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0463・オークとの戦い




 10階への階段で休憩するのだが、既に昼が近い。ユヅキやジロウエモンが3人の昼を持って来ているが、コウジ達は食べる物を持ってくるのを忘れていた。そんな中、ミクは鍋を出して水を入れ、そこにドラゴン肉を入れていく。


 元の星の野菜もアイテムバッグに入っているが、まだ食べられるだろう。干し肉がある程度水分を吸ったら投入し、その後は小麦と塩と水で練って団子を作ったら投入する。煮込んで柔らかくなったら完成だ。


 椀に入れてセリオに出し、他の椀も出してコウジとセンにも出す。最後に自分の分を入れたら食べよう。



 「ありがとう、ミク。でも、魔法が使えると料理も出来るんだな。もちろんアイテムバッグがないと持ち運びが出来ないんだけどさ。それにしてもビックリな光景だったよ」


 「ありがとう。本当にそうだね。魔法で料理なんて本当に可能なんだって改めて思うよ。正直に言って、ダンジョン攻略に魔法って必須じゃない?」


 「だな。とはいえアイテムバッグがなきゃ大量に持ち運びは出来ないから、普通の探索者がカロリーバーになるのは仕方がないと思う。荷物になるし、なるべく減らさなきゃ駄目だろ? 売る物を持って帰るのも大変なんだしさ」


 「魔石とか魔物の一部とか? 高く売れる所を持って帰らなきゃいけないから、同じのばかり持って帰って来てそうだね。そのうえ、それで供給過多になって値下がりしそう」


 「実際それも起きてるらしいからなぁ。魔石だって買取の値段を上げると電気代が上がるから、値下げはあっても値上がりは無いし……。ミクみたいに1頭丸々という持って帰り方をしないと儲からないよ」


 「でもそれが出来るのって、浅い階層で高く売れる魔物が出る所だよね? そしてそういうダンジョンの難易度は高いって聞くけど?」


 「だから1階とか2階にしか人が居ないんだよ。それでも戦いやすいからか多くの人が行っていて、結果的にスタンピードは起きないらしいけどな。過疎の方が起きるから困るって話だ」


 「だが、コアルームに辿たどり着けないダンジョンの方が少なかったのではなかったかな?」


 「ええ、それは俺もそう聞いています。とはいえコアルームなんて到達できた事がないので、実際にワザと放置されているのかは知りませんが……」


 「魔石などを得る為に、立地などで都合の良かったダンジョンは意図的に放置されている……ですか。本当だとは思いますが、同時に危ないとも思いますね。いつスタンピードが起きてもおかしくはないですし」


 「魔力が飽和したら起きるとは言われていますが、それも絶対とは限っていないと聞きます。深層の魔物が討伐されていないと溢れるとも言われますし、何が本当なのやら……」


 「これ美味しいね。ただ適当に入れて煮ただけなのに、ドラゴンの干し肉が猛烈なまでに美味しい。これやっぱり反則だよ」


 「言いたい事は分かるが、ドラゴン肉だって俺達には手に入れられる物じゃないんだから、本当なら味わえない物なんだ。感謝して食べろよ」


 「感謝してるよ。そもそもダンジョンで温かいものを食べられるなんて思わなかったし、団子も味が染みてて美味しいし」


 「ドラゴンの肉……。そもそもそれ以前に、ドラゴンが居るかどうかを聞いた事が無いのですが、世界中のダンジョンを探せば居るのでしょうか?」


 「居たとしても最奥でしょう。もしかしたらコアルーム前にボスとして居るぐらいでは? ドラゴンなのですから、居てもラストでしょう。それも難易度の高いダンジョンだと思います」


 「ごちそうさまでした。軍が所有しているダンジョンでも聞いた事はありませんからな。もしかしたら日本国内では出ないのかもしれません。それはそれで一安心ではありますがな」


 「ですけど、そこまで言われるほど美味しいのでしたら、一度くらいは食べてみたいですけどね。もちろん勝てればの話ですが」



 食事も終わったし、10分以上経っていたので改めてトイレに行きたい者は行き、用を足し終わったら10階へ。


 ここからはオークであるが、早速ヤエから戦わせる。昼休憩をした後だからかイマイチ集中力に欠けるが、それも本人の責任である。自力でそこに気付き修正出来なければいけない。


 オークなのですぐに女性に寄ってくるが、ヤエが前に居るので即座に襲ってきた。オークは走って抱きつこうとしてきたが、ヤエはそこに合わせるようにカウンターで切り上げる。


 しかしオークは寸でで停止し、ヤエの攻撃は簡単に空振る。マズいと思った瞬間にはオークは蹴り飛ばされており、尻餅をついて慌てて立ち上がる。蹴ったのはコウジだが、その反応は速かった。


 理由としてはミクから【念送】が来て構えていたからだが、ミクはコウジに聞こえるようにしか使っていないので周囲も驚いている。


 オークが立ち上がって様子を見るも、ヤエはもう隙を見せる事は無かった。オークはコウジに対して憎悪の篭もった目で見るが、それが隙となりヤエに攻められる。


 一気に接近して袈裟に振るも、オークは慌てて後ろに逃げる。オークの反射速度も良く袈裟切りはかわされたが、そのまま止めて今度は前に踏み出し胴を突く。


 その突きは真っ直ぐ入って突き刺さったものの、それだけで倒せるほどオークは甘くない。オークは腹を刺されたまま、それでもヤエを襲おうと腕を振ってきた。


 慌てたヤエは刀を握ったまま後方に跳び、その結果、刀はオークの胴体から抜けた。当然刀が抜ければ血が出てくるが、オークの体が大きいからか、そこまで大きな傷にはなっていないようだ。


 オークは右手で刺された部分を押さえつつ、左手一本でヤエに迫る。そして左手で攻撃すると見せかけ、左足で下段蹴りを放ってきた。しかし冷静に回避したヤエは、前に出つつ袈裟に斬る。


 この一撃は綺麗に正面から入り、深く斬られたオークは臓物をブチ撒けながら倒れた。再び吐きそうになるものの、ヤエは必死に我慢しての勝利となった。


 流石に無理そうなのでレティーに任せ、その間にミクが色々と話す。



 「最初、隙を見せすぎ。昼食で緊張感、無くなってた。次、相手の攻撃、カウンター失敗。タイミング、早すぎる。突き、オークの体、大して効かない」


 「はい、分かっております。確かに昼食を経て緊張感は無くなっておりました。それがハッキリと出たのがカウンターの失敗でしょう。相手が腕を広げて抱きつきにきたので焦ってしまい……」


 「やっぱりオークって強いよねえ。もちろん弱ければ女性が犠牲になったりしないんだけどさ。それにしても、あの大きな体と脂肪は難しいんじゃない?」


 「狙う、首、喉、足。首落とす、一撃。喉、呼吸潰す。足、動けなくする。狙いを定める、適当に戦わない」


 「確かに腹への一撃は然程効いてなかったしな。狙うなら足か? 確かに動けなくなればこっちのものだし、後は好き勝手に攻撃して倒せるだろう。首や喉よりも狙いやすいし当てやすい」


 「次は私ですが、流石に短刀ではどうにもなりませんね。御嬢様がお借りしているドラゴン素材であればまだしも、鋼鉄製の短刀では難しいとしか言えません」


 「ならコレを使うといい」



 そう言ってミクが取り出したのは、ドラゴン素材の薙刀だった。そんな物まで持っていたのかと驚くが、ユヅキはありがたく借りる事に。流石にオークに対して力で勝てる訳もなく、リーチが無ければ対処不能になってしまう。


 多くの女性達がオークの犠牲になってきた理由でもある力の強さ、そして皮膚の硬さと脂肪の厚さだ。これによって突進攻撃をされると防ぐのが難しい。しかし回避しても、攻撃が通らないなら倒せない。


 1対1で戦うと非常に不利なのだ、オークという相手は。本来なら囮を利用して戦うのが一番良い相手である。その囮は当然女性だが、逃げる事に集中すれば襲われる事も無い。


 それが、この<ガイア>でのオーク攻略法だ。


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