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0491・軍人への魔法指導 その5




 「話は止めてそろそろ戦おうか。とりあえずはコレを貸してあげるよ」



 ミクはそう言って山崎中尉にククリナイフを渡す。渡された山崎中尉は何とも言えない顔をした後、溜息を1つ吐いて、銃を河越少尉に渡す。その後、気合いを入れてゴブリンに近寄っていき、一気に接近するとゴブリンの首を薙ぐ。


 するとあっさりと切り裂いたククリナイフの所為で、派手に血飛沫が舞う。その血が付いてしまった山崎中尉は、臭いの酷さに鼻が曲がりそうになる。吐きはしないものの、ここまで臭いのかとテンションがダダ下がりであった。


 ミクはその場に立たせ、【浄滅】の魔法で一気に綺麗にする。すると臭いが無くなったからか、山崎中尉は大きな声で感謝した。



 「ありがとうございます! とんでもない臭さだったのが、まさか一切臭いもしなくなるとは。あんな魔法もあるのですな」


 「あれは【浄滅】の魔法。【浄化魔法】の最高峰である、儀式魔法に分類されるもの。本来なら魔法使い20人ほどで発動する。私はポンポンと使えるけど、それは珍しいので勘違いしないようにね」


 「儀式魔法?」


 「魔法にはそれぞれ難易度がある。初級魔法、下級魔法、中級魔法、上級魔法、そして最高峰の儀式魔法。私も知らない魔法だってあるし、全ての魔法を網羅してる訳じゃない。儀式魔法に関しては4つ知ってるけどね」


 「4つもですか? 最高峰なのですよね?」


 「1つは魔法の師のような者から教えてもらったし、2つは<ノーライフキング>が使ってたから覚えた。最後の1つは知り合いだった元妖精女王から教えてもらったんだよ」


 「「「「「「「「「「妖精女王!?」」」」」」」」」」


 「元ね。神に「地上はゴミが多すぎるから間引きしてこい」って言われて、妖精郷から地上に行った人物だよ。妖精は滅ぶ事がないから永遠に復活し続ける。だから地上のゴミ掃除にはちょうど良かったみたいだね」


 「ゴミ掃除というのは、まさか……」


 「そう。ゴミのような人間種を殺す事。イリュ……本名はイリュディナというんだけど、裏の界隈では<鮮血の女王>と呼ばれてたよ。体の大きさを自在に変えられるから、私が会った時には少女の姿だったけどね。後、羽は隠してた」


 「へぇ~、妖精の女王まで居たんだ。超絶にファンタジーな星が宇宙の何処かにはあるんだから、夢は広がるよなー!」


 「本当にそうですね。<鮮血の女王>と呼ばれているのが怖いですが、私も妖精には会ってみたいです」


 「会って意味があるかは知らないけどね。イリュは1000年以上を生きてるし、子ども扱いされて終わるとは思うけど」


 「1000年ですか……。いえ、そういえば先ほど不滅とおっしゃっていましたね。となると、これから先も生き続ける方なのでしょう。何千年生きられるのかは知りませんが……」


 「そうだね。シワシワのお婆ちゃんを超えるとどうなるんだろう?」


 「イリュの姿は若々しいけど? そもそも姿は自在に変えられるって言ったじゃん。子供から老婆まで好きに変えられるよ。ちなみに元の姿は絶世の美女だね。女性でも堕ちるレベルの」


 「「「「「うわー!」」」」」


 「何でヤエを含めた女性陣の方が喜んでるの? イマイチよく分からないんだけど」


 「俺達のような男が反応すると、いちいち五月蝿い団体とかが居るんだよ。だから山崎中尉達も黙ってるんだ。やっぱり男はー! とか言われるんだよ」


 「ふーん。っていうか男が女に欲情するなんて普通の事じゃん。しない方が問題だよ」


 「そうなんだけど、この星には意味不明な連中が居るの」


 「本当に意味不明だね。自然に居たら文句言うって頭がおかしいと思う。男が女に欲情する、オスがメスに欲情する。自然界において当たり前の事じゃん。それに文句言ってる方が不自然でしょ」


 「本当にそうなんだけどな。いちいち鬱陶しい連中が居るんだよ」



 山崎中尉も河越少尉も無言で激しく頷いているので、相当に面倒臭い連中らしい。なのでミクもこれ以上は話を続けるのを止めた。そして次は河越少尉の番だが、ククリナイフをジッと見ながら考え込んでいる。



 「どうかしたのか?」


 「いや、どうやったら汚れないように戦えるかと思いましてね。首をやるとアレですから、心臓を一突きにした方が良いでしょうか?」


 「そうかもな。オレも近接武器なんかで戦った事はなかったから、あんなに血が噴き出して汚れるなんて考えてもいなかった。あと、ゴブリンの血は猛烈に臭いから気をつけろ」


 「そこまで言うって事は相当ですね。分かりました、なるべく気をつけて戦います」



 そう言って河越少尉は向かったが、今回のゴブリンはやたら好戦的で噛み付いてきた。河越少尉はそれを回避するのがメインになってしまい、迂闊に攻められなくなってしまう。噛み付かれて怪我でもしたら、どんな細菌に感染するか分からない。



 「そういう意味でも、銃で戦えた方が良いんだけど、な!!」



 隙を狙って心臓を一突きし、素早く抜いて後方に下がる。ゴブリンは前のめりに倒れ、呻きながらも地面に血が広がっていく。油断なく構えているが、もう向かってくる事は無いだろう。



 「ふーっ、やれやれ。ゴブリンって言っても舐めちゃいけないな。まさかあんなに好戦的に突っ込んで来るとは思わなかったぜ。噛みつかれると、どんな病気になるか分かったもんじゃないから、避けるのに必死になったよ」


 「確かに病気の事を考えたら大変ですね。その辺りはどうなんでしょうか?」


 「元の星だとダンジョン内に生えてる薬草なんかを使って薬を作ってたね。そういう依頼も探索者ギルドにあったし、調合してる薬師も居た筈。私は【浄化魔法】で綺麗にしたりするから、世話になった事は無いよ」


 「【浄化魔法】を使えば綺麗になるんですか?」


 「なるよ。【浄化魔法】の中には【殺菌】や【滅菌】に【清潔】や【聖潔】があるからね」


 「うん? 【清潔】に【清潔】?」


 「【清潔】は普通の清潔。【聖潔】は聖なる魔法? 体の中の毒とかも分解して無害化するような魔法。つまり【聖潔】だと体の中の細菌や病原菌まで殺したりして無害化してくれる。ちなみに何故かどうやってかは知らない。効果があるならどうでもいいし」


 「まあ、確かにそうだよな。研究者とかなら突き止めるんだろうけど、俺達からすれば効果があるなら何でもいいのは間違い無い」


 「風邪とかも治せるもんね。確か風邪の特効薬を作ったらノーベル賞が貰えるんでしょ? 特効薬じゃなくて魔法だけど、風邪やインフルエンザでもすぐに治せるよ」


 「そう考えると魔法ってとんでもないですよね。たとえ毒を飲まされてもすぐに魔法を使えば治りますし」


 「そもそも食べ物や飲み物に【聖潔】を使えば、食べる前や飲む前に綺麗に出来る。ちなみにアルコールに使っても、毒判定はされないと思う。元の星でお酒を作る前には使ったけど、その後に使ったかは記憶に無いんだよね」


 「「「………」」」



 3人ほどが無言で明後日の方向を向いたが、どうやら二日酔いを治す為に使おうと思ったのだろう。ミクは前の星でミードに対して使っていた筈で、その割には仲間達が飲んでいたのだからアルコールは消えないのだろうと思っている。


 そこの部分の記憶は既に消してしまっているので、本当に記憶が無いのだ。なので、おそらくアルコールは消えない筈だと予想している。


 そんな事を考えている内に、西島少尉、後藤少尉、仁藤曹長、横川伍長のゴブリン殺害も終わった。軍人6人は人型の魔物を殺す事に対して特に問題はなかったようだ。これが選抜されたからか、それとも軍人だからかは分からない。


 しかし問題なさそうなので次に進む事にした。循環の練習をさせながらだが。


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