なんて地獄だし。あの小銀貨、もしかして……。



 「ねえ、ミク。あのメチャクチャな商売を吹っ掛けてたヤツ、もしかして小銀貨2枚しか持ってないんじゃ……。だって貴族の家の子って、だいたい金銭感覚が無いもの。むしろストレーナとエリザヴェートが例外なのよ」


 「………ま、自分で何とかするんじゃない? それ以前にロングソードは買えないだろうしね。小銀貨2枚しか持ってないなら、買えなかった後で知るでしょうよ。お金の価値を」


 「貴族の子供の場合、小銅貨が何枚で中銅貨になるか、小銀貨が何枚で中銀貨になるか。そんな常識を持っていない側なのよねえ。ツケで買い物をしたりするし」


 「つまり貨幣を見た事が無い? ありそうな話だねえ。私達には何の関係も無いから、心底どうでもいいけど。死ぬなら勝手に死ねって感じ」


 「でしょうね、私もそう思うわ。そもそも私だってお金の価値なんて知らなかったもの、物々交換ばっかりだったから。それでも学んで何とかやってきたんだしね、貴族のボンボンだって相応の苦労をすればいい」


 「そういえば、貧しい村だとお金を使わないから分からないのか。そういうパターンもあるんだね。ま、そろそろ狩人ギルドに行って情報を仕入れようかな。暇な受付嬢にお金を払えば教えてくれるでしょ」


 「またするの? 他の受付嬢から睨まれるんだから止めた方がいいと思うわよ」


 「心配しなくても、睨まれて困るのは受付嬢であって私達じゃないよ。私達はどうせ出て行くだけだし、それに情報をお金で買っただけだからね。文句を言われる筋合いは無い」


 「まあ、そうなんだけど……」



 お金を撒くという意味でもやってるんだろうけど、貰えなかった受付嬢からの視線が結構厳しいのよ。ミクは当たり前のようにスルーするけど、私は圧を感じる程の視線を受けてるんだけどね。


 まあ、一番強く受けているのは確かに儲かった受付嬢なんでしょうけど。っと、着いたわね。


 入り口の扉を開けて真っ直ぐ中に入り、早速空いている受付へと行ったわね。そして中銀貨1枚を放り投げて情報を聞く、と。流れるように畳み掛けるわねえ、いつもそうだけどさ。


 そして受付嬢は中銀貨をポケットに入れて喋ってくれるのね。本当にいつも通りで困るわ。だってもう視線がこっちに向いてるし。



 「近くの魔境となると微妙なところですね。東の魔境はセプテンガル伯爵領にあります。ここはケンタウロスの国があった所となります。もう1つは西のテルケー侯爵領になりますが、こちらの方が少し遠いでしょうか? こちらは元アルラウネの国の領土だった所です」


 「ん? となるとオーレクトというか元オークの国には魔境が無い?」


 「はい、ありません。一説には魔境欲しさに攻めたとも言われていますね。それが本当かどうかは知りませんが……」


 「まあ、古い時代の事だろうしね。ありがと、どういう道で行けばいいのかが分かったよ。ロフェル、どっちに行く?」


 「………近い方が先で良いんじゃない? 綺麗に東と西で別れてるしさ。どっちがどうとか知らないし、なら近い順で良いと思うけどね」


 「じゃあ、そうしようか。別に急ぐ旅路でもないし、ゆっくり向かおう」



 そう決まったので、私はすぐに狩人ギルドを出た。だって周りの受付嬢の圧が凄いだもん。ミクはスルーしてるし、貰った受付嬢は勝ち誇った顔をしてるしさ。


 なんだか受付嬢の方が私より強い気がする。


エピソード3の人物紹介を更新しました


ドリュアスからアルラウネに変更しました

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