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0476・まさかのモノ




 既に何度も潜ってきたダンジョンである為、特に難しくも何ともない。当たり前のように4階のファングバットを燃やしていき、それはドローンカメラに記録されていく。小部屋の掃除が終われば走っていき、階段の途中で休む。


 少しの休憩が終わればまた走って進み、魔物を倒しながら死体は捨てていく。一気に移動して10階。ここで一旦大休止をとる事にした。ドローンカメラをどうしようか悩むも、気にするのは止めてミクはアイテムバッグから食べ物を取り出す。



 「おっと、今日のおにぎりはまさかの高菜の爆弾おにぎりでした。っていうかコレどこで買ったの? かなり手作り感満載なんだけど……」


 「店の名前か何か、バーコードの近くに書いてないか? シール見ればだいたい分かるだろ」


 「ああー、コレ近所のスーパーだわ。ミクのアイテムバッグは時間が停止してるから、いつの物でも美味しく食べられるから良いんだけどね。アイスだってずっと入ってるのに、全く問題ないし」


 「逆にラノベ? とかに書いてあった、アイテムバッグのような物の中で手軽に味噌を作る事は出来ない。あれはどんなアイテムバッグでも出来ない事」


 「アイテムバッグの中の時間を操作できる系ね。インベントリでもアイテムボックスでもいいけど、たまに100倍速に出来る作品とかあるよねー」


 「ありますね。私もそれなりに読んできましたが、そういう設定の物もちょこちょこ見かけます。代わりに昔ながらの硬派な作品もありますが」


 「魔法が使えるとか以外は基本普通のヤツだね。奇をてらった物じゃなくて、古い王道ってタイプのヤツ。最近の作品ってインフレ度合いが一気に跳ね上がったりするからさ、あの瞬間に冷めたりするの多い」


 「分かります。それまで熱血でどうにかしてきたのに、急にスキルとか能力でどうにかし出すんです。最後まで熱血で何とかすればいいのに……」


 「そうそう。新たな師匠キャラとか登場させて、その人に教えてもらうとかならまだしもさ、何か急に自分で編み出したりするんだよ。いつからそんな厨二病キャラだったの? って思うよねえ。それまで熱血だったのに」


 「そうです、そうです。最後まで熱血で良いでしょうと思い、その時点で冷めてしまうんですよねー。途中から急に厨二病的な必殺技とか使い始めるんですよ、それまで仲間とのチームワークとか友情だったのに!」



 ミクはその話を聞きながら、一瞬○牙という犬の漫画が頭をぎったが口に出す事は無かった。何故急に父親が登場して縦回転するのかは分からないが、ああいうのが漫画なんだろうと解釈している。少々偏っていると思わなくもないが。



 「御嬢様、セン。あまり記録に残せない会話をするのはお止め下さい。おっしゃりたい事は大変よく分かりますが、だからといって記録されているところで好き放題に喋ってはいけません」


 「「はーい」」



 コウジは会話に加わらず黙々と食事をしているが、それはカメラに映っているのを意識しているからだ。今までの自分1人とは違い、大勢居るのでおかしな発言をした場合に恥ずかしいのだ。未だ高校二年生であり、そういう年頃である。


 ジロウエモンも、ミクが運んだ葉月家の昼食を黙々と食べている。こちらは漆塗りの綺麗な箱に入った物だが、きちんと葉月家の者であると見せる為の物なのだ。本人いわく慣れれば気にならないが、若い頃は弁当箱を見ただけで緊張したとの事。


 その後もヤエとセンは色々と話しながら昼食を終えたが、その頃にはコウジとジロウエモンはアイスを食べていた。それを見て自分達にも寄越せと騒ぐヤエとセン。呆れながらも渡し、休憩の延長を行う。


 そもそも2人がアイスを食べていたのはヤエとセンの昼食が終わるのを待つ為だ。2人は会話が多く、なかなか昼食を終わらせなかったのである。その為に手持ち無沙汰になり、ミクからアイスを貰っていたというわけだ。


 ユヅキにもアイスを渡し、3人が食べ終わるのを待ってから進む。トイレも済ませているので問題は無い。既に5人全員が【清潔】を使えるので、綺麗にするのは簡単なのだ。


 11階からの草原も進み、15階のセーフティエリアも映す。そして16階からの山も映して、19階のグリードベアを瞬殺した。その記録がどんな反響を呼ぶか考えつつ、一行は20階へと到着。


 そこはこじんまりとした場所で、部屋の中央には台座があり。その上で四角いキューブ状の物が回転しながら浮いていた。6人全員が顔を見合わせた後、代表してコウジがダンジョンコアにメイスを振り下ろす。


 「バキィッ!」という音と共に破壊されたコアは辺りに飛び散り、台座が崩れた後で宝箱が出現。中を開けると金色に輝く薬が入っていた。ミクは「なんだコレ?」と思っているが、ヤエ達3人は息を呑む。



 「葉月さんは分かってるみたいだけど、コレはいったい……?」


 「それよりもダンジョンが壊れます。まずは薬壜とドローンをアイテムバッグに仕舞って下さい。そして急いで中央に集まりましょう!」



 そのヤエの言葉に従い、ミクは薬壜とドローンをアイテムバッグに仕舞い中央に集まる。「ゴゴゴゴゴ……」と揺れ始めたダンジョンは一瞬収縮したように感じられると、突然視界は北条家の庭に切り替わった。


 辺りを見回すとダンジョンの入り口だった黒い渦は無くなっており、影も形も無い。どうやらダンジョンは無事に破壊されたようだ。これがダンジョン消滅かと思っていると、ヤエがかすので北条家の中に入る。


 何故そんなに急いでいるのかと疑問に思うが、後で聞けばいいかと思って素直に従うミク達3人。窓を閉めて鍵も掛けると、ようやくヤエ達3人は安堵したようだ。



 「あの金色の薬壜っていったい何なの? 3人が妙に慌ててるし、何かヤバい薬?」


 「ヤバいと言えばヤバいですね。あの金色は間違いなく若返り薬です。1本飲めば20歳まで若返らせてくれるという物で、推定10億円といわれる薬ですよ」


 「「10億円!?」」


 「ええ。1年や2年ではないのです。あの薬はどんな年齢でも20歳まで若返らせてくれる、最も強力な若返り薬です。北条君、あの薬をどうしますか? 事によっては北条家の皆さんが襲われるかもしれません。どうするかはよく考えて下さい」


 「いや、よく考えて下さいって急に言われても……」


 「ハルカに飲ませればいい、それで危険な薬は無くなる。ハルカが使ったとなっても葉月の家なら易々とは狙えない。若返った分、便宜を図ってもらえばいいでしょ。それでお互いに得をする」


 「そう、だね。欲を掻くと失敗するっていうし、20歳にまで若返ったら色々と便宜を図ってもらえそうだもん。早速行く?」


 「いえいえいえいえ、ちょっと待ってください。あっさりと決めすぎです。ここはじっくりと考「諦めましょう」えて……」


 「御嬢様、諦めるべきです。大奥様以外に八方丸く治められる方は居ません。流石に最高級の若返り薬は、市井しせいの家には荷が重過ぎます。危険が大きすぎて持て余しますし、大金を手に入れたと思われれば狙われます」


 「そうじゃの。葉月家が10億円分の便宜を図る事で合意したとすればよい。そうすれば金が支払われていない事は分かるじゃろう。ついでに北条家の奥様も含めて、葉月の新会社に所属してもらえばいい。それなら葉月家が守る為に動ける」


 「仕方ありませんね。流石にコレはイレギュラーに過ぎます。実際アメリカでは本当に殺し合いと奪い合いが起きたそうですしね。そのうえ手に入れた探索者も皆殺しにされたそうですし……」


 「「………」」



 コウジとセンが青い顔をしているが、怪物が居るのにそんな事をさせると思っているのだろうか?。


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