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0609・フェイリーフ達とガイアへ




 第6エリアの攻略も終えて疲労困憊の<竜の牙>とラーディオン。しかしミクとフェイリーフは容赦なく星間魔法陣へと向かう。疲れた体を引き摺りながら、6人はミクとフェイリーフの後に続く。


 光ったかと思えば、気付けば随分と人が多い場所へと転移していた。その光景に呆然とする6人。ミクは6人を壁にして素早くスライムの入った袋を転送する。これは実験でもあったのだが無事に成功。フェイリーフは安堵した。



 「これでミクが移動させてくれれば、星間魔法陣を無視して移動出来る事が立証されたわね。スライム達は正規の方法でなくとも連れてこれるみたい。流石にこの方法で数多くの人を移動させるのは駄目でしょうけれど、スライムぐらいは許されるでしょう」


 「多分ね。こちらの生活の質も向上させられると思うし、どのみち私が居なくても出来る事ではあるからさ」



 ミクはハコを取り出してハルカに連絡。巨人族の男性が居るので大きめの車でお願いした。それでも限度があるが、バッズは2メートル50センチはあるのだ。巨人族はやはり背が高い。それで筋骨隆々なのだからビックリである。


 <竜の牙>とラーディオンに話をし、まずは千代田ダンジョンの敷地の入り口へと移動。そこで迎えを待つ事に。ミクはアイテムバッグからペットボトルを取り出して、それぞれに飲み物を渡していく。



 「……こう、やって開けるのか。なんでこんな面倒臭い事になってるんだ?」


 「隙間があると、そこから腐りやすくなるんだよ。こっちではその事が知られてるから、こうやって密閉できる容器になって売られてるわけ。なるべく食べ物や飲み物を腐らせない為にね」


 「ふーん、食べ物や飲み物を密封? できれば腐り難いのかー。でも、早く飲んだり食べたりした方が良くない? 何も古い物を飲んだり食べたりしなくてもいいと思うけど?」


 「密閉してると美味しさも長く保存出来るんだよ。こっちの星の方が長く保って美味しい物が多いんだけど、それも技術力があるからとなる。ダンジョン内でも美味しく食べられる物とかが安値で普通に売ってる」


 「本当に?」


 「そう、こっちの星では大量生産、大量消費なんだよ。一気に大量に作るから、その分だけ安く作れるわけ。そんな大量に作る設備が無いから、どうしたって元の星では割高になるの。1つ1つ手作りだし」


 「手作りって……。まるで手作り以外があるかのような言い方だな?」


 「あるよ。こっちでは全自動で食ベ物を作ってくれる道具などがある。ただし何でもかんでも全自動は無理だけどね。それでも起動して材料を入れていけば、捏ねたり焼いたりとかは全て自動でやってくれるの。そういうのを使って大量生産してるわけ」


 「はー……。つまり食い物を作ってくれる魔道具みたいなもんだろ? そりゃスゲーわ。それに疲れもせずに黙々と作ってくれるんだろうしな。そりゃ安値で作れるだろうさ」


 「それにこっちの星じゃ農業も大規模なんだよ。向こうの星と違って天然の魔物が居ないから、その分だけ命は安全だからね。代わりに農作物を荒らす害獣はこちらにも居るけど」


 「まあ、そりゃ何処にでも居るだろ。食う物があれば奪いに来る奴は必ず出る。それが人間種かそうでないかだけだ。どっちにしたって殺す事に違いなんてねえけどな」


 「こっちでは簡単に殺す事が禁じられてる。もちろん証拠さえ残していなければ問題ないけどね。捕まえられないし」


 「そういう問題じゃねえ気がするがなぁ……」



 ミクの一言に対しラーディオンが突っ込み、それに対して<竜の牙>とフェイリーフが「うんうん」と頷く。そんなバカ話をしていると車が目の前に現れ、中からハルカが出てきた。


 巨人族のバッズを見て驚くも、すぐに車に乗るように言う。バッズは無理矢理体を丸めるようにして乗り、後は詰めていって全員が乗車。すぐに出発した。


 急いで葉月家本邸へと向かい、そこでバッズを下ろす。巨人族はだいたい部屋の天井の低さとかで困ったりするので、そこまで車の中でも文句は無かった。ハルカがわざわざ大きい車を用意していたからだろう。


 葉月家本邸の応接室に入って寛ぎつつ、まずは自己紹介と話し合いを始める。尚、翻訳アプリを使った会話をするので、そこまで会話には苦労せずに済むようだ。



 「私は葉月遥。家名が葉月で、名前が遥だ。一応あんた達が泊まるこの葉月家の本邸の主だよ。後、ミクの事も知ってる」


 「ワシはゴールダーム王国の探索者ギルド。そこのギルドマスターをしているラーディオンだ。こっちは<竜の牙>という名の探索者チーム。で、そっちのエルフの嬢ちゃんは知らん」


 「こっちのエルフの女性は、フェイリーフ・アドムニス・エルフィン。一応エルフィン樹王国の王族の血筋ではあるらしい。両親がゴールダームに駆け落ちしたらしいけどね。後、若返り薬で若返らせたけど、元は250歳くらいだったってさ」


 「「「「「「「250歳!?」」」」」」」


 「そんなに驚く事かしら? エルフは300年ほど生きるのだから、別に私が250歳でも不思議ではないでしょう? 今は20歳に戻ったけれど」


 「ミクは若返り薬を持ってたんだね。私に出していないアイテムが結構溜まってそうな気がするよ。まあ、好きにしてくれていいんだけど、捌きたいなら私の所へ持って来ておくれ」


 「これらのアイテムは日本以外の国のダンジョンを破壊して得たものだね。特に各国で公式に認められているダンジョン以外のもの。そこを私は潰して回っているからさ。余計に日本のダンジョン数と差が開いたけど、これは仕方ない」


 「そんな事をしてたとは……」


 「テログループとかマフィアとかが隠してたダンジョンだから、手当たり次第に破壊しておいたよ。御蔭でスタンピードが起きないんだから感謝してほしいけどね。まともなマフィアなんて極僅かだし、それ以外は例の病気で死んでるんだよ」


 「ああ、そりゃ壊しておく必要があるね。それで破壊し、ついでにアイテムも得てきた訳か。余計に表に出せないって事は分かったよ」


 「ちょーっと、いいか? こっちの星にはダンジョンに若返りの薬とかがあるのか? 冗談じゃなく?」


 「冗談でも何でもなくあるよ。ただし滅多に見つからないし、ダンジョン最奥でしか殆ど見つからないけどね。こっちのダンジョンは最奥にコアルームと呼ばれる場所があって、そこの浮いている石を破壊すれば宝箱が出てくるんだよ。その中から稀に若返り薬が見つかる」


 「若返りってスゲーな。目を剥くような代物だが、同時に嫌な予感もする」


 「こっちの星で初めて見つかった若返り薬は、それを巡って血腥ちなまぐさい事件が多数起こったよ。そういう事もあり、今は安全に数億円から10億円ぐらいで取り引きされてる」


 「「「「「「「おくえん?」」」」」」」


 「向こうでいう緑銅貨1枚ぐらいかな? 10億だと光金貨1枚くらい」


 「「「「「「「ッ!!!」」」」」」」


 「もちろん、厳密には違うだろうけどね。それでも若返りたいってヤツは居るんだよ」



 <竜の牙>にラーディオンにフェイリーフ。7人は声にならない声を挙げる。光金貨といえば国家間取り引きでしか使われない、最高位の金額の貨幣である。そんな物を持ち出してでも欲しいというのが本音なのだろう。


 王を想像すると納得したのか、すぐに驚きを収めた7人。王が若返る事が出来ると聞けば、ポンと出しそうな気がするからだ。種族によっては数百年の延命になる。であるならば、それぐらい出しても不思議ではない。


 その事を想像すれば、特に驚くような事では無い。彼らはそれで納得したのだった。


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