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0471・買い物と夕食




 3人は適当な雑談をしながら歩いていき、コンビニに着くと色々と見て回る。ウロウロとしつつ買う物を決めたミクは、カゴを持ってどんどん入れ、それが終わったらレジへと持って行く。


 店員に告げられた金額を払い、袋を2つ左右の手に持ってコンビニを出た。コウジとセンも出てきたが、ミクはコンビニの外でアイテムバッグに入れ、それが終わったら背負って歩く。



 「せっかくだから近所のスーパーも覗くか。何かミクが買いたくなる物があるかもしれないし」


 「そうだね。色々と見て回った方が良いと思う。暑いけど家に帰ったら涼しいし、今は我慢できるよ。スーパーの中も涼しいしね」



 再び雑談をしつつ歩き、おばさま連中でごった返すスーパーに入る3人。一塊になって色々と見つつ、気になる物をカゴに入れていく。ミクが特に気になったのは菓子類だった。コンビニよりこちらの方が豊富だったのだ。



 「ミクがお菓子を大量買いしてる? ベつに悪いとは言わないんだけどさ……なんでそんなに沢山買うの?」


 「手軽に食べられる。ダンジョン内で食べる、手軽さ、重要」


 「ああ、そういう基準なんだな。明らかに俺達と判断基準が違うけど、こればっかりは仕方がないと言うか当然か。ミクからしたら素早くお腹が満たせるなら優秀なんだろうし、ダンジョン攻略を考えたら普通の事だしな」


 「まあ、それはそうだけどさ……こう、微妙に納得できないのは何でだろう? そうじゃないって感じがする」


 「別にいいだろう。ミクにはミクの基準があるんだし、別にそれは悪い事じゃないしな。それより俺達も何か買うか? コンビニでも買ったけど」


 「そうだね。ミクの鞄に入れてもらってるし、私も何か欲しい物を買っておこうっと」



 適当にウロウロしつつ、それぞれが欲しい物を購入。店を出たらミクのアイテムバッグに入れ、北条家へと歩いて戻る。特に何かがある訳でもなく、レティーもセリオも大人しくしていた。


 【念送】で色々と喋っているものの、騒がれるような事はしていないのでセーフだろう。センがセリオを持っていたし、ぬいぐるみか何かと勘違いされていた。何故なら子供達がジロジロ見ていたからだ。


 ちょっと羨ましそうな顔をしていたので、精巧なぬいぐるみに見えたのだと思われる。そのまま北条家へと戻り、中に入って涼しいリビングへと移動。ようやく落ち着いた。



 「はー、暑かった。ミク、私の買ってきた物を出して」


 「あっ、俺のも適当に出しておいてくれ」


 「分かった」



 ミクはセンの買い物袋とコウジの買い物袋を置き、自分の荷物を色々と整理する。このアイテムバッグは<根源の神>謹製の物なので、どれだけの容量があるかは不明なのだ。ついでに計る気も無かったりする。


 おそらくだが膨大な量が入るようにしてある筈なのだ。あの神々は面倒臭がりであり、これぐらい入れば困らないだろうの〝これぐらい〟が莫大なのである。何か言っても、「その方が便利だろう」と言われて終わるだろう。そういう神々だ。


 そんな事を考えつつ、ビニール袋はゴミを纏める為に役に立つなと横に置いておく。そうしているとリオが来たので、今日受け取った売り上げの半分を渡すと驚かれた。



 「こんなに? ……葉月家の方が渡した以上は本当なんでしょうけど、アイテムバッグがあると本当に儲かるのね。これで半分なんだから凄いわ」


 「稼いだ本人は早速昨日と同じコンビニに行って爆買いしてたけどね。理由がダンジョン内で食べる用だから仕方ないとは思ったけど、昨日も同じくコンビニで大量買いしたのに」


 「備えておく、重要、無駄じゃない。食べ物、いつ無くなるか分からない」


 「まあ、ダンジョン内で身動きがとれなくなったっていうのも聞くし、そういう状況にならないという保証も無いしな。そんな状態でも食べ物が山ほど出てくるってなったら、生き残る確率も上がるか」


 「それって最悪の場合はって事でしょ? 何か木の上に登って動けなくなったとかあるらしいし。そういう時にも食べる物があれば冷静にもなれるのかな?」


 「おそらくそうだろう。食べ物や飲み物があるってだけで生き残れる確率は上がるからな。というより、食べ物も飲み物も無しじゃ無理だろ。水が無きゃ、人間3日はもたないって言われてるしな」


 「厳しいね。ウチのダンジョンではそんな事は無いけどさ、私達の問題は4階?」


 「そうだな。4階のファングバットが一つの山場かな。あそこが攻略出来るようになればもっと進めると思うんだけど、ファングバットは数が多いし飛ぶんだよなー」


 「上手く倒せる方法か、魔法が使えれば簡単に突破できるんだけどねー。まだ攻撃魔法は上手く最低魔力で使えないし」


 「っていうか、【生活魔法】以外の魔法は思ってたよりも難しい。俺もまさかあそこまで厄介だとは思ってなかった。魔力を絞る方が集中力を必要とするなんて、実際に経験しないと分からないだろ」


 「そうなの?」


 「ミクが言ってたけど、私達が教えてもらってた【生活魔法】って篭められる魔力の上限が決まってるんだって。だからそこまで難しくないの。でも普通の魔法は篭めようと思えば幾らでも篭められる」


 「そして篭めれば篭めるほど強力になるんだけど、ミクが言ったように最低の威力や消費を覚えておかないと、すぐに魔力が尽きてしまうんだよ。消費MPが決まってる訳じゃないんだ」


 「成る程ね。現実の魔法は消費量が決まってないから、自分で調整しなければいけないと。それは最低値を基準にするしかないわね、消費量の上限が無い以上それ以外に方法は無いでしょ」


 「まあね、でも最低魔力量の発動って凄く難しいんだよ。少しでも少ないと魔法が発動しないし、多過ぎると無駄遣いになる。感覚的なものだから、ひたすら練習して覚えるしかないの」


 「とはいえ魔法が使えるからこその悩みなんだから良いじゃない。魔法が使えないよりは遥かにマシよ?」


 「それはねー」


 「そうなんだよなー」



 リオは話しながらも料理をし、ミクはそれを手伝っている。今日の肉はアンガーブルの肉であり、それを玉葱やらと一緒に煮込んでいる。どうやら牛丼というものを作るらしい。



 「某有名牛丼チェーンの店より肉が多いけどな。普通の家で作る場合はコストの事を考えて、そこまで肉は多くしないんだけど……。玉葱が見えないレベルで肉が入ってるよ」


 「むしろ美味しそうだし、明日も頑張ってダンジョンに行こう。運動して美味しい物を食べる。これがベストだよ、お兄ちゃん」


 「いや、普通の事だと思うが……? それよりもそろそろ出来そうだから、色々な物の用意をしようぜ」



 丼や椀などの食事に必要な物を出し、準備を整えたコウジとセン。作り終わったリオはそれぞれの丼にご飯を入れ、豪快に上からぶっ掛けていく。これぞ牛丼という物が完成した。


 早速リビングのテーブルに持って行った2人は食べていく。それを見てリオが呆れながらも、レティーとセリオの分も用意した。



 「あれ? 私もですか? まあ、味覚はドラゴンの血を飲んだ時から出来てますので味わう事は可能ですが……」


 「それ初耳。私、聞いて無い」


 「ああ。何と言いますか、味覚のオン・オフが出来ますので普段オフにしているのです。味わったところで美味しい訳でもありませんので」


 「ドンナみたいになった?」


 「というより、味覚と嗅覚が新たに増えましたね。ですので五感を手に入れたと言えるのでしょうか? 嗅覚も人間種と同じとは限りませんが」


 「成る程、面白い進化。流石、<可能性の宝庫>」



 どうやらドラゴンの血はそういう風に強化を促したらしい。ではセリオの方はどうなのだろうと思うが、本人は美味しそうに牛丼を食べていて聞いていない。


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