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0393・挟撃 その2




 ミク達は前方へと走って行くものの、その途中にも兵士が居て戦いになっていた。傭兵連中はどうしたんだと思うも、輜重の兵の外側で戦っている。敵は一気に雪崩れ込んできて乱戦に持ち込まれたのかもしれない。


 ミク、アレッサ、ティア、セリオはそれぞれ分かれ、敵軍のエルフを倒して行く。見れば敵軍の兵士だと分かるのは楽でいい。フィグレイオ軍にはエルフが1人もいないのだが、これは度重なる工作活動でエルフそのものを警戒している為だ。


 スパイの可能性が高く、そんな者を採用する事は出来ないという事である。ちなみに、まともなエルフの多くが行くのはカムラ帝国らしい。エルフが集まる集落のようなものがあるらしく、そこで集まって生きている者が多いそうだ。


 そもそもジャンダルコが中心だが、フィグレイオやゴールダームにも工作活動を多く行っている以上、少なくともそれらの国が兵士にエルフを採用する事はあるまい。それでも国内がエルフを毛嫌いしているジャンダルコよりは、フィグレイオやゴールダームの方がマシである。


 ジャンダルコでは工作活動が酷すぎて、あそこまで毛嫌いされても仕方のないレベルだ。それほどまでに好き勝手をしている。まあ、それを許しているジャンダルコが悪いとも言えるのだが。



 『どーん!』


 「ギャーーーーッ!!」



 またエルフが1人吹っ飛んでいった。エルフが木の葉のように飛んでいく様は周りのエルフにも伝わったのか、少し勢いが落ちる。とはいえセリオが勢いを止めてやる必要などないので、再び突進の構えをとった。



 「うあぁぁぁぁぁぁっ!!!」



 1人のエルフが突っ込んできて、セリオにメイスを叩きつけた。「ドゴッ!」という音がしたものの、セリオは何の痛痒も感じていない。



 「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



 セリオは気にせず角を相手の股座またぐらに刺し込み、後ろに掬い投げるように放り捨てた。当たり前のように高く舞い上がり、地面に叩きつけられたエルフ兵は呻くだけで起き上がれないようだ。


 その間にもミクやアレッサやティアは敵兵を殺していく。ミクはウォーハンマーで頭をカチ割り、アレッサはウォーアックスを適当に叩きつけ、ティアは素早く首を刎ねる。


 あっさりと殺されていく仲間を見て怯えたエルフ兵は後ずさりをするものの、逃げる素振りが無いので容赦なく殺していく3人。そこにセリオの突撃が決まり、また1人吹っ飛んで行った。


 離れた所に居るエルフが固まり、何やら魔力を集中させている。ミクは素早くそいつらの射線上に入り盾を構えた。



 「「「「【旋風弾】」」」」



 【風弾】よりも強力な魔法ではあるものの、所詮その程度の魔法でしかない。ミクのカイトシールドで楽に防がれ、反撃を受ける羽目になった。



 「【爆熱球】」



 ミクが放った魔法は一撃で【旋風弾】を放ってきた5人を焼き尽くし、その肉体を炭に変える。それを見たエルフ兵は我慢が限界を越えたのだろう、我先にと逃亡し始めた。


 当たり前だがそれを黙って見送るミク達ではない。追いかけながら魔法を使い、追いつけば頭をカチ割る。横ではアレッサがウォーアックスを投げつけて殺害しており、ティアは敵兵の背中を突き刺していた。


 セリオは突進して撥ね飛ばすので最も多くのエルフ兵を殺害しているようだ。ミク達が通り過ぎた後は死屍累々の有様ではあるが、戦争で敵兵に手加減する阿呆はいない。そんな事をしていれば味方が殺されるだけだ。


 どんどんと追いかけたものの、輜重の前方では味方が戦っており、そこに参戦せざるを得ず立ち止まる。セリオは追いかけたものの【念送】で止まるように言い、輜重に攻撃しようとしている敵兵を叩き潰す。



 「すまねえ! 来てくれて助かる! 前の方を助けに行こうと思ってたら、敵の奴等が雪崩れ込んで来やがったんだ!!」


 「とにかく敵の数を減らす! 私達は後ろから敵兵をブッ殺して来てるから、後ろは問題無い!」


 「そうか! なら今度はオレ達がブッ飛ばす番だな!!」



 そう言ってオドー達は奮起する。先程までは追い込まれていたが、それは今までの比ではない程に敵の数が多かったからと、敵が一気に突っ込んで来た為に対応が遅れたのが原因だ。輜重にも結構な怪我人が出ている。


 そんな中で再びミク達は暴れる。頭をカチ割り、輪切りにし、袈裟に両断して、撥ね飛ばす。やはりセリオが一番派手であり、それを見た敵兵は怖気おじけづく。撥ね飛ばされて吹き飛ばされるのは、やはりインパクトが強いようだ。


 戦いと言っても勢いなどで幾らでも変わる。今まではフィグレイオ軍が追い込まれていたが、ミク達が前方での戦いに参戦した段階で徐々に押し返しており、現在はエルフィンの方の勢いが衰えてきている。


 先程まで優勢だったにも関わらず、あっという間に逆転する。これもまた戦場の不思議の一つであろう。そんな事はお構いなしに殺していくミク達への恐怖もあり、遂に輜重前方を攻めていたエルフィンの兵も瓦解する。


 後は逃亡する敵兵を追いかけて始末していくだけだ。そうやって追いかけていると、今度は攻められている歩兵達の所にやってきた。中央に魔法使いと弓兵を配置し、その周りを歩兵が固めている。


 中央からは魔法使いと弓兵の矢が山なりに飛んでいき、敵に被害を与えていた。しかし敵も魔法を使って迂闊に攻めず、歩兵が盾で防ぐという構図になっている。


 どうやら一進一退の状況らしく、それで輜重を助ける事が出来なかったようだ。ミク達はそんな状況など気にする事もなく、敵に突撃して武器を振るう。


 頭をカチ割り、袈裟に叩きつけて胸元までメリ込み、首を刎ねて、撥ね飛ばす。先程からやっている事は変わっていないものの、死に様があまりに酷く、戦場の空気を変えるだけの殺し方をしている3人と1頭。


 ある意味で最も効率よく敵の士気をくじく方法である。方法ではあるのだが、それが出来るだけの技量があるのと、やる覚悟があるかは別なのだ。


 普通の兵士でさえ躊躇ためらう程度には酷い殺し方であり、逆に言えば、だからこそ敵の士気をくじく事が可能なのである。とはいえ誰も自分ではやりたがらないであろうが。


 とはいえ、それでミク達に対し顔をしかめる者は居ない。敵をむごたらしく殺そうが勝つ事が先であり、敵の士気をくじけるならば有効な方法なのだ。誰もやりたがらないだけで。


 そんな酷い殺し方をしつつも、着実に敵の数を減らしていく3人と1頭。当たり前だが、歩兵と戦っていたエルフ兵を横から強襲しているのだ。普通に戦うよりは楽なのである。


 そんな状況でミク達が暴れない筈も無く、猛烈な勢いで敵を蹴散らしながら進む。それは防戦一方だった歩兵の士気を回復し、攻めに転じさせる程のものであった。


 むしろ今まで防戦一方だった鬱憤うっぷんを晴らすかの如く、苛烈に攻撃を加えていく歩兵。やはりフィグレイオ軍は防戦よりも攻めで輝く軍なのだろう。今までとは違い、兵士が躍動している。


 そんな躍動する歩兵と共に押し返し、蹂躙しながら前へと進んで行き、遂にシャルが居る所までやってきた。それは良いのだが、何をやっているのだろうか?。



 「はぁぁぁぁぁっ!!!」



 メイスで敵の左肩を攻撃したアリストラは、前に倒れる相手の顔に右膝蹴りを喰らわせた。あれは唯の膝蹴りではない、真空飛び膝蹴りだ。……それは戦場でやる事か?。



 「戦場で余計な動きしてんじゃないよ! 確実に仕留めて、さっさと次を殺しな!!」


 「はい!!」



 なんだか師弟関係みたいになっているが、アリストラってあんなに戦場で躍動する人物だったろうか? この短期間にいったい何があったのか……不思議な事もあるものだ。


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