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0482・私有地ダンジョン攻略中




 現在ミク達は依頼を請けた家のダンジョンを攻略中だ。今は5階の石壁迷宮。良くも悪くも比較的想像しやすいダンジョンの中、スケルトンを【浄化魔法】で倒している。これは魔法の練習としての側面が強い。



 「本当なら近接戦闘の最中に魔法を使わせたいんだけどね。何故なら、そこまで出来てやっと戦闘で魔法が活かせるから。安全な場所から魔法を使うのは三流もいいところ。一流は近接戦闘中でも魔法を適切に使う」


 「その適切にが恐ろしく難しいんだよなー。もちろん魔物に囲まれたりなんかしたら、魔法で牽制できた方が良いんだけどさ。アレもコレもソレも同時にしなきゃいけないのは流石に……」


 「絶対、頭の中グチャグチャだよね。慣れれば出来るのかもしれないけど、慣れるまでが大変そう。まあ、多分やれって言われるんだろうけど」


 「セン、正解。中途半端なものに命を託すより、正しく扱える力に命を託した方が良い。練習して上達すると、それだけ死から遠ざかれる。死から遠ざかる事こそが一番重要な事」


 「戦って勝つのではなく、生き残るでもなく、死から遠ざかる。必勝などこの世に無く、生き残れる可能性が無い場合もあります。だからこそ死から遠ざかっておく事が重要だという事ですね」


 「そう。この国にある、君子危うきに近寄らず。あれは正しい言葉だよ。最初から危険に近付かなければ、そもそも死亡確率はゼロのまま。とはいえ探索者は危険を避ける事はできない。何故なら危険に突っ込むのが探索者だから」


 「言っている事が矛盾しているような……?」


 「してない。危険に突っ込んでも、死から遠ざかっておけばいい。その1つがパターンの確立。魔物に対し高い確率で勝てるパターンを作っておけば、それだけ死からは遠ざかれる。この星ではダンジョン以外となると、スタンピードでしか魔物には遭わないでしょ」


 「まあ、そうですね。ミク殿の故郷のように、外で当たり前に魔物が出るという事はありません。スタンピードで出た魔物は駆逐されている筈ですし、全てのダンジョンは軍が監視しています。諸外国はその限りではありませんが」


 「向こうは陸続きだからね。隣の国の魔物が自分の国に来たって、しょっちゅう揉めてる。アレを見てるといちいち面倒臭い事が無いだけ、日本はマシだなーって思うよ」


 「隣の半島でも上下で押し付けあってますしね。魔物を追い立てたりして、相手国に突入させてるらしいですよ。御蔭で上下で戦争するんじゃないかと言われてますが……」


 「あそこは上下でマッチポンプをするのが好きだからの。あれも上下で示し合わせてやっておると言われておるし、上と下での戦争は起きぬであろうよ。そんな余裕が両国に無い」


 「日本を攻めるとか言われてますが……」


 「それも無いの。ダンジョンが出来てからあの半島は無法地帯になってしまっておる。かつての半島に逆戻りするかのようにの。誰もが権力者のように振舞いたい連中の集まりじゃよ、あの民族は」


 「元々犯罪率が高かったと言われていますが、更なる無法地帯になったという事は……」


 「あそこにあるアメリカの基地ぐらいであろうよ、まともな秩序があるのは。日本の大使館も襲われて撤退したと聞くしな。かつての統治前に逆戻りと言われておるが、むしろ良かったのではないかと思う。今まで日帝残滓の精算とか言ってきたのだ、統治前の獣に戻ればよい」


 「ハッキリ言いますね。とはいえ坂村の言いたい事はよく分かりますし、何も間違ってはいないのですが」


 「もうここのスケルトンだと余裕だね。とはいえ、そういう時に魔法って失敗しそうだけど」


 「センがそう言うって事は、そうなる可能性が高そうだな。気を引き締めて魔法を使うか」


 「これはアレだね。センが居ると注意が入るから、必要な失敗をさせるのが難しい。本当なら注意力が散漫になった際に失敗して、私が指摘する予定だったんだけど」


 「その予定なら確かに邪魔しちゃったね。ゴメン」


 「いや、別にいいよ。それならそれで、センが注意を促せば済むし。センが居ない時に失敗したら……その時に良い経験が出来るといいね。ってところかな?」



 5人は納得できるような出来ないような顔をしつつ、後は武器を使ってスケルトンを倒していく。この星のダンジョンでは各階層に1種類か2種類しか魔物が出ない。その為、対策が非常にしやすいのだ。


 全員で出てくる魔物の頭をカチ割り、どんどんと倒しながら6階へ。ここではゾンビがやってきた。流石に武器が汚れるし飛び散るので【浄化魔法】で倒し、それなりの数をミクやセリオが倒していく。



 「そういえばセリオも魔法が使えたんだったか。しかしアレだけ強くて魔法も使い熟せるって、セリオは相当に強いんだな。何故ミクと一緒に居るのか知らないけど」


 「そういえばそうだね。そこまで強いなら、ワイズライノのトップに君臨できるんじゃないの? それともワイズライノの長ってそれ以上に強いの?」


 「そもそもセリオはデゴムト奴隷店に捕まってた、いわゆる違法奴隷だったんだよ。飢えで死にかけててね、そこを私が助けてそのまま一緒に居る。だから強くなったのは私と一緒に居るようになってからかな?」


 『今さら群れに帰る気なんて無いし、今はこの星に居るからね。考えたって意味無いよ』


 「思っている以上に大人ですね。とはいえセリオの年齢が分かりませんが……」


 「元は大人でも子供でも無い微妙な年齢? だった筈だよ。前も言ったけど様々な魔物を食べてきているから、どういう風に変わったかは分からない。もしかしたら寿命が延びて幼くなってるかも」


 「寿命が延びると幼くなるの?」


 「そう決まってる訳じゃないけどね、その可能性もあるって事だよ。急に精神の成熟がゆっくりになった可能性も否定できない。そもそも精神は肉体に引き摺られるからね。大人びている子供が居ても、実際にはその肉体がそれだけ成長しているからとも言えるし」


 「ああ、そういう事ですか。それならば分からなくもありませんな。私の娘も大人びていましたが、歳相応の子供のような部分もありました。あれが肉体に引っ張られて大人びていたと言うなら、確かにそうでしょう」



 そんな雑談をしつつもどんどんと進んで行き、7階のスケルトンとゾンビ混合、8階のレイス、9階のスケルトンウルフ、10階のゾンビベアを倒して11階。今度は地形が砂漠に変わる。



 「このダンジョン、普通の探索者じゃ突破できないだろ。そもそも8階のレイスが絶対に突破できない筈。だってあれ物理無効だったぞ」


 「本当にビックリだよね。武器攻撃が全く効かないなんて反則だよ。魔法が使えるから良いけど、魔法が使えなきゃ死んでたかもしれない」


 「その前に逃げたとは思うけど、アンデッドはヤバいのが居る。注意しないと俺達もアンデッドに……」


 「それは無いでしょ。外ならいざ知らず、ダンジョンの中ならアンデッドになる前に吸収されるよ」


 「あっ、そういえばそうか」


 「確かにそうだね。多分アンデッドになるより、ダンジョンに吸収される方が早いよ。そして加工されて新たなレイスに……」


 「加工っていう言い方はどうなんだよ。まるで成形肉みたいに言うのは止めろ」


 「それだとプレスされるとレイスが出来るように聞こえますね」


 「流れ作業で、ガコンガコンってレイスが作られるの? ……レイスーと金型プレス工場」


 「チ○ーリーとチ○コレート工場みたいに言うな」


 「ふふふふふ……」



 何が面白かったのか分からないが、何故かツボに入ったヤエであった。


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