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0042・宿の部屋での話し合い




 食事を終えたミクは部屋へと戻り、服を脱いで下着姿になるとベッドに横になる。目を閉じて本体空間に意識の大半を移した。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 現在、本体はインゴットに出来る物を全て溶かしてインゴットにしている。レティーに探らせた盗賊団の記憶だが、あまり重要なものは無かった。どうやら工作活動としてやっているだけだったからだ。


 カムラ帝国の実験だが、あれはイレギュラーなもので、本来の彼らの仕事とは違うものであった。本来の彼らの任務は、ゴールダームの情報収集とゴールダーム内の闇ギルドの支援だ。


 <黒の右手>という闇ギルドはカムラ帝国が作ったらしく、ゴールダームで様々に暗躍している闇ギルドでもある。ゴールダームの南東にある<スワームル雑貨店>が彼らの拠点だ。


 今日の夜に強襲する事は既に決めているのだが、今はまだ早い為、こちらでの物作りに勤しんでいる。


 それはそうとエルフの所に1本、そしてジャンダルコの所に2本、ドリュー鉄で出来た武器があった。エルフの所にあったのはショートソード。そしてジャンダルコの所には曲剣が2本。


 ミクはインゴットを作りながら、同時にドリュー鉄で大型ナイフを作成している。その際、1本は前と同じ普通の片刃のナイフにし、もう1本はククリナイフとした。軽い男が使っているのを見て、良さ気に思えたからだ。


 完成した物は本体の爪で整えて研ぎ、新しく作った剣帯に付ける。なかなかに装備が充実してきて喜ぶミクだが、どうやら部屋にイリュとカルティクが来たらしいので、入室を許可した。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 「私も来させてもらったけど、何やら厄介な話があるらしいわね?」


 「厄介ではないかな? 聞かせるべきか、そうでないか悩むというくらい。特にどうこうという事は無いよ。強いて言うなら、面倒臭い事を聞いたなと思うぐらいかな」


 「何だか急に聞きたくなくなったけど、聞いておかないと怖いし。困ったものね」



 そう言いながらも笑っているイリュは、ミクが寝ているベッドに腰掛けた。カルティクも腰掛けるが、ミクは起き上がる気が無いらしい。一応邪魔にならないようにベッドの端に移動はしているが。



 「まず最初は南の盗賊からかな? 南の盗賊はジャンダルコの工作組織だったよ。何だか軍人風の男が盗賊の頭をやってたんだけど、調べている最中にエルフィン樹王国の者が攻めてきて争いになってた」


 「エルフィン樹王国ねえ……。あそこ一部に過激派というか、差別主義者の連中がいるのよね。その大元には、自分達は選ばれし者だとかいう、頭のおかしい考え方があるんだけど」


 「ああ、あの頭のおかしい連中ね。他の種族も見下して、自分達がこの世で一番至高だとか悦に入ってる気持ち悪い奴等。あれが攻めて来ていたって訳か」


 「結構な人数で攻めてきていたから本気で潰す気で来てたね。ジャンダルコの盗賊がエルフィンの商人ばかり狙っていたのもあるんだろうけど。それと、ジャンダルコは奪ったりした食糧を本国に届けてたみたい。アイテムバッグがあったから」


 「アイテムバッグだけあっても仕方ないけど、調教した鳥の魔物なら運べなくもないか。もしくは、砂漠の大ラクダで運ぶとか?」


 「大ラクダで運べば確かに早く着くだろうけど、それでもそれなりに時間は掛かるわよ? それでもアイテムバッグ分、大量に運べるでしょうけど。でも国を挙げてそんな事をするかしら?」


 「どこかの手の者がやっていたと? まあ、何処の国も一枚岩じゃないし、それぞれに思惑があって動くからねえ。何を考えてるのかは知らないけど……そういえば、そこの盗賊団はどうなったの?」


 「結果的には壊滅。ただしエルフも含めて全員ブッ殺しておいたけどね。ゴブリンの姿になって襲ったから、どいつもこいつも私を見下して舐めてくれたよ。御蔭で楽だったね」


 「「………」」


 「唯のゴブリンだと思ってたら、絶対に勝てない怪物とか……詐欺よね? 完全に」


 「どう考えても詐欺よ。メチャクチャすぎるし、見た目はゴブリンなんだからどうにもならないに決まってるじゃない。一体しかいないなら十分勝てると思うわよね、普通は」


 「普通を言われても困るし、相手が舐めたのが悪いんだよ。どんな相手も舐めないで戦うのは当たり前でしょう。それをしなかった奴が悪いんであって、別に詐欺でも何でもない」


 「いや、目の前に居るのはゴブリンじゃなくて絶対に勝てない……どのみち何をやっても逃げられないうえに殺されるしかないんだから、そもそも詐欺じゃないのか。死ぬのは確定してる訳だし」


 「そうね。ミクに心変わりがない限り、死ぬのは確定してる。それだけは変わらない事実よ」



 2人は頷きながら納得しているが、ミクはそれを見て呆れている。確かに逃がす気など無いが、最初から諦めすぎではないかと。


 とはいえ2人は抗っても無駄だと知っているが故に、余計な事をしても……という思いしかない。これはミクと2人の間では、決して分かり合えない部分だろう。



 「次は西の連中だけど、こいつらはカムラ帝国の連中だった。本来の目的はゴールダームの闇ギルド、<黒の右手>の支援みたい。その闇ギルドはカムラ帝国が作ったんだってさ」


 「聞いた事あるけど、特定はされてなかったわよね? カルティクの情報に2~3度出てきた事があったと思う」


 「ええ、何度かイリュディナにも報告した筈。実態が明らかに出来なかったから、それっぽい闇ギルドがあるとだけ……。もしかして分かったの?」


 「うん。レティーが脳から情報を引きずり出してくれたからね。南東区画の<スワームル雑貨店>というのが闇ギルドのアジトだよ。今日の夜に強襲して殲滅してくる」


 「ああ、そうよね。場所が分かったのなら、これで攻める事が出来る! って思ったんだけど、ミクが攻めたら終わるわね。ついでに情報も脳から根こそぎ奪われるし」


 「敵に同情はしないけど、ざまぁとも思えなくなるわね。目を付けられた時点で終わりの気もするし、逃げられないし抗えない。徹底的に自分達の事を秘匿するか、クズな振る舞いをしなければ……」


 「でも、それって奴等に絶対できない事じゃない? そもそも真っ当な奴等じゃないから問題なんだし」


 「まあね」


 「カムラ帝国の組織だった西の盗賊団を潰した後、帰り道で豪華な馬車が立ち往生してた。近くを通ろうとしたら助けを求められて、仕方なく助けようとしたら殺し合いを始めた」


 「「???」」


 「何か元々襲う事を決めてたらしく、侯爵家の息の掛かった奴等だったみたい。で、襲われていたのはジャンダルコの第三王女だった。名前はニムフィス・ラワト・ジャンダルコと言ってたね」


 「………うん。聞いた事のある名前と一致するから、おそらく本物だと思う。<雪原の餓狼>といい、何をしにゴールダームに来たのやら?」


 「<雪原の餓狼>はエクスダート鋼の輸出依頼をするとか言ってたような……。ま、それだけじゃないんだろうけど」


 「それだけで<雪原の餓狼>が動くとは思えないわ……。ジャンダルコの第三王女も動いているとなると、何か大きな動きがある? 怪しいのはフィグレイオかカムラ?」


 「カムラの所業はここ最近明らかになったばかりだし、その所業は知られていない筈よ。一部の味方である貴族には密かに伝えたけど、ミクには届いていないでしょうし半信半疑でしょうね」


 「スラムの狂ってしまった者達はミクが食べたらしいし、そうなると狂った住民という証拠が無いものね」



 仕方がないとは言えるが、証拠となる者まで喰い散らかしたのは問題かと、少々反省するミクであった。


 実際には全部は食べ切れておらず、証拠のように使える人物は居るのだが、この時は誰も気付いていないのであった。


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