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0401・エルフィンでの話 その2




 「先ほど言っておられたようにシャルティア殿が早々にバラされまして、その後に相談役にされてしまい去っていかれました。で、その所為でアレッサ殿が不寝番をする事になったのです」


 「そうそう。シャルが新しく将軍になった奴は、ミクに喰わせようか迷ってたヤツだったって言い出したのよ。それでミクが喰いに行く事になったんだけど、シャルは相談役になって将軍の近くに居る事になるしさー。結局わたしが不寝番をする羽目になったのよ?」


 「あれは仕方ないさ。その後も色々と話す事があったし、幹部連中をどう説得するかもガルドクスと話したりと色々してたんだよ? こっちだってさ」


 「それはそうかもしれないけど、ミクが離れる事になった原因はシャルでしょうが。にも関わらず、わたしが不寝番をしたって事を言ってるの」


 「はいはい、悪かったって。大変だったね」


 「むう、何か納得いかない!」


 「私が帰ってきた時にはアレッサも寝てたけど? 一番大変な時間に不寝番をしてたのはウェルドーザだったよ? ウェルドーザもその後、私に任せて寝たけどね。久しぶりで猛烈に眠いって言ってたし」


 「………」


 「楽なトコやっといて、あたしに文句を言うってどういう事だい?」


 「ヒュー、フュー」


 「全く口笛が吹けてませんね。話を続けますけど、その後は第1の町まで普通に行きました。それにしても何故エルフィンは王都以外は番号なんでしょうね? 第1の町とか第2の町とか」


 「分かりやすくて良いんじゃない? だいたいは西から番号が振られてるんだけど、バラバラな所もあるのよねー。歴史的な事を考えると、おそらく出来た順番に番号が振られているのだと思うわ」


 「あそこ、村だって1の村とか2の村だもの。適当すぎるって思うけど、結局どこの村も変えないのよねぇ。何でかしら?」


 「分かりやすいからよ。地元でそれっぽい名前を付けたりするんだけど、番号の方が分かりやすいのよ。名前付けても番号の方が便利だと、結局廃れるっていう事。わたしもお爺ちゃんから何回か聞いた事あるわ」


 「便利で分かりやすいってなったら、どうしてもそっちの方が優先されるわよね。長ったらしい名前よりも、1、2、3とかの方が分かりやすいのは確かだし、看板も書きやすいでしょうしね」


 「そりゃね。デッカく1って書けば済むんだから楽だろうさ。そうなってくると確かに長ったらしい名前が面倒臭いというのも分からなくはない。ただし風情は欠片もないけどね」


 「それは仕方ないわよ。食べて行く事が大事な農民にとって、村の名前なんて分かればいいだけだし」


 「話が横に飛んでるから戻すけど、第1の町の前で作戦会議してね。ミク達に門を破壊してもらう事を少々強引に認めさせたよ。魔法使いや弓兵を使ったところで、魔力や矢の無駄遣いだからねえ」


 「それはそうでしょ。門攻めなんて一番危険な所なんだから、最強をぶつけてさっさと開けた方が良いに決まってるわ。簡単に説明なんて出来ないでしょうけど」


 「そこはアレさ、あたしが<雪原の餓狼>だと匂わせて無理矢理に納得させたよ。必死に門攻めしたって時間の無駄だしね。門さえ開けば心が折れるヤツも多いんだ、それが早ければ早い程にね」


 「門が開けば敵が雪崩れ込んで来るって事だもの、耐えられないってなれば降伏するでしょうよ」


 「まあね。で、フィグレイオの魔法使いが駄目だった後わたし達が呼ばれて【火球】を連射。相手は最初【風壁】だったんだけど、その後に【水壁】に変えてきたわ。結果的に魔力枯渇で倒れた者が続出して終了ね」


 「何をやってるんでしょうね。【水壁】なんて維持に結構な魔力を使うでしょうに、何故その魔法を選択するのか意味が分からない。最初の【風壁】のままで良かったでしょうに。火が着いたら消せばいいじゃない」


 「冷静に考える事が出来るなら、そんなマヌケな事はしてないよ。戦場では冷静に考えるとおかしな指示が何故か通ったりするものさ。それも勝手な現場判断での訳の分からないのがね。いつだって愚か者は声がデカいんだよ」


 「声が大きいから騙されやすくなってしまうのよね。特にやる事が多くて忙しいと、疑問も持たなくなってしまうの。その結果負けるなんていうのも、昔から聞いてるわ」


 「門が焼け落ちた後はフィグレイオ軍の歩兵が制圧。必要な食料を買ったらさっさと先へと進んだよ。そこに居ても仕方ないし、町で寝泊りなんて自殺行為だしね」


 「それはそうよ。いつ暗殺系のスキル持ちが襲ってくるか分からないもの、避けられる危険は避けて当たり前。まあ、ミクなら喜んで囮になるでしょうけど、普通の者には無理よ」



 夕食も終わり、ミクはハチミツ水を作って飲みつつ、セリオにも飲ませている。セリオはどうやらまだ眠たくはないらしい。



 「第2の町もそこまでじゃなかったわね。門を焼いて歩兵が雪崩れ込んで終了?」


 「そうだけど、アタシも乗り込んだよ。大した者も居なかったからさっさと切り捨てていって制圧したね。第1の町より人数が多かったのと、【水壁】で守るなんてバカな事をしなかったから、多く残ってたのさ」


 「それはどちらかと言わずとも、【水壁】を使った奴等がマヌケだっただけでしょ。第2の町が本来の町攻めじゃない?」


 「まあ、そうだね。で、そこでも勝って第3の町へ進んだんだけど、流石に第3の町は手前で大休止だ。流石に森の中の町を攻めるのに休み無しじゃねえ」


 「その間に罠を調べるっていう事で、またミクをとられて不審番よ。仕方がないとはいえ、ちょこちょこあるのよねえ」


 「罠があっても困るんだから仕方ないさ」


 「私は夜中に罠を調べてたんだけど、後ろから斥候の連中がつけてきたから、適当に利用して放置。その後はムカデになって敵の工兵を次々に喰っていった。その間にも罠の解除はやってたよ」


 「まあ、それが本来の仕事でしょ? 罠を作っている工兵も邪魔だろうから、始末するのは当然だけど」


 「それが終わったら第3の町に侵入して、見張りを喰って情報収集したりした。それが終わって町の周りを調べたら、罠に掛かった魔物の死体が大量にあってさ。アンデッドになったら困るから浄化して回ったよ」


 「その時にミクが気づいたらしいのよ、これ【死霊術】を使う為の死体じゃないかって。ね?」


 「そう。それで死体を全て浄化してから、再び第3の町に侵入。そこを統治してた貴族を喰った。その結果、エルフィンの高位貴族と王族は【死霊術】を習ってる事が判明。どうやら【死霊術】の研究をしてた<狂乱王>が本を書いて残してたらしいの」


 「ここでも<狂乱王>? 本当に碌でもないヤツね。何と言うか、全部コイツの所為じゃないの、って言いたくなるわ。実際には側近を含めて色々なヤツがやらかしてたんでしょうけど」


 「それを纏められなかったのも<狂乱王>でしょ。結果としては何も変わらないわね」



 ミクやセリオ以外はお酒を飲んでいたのだが、酔ってきたのか顔が赤くなってきた。



 「その次の日に町攻め。門が焼けた後は詳しく知らないけど、疲れたシャルと膝に矢を受けたアリストラが運ばれてきた。アリストラの膝の皿は貫通してたから、巨人の骨製に交換して治したよ」


 「いや、巨人の骨製って……」


 「それもう、膝の皿っていうより凶器よね?」


 「今後は矢が当たっても弾き返すだろうから、その程度の強さはあるね。その程度でしかないけども」


 「いやいやいやいや。十分過ぎるでしょ!」


 「でもアルトムは全身その骨だけど?」


 「「「「「………」」」」」



 そういえばそうだったと、今ごろ気付く5人であった。


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