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0434・喰らうもの




 ボスの居る部屋は随分と広そうだったが、ミクは【浄滅】を使い瘴気と悪意を滅ぼしていく。すると黒いドロドロした人型がこちらに近付いてきた。



 『貴様は誰だ、何の用で来た?』


 「私はお前を滅ぼす為に来たんだよ。それ以外に目的は無い」


 『……愚かな。やはり人間種は何も変わっておらぬか、もう滅ぼした方がっ!?』



 慌てて離れる黒い神。何故ならミクが急に襲いかかり、体の半分が喰われたからだ。ミクは納得いかないような表情をしており、黒い神の表情は分からないが、焦っているような雰囲気だ。



 『貴様はいったいなんだ!? 先ほどのおかしな口といい、人間種ではないようだが、どういう事だ!? なぜ神たる私が喰える!?』


 「そんな事で驚いているのか。そもそも私を人間種と勘違いしたお前が悪い。私は<喰らうもの>。根源の神に創られし、お前達のようなゴミを喰らう存在だ」


 『私がゴミだと!? ふざけおって!!』


 「封印されるような事をやらかしたヤツがゴミでなくて何なのだ? それともお前は自分が素晴らしいから封印されたとでも言う気か? 星に悪意を撒き散らしすぎたと聞いたがな」


 『なっ!? 何故それを知っている!? あれは数千年前にしかやっておらぬのだぞ!!』


 「そうなのか? 善を司る神とやらが、そう言っていたぞ。まあ私が喰って滅ぼしたがな」


 『なんだとっ!? ふざけるなぁ!!』



 黒い神が突如、黒い波動を放ってきたが、ミクはその波動を貪り喰う。そもそもこの程度のものがミクに効く筈など無い。



 「どうやら悪意の塊を撃ち込む事で、相手の精神を汚染するようだが……下らんな。神とはいえ、星に連なる神では所詮この程度か」


 『くそっ! 全く効いていないだと!?』


 「私は<喰らうもの>だと言ったろうが。私にとっては<精神>も<魂>も<空間>も<時間>も<波動>も<次元>も何もかも、全て喰うものでしかないのだよ。だからこそ<喰らうもの>なのだ。根源の神が星の神程度に負けるような者を創るとでも?」


 『この、化け物め!!』


 「それは私に対する褒め言葉だな。何故なら私はその為に創られた、最強の怪物なのだ。さて、話は終わりだ、悪の神。そろそろ喰われてもらおうか」



 ミクは自身の体を巨大な肉塊に変え、そこに巨大な口を作り出した。そしてその口が開き、高速で閉じられる。その瞬間、黒い神は喰われた。ミクが全く動いていないにも関わらずだ。



 「抵抗をしようとしていたのか、もしくは何か考えがあったのかは知らんが、私は空間も時間も喰えると言ったのだがな。元来は喰う為に移動の必要も無いのだよ。ま、もはや言っても仕方のない事ではあるが……」



 ミクは元の女性体に戻り、神の権能の一部を試して調べる。どうやら他者の善意と悪意を増減させる事ができるようだ。その程度と言えるだろうが、なかなかに便利だとも言えるだろう。そう思っていると、突如として視界が切り替わる。


 いきなりの事で警戒するものの、そこは本体空間だった。



 『「あれ? 何で本体空間に分体が戻ってきたの? ……これってどういう事?」』



 そう思った瞬間、根源の神々が周囲に姿を現す。車輪のような形であったり、100個以上の目が付いた手であったり、大量の鼻がついた足であったりという、個性豊かな姿である。



 「どうやら時間は掛かったものの、1つ目の星の事を終わらせたようだの」



 話し掛けてきたのは、女性の豊満な胸が50個ほど付いた巨大な尻だった。どうやらコレも根源の神らしい。何を司っているかはサッパリだが、何かを司っているのだろう。



 「もう少し早くあの愚か者を喰うかと思っていたが、結果としては良かったのではないか?」


 「あの愚か者の瘴気や悪意を受けて変質したのが、あの<狂乱王>とか呼ばれておった矮小わいしょうなる存在であるからな。まさか【死霊術】で瘴気を浴びて、あの愚か者の悪意を受け取るとは」


 「その国もこやつが崩したのだ、後は少しずつ変わるであろうよ。あのような星1つに長々と時間を掛けられても困る。各宇宙には数えるのも面倒なほど、あんな星はあるのだ。早く次に行かせねばな」


 「そうじゃそうじゃ。次は少々知識も技術もあるところぞ。といっても、その分だけ欲と悪意に塗れておる。お前としてはちょうど良かろう? そこの2匹は連れていっても構わん。だが、お前のアイテムバッグに入っている物の幾つかは持っていけん」


 「じゃあ、どうするの?」


 「あのアレッサとかいうののアイテムバッグに移動させておく。ついでにお前が戻らん事も紙に書いておいてやろう。次に行く場所の知識もある程度は与えてやる。それでは受け取れ」


 「ヘッ? ガァッ!?」



 またもや知識をブチ込まれて悶絶するミク。神どもはコレばかりかと思いつつ、次なる星の知識は入ってくる。それらを精査しつつ、次は面倒臭い場所だと理解したようだ。


 痛みが治まるまで我慢し、痛みが治まった後でやっと思考を始めるものの、既に神々は居なかった。



 「あー、痛かった。やっと治まったとはいえ、毎回々々止めてほしいよ。それはともかく、持って行けないのは、向こうには無い物ねえ。巨人製のスコップとかは無くなったから、巨人は居ないのかな? それと魔物の胃袋の水筒も無くなってる」



 アイテムバッグをゴソゴソと探っていると、急に根源の神がやってきて、ミクにアイテムバッグを渡す。何かと思ったら、ドラゴンの皮で出来ているらしい。



 「それだけではなく、そのアイテムバッグの中は時間が停止するようになっておる。なので物が腐ったりはせん。1つ目の星を終わらせた褒美だ。それと、そのアイテムバッグはお前しか使えんから注意せよ。他の者が手を入れれば切り離されるぞ」


 「それは、また……。武器に出来そうなアイテムバッグだねー、しなくても勝てるからしないけど。まあ、ありがたくもらっておくよ。ところでアイテムポーチも同じに出来ない? 取られると面倒だし」


 「ふむ、確かにな。ならば所有者登録のついでに、そなたには位置が分かるようにリンクさせておくか。そうすれば奪われても簡単に取り返せよう?」


 「そうしてもらえると助かるよ。どうやら次の星は手癖の悪そうなのが多そうだし、さっきの惑星とは違って法律で縛られてる部分が大きい。持って行かれる可能性は否定できないからさ」


 「あそこは少々面倒な事になっとるのと、そうでありながら固定された価値観がなかなか崩れん星だ。それゆえに既得権益者が面倒な事を言うてくるじゃろう。お前なら楽しめようがな」


 「まあね。……よし、新しいアイテムバッグとポーチに詰め替えられた。それで、いつ私は飛ばされるの?」


 「うむ。では行ってこい」



 そう言うとミクの分体は新たな星へと飛ばされた。相変わらずいきなりだなと思う本体は、質問をしてみる。



 『そういえば、あの黒い神を喰えば終わりなら、何故最初に目的を言わなかったのだ?』


 「そんなもの、お前を片手間で監視していたからに決まっておろう。とりあえずは問題なかったがの。何かあれば我らが面倒なのだから当然だ」


 『私とて、自分が面倒になるような事はせん』


 「それは監視しておって分かったが、監視していなければ分からん事だ。お前にゴミ掃除を任せられそうなのでな、これからは我らのやるべき事に集中できそうだ」


 『そうか……っと、向こうに着いたか。妙に時間が掛かったが、とりあえず該当の惑星のゴミ掃除を始める』


 「うむ。励むがよい」



 そう言って根源の神は消えた。ミクは新たな星のとある場所に降り立ち、今は移動している。新たな場所に送られたとて、やる事は変わらない。何処まで行っても肉塊の仕事はゴミ掃除である。



 後書き



 これにて第一部が終了です。元々最初からゴールダームのダンジョンの最奥が、この星での終了地点だと考えていたので、最後は駆け足になりましたが終了となります。


 私の作品では負けて逃げた奴がパワーアップなどはいたしませんし、強い奴に挑んで負けて修行パートとかありません。更には新たな四天王が出てくるとか、魔王の後に大魔王が出てくるとかもありません。


 理由はそこに不自然さを感じてしまい、どうしてもそういう方向の作品は書けないからです。俗に言う、ラスボスは勇者が子供の内に殺してしまえよ、というヤツですね。


 だからこそ、主人公を最初から強い位置においてバランスをとっています。とっているというより……とれてればいいなぁ、といったところでしょうか。


 第2部は現代ダンジョンもののような形で、別の地球っぽい感じの惑星です。地球ではありませんので、あしからずご了承ください。


 少なくとも読んでいただけている方が居る事で励みとなっております。いつも読んでくださる方々、「いいね」を押してくださる方々、真にありがとうございます。

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