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0603・全員での話し合い




 こちらは分体1。つまり女性体のミクなのだが、現在葉月家の本邸の執務室に居る。これから話し合いが行われるので同席するのだが、どうやらハルカはミクに聞きたい事があるらしい。


 日曜日だからかコウジ達もり、久々に全員が顔を合わせる形となった。ちなみにケイコとアスカは正式に付き合う事を身内とコウジ達には伝えているので、既に知られている。



 「お姉さん方が付き合うのは別にええんやけど、<ダンジョン暮らし>の女の子らはどないすんの? ねろうとるんやと思てたんやけど、違っとったん?」


 「あー……微妙なところなのよねえ。何と言うか、最初はそんな感じだったんだけど、2人でお酒を飲んだ時に……まあ、そうなっちゃったのよ。私達2人とも相手の性別を気にしない事が発覚して、気付いたら、って感じ」


 「そうね。私も気付いたらって感じよ。自分が女性相手でも問題ないとは思わなかったし、まさか明日香とこうなるなんて思ってもみなかったわ。とはいえ、今はちゃんと愛しているから恋人同士なんだけど、そうなるとパーティーを組んでた子達がね……」


 「パーティー組んでた子らがどないしたん?」


 「その子達も他のメンバーと色々あってね、くっ付いたり離れたりとしてるわ」


 「あらー。百合の花が咲いたら、他にも咲き始めたんかー……。そらそんで面倒臭いなぁ。どうせお姉さん方の所に相談とか色々あるんやろ?」


 「そうなのよ。私達はこのまま<ダンジョン暮らし>でやって行こうと思ってるし、それで十分なお金も稼げているのよね。無理しなくてもお金はどんどん貯まってきてるし。もちろんアイテムを見つけてないから、そこまで多くは稼いでないけど」


 「それでも私達はファイアリザードとかアイスベアとかウィンドタイガーとかを狩ってきてるもの。何だかんだと言って、1割でもかなりの儲けなのよね。この前見たら2千万ほど貯まってて、ちょっとビックリしたけど」


 「あんた達の持ってくる素材は良質なのと、簡単には手に入らない物だからね。それにようやく武具が作れるようになったから、今は結構な売り上げが上がってる。グループはそれで十分儲かってるからねえ」


 「そらええこっちゃ、こっちもご相伴しょうばんに預かりたいトコやで」



 スクリーンに夏沢家の当主の姿が映ると、他の家の当主達も全員が映る。もちろん千芭家の当主も映っているが、そこには穏やかな顔をした優しげな人物が居た。それを見て微妙な表情になるタケル。



 「さて、今回は若者を含めた当主会議だ。と言ってもそこまで重い事を話し合う訳じゃないのと、私もまだ聞いていない。この事を先に言っておくよ」


 「聞いていない……ですか? 何だか嫌な予感がしないでもない言葉ですね。ちょっと覚悟して聞きましょう」


 「そこまで問題のある事では無いんだけどね。お前達も知っての通り、ミクは神様に創られた存在だ。腐った者達を食い荒らす、その為だけに創られてる。そして現在、惑星ガイアには猛威を振るっている病気があるだろう?」


 「ふむ。確かにあの病気は各国で猛威を振るっているが、我が国での死亡者は然程多くは無かった筈。しかもその殆どは外国人であり、日本人ではなかった筈だ」


 「そうだ。でもねえ、私は病気が変異する前の事も調べたんだけど、あんなに致死率の高いものじゃなかった筈なんだ。それが何の前触れも無く、異常なまでに致死率の高い病気に変貌してる。明らかにおかしいんだよ、その変異の仕方は」


 「つまりはや、その病気にまたぞろ怪物が関わっとるんちゃうかっていうのが御大の考えやねんな? で、そこのところはどうなん?」


 「私はアレを撒き散らせと〝命じられた〟だけだ。だから治し方とかそういった事は知らないし、知らされていない。それに詳しい話も聞いていない。なので話せる事は殆ど無いね」


 「………ミクが〝命じられた〟?」


 「そう。私に命じる事ができるのは根源の神だけだ。私は病原菌を持ってこいと言われたから持っていき、それを根源の神の一柱が改造し、そして私にバラ撒けと言った。だからバラ撒いた」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」



 思っているよりも大事で、言葉が出ない一同。まさかあの病気に神様が関わっているとは思わなかったのだろう。しかし疑問が口をついて出る。



 「あの病気が神様の手で改造されたのはいい。文句を言っても始まらないだろうからね。しかし、いったい何の為にそんな事を?」


 「さっきも言ったけど、私はバラ撒けと言われただけで、それ以外は何も知らされていない。おそらくは間引きだと思っているけど、それも私の予想でしかないから何とも言えない。あれはカルマの善い者は殺さないとだけ聞いている」


 「「「「「「「「「「カルマ……」」」」」」」」」」


 「そう。善人は殺されず、悪人には致死率が100パーセント。今までの感じで見ていると、そういう風な病原菌に見える。詳細は聞いていないと言うか、教えられていないから分からないけどね」


 「しかし間引きなどという事を、神様が本気で考えるなど……」


 「それは神どもを勘違いしている。お前達人間とて掃除ぐらいするだろう? 神どもにとってはその程度の話だ。お前達は他の生物の事をそこまで気に掛けるのか、と問われれば分かるだろう。自分の邪魔であれば他の生物を殺すだろうに」


 「それは……。しかし神様がそんな事を……」



 信じられないという顔をしている千芭家の当主。それを見て全員が何とも言えない顔をしており、タケルに至っては「誰だよ、アイツ?」という顔をしていた。それくらい信じられないのだろう。だが善人化された以上、これから先ずっと善人である。



 「神どもだからこそ間引きもすれば、邪魔な虫に殺虫スプレーを噴射するかの如く処分するんだよ。お前達がやっている事と何ら変わりはしない。その相手が人間という生物なだけだ」


 「………まあ、ガイアを蝕んでいると考えれば害虫扱いされても仕方ないんだろう。だったら何故日本人の致死率が異常なまでに低いんだい?」


 「それは星間魔法陣があるからだと思う。何度も言うけど私は詳しい事を知らされていない。ただ予想として、あの星間魔法陣を作ったのが<世界>であるなら、日本人をあまり殺さない理由は分かる。それは<世界>の邪魔をしない為だ」


 「「「「「「「「「「<世界>?」」」」」」」」」」


 「神どもには位階があると言ったが、その上にあるのが<世界>だ。そして<世界>は意思を持つという。ただし根源の神ですら滅多にその意思を聞くというか感じる事は出来ないらしい。そして根源の神どもが怯える程度には<世界>の方が強い」


 「そらまた……まさか神さんより上がるとは思わんかったで。聞いて良かったんやら悪かったんやら」


 「それよりも、その上の方が作ったから私達を死なせるとマズいって事かい?」


 「<世界>が何らかの狙いで日本に星間魔法陣を作ったのなら、日本人を減らす事は<世界>の邪魔をする事になるかもしれない。だから日本人には効かないようになってる。もちろん全く効かない訳じゃないけどね」


 「まあ、死亡者も出てるから全く効かない訳じゃないのは分かってるけど、それでも他の国に比べれば圧倒的に致死率が低いのよね。そういえばブータンとかチベットなんかも致死率が低いらしいけど……」


 「DNAが似てるんじゃないの? だから致死率が低いと考えた方が分かりやすいと思う。そもそも日本の中のゴミ、つまりカルマの悪い奴は私が喰ったから、病気で死ぬ奴は余計に少ない。そう考えている」



 その一言を聞いた瞬間、「そういえばそうだった」と納得する面々。行方不明事件すら、過去の事として忘れていたらしい。


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