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0638・2つ目の町




 村でアイテムバッグの話を普通にしたが、誰も突っ掛かってくる事はなかった。貴族の一行だったからか、それとも聞いていても理解できなかったのもしれない。そこまでは分からないものの村を出発した一行は、夕方前には2つ目の町に辿り着いた。


 子爵家一行だからかすんなり町に入る事ができ、そのまま宿へ。まずは宿をとって部屋に入り、そのまま少し休憩する。部屋にはストレーナが来たが、どうやら暇だから来たらしい。


 クッションは子爵や執事にも好評だったらしく、尻が痛くならずに済んだとの事。貴族というのは尻を鍛えていると思っていたのだが、そうではなかったようである。痛いものは痛いのだが、我慢をしていただけらしい。難儀な職業だなと思うミク。


 少し話していると騎士ゴブリンが来たので部屋を出て、食堂に移動して食事をする。しかし、あからさまに悪意を向けてくる者が居るので、間違いなくこの町で襲ってくるつもりだろう。


 ミクは誰にも言う事なく情報を収集し、透明の触手を使って人相と魂魄反応を記憶しておく。こちらに悪意を向けてくる者が何処に所属しているのか確認する為、足下から分体2を顕現させ、透明ムカデのまま追跡させる。


 何も知らないていで何食わぬ顔をして宿に戻り、部屋に戻ったら狐の毛皮を敷く。同室のロフェルが寝た事を確認すると、ミクは襲ってくる連中を喰う為のシミュレートを開始する。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 深夜。ミクは悪意を感知した為に動き出す。透明ムカデに変わると部屋の扉の下の隙間から外へと出ると、部屋よりも階段寄りで待ち構える。子爵と執事の部屋が一番奥で、その正面がストレーナとメイドの部屋、そして手前が騎士ゴブリンの部屋となっている。


 騎士ゴブリンの部屋は複数あり、その何処かがワルドー伯爵子息と【豪腕】が居る部屋である。そして一番手前にミクとロフェルの部屋があった。そしてこの宿は3階建てなのだが、ここは3階だ。そして上がってくる階段は1つしかない。


 迎撃場所を決めやすく、そしてミクが待ち構えて襲いやすい場所なのだ。だからこそミクとロフェルの部屋の手前である階段寄りで迎撃する。天井に張り付いているミクは上がってきた者に対し、即座に麻痺毒を注入して麻痺させていく。


 17名も用意したらしいが、全くもって無駄な事である。ミクは麻痺して倒れた者も、それを見て動揺した後ろの者達も麻痺させていき、あっさりと全員を麻痺させた。その後はさっさと食い荒らし、部屋へと戻って体を女性体に戻す。


 未だロフェルは眠っているのでそのまま寝かせ、ミクは再び監視に戻るのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:分体2



 さてさて、バカどもは何処の誰なのやら。とはいえ、どうせスラムか何かのチンピラ組織だろう。この程度の文化の国じゃ、商店に擬態したりスラムにあったりするのがオチだ。


 ガイアみたいに町中の住宅街にあったりなどしない。まあ、あれは通信機器が発展している星だから出来る事で、大規模なアジトが必要な文化レベルじゃ仕方ないんだろうけどな。……っと、動き始めたか。


 それにしてもターゲットを前にして悪意満載とは何を考えているんだかな? 警戒してくれと言っているようなものだが、こいつら程度じゃ自覚もしてないんだろう。そんなバカな奴等だからこそ、俺が後ろからついて行ってるんだがな。


 それはともかく、場所がどんどん町の奥になっていくな。やはりスラムの連中か。ボロい家に入って行ったから、俺も中に侵入するかね。


 ……しっかし隙間だらけで侵入しやすい建物だな。こいつら防犯というか防音というか、そういう意識までゼロか。前時代的なチンピラ集団には酷かもしれないが、もうちょっとちゃんとしろよとしか思わんな。



 「それで、ターゲットは確認したか?」


 「へい。どうやら大通りの宿の3階を貸し切ってるようです。相手は貴族ですがどうします?」


 「貴族だろうが何だろうが関係ねえ。オレ達のシマに来た獲物だ、さっさと仕事を済ませりゃいい。ついでに貴族もブチ殺しちまえ。そしたら物盗りが入ったように見えるだろ」


 「貴族の娘とメイドらしき女が居ましたぜ。あれはオレ達が持ってっていいでしょう?」


 「好きにしろい。それより仕事はしっかりするようにな。開始は深夜だから、それまで動く奴等は寝てろ。寝不足で動けねえなんていう奴は蹴り飛ばしてでも仕事させるからな」


 「ヘッヘッヘッヘッ、分かってますって。それじゃオレ達は仮眠とらせてもらいますぜ」



 男達は出て行ったが、深夜まで待つか。奴等が動いて犯罪が確定してからでもいいな。それまでは動かずジッとしていよう。どのみち焦って動く意味が無いし、今の時間ならまだ起きている者も多い。寝静まってからだ。



 …

 ……

 ………



 「よーし、お前ら準備はいいな。眠たかろうが何だろうが、さっさと仕事して戻ってこい。いいな!」


 「「「「「「「「「「おう」」」」」」」」」」



 よしよし、出て行ったか。さて、それじゃ俺も喰い始めるか。恨むなら手を出したバカな自分達を恨むんだな。ついでにこいつらが持っている金品も強奪しておくか。それこそ物盗りに見えるだろう。


 触手を突き刺して麻痺毒を注入したら、さっさと喰らって金品を探す。脳はレティーに食わせれば情報を抜けるから傷付ける訳にはいかんしな。まさか権能で得られる情報が断片的なものだとは思わなかった。


 レティーの能力には未だ及ばんようだし、あの情報収集能力は極めて優秀だ。それはともかく喰らって金品探してを繰り返しているが、この組織の奴等は本当にチンピラ程度だったらしい。


 多少は物音を立ててしまっているのだが、全く気にしてないし動きもないんだよ。まさかここまで警戒感ゼロだとは思わなかった。幾らなんでも裏稼業の自覚がないか、それともこの程度の時代ではこんなものか?。


 どんどん殺して金品を奪い、更にはレティーが食った脳からの情報を元に隠された金銭まで奪っていく。どうやら分体1の方はあっさり終わったらしい。17人が行ったみたいだが、俺達にとっては少なすぎる。


 どうもあっさりと終わり過ぎて呆れているみたいだな。それはともかくとして、こちらもそろそろ終わりだ。後はスラムの中の悪徳な連中を全て食い荒らして終了となる。


 さっさと終わらせよう。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 分体2が全て終了して本体に戻った後、本体は金銭を数えていた。


 小銅貨が181枚、中銅貨が48枚、大銅貨が97枚、小銀貨が84枚、中銀貨が31枚、大銀貨が66枚、そして小金貨が3枚あった。それなりにあのチンピラ集団はお金を持っていたのだろう。


 それでも支出も結構あったようで、どうも女を買って娼館っぽいものを経営したりと色々していたようである。スラムのそういう組織というのは古い時代には当たり前にあるもので、むしろ無い方が不自然なのだ。


 それはいいが、経営とかそういった知識は無いからか、売り上げをちょろまかされたり騙されたりしていたようである。所詮は計算すらまともに出来ない連中だ。潰れるべくして潰れたとしか言えないだろう。


 朝になったのでミクはベッドから起き上がり、まずはアイテムバッグに金銭を入れていく。終わったら部屋中に【浄滅】を使って綺麗にし、セリオやレティーを起こす。少しゆっくりしたらロフェルを起こして騎士ゴブリンを待つ。


 昨日の夜の事は誰にも言っていないので、何があったかを知らせる気は無い。ミクとしても子爵が行く先々でスラムの連中が行方不明になるとなれば怪しまれる。なので、出来る限り情報を渡す気は無かった。


 流石にスラムの住民の殆どが居なくなったとなれば、規模が大きする為に怪しまれはしないだろう。少なくとも数百人規模の行方不明なのだから。


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