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0425・第4エリアの引率 再び




 <妖精の洞>を出た6人はそれぞれの目的地へと出発する。ミク、アレッサ、シャル、イリュは探索者ギルドへ。ティアは王城へと行き、カルティクは第3エリアへ。


 ミク達は探索者ギルドに着くと中へ入り、受付嬢に今日の近衛と探索者のダンジョン攻略について聞く。すると、ギルドマスター案件なので詳しくは分からないとの事。なのでギルドマスターの部屋に行く許可を取ろうと話す。


 そのタイミングでラーディオンが下りて来たのでキャンセルし、ラーディオンから直接話を聞く事に。ミク達が話しかけようとすると手で制され、ラーディオンはミクに中銀貨5枚を渡してきた。



 「あの黒い木5本の代金だ。ウィルドンもそうだが、解体師の連中め。値段をつけるのに苦労したのは分かるが、まさかお前さんに金も払ってなかったとはな。昨日発覚してビックリしたぞ。しかもワシが帰る前ときてる」


 「まあ、値段が決まらないのは仕方ないけどね。トレントと違ってそこまで危険じゃないから、値段としては分からなくもないし」


 「これでも安い方だが、確かにトレントと違って安全に手に入るからな。いや、周りの環境と魔物を考えたら、全く安全でも何でもねえんだけどよ。それでもボスじゃなく、唯の生えてる木ではあるからなぁ」


 「暑さと魔物に我慢すれば、手軽にお金稼ぎは出来ると思うけどね。もちろん第8エリアまで行けるなら、という条件付きだけども」


 「そりゃな。お、そうそう。お前さん達が貴族のボンボンを潰してくれたんだってな。昨日、王都守備兵から連絡があったぞ。何でも死刑にはならねえらしいが、それより酷い結果になるそうだ」


 「どういう事?」


 「話を聞いた王様が烈火の如くお怒りなんだと。それで第3エリアへの放逐刑に決まったらしい。ちなみに放逐刑っつーのは、身包み剥がされて素っ裸で放り込まれる刑罰だ。攻略できたら許されるんだが、できると思うか?」


 「「「「無理」」」」



 一斉にハモったミク達の言葉が答えである。確実に死ぬであろうが、死ぬ前にどれだけ苦しめられようと刑罰である。そしてそれは朝から執行され、死ぬまでの間は誰も入れなくなる。



 「要するに中の探索者を襲って、装備を強奪するのは許さんってこった。間違いなくゴブリンどもに喰われて死ぬ。今までダンジョンへの放逐刑で生き残った者はいねえ。とはいえ、これは探索者にしか行われない刑罰だがな」


 「貴族のはもっと酷いじゃない。両腕両足を曲げてから縛り上げ、森に放置するっていう刑罰よ。放置刑とも言われるけど、生きたまま喰われて死ぬ事に変わりはない。でも、許される方法が全く無いのよ、こっちの刑罰は」


 「万が一の可能性がある方と、全く可能性も無い方なら、確かに可能の無い方が酷いね。本質はどっちも然して変わらないけど、希望がある方がマシかねえ。隠れてやり過ごせれば逃げられるんじゃないのかい?」


 「無理だな。何故なら騎士がずっと追いかけてくる。隠れて凌ごうとしても騎士が「ガチャガチャ」音をさせながら追ってくるんで、自分の位置もゴブリンにバレるんだよ。そしてどっちを襲うのかといえば……」


 「そりゃ裸の方を狙うだろうねえ。たとえゴブリンであろうと、殺せる方を狙うのは当たり前の事さ」



 話の最中に入り口の扉が開き、ベルがギルドに入ってきた。後ろにいつもの護衛も見える。



 「すまない、少々遅れた。王城前の門を出る際にテイメリアと会ってな、城の中へと引き返して連れていっていたのだ。何でも昨日の今日で作ってもらったそうで、感謝する」


 「まあ、依頼だから気にしなくてもいいよ。まさか別れ際にサラっと依頼してくるとは思わなかったけどね。あれで問題ないとは思うけど、問題があるならティアが王太子から聞くと思うから、今日の夕方にでも聞くよ」


 「おそらくは問題ないだろう。昨日は私もハチミツ搾りに参加したくらいだし、手に付いたのを舐めて酷い目に遭った。とはいえ勿体ないしな、散々悩んだのだが……」


 「まあ、勿体ないというのは分かるわね。それより来たのなら早速行きましょうか。ダラダラと話していても仕方ないし」



 イリュのその一言で外へと出ると、既に近衛は準備万端で待っていた。それらと探索者の集まりを引き連れて、ミク達は第4エリアへと向かう。その道中でも近衛と探索者は離れていて近寄ろうとしない。


 揉め事を起こしたりなどさえしなければ問題ない為、ミク達は無視して連れて行く。



 ◆◆◆



 夕方前。脱出してきたミク達はこれで終わりだと背を伸ばす。中で特に問題が起きる事は無く、黙々と歩いて戦っただけだ。殿しんがりにミクとアレッサ、前方にシャルとイリュ。この状態で魔物に出来る事など殆どない。


 ボスもミク達だけでさっさと倒し、これで今日の引率は終了だ。明日は第5エリアだが、あそこは体力勝負なので大丈夫なのか悩むものの、今日の調子だと苦労する事は無い筈である。


 探索者ギルドに戻り、引率料である小銀貨2枚を貰ったら宿へと戻る。ギルドを出て<妖精の洞>へと戻り、夕方には少し早いものの食堂に行く。注文はせずにハチミツ水を作って飲んでいると、カルティクが帰ってきた。



 「おかえりー、なんか早かったわねえ」


 「今日は色々とあってね、早く帰ってきたのよ。私が思っていた以上に反撃で殺される連中が多くてさ、なんだか私の出る幕が無かったのよねえ」


 「たまにはそんな日もあって良いんじゃないかい? いつもいつもあんたが苦労しなきゃいけない訳じゃなし」


 「まあ、そうなんだけどさ。って、あれ? ティアはまだ帰って来てないのね?」


 「どうせ引き止められてるんじゃない? わたし達は時間が来たら食事にするだけだしねー、ってそろそろかな?」


 「そうだね。注文してお金払ってくるよ」



 ミクはいつもの女性に注文して大銅貨9枚を支払い、席に戻って待つ。シャルとカルティクも注文して払うと戻ってきた。後は適当な雑談をし、運ばれてきた食事を食べたら3人部屋へと戻る。


 今日はティアが帰ってきそうにないので、アレッサを綺麗にしたらベッドに寝かせ、ミクも狐の毛皮を敷いたら寝転がる。レティーとセリオは既に寝る態勢であり、ミクも瞑想の練習を始めた。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 朝。目覚めたアレッサに挨拶し、ミクも起き上がって準備を始める。片付けて綺麗にしたら、食堂へと移動し注文。大銅貨9枚を支払ったら席に座り、後は運ばれてくるまで暇潰しだ。


 3人も食堂に来たので賑やかになり、食事が終わったら探索者ギルドヘ。中で少し待つと、今日もラーディオンが下りてきて話す。



 「今日連れてってもらうのは第5エリアだ。調子に乗っていると死ぬからな、注意しろ!!」



 ラーディオンが激を飛ばすのも当然で、第5エリアからの難易度はグッと上がるからだ。……と思っていたら、どうやらラーディオンも行くらしい。



 「責任者が第6エリアに行けないってんじゃ話にならねえからな。流石に第8エリアに連れてってくれとは言わねえが、第6エリアぐらいには行っときたい」



 ラーディオンにも立場を含めて色々とあるのだろう。今回は第5エリアだが、連れて行く探索者の中には何故か<竜善>も含まれていた。既に第5エリアでお金は稼げる筈だが……。



 「戻りました時に色々ありましてな。ゴールダームの第6エリアまで行ったとなれば、若が少々色に溺れても文句は言われませぬので」


 「タイラン! 私は色に溺れたりなどしていない!」


 「今はそうかもしれませぬが、これからは分かりません。力をお借りしてでも第6エリアまで進んでおかねば、いつ竜頭山脈に帰る事になるか分かりませぬからな!」


 「「………」」



 タイランがそう言うと、なぜかそっぽを向くリュウハクとメイファ。



 「どうもメイファは避妊をしていない可能性が高いのです。兄にほだされたみたいでして……」


 「リュウレン!!」



 ミク達の近くに来て喋ったリュウレンは、リュウハクに怒られ脱兎の如く逃げ出した。まあ、仲が良くて何よりである。


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