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0459・ダンジョンへ行く為の準備




 翌日。朝になっても誰も起きて来ないので、ミクはゆっくりとしていた。まだセリオも寝ているし、出来た武器の試験なども既に終わっていて、アイテムバッグの中に仕舞っている。今回の物はそれなりに上手く出来たと思う。


 ドラゴン素材の物は金属製だったり木製ではないので、しなるという事は無いのだが、それはそれで使い方を変えればいいだけでもある。どのみち肉塊のパワーでは、しなるタイプの素材では耐久力が不足し過ぎている。


 なのでこういった高い耐久力と硬さの物にならざるを得ない。都合が良いとも言えるが、高耐久の物は自然とこういう物になる。3人も使い慣れれば問題なく扱えるだろう。


 今日も一番早かったのはリオのようで、朝の挨拶をすると歯磨きが終わるまで待つ。コウジは洗面所でするみたいだが、リオはキッチンのシンクで歯磨きをしている。首を傾げるものの、場所なんてどうでもいい事かと放り捨てた。


 終わったらミクは適当に何回かうがいをしつつ【清潔】を使って綺麗にして終わり。そもそも寝る前に毎日【浄滅】などは使っている為、汚いという事は無い。それは北条家にも伝えてあるので、ミクが綺麗なのも知っている。


 風呂の使い方を教えてくれた際に説明したのだが、うらやましがられたのは当然でもある。問答無用で体の内と外が完全に綺麗になり、部屋の中に使えば全て綺麗になるのだ。試しにキッチンに使ったら大喜びしていて、なかなかテンションが落ちなかった。


 頑固な油汚れでさえも分解して消滅させていく魔法。まさにキッチンの救世主と言えるが、儀式魔法と聞いてガッカリしたのは言うまでもない。それでも【清潔】で落ちる事を聞いて喜んでいたが。



 「【清潔】の魔法って便利よねえ。汚れを浮かせるって言ってたけど、どんな汚れだって浮かせてしまうって事だもの。後は流したり拭きとってしまえば綺麗に出来る。それって画期的な事よ」


 「この星では画期的。魔法使えるなら普通」


 「そうなんだけど……って、そういえば、また言葉が上手くなってるわね。日々上達してるけど、上達速度が早いわ。とはいえ人によるっていうし、早い人はこれぐらいなのかしら?」



 話をしているとコウジが起きてきたので挨拶し、その後は朝食だった。食パンを焼き、上に目玉焼きとオーク肉を焼いた物が乗っている。適当に出ている調味料を掛ければ良いらしく、ミクはケチャップを掛けた。


 その匂いでセリオが起きたが、そもそもセリオの分も作ってあったので、寝起きで食べるセリオ。朝から元気である。



 「確かに元気は元気だけど、大丈夫か? 朝起きていきなりじゃ、胃がビックリするかもしれないぞ?」


 『??? よく分からないけど、起きてすぐ食べる事って結構あるよ? 僕は気にしてないし、別におかしな事になった事も無いから大丈夫じゃないかな?』


 「そうなのか? それならいいけど……」



 そもそもミクの血肉を受けた肉体だ、その程度でどうにかなるなどあり得ない。それに太ったり痩せたりする事も殆ど無いのだ。要らない栄養は吸収しないし、排出してしまう。何も食べなければ痩せるが、そんな事はないので食べたいだけ食べればいい。


 セリオに関してはそんなところである。ミクに関しては、そもそも食べる必要がない。あるとすれば自身を増やす為に人間種を喰うだけである。まだこの星では1人も喰っていないが、焦る必要も無い。


 朝食が終わった後、コウジが自分の部屋からヘルメットとカメラを持って来た。ミクは何か分からなかったが、コウジから説明されて理解した。面倒臭いヤツだ、と。



 「魔法の使い方とか魔力の使い方とか、これで映しておけば見直す事も出来るからな。別の星とはいえ本当に多くと戦ってきた人の説明だから、撮っておかないと損だと思ってさ」


 「ようやく今日から撮るんだ? もしかして夏休みに入ったから?」


 「ああ。流石にクラスメイトに色々と言われたりしないだろうからな。動画を流しても」


 「まあ、学校が始まったら何か言ってくるかもしれないけど、その時にはある程度騒がれた後って事ね」


 「そう。ただし葉月さんが拒否するなら、そこだけ消して動画を流す。流石に魔法の使い方を独占してるって思われるのはマズいし、俺は使えるようになったから流してもいいだろう」


 「私も使える様になったから問題ないわね。後はセンだけなんだけど……」


 「2人が早いだけで私は普通だし! 今日中にきっと使えるようになるよ!」


 「それなら良いんだけど、ミクはセンのやり方が【身体強化】に近いって言ってたしなぁ……」



 そんな話をしていると「ピンポーン」と鳴ったのでリオが出ると、どうやら葉月家の主従が来たらしい。ヤエ、ユヅキ、ジロウエモンがリビングに入ってきたが、既に準備万端の装備をしていた。


 ヤエは80センチほどの長方形の箱を持ち、ユヅキは40センチ程度の長方形の箱を2つ、ジロウエモンは60センチ程度の長方形の箱を持っていた。


 それぞれ挨拶をした後、箱を開けて中身を取り出すが、ヤエのは刀だった。ユヅキは短刀が2本、ジロウエモンは白木の鞘の脇差だ。それぞれがそれぞれの得物を身に着け、準備は整った。


 それを見て、ミクはコウジとセンに予備のブーツを渡す。足にはそれなりに合っている形にしてあるが、それは適当に仲間達の予備だったと言って誤魔化す。



 「しかし、こんなの借りて本当に良いのか? だってこれドラゴン素材のブーツだろ?」


 「ドラゴン素材のブーツ。言われてみれば納得ですが、どれほどの金額がするのか……。とても想像すら出来ませんね」


 『私が攻略してきたダンジョンには、地面の下から足を貫通させてくるモグラの魔物が居た。この星にも似たような魔物が出る可能性がある以上、対策は絶対に必要だよ。足下をおろそかにする訳にはいかない』


 「そんな魔物が出るんですか!?」


 『私が下から上がってくる際には見かけなかったけど、居ないとは限ってないって事。まあ、高い確率で居ないだろうけどね。それでも用心に越した事は無い。それと2人はコレね』


 「あれ? これ前のと違う……」


 『前に渡した槍は私が使いやすいように、突きをメインにした槍なんだよ。これはある程度使い勝手がいい十字槍になってる。センはこっちの方が良いと思ってね』


 「使い勝手が良いなら、何故自分で十字槍を使わないのですか?」


 『私にとっては突きに特化していた方が使いやすいんだよ。何故なら相手が知覚できない速度で突けるから』


 「「「「「「………」」」」」」



 言っている事がメチャクチャであるものの、しかし実力を考えるに事実なのだろう。そう思った6人は、相手が避けられないなら突きに特化した方が便利なのかと理解した。何故なら叩くより薙ぐより、突く方が圧倒的に速いからだ。


 そして知覚できない最速最短の致命の一撃が飛んでくる。それを理解した途端、確かに叩いたり薙いだりする必要は無いと理解できたようだ。何とも言えない顔でミクの方を見てくる6人。


 そんな6人を無視して窓を開け、ブーツを履いて庭に出るミク。それを見て慌てて庭に出る5人。どうやらやるべき事を思い出して慌てて出てきたようだ。


 そして映像を撮る許可をヤエに求めるコウジ。ヤエは悩んだものの認める事にしたようだ。代わりに配信する前に、自分の所に送ってほしいとも頼んでいた。


 話し合いも終え、ようやくダンジョンへと踏み出す。ヤエ達もそこまで緊張していないので、引率は苦労しそうにもない。そこだけは楽そうで助かると、ミクは安堵していた。


 完全な素人だと、どんな面倒が起こるか分からないからだ。


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