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0431・第9エリアのボス




 夜。ミクはムカデの姿になってダンジョンへと移動。第9エリアの魔法陣の上に立ち、オークの姿になって転移。透明のまま走って行き、崖の上を進んで行く。曲がりくねったりしているものの道は1つしかなく、あっさりと階段に着いた。


 2階も同様で小型のワイバーンみたいな魔物が多く居るだけであり、それ以外は何も変わらない。そのまま進んで行き3階、4階と下りていく。5階に到達したものの地形は変わらず、変わりに鳥系の魔物が増えていた。


 ミクは透明を解除し女性体に変わると、小型ワイバーンと鷹や鷲のような魔物が一斉に近付いてきた。そのまま何をするのかと思えば、【強風】や【旋風弾】の魔法を連発してきたのだ。


 とはいえミクが飛ばされる筈もなく、敵を触手で串刺しにして食い荒らす。それを見た魔物は一斉に逃げていってしまった。こちらを落とそうとするだけで、実際には根性無しばかりだったようである。


 そのまま進んで行ったものの、特に何もなく10階へ。唯一あった事と言えば、【風神の息吹】を使った所為で自分も吹き飛ばされた事だろうか? あれにはミクも驚いたが、2度と崖の上では使わない事を誓ったほど派手に吹き飛ばされたのだ。


 そんな下らない失敗をしつつも10階。気負いも無く中に入ると入り口が閉まり、魔法陣から現れたのはドラゴンだった。緑色の鱗のドラゴンであり、明らかにドラゴンと分かる形状をしている。


 ミクはどうするかと悩んだものの、ドラゴンは口を開けてブレスを吐こうとする。ミクは即座にマジックキラーを投げると、口の中へと突き刺さった。



 「Goaaaaa!?!!」



 口の中に小さな物が刺さった感じだろうか? ドラゴンは胴の大きさだけでも8メートル、体高は4メートル以上あり、首の長さだけでも3メートルほどある。尻尾の長さも5メートルほどあるのだから、今ままでの魔物の中でも最大のサイズだ。


 巨大トカゲことフレアリザードもそうだったが、魔物が吐くブレスはおそらく魔力由来なのだろう。ドラゴンもマジックキラーが刺さった事でブレスが吐けないらしい。これはラッキーと思いつつ、ミクは長巻を持ってドラゴンに切りかかる。



 ドラゴンはすぐに反応し、左前足でミクを潰そうとするが、【身体強化】で加速したミクはドラゴンの手を掻い潜って接近。魔力を通して腕の付け根を狙う。ところが「ギィン!」という音と共に弾かれた。


 慌てて腕の間をすり抜けて後方へと逃れたものの、まさか巨人素材の長巻が弾かれるとは思っておらず、困った事になったと悩む。その間にもドラゴンは側面に居るミクに向き直ろうとしており、ミクは腹に向かって切りかかった。


 しかし腹の鱗にも弾かれ、とてもではないがダメージが与えられない。口の中は効いたものの、あれは柔らかいからであり、おそらくそういう場所でない限りは効かないのだろう。


 他に攻撃する場所もないミクは困ってしまい、仕方なく触手を使い首を刈る。ミクとしては納得がいかないものの、倒せないのであれば仕方ない。儀式魔法を使えば倒せるとは思うが、それをして勝っても素材はボロボロだろう。


 そんな勝ち方には意味が無いのだ。ドラゴンの方もまさか一撃で首を落とされるとは思っていなかったのだろう、驚いた表情のまま死んでいる。出口は空いたもののミクは巨大な肉でドラゴンの死体を覆い、本体空間へと転送しておく。


 それが終わると脱出の魔法陣から外へ出るものの、ミクすぐに第9エリアへと入った。今は第10エリアを調べるよりもドラゴンの乱獲の方が先であり、装備を整えなければ行けない。


 今度は透明なピーバードの姿で飛んでいきつつ、本体は武器を作成する。まずはドラゴンを倒せる武器。そう、ドラゴンキラーやドラゴンスレイヤーと呼ばれる物を作らなくてはいけない。


 そんな事を考えつつ完成したのは、太く強靭な長巻だった。ドラゴンの牙と爪と骨と鱗と魔石を混ぜ、ミクの粘液と血を混ぜて作った物。何故か緑色に赤が混じったような色になったが、切れ味は今までで最高なのは間違い無い。


 ミクの血の御蔭か、ドラゴンの皮と鱗をあっさりと切り裂いたのだ。これで武器は完成だと言えるのだが、また防具を含めて一新しなければいけない。ミクはガックリとしながらも、武具を作りながらドラゴンを目指すのだった。


 そして2戦目。相変わらず開幕直後にブレスを吐こうとするので、口の中にマジックキラーを投げ込む。これでブレスが使えなくなったので接近。今度は右手を水平に薙いできたので後ろに下がり、【身体強化】で一気に接近する。



 「Gyaaaaaaaa!?!!??」


 (やっぱり思った通りだ。この武器なら問題なく切り裂ける。流石はドラゴン素材と言うべきか、それとも私の血と言うべきなんだろうか?)



 そんな事を考えつつも首の根元へと接近し、長巻を一閃。首の半分を切り裂いた時点で血を噴出したドラゴンは、反撃も出来ずに失神して死亡。ミクの勝利となった。



 (切り裂けるようになったのはいいけど、それでも簡単には倒せないね。やはり首が長かったり体が大きい所為だろうけど、ドラゴンってのは厄介だよ)



 本体の所にドラゴンの死体を送ったミクは、再び脱出して第9エリアへ。後はドラゴンを最速で周回するだけである。



 ◆◆◆



 12戦した後は宿へと戻り、朝まで物作りにいそしんだミク。起きたアレッサとティアに挨拶し、武具の全てを出させて交換する。



 「まさか第9エリアのボスがドラゴンで、昨日の今日でまた装備が変わるとは思わないわよねー。普通は」


 「まさかドラゴンの皮と鱗で作られた鎧とは……。これは国宝以上の物ですよ? なんだか不思議ですが、一周回って冷静な自分が居ます」


 「分かる。ドラゴン素材の武具って言われても、なんか実感ないのよねえ……」


 「じゃあ、これ。食べてみれば実感が出るかもね」



 そう言われ、出された干し肉を食べるとビックリする。その美味さたるや、今までの肉を全て置き去りにするほど美味しかった。何故なら味わう事に一所懸命で、目の焦点すら合っていないからだ。そしてそれはセリオも変わらない。



 「「………」」 『………』


 「食べるのは良いんだけどさ、装備を整えてくれない?」


 「「!?」」 『………』



 2人はミクに声をかけられて正気に戻ったものの、関係のないセリオは未だ正気に戻ってはいなかった。アレッサとティアの装備を回収し、ミクはドラゴン素材の装備に交換する。


 2人は大喜びで身につけたものの、絶対にドラゴンとは戦わないと宣言した。まあ、普通の探索者なら断るだろう。どう考えても勝てないのだから。


 それは気にせず、準備を整えたミクは食堂へと移動。注文をして大銅貨12枚を支払ったら、席に座って雑談をしつつ待つ。3人も来たので挨拶し、3人の武器もドラゴン製に交換する。



 「防具はまだ出来てないから無理だけど、今日の夕方には渡せると思う。だから待ってて」


 「いやいやいやいや。ドラゴン素材の武器って時点でメチャクチャだからね!? というか第9エリアのボスってドラゴンなのかい? ……第9エリアのボスって事は90階なんだから、そこでドラゴンって事は100階はどうなる……んだろうね?」


 「さあ? 流石にドラゴン以上となると、さっぱり分からないわよ。それ以上ってなったらなに? 究極のドラゴンでも出てくるの? それとも星を滅ぼすようなヤツでも出てくるのかしら」



 ミクは最初から言っているが、アレが出てくる可能性が高まったなと思っている。


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