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0417・久しぶりのハチミツ採取




 久しぶりの第6エリアではあるものの、やる事は唯のハチミツ採取である。1階の中央に行くと当然のように復活していたのでミクだけが近付き、肉塊の姿になって全ての蜂を食い荒らす。


 それが終わったら中央の蜂の巣を大量の触手で壊していき、ミクのアイテムバッグに詰めていく。終わったら2階へと行くのだが、ハチミツを採る事ばかりを考えていて、魔道具の実験を忘れていた。



 「2階では<閃光機>の実験をしてから蜂退治を行うよ。今の内に実験しておいた方が良いし、1階ではすっかり忘れてた。いつも通りにさっさと終わらせる事しか考えてなかったよ」


 「まあ、それはそれで、わたし達にとってはありがたいんだけどね。余計な怪我とかしないで済むし。とはいえハチミツをひたすら採りに来るっていうのも面倒だから、騎士に放り投げたいっていうのはよく分かる」


 「私も同じです。それに国の産業が1人の方にしか出来ないというのは決してよくありません。他の探索者か国の者が出来ないと、本当の意味で産業とは言えないでしょう。今はミク殿しか採れません」


 「そうなのよね。蜂がヤバ過ぎてどうにもならないし、シャルとカルティクが持ってる魔剣なら何とかなるでしょうけど、あれも本人の魔力を使うからねえ……。あの2人かイリュじゃないと使えないのよ」


 「そう考えると、限られた者しか使えないというのは決して良い事ではありませんね。魔剣に頼るというのも論外ですし、<閃光機>が上手くいってくれれば良いのですが……」



 2階に下りたミク達は中央へと進み、蜂の巣が見える所まで来たら準備をする。アイテムバッグとレティーとセリオを2人に預け、ミクは<閃光機>を取り出す。


 魔石を入れるところがあるが、自分の魔力でも使える様になっている事を確かめたら、<閃光機>を持って蜂の巣へ。当然ながら花畑を飛び回っている蜂が近寄ってくるものの、ミクは手に持った<閃光機>を敵に向かって使用する。


 何処かの青い星の者には懐中電灯と言えば分かりやすいだろう。それを大きくした物が<閃光機>だ。ちなみに<広照機>は円状の蛍光灯の形をしている。


 その<閃光機>に魔力を篭めた瞬間、凄まじい光が前方に広がり、一瞬で多くの蜂の網膜を光で埋め尽くす。どうやらミクが考えていた通り、この蜂の魔物は複眼に頼っていたらしく、目が見えなくなったら、まともには動けなくなった。


 大半の蜂は地面に落ちて動けなくなり、一部の物は見当違いの方向に向かって落下している。それでも一度では全てを倒せない。ミクは向かってくる蜂に対して2度3度と<閃光機>を使い、全ての蜂を落とす事に成功した。


 どうやら効果時間はそれなりに長いようなので、今の内に蜂を殺していく事にし、アレッサとティアを呼ぶ。



 「呼ばれたから来たけど、この見た目がねえ……ちょっと悪過ぎる気がするわ。1万匹の蜂ってこんな感じなのかもしれないけど、花が見えないぐらいに蜂だらけじゃない。近衛はこれをどう処理するのかしら?」


 「一番良いのは魔法で処理する事じゃない? <閃光機>は誰でも使えるし、下に落ちた蜂を魔法使いが焼き払えば良いでしょ」


 「そうですね。その方法が一番良いかと思います。言葉は悪いですが、それなら騎士達や魔法使いでもどうにか出来るでしょう。ミク殿のように正面からこの数と戦うなど、正気の沙汰ではありませんからね」


 「本当にねぇ」



 アレッサとティアも【火弾】や【火球】を放ち、動けない蜂を燃やしていく。動けない蜂など敵ではなく、簡単に燃やして殺していく2人。当然ミクもセリオも手伝っており、地味にレティーも手伝っている。


 そもそもレティーは使う機会が無いだけで、魔法が使えない訳ではない。ミクの血肉で高い知能を持つ為、魔法を使うなんて事は簡単に出来る。ただしブラッドスライムが魔法を使うなんて事は無い為、使うと面倒な事になると思って使わないだけだ。


 実際、自分で【清潔】や【聖潔】などを使って綺麗にしていたりするし、セリオを綺麗にしたりしている。ドンナも魔法は使えるものの、面倒臭がって他人に見えない所でしか使っていないらしい。


 蜂を燃やしたり武器で潰したりしながら処理を終え、蜂の巣は再びミクが大量の触手で処理していく。アイテムバッグに入るほどまで小さくし、中にハチミツがあるまま収納している3人。


 ちなみに蜂の子が居ると収納できないのかと思いきや、何故か蜂の子が居ても収納可能であった。謎ではあるが、別に解き明かしたい訳でもないので3人はスルーし、さっさと蜂の巣を詰め終えて3階へ。


 今度は複製していた<閃光機>をアレッサとティアにも持たせ、3人で閃光を放つ。とはいえ見るのは危険なので目は逸らし、何度か使ったら目線を戻すという使い方になる。


 それでも3人からの閃光は厳しかったらしく、あっと言う間に飛べない蜂だらけになった。これで実験は終了の為、地面の蜂は全てミクが食い荒らす。その方が早いからだが、やはりあっと言う間に終わり、次は蜂の巣の解体に移る。


 こちらも大量の触手で終わらせ、アイテムバッグに全て詰め込んだら地上へと戻る。今回の実験は大成功だったと言っても良いだろう。そんな事を話しつつ脱出の魔法陣まで戻り、地上へと転移した。


 地上へと戻ったミクはギルドヘと行って依頼を請ける。そもそも先に請けようが後で請けようがどっちでもいいので、受付嬢には先に物を採ってきてから請けに来ただけだと話しておく。



 「実際にダンジョンに行って採取してから依頼を請ける方もいらっしゃいますので、特に間違っていたり問題がある訳ではありません。依頼者の下に依頼物が届けば良いだけですので」


 「まあ、そうだよねえ。で、ベルからわたし達宛てに仕事が来てるでしょ? ハチミツ採ってこいってヤツ。採ってきたから請けたいんだけど?」


 「………はい。こちらですね。ベルカーラ第二王女殿下より、ミクさんへのハチミツ採取依頼。確かにありますので受領と致します」



 その時、何を思ったか急に1人の男が近付いてきた。ミク達には覚えがない男だが、何か怒っているみたいである。



 「ちょっと待ってくれ! 何でこんなチャチな奴等に王女様から依頼が来るんだ!? おかしいだろう! ギルドは何か贔屓をしてるんじゃないだろうな?」


 「贔屓も何も、この依頼はここに居るミクさん達への指名依頼です。指名された者以外が請ける事は出来ません。まさか無理矢理に請けさせろとでも言う気ですか?」


 「いや、それは言わないが……」


 「そもそも他人の依頼に対して文句を言うなど、随分とおかしな事をされますね? では貴方の依頼に誰かが文句を言っても許されるという事ですか?」


 「そんな事は言ってない! ただ、ハチミツを採ってくるなんて簡単な仕事だろう! それなら誰でも出来る依頼で良いじゃないか!!」


 「それを決めるのは依頼主であって貴方ではありませんよ? ついでに言えば、ミクさん達が採りに行ったのは第6エリアのハチミツです。貴方は採って来れるのですか?」


 「えっ!? ……いや、それは………」


 「恥を掻くだけだから、さっさと下がった方がいいわよ。あんたが正しいなんて事はあり得ないから。後、弱い奴がホザくな」


 「………」



 男はアレッサを睨むと、背を向けてギルドから出て行った。受付嬢も周りの探索者も呆れていたのに気付いたのだろう。


 しなくてもいい事をするから、バカみたいな恥を掻くのである。


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