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0450・獲物の売却




 リビングでゆっくりと涼む3人と2匹。そんな中、リオがリビングにやってきて色々と聞いてきた。どうやら聞きたいのはセリオとレティーにらしい。セリオは何となくで日本語が分かっているが、これもミクの血肉によるものだろう。



 「へー、大きくなる時に妙な違和感とかは無いのね。多少の感覚は違うけど、でもどちらも自分であり動くのに支障は無い、か。大きい小さいは別に関係なく、どちらも自分である事に変わりはないという訳ね」


 『そもそも大きくなった姿が元の姿と言えるのかな? だから小さい姿の方が別の姿って感じ。でも、こっちの姿の方が楽なんだよねー』


 「あの大きい姿が元々の姿かー。そりゃとんでもないけど、あの姿ならそりゃ不便だろうなぁ。あれ高さだけで4メートルくらいあったからさ。あれじゃ家の中とかは無理だわ」


 「そんなに大きいの? 高さ4メートル……」


 「大きすぎて魔物が後ろを向いて逃げて行ったもんね。あれは私も初めて見た。勝てないって分かったら、魔物も逃走するんだよ」


 「成る程。大きくなって正体を現し、敵が逃げていくか戦意を失くす……水○黄門かしら?」


 「印籠じゃないんだからさ、それは違うでしょ。それよりお母さんに車を出してほしいらしいよ。庭のダンジョンの10階にオークが居て狩ってきたの。ウチのお肉は確保してあるから大丈夫」


 「あら、オークって女性ばかりを襲う性犯罪者でしょ? お肉は美味しいって聞くけれど、それを食べるのはどうなのかしら」


 「それでもミクの居た星よりはマシだよ。ミクの居た星のオークは、猿と猪を足した顔で、鰐みたいな牙を持つんだって。そして男女関係なく犯した後、食われて死ぬそうだし」


 「………マシっていうのはアレだけど、命があるだけマシなのかしら。少なくとも襲われた女性は死んでないのよね?」


 「男は死ぬけど、女性が殺されたとは聞いた事が無いね。死亡は聞いた事があるけど、それはオークに襲われた後に別の魔物に襲われたかららしいから」


 「それはともかく獲物を売りに行ってきたら? こっちはミクに言ってお肉の熟成をしてもらっておくよ」


 「そうだな。そうするか。母さん、頼める?」


 「ええ。ガソリン代以上を貰ってるし、そこまで時間も掛からないから構わないわよ」


 「ミク、あの熟成機っていうの出して。私オークのお肉って食べるの初めてなんだよねー」



 ミクはリビングに熟成機を出し、下部にある魔石入れに魔石を入れて起動。「ヴーン」という音と共に動き出した。ミクでさえ一度も使った事が無いが、放っておけば良い事は知っている。なので問題が起こるとは思っていない。



 「じゃあ、すまないけど車に獲物を乗せてくれるか?」


 「分かった」



 ミクは大きめのワンボックスカーに獲物を所狭しと乗せ、車が多少沈んだものの、何とか動く事は出来そうであった。全てのドアを閉めた車は、そのまま車庫を出て、最寄のダンジョンへと進んで行く。


 それを見ていたミクを引っ張り、センはリビングへと連れて行く。どうやら魔法を教えてほしいようだ。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 Side:北条光時



 「コウジ。ミクさんはどうなの? おかしな人には見えないけど、暴れたりとか……ありそう?」


 「いや、全く。自分の知らない所に来たら、慌てたりとか怯えたりとかしそうだけど……そういうのは一切無いね。何というか、何処ででも生きていけそうな感じ。ハッキリ言えば強いからだろうね」


 「強い人は、心も強いって事かしら?」


 「たぶん……。ガイアみたいに体を鍛えたりしてるだけの強さじゃなくて、殺し合いをしてきた人の強さなんだと思う。そういう芯の強さみたいなのを感じる」


 「成る程ね。だからこそ何処ででも生きていける、か。怖いとも言えるし、そういう風な生き方しか出来なかったのかしら? まあ、そこは深堀しなくてもいいところね。誰にでも言いたくない事はあるのだし」


 「そうだね。流石に他人の生き方にどうこう言える人は多くないと思うよ。そもそも犯罪をした訳でもないんだし。それよりアイテムバッグを大っぴらに使えないのは厳しい。まあ、大っぴらにした方が問題は大きいだろうけど」


 「本当にね、っと。新宿ダンジョンに着いたから、行ってきてくれる?」


 「了解、了解。前にも来たから、今回はスムーズだと思うよ」



 俺は車を降り、買い取り所の裏にある解体所で解体をしている人達に話す。前もここで話して車を横付けさせてもらったんだ。そして解体所の人達にも手伝ってもらって下ろしたんだよ。



 「またお前か、坊主。持って帰ってくるのはいいが、お前の荷物は重いんだよなぁ。まあ、その分こっちも儲かるらしいから、文句も言えないんだけどよ」


 「おーい。昨日の坊主が今日も来たぞ。お前ら手伝えー」


 「「「「「「うぃーっす」」」」」」



 解体所の人達が出てきたので、母さんの車に向かい横付けするように言う。解体所のすぐ近くに横付けされた車のドアを開け、中から獲物を出していくんだが大変だ。幾ら血抜きが完璧でも、重いものは重いんだよ。



 「こりゃまた、よく車にこれだけ乗ったな。オーク7体に、これはウィンドウルフが3頭か。それに、この青いのはブルーラビットの皮か、あとは魔石だな。とにかくオーク7体を頑張って出すか!」



 俺も手伝って必死に出すが、やはり思ってる以上に重い。これをあっさりと出し入れ出来るアイテムバッグって、本当にチートだと思う。重さもなく持ち運べるなんて反則だ。



 「ふぅ。人手があっても重いもんは重いな、まったく。昨日もそうだったが、相変わらず物が良いし余計な傷が付いてねえ。オークの皮も防具なんかにゃ使えるから買い取れるし、1体で2万ってトコか」


 「えっ? 税金引かれて1万7千じゃなかったんですか?」


 「ばっか、税金引いて2万に決まってるだろうが。1体丸々で持ってくる奴なんて普通は居ねえんだよ。だから全部の素材を纏めりゃ、1万7千ぐらいだってこった。ワシだって丸々持ち込まれたのを見るのは初めてだぞ。しかもこんな綺麗なのも初めてだ」


 「へー……そうだったんですね」


 「おめぇ、結構非常識な事をしてるって自覚ねえな? どこのダンジョン行って狩ってきたのか知らねえが、教えろって奴等が湧いてくるぞ。注意しろよ?」


 「そう言われても、ウチの庭に出来たダンジョンなんで……」


 「あぁ、私有地ダンジョンか。そりゃおめえさんだけの特権だな。代わりに責任もおめえさんに掛かってくるけどよ。ま、儲かるならなんでも良いか。1日の稼ぎが14万超えだからな。奥さんも鼻が高いだろ」


 「まあ、それはそうですね。このままダンジョンコアを壊さなくても良いかと思える程です」


 「だろうなぁ。1人でオークが狩れるなら十分過ぎらぁ。腕一本で稼いでいけるだろうし、それを運べるなら十分だな。どうやって運んでるのかは知らんが……」


 「一輪車とか妹にも手伝ってもらって何とかですね。流石に一人じゃ無理ですよ」


 「ああ、成る程。それなら分かる。流石に一人で持ち上げられない物をどうやって車に乗せたんだってなるからな。あんまり妹さんを酷使してやるなよ」


 「分かってますし、大丈夫です」


 「オークが1体2万、ウィンドウルフが1頭で5千、ブルーラビットの毛皮が1枚1700で8枚、最後に魔石を全部纏めてで1万1200。合計で17万9千800円だ。よく稼いだなぁ」


 「そんなに高値になるんですね。頑張った甲斐がありますよ」


 「だが、命あっての物種だ。とにかく怪我を負わないようにしろ? 死んだら悲しむ人が居るうちは無茶するんじゃねえぞ」


 「ええ。流石に無茶はしませんよ」


 「そうか、ならいい。最近はまたダンジョンを舐めてる若い奴等が増えててな。鬱陶しいだろうが、覚えておけよ。残されたもんは大変なんだからな」



 俺はお金を受け取って、頭を下げてから車に乗る。別に鬱陶しいなんて思っちゃいない。俺だって<いのちだいじに>で頑張ってきたんだ。ただ、その魔物をことごとく殲滅したのは俺じゃないけどな。


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